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健康護身術を指導している橋本実です。

氣とは何か?!

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、 今回は「氣とは何か?」というテーマでお話ししたいと思います。ただし、合気道という一分野の僕が理解できている範囲での氣について、個人的な意見を述べます。誤解のないようにお伝えしておきたいのは、僕の主張だけが絶対的に正しいという意図はありませんので、どうぞご了承ください。

本ブログでわかること

合氣道では「氣」という言葉がよく使われますが、その意味は非常に曖昧で、また個人によって主張が大きく異なるように感じます。そこで、このブログでは僕が考える最も現実的な気の考え方を紹介します。これによって、実際の合気道の技において「気」の概念をどのように応用するかが理解できるようになり、技術の向上にも繋がるでしょう。ぜひ最後までこのブログをお読みください。

目次

人知を超えた「氣」とは?!
物理世界と「氣」
タオイズムにおける「氣」
気をどう活かすか?!

人知を超えた「氣」とは?!

僕は合気道の達人である井口雅博師範に生前、「氣」という概念について何度か質問をしたことがあります。しかし、その時はまったく理解できませんでした。なぜなら、「氣」には人の理解を超えた部分とそうでない部分があり、それぞれの性質が相互に矛盾しており、理解を妨げる要素があるからです。

まず、人の理解を超えた部分についてお話しします。この話は以前にもこのブログで触れたことがあるかもしれませんが、気の説明に必要なのでしばらくお付き合いください。

ある時、僕は合氣道の師匠である井口師範に「氣とは何ですか?」と聞きました。すると、師範は僕に木剣を手に持たせて「後ろから打ってきなさい」と指示しました。しかし、誰でもそうだと思いますが、僕は他人を後ろから木剣で打つなんてできるわけありませんでした。だから最初は井口師範に当たる直前で木剣を打ち込むのをやめるることにしました。木剣が師範に最接近したとき師範は僅かに動いたのです。その瞬間、不思議なことですが自分の体が前に引っ張られるような感覚がしました。 師範は見ていないにも関わらず木剣が自分に近づいたのをキャッチして動いたわけです。私がそう気づいた次の瞬間 、「バカもん! ちゃんと木剣を振り切れ!」と師範は僕を叱りつけました。

このことで師範は木剣を確実に避けることができるとのだと僕は理解しました。そこで二度目に僕は思い切り木剣を師範めがけて打ち込みましたところ、体がふっと浮いたかと思うと、気づけば地面に転がっていました。

「これが気や! わかったか?」と師範が言いました。そう言われても、正直なところ僕には全く理解できませんでしたが、迫力に圧倒されて「はい」と答えてしまいました。ただ、人の理解を超えたものが存在するということは理解できました。

物理世界と「氣」

次に、合気道の技に応用できる、物理現象のレベルでの「氣」についてお話ししましょう。

ある時、僕は井口師範に「氣を使って人間は車に勝てるようになるのですか?」と質問しました。すると師範は「氣は人間だけが持つものではないんや!」と答えました。

師範によれば、車が動いているだけで既にその中には「氣」が存在しているそうです。そして車は「氣」の流れに従って動いており、その流れを止めるには相応の「氣」の力が必要ですが、一般の人間にはそれは不可能だとのことでした。

さらに具体的に言うと、すべての物体は「氣」を持っており、その「氣」によって状態が保たれているそうです。例えば、山の上に大きな岩があるとしましょう。その岩がその場所に留まっているのは、その静止した状態を保つ「氣」が存在しているからです。岩を動かすには非常に大きな力が必要です。しかし、何かしらの原因で岩が転がり始め、山の下に向かって落ち始めると、その方向に向かって落ちるという「氣」の状態が生まれ、さらに「気」の流れが生じて加速されていきます。そして、もはや誰もその動きを止めることができなくなります。

この例からもわかるように、自然が持つ「気」の力は非常に強力であり、人間のわずかな「気」の扱いだけでは簡単に自然の「気」の力を超えることはできないのだと、井口師範は教えてくれました。合気道とは、その自然の「氣」の力に近づくために修練するものなのです。要するに、物理現象も「氣」の変化であるということです。

但し、「氣」というのは物理現象だけでなく、様々な現象で起こりえます。例えば、スポーツや球技などにおいても、何故か勢いをもったチームや人は日ごろの実力をはるかに凌駕する力を発揮することがありますが、この現象も「氣」の現象と捉えることができます。このようにあらゆる物事の後ろに「氣」が存在すると思われます。

タオイズムにおける「氣」

合気道は古神道と密接に関連している武道であり、合気道における「氣」は日本の「氣」の思想に基づいていますが、日本の「氣」の思想は非常に曖昧で理解しにくいものです。そこで、合氣道の技において「氣」を利用する際には、中国のタオイズムにおける「氣」の思想に触れておくと良いと考えています。

タオイズムでは「万物は神(しん)、気、精で成り立っている」という考え方があります。タオイズムは中国の古代哲学・宗教であり、自然の法則や宇宙の原理を追求する思想です。

タオイズムでは、「タオ(道)」と呼ばれる絶対的な存在が宇宙の根源であり、万物の基礎とされています。このタオから派生して神(神霊)や気、精が生じ、宇宙や人間を形作ると考えられています。

「神(しん)」は宇宙の霊的な存在や神聖な力や法を指し、自然現象や事物に宿っています。一方、「氣」は万物に内在するエネルギーや生命力を表し、物質的なものから霊的なものまで幅広く存在するとされています。また、「精」は生命力や生命の本質を指し、人間の精神や魂、体内のエネルギーと関連付けられています。

このように、タオイズムでは万物が神、気、精という要素から成り立っており、簡単に言えば、神は指向性や法則を示す意思、気は神に基づいてすべてを成り立たせる力、精はそれを具現化する力と捉えられています。

したがって、「氣」とは、指向性や法則に従って万物を成り立たせる力であり、流れであると言えます。合気道では、「氣」を意図を実現する力ととらえ、「氣の流れ」を生み出すことで技となると考えます。

「氣」をどう技に活かすか?

さらに、具体的に「氣」を技を活かそうとする場合、この「氣の流れ」を物理学的現象、生理学的現象、心理学的現象に分類し、それらを理解した上で統合して技として活用することが重要です。したがって、当会では合気道の技をこれらの分類に基づいて説明しています。

当会ではこれらの3つの現象を以下の4つのカテゴリーに分け技術として修練しています。
1骨の技術
2皮膚の技術
3皮膚感覚の技術
4空間感覚の技術

これらに関しての詳しい内容は過去の記事を参考にしていただければと思います。

なお、 僕が最初にあげた合気道における人間の理解を超えた「氣」の例について、それは「氣を感知できる能力」と捉えることができると思います。言い換えると、人間の能力の範囲内で実現可能かもしれませんが、 「誰でもできる護身術」を目指す当会では それはやはり一部の人間しか実現できな特殊な能力であると考えています。

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自然な技は物理の法則に従う

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は何年も続く合氣道の初心状態から抜け出すにはということでお話ししました。今回はその続きで物理の法則に従うということを深掘りしていきたいと思います。

本ブログでわかること

合気道の基本は物理の法則に従うといっても具体的にわからないという人が多いと思います。今回は具体的にどのように物理の法則に従って技に活かしていければ良いかということで次の順で説明していきたいと思います。

1.物理の法則に従うための2つの考え方
2.骨格の読み方
3.力学的な考え方

このブログでは、合氣道の効率的な技の掛け方がわかるとともに、誰でもスムーズに自然に近い演武が可能となり、また護身術としても使えるようになりますので是非最後までお読みいただければと思います。

目次

・物理の法則に従うための2つの考え方
・骨格の読み方とは?
・力学で考える
・バラバラには使わない

物理の法則に従うための2つの考え方

合気道で物理の法則に従うための2つの考え方というのは次の通りです。

1.骨格から考える
2.力学で考える

1つ目の骨格を読むという点から説明していきましょう。人間の体は、骨によって支えらえています。動きは全て関節を中心に体が動くわけです。 一部の流派では関節を破壊するために逆関節を極めるものもありますが、 基本的に合氣道の技は関節の動きに沿って技をかけるもので構成されています。ですから関節を無視して技をかけることはできません。そのために骨格の知識が必要で、そこから技を考える必要があります。

2つ目の力学を使うということですが、合氣道ではよく例に出される「梃子の原理」を使うというだけでなく、動く物体に関する力学なども大切です。運動エネルギー、作用反作用の原理、力の合成などの基本知識を知っているとかなり技が広がります。

骨格から考えるとは

合氣道では先ず相手のバランスを崩してから技をかけるのが基本になります。 しかし、実際に技を行う際に相手のバランスを崩そうとすると非常に難しく感じます。その結果 ややもすると崩しながら技をかけようとしまいがちです。

この大きな原因の一つに相手の骨格を考えていないというところにあるようです。二足で立つ人間というのは実は非常に不安定な存在ですから本当はバランスを崩しやすいはずなのです。それは 人形を立たせると指一本でも簡単に倒せるという事実からもわかります。人間が安定して立っていられるのは脳が自動的に状況を判断して常にバランス修正をしているためです。

そのため大きく崩そうとすれば即座に脳が反応して一歩踏み出してバランスを取ろうとします。これが相手を崩す難しさです。そこで相手のバランスを奪うにはどうするかという、実は「半バランス状態にしてから導く」というプロセスで相手を崩します。

分かりやすい例でいいますと、下図のように相手を後ろに崩す場合、相手には後ろに一歩踏み込んでほしくありません。そこで両踵を支点にして相手を後方に少しだけ崩します。さらに膝の曲がりを考えながら安全に尻が地面に付く軌道に導いてやると相手は勝手に倒れます。

ポイントは相手が一歩踏み出さないように反崩しの状態して、そこから相手が膝を折りやすくするにはどう持っていくかと考えることで、抵抗なく相手は投げられてくれるようになります。何故なら、このようにすると脳はより動かない安全にバランスを取る方を選択してしまうからです。

これは骨格から考えることの本の一例です。膝、股関節、肩関節、肘関節、手首の関節など技をかける際に考慮すべき個所がたくさんあります。基本的にはこれらをもとにして如何に導くかという思考を常にもつだけで、骨格を無視した動きとはならないのです。下の動画は腕の関節をどのように読むかという一例です。

力学で考える

一概に人間の体は物体でできているので力学で技を考えることができるといわれても、どのように考えていいのかわからないのが普通だと思います。普通合氣道の道場でよく言われるのが支点・力点・作用点を使った「梃子の原理を使う」という発想でしょうか?

ところが、梃子の原理を追求していても中々技に応用するアイデアが出てきません。それよりも、運動エネルギーで考えることの方が有用です。合氣道では動きを止めず技を行うことを氣の流れを途切れずに行えといいますが、実はこれは運動エネルギーを利用することでもあるのです。

例えば、例えば人の体重と同様の60キロの鉄の塊が紐にぶら下がっていて左右に揺れているとします。これが自分の方に向かってきたとするとかなり恐怖を感じますが、運動エネルギーの凄さは誰もが経験的には知っているものです。相手が人となると甘く見てしまいますが、運動エネルギーを効率的に使えれば技を行う際に非常に大きな味方になります。

当会では運動エネルギーを効率的に使うための技術として陽の技術と陰の技術というのを指導しますが、これらは相手に如何にぶつからず効率的に運動エネルギーを伝えて崩すかというための技術です。

さらに核の氣という技術がありますが、これは作用反作用の法則を巧みに利用する技術でもあります。このように運動エネルギーの使い方を身体に落とし込めると技を行う上で非常に大きな助けとなります。

バラバラには使わない

以上の2つの基本的な考えは個別に私用するという問題ではなく、両者を複合して適切に使う必要があります。そのため特に骨格の読みは無意識レベルまで落とし込む必要があります。

技をかける際に、「こっちの方向」など読んでいると技をかけるまでに余分に時間がかかってしまいますので、上記の映像の一教で使えるようになれば、小手返しや四方投げでも同様の稽古を行うなどさまざまな方面で応用を広げていく必要があります。

このようにして感覚を研ぎ澄まし、物理法則での技ができるようになることが非常に大切です。当会ではそれを体の段階と呼んでいます。

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最短で初心の域から抜け出す方法

皆さん、お元気ですか? 僕は今日もメチャクチャ元気です。

僕のyoutube動画を見た方や、アマゾンキンドルの電子ブック「力の弱い人でもできる護身術」の読者の方やこのブログの読者の方から時々「何年も合気度をしているが中々初心の域からぬけだせない」と相談のメールを受け取ることがあります。実は僕は合氣道を何年も稽古をしましたが中々初心の域を抜け出すことができませんでした。そういった悩みを抱えている人が多いと思います。 そこで今回は合氣道を最短で初心者から抜け出す方法について解説していきます。

なおここでの解説は、形から如何に実用的な技術に変えていくかという観点に立って述べていますので、全くの初心者の方はまず形を確実に覚えて動けるようになってから本ブログの内容を参考に初心の域を超えてください。

本ブログでわかること

合氣道でどうやったら初心の域から抜け出せるのか? 僕も合氣道を始めたころはそうだったのですが、武道では考えるより慣れよといってコツは教わるがあまり理屈的なことはタブーとされていますので、何年修行しても中々初心の域を抜け出せませんでした。現在はYoutubeやブログなどでさまざまな方が合氣道のテクニックなど公開していますのでそれらを使って学んでいくことができるといっても、

・そもそも最初にどう稽古すればよいのか?
・それが正しくできているのか?
・効率的に稽古する順番?

このように悩んでいる方は結構多くいると思います。今回のブログでは、こういった悩みを持たれている僕のように長い間初心者の域から出られなかった方に最速で初心者の域から抜け出せるヒントとなる内容を紹介していきたいと思います。

目次

●先ずはどう稽古すればよいのか
●正しくできているか?
●効率的に稽古する順番は?
●今回のまとめ

先ずはどう稽古すればよいのか

まずは「氣さえマスターすれば達人になれる」という発想を止める必要があります。 初心の域を超えるにはこの世界は物理世界の法則に従っているということを理解することから始めます。

別に唯物論を語るつもりもありませんが、超常現象を引き起こす氣を使うという発想ではこの物理世界と対極の考えに陥ってしまい、物理世界は低次元とか思ってしまうとより技の習得が困難になります。それよりも物理世界の法則を味方につけるという発想が大切です。

そして、氣で起こるといわれいる超常現象的な技も実は物理学、生理学、心理学で十分説明しうるものもが多数存在します。そこで合理的に実現しやすいメソッドを採用すべきです。

・物理の法則を味方につける
・生理学的な反応を味方につける
・心理学的な反応を味方につける

ということから始める必要があります。

正しくできているか?

どの技のどの部分が 物理学、生理学、心理学的な解釈ができるのかという知識が必要になります。この点については、ご自分で研究されるか、本ブログの過去の記事を読まれると良いと思います。

当会では、物理学的な解釈ができる技術を骨の技術と呼び、生理学的な解釈がでものを皮膚の技術、さらに皮膚の技術を一歩進めたものに皮膚感覚の技術、心理学的な解釈ができるものを空間感覚の技術と分けています。

先ず、物理学的な考えとしては、

  1. 相手をどの方向に導けばくずれるかを理解する
  2. 相手の骨格の無理のない方向を読み取る
  3. 相手に技をかけるのは筋力でなく、運動エネルギー

という3つの考えで、優れた人の技を観察するとよいでしょう。

次に、生理学的な考えとしては、

  1. 相手の反応を引き起こすにはどう接触するか?
  2. 自分が如何に動けば相手が思うように反応するか?
  3. 相手に反撃をさせない動きは?

最後に心理学的な考えとしては、

  1. 基本はマジックと同じ心理トリックだと理解する
  2. 相手に錯覚を起こさせるにはどうした動きをするか?
  3. 相手の不意を突く動きはどうしたら良いか?

自分の考えが正しいかどうかのご判断には以上の考えが必要になります。

効率的に稽古する順番は?

一般的に「氣」さえが分かれば合氣道が上達するといわれています。しかし氣は目に見えませんし、人によって言うことが違うこともよくあります。そういったあいまいなものを獲得するというのは非常に難しいと思います。

まず大切なのは物理学、物理的にに相手を崩すにはどのように崩すかを知ることが第一です。次に、生理学上の性質を知ること、最後に心理学上の性質、心理学上の性質というのはマジックなどが非常に参考になると思います。

最後に氣についてですが、これは非常にあいまいなので、それぞれの経験によるものになると思います。僕も氣とはこれだという答えはありません。こういう話もあります。

僕も実は師匠に「氣とは何ですか?」と聞いたとき、後ろから木剣で頭を打つように言われ、仕方なく打っていったら見えていないにもかかわらず絶妙なタイミングで避けられた結果、バランスを崩してひっくり返ったという経験があるのですが、師匠に「これが氣や! 分かったか?」と言われましたが意味がわかりませんでしたが、雰囲気的に「はい」と答えてしまいました。

今回のまとめ

最後に、もう一度初心の域をでるためにどうすれば良いかをまとめると次のようになります。

  • 物理学、生理学、心理学を味方につける
  • 物理学、生理学、心理学で説明できるかを考える
  • 物理学、生理学、心理学順で技を構成していく

よくある間違いとしては、僕も経験があるのですが、先輩や周りの人の中に教えたがり屋の人がよくいて、その意見を聞いてしまうということがよくあります。その人たちが言っている通りにできているのならよいですが、想像で話すことの方が多かったように感じます。

まずは実際に言葉通りにできるかどうか確かめて技に逆らってみるということで確認する必要もありますが、多くの場合嫌われると思いますので注意してください。

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相手に繋がる!

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合氣道では「相手と一体になりなさい」 「相手と繋がりなさい」 と言われることがあると思います。かなり抽象的すぎる言葉だと僕は思います。今回はこの相手と繋がるということについて話していきたいと思います。

本ブログでわかること

「相手と一体になりなさい」 「相手と繋がりなさい」 と指導されることが合氣道ではありますが、実は抽象的な概念ではなく繋がる為の技術があるのです。

さらに、この繋がる技術も物理的につながる場合と感覚的に繋がる場合の2種類あります。本ブログではその違いを明らかにしつつ、さらに詳しく踏み込んで説明します。もしあなたが、指導者に「相手と一体になりなさい」 「相手と繋がりなさい」 と言われたが 、あまりにも抽象的すぎて「果たしてどうすれば良いのだろう?」と悩まれたことがあるなら、最後まで読むことで多くのヒントが得られます。

目次

●2つの「相手に繋がる」技術
●物理的に繋がる技術とは
●感覚的に繋がる技術とは

2つの「相手に繋がる」技術

僕の学んだ合氣道では相手と繋がる技術として次の2種類ありました。
 ①物理的に繋がる技術
 ②感覚的に繋がる技術

物理的に繋がる技術というのは呼吸力を用いる技術で、呼吸力を用いるためには統一体を作る必要があります。また、感覚的に繋がるというのは氣の流れを用いる技術です。氣の流れについては2種類あります。一つは自分の体内で氣の流れを感じるものと体外で氣の流れを感じるものの2種類です。

物理的に繋がる技術とは?!

①の物理的に繋がる技術の要は「呼吸力」にあります。この技術で技を受けた人はまるで重機とでも相手してるかのように圧倒的な力の差を感じるか、もしくは力が全く出せない状態に持っていかれていると感じます。

この理由は人間は二足歩行という点にあります。具体的にいいますと、二足で立つというの非常に不安定な状態にあるということで、人間は安定を保つために、常に状況を判断して最適に立てるように無意識で調整しています。

その不安定さを示すものとして、子供が遊ぶ人形があります。誰もが子供のころ遊んだと思いますが、人形を立てるというのはかなり難しく、ちょっとした振動でも簡単に倒れてしまいます。このように2足というのは非常に不安定な立ち方なのです。

そして武道では相手に対してより強く立つにはどうするかという点が非常に大切になります。そのため合氣道では統一体を作り、相手の力を一度受け入れ相手の力を地面に流れるようにします。これにより地面から自分の力が返ってくるように相手はなります。こちらはその力に自分の腕力を少しのせてやると勝手に相手はバランスを失ってしまうわけです。

この統一体を作る上で大切な点は、「相手と独立する」という点です。「相手と繋がる」と言いながら独立するとは少し変に聞こえるかもしれませんが、相手と支え合うと相手も安定しますので、相手に支えられる状況を作ってはいけません。

そのためまずは相手と独立した姿勢で決して相手に寄りかかることが無い姿勢をし統一体を作り、相手の力を感じたならすぐに相手の力を受け入れるように意識をすると、相手の力は地面へと流れます。これが相手と繋がった状態といいます。

要するに、相手の力が自分の体を通して流れ地面に達する状態にするのが物理的に繋がる技術です。しかも武道として成り立つためには相手には統一体にさせないようにする必要があります。

感覚的に繋がる技術とは?!

次に②の感覚的に繋がるというものに2種類あるとおなししました。まず、体内で氣の流れを感じる技術ですが、当会では皮膚感覚の技術と名付けて稽古しています。

皮膚感覚の技術というのは、相手と軽い接触をした状態で相手を導き崩す技術です。この技術で崩された人は、軽く触れられているだけなのに何故か崩れるという感覚を受けます。大概の人は意味が分からず、不思議さによって何故か笑いが出てくるというような技です。

実はこの技を行うためには、まず自分の体内で氣の繋がりを作っておく必要があります。多くの場合は、左右の手を繋げていることが多いですが、場合によれば足と手をつないだりすることもあります。そのため技を行う前に準備が必要な技です。

僕は実は整体のセラピストもやっているのですが、その視点からこの繋がりを筋膜のテンションではないかとみています。しかも、自分の内部で作った筋膜のテンションは、相手の皮膚に引っ掛けるだけで、相手の筋膜にテンションを伝えることができるので、あたかも外部からコントロールされているかのようになると考えています。

ですから気を感じるような超能力が無い人でも、この筋膜のテンションが意識できれば、相手と繋がることができるようになります。ただ、体内で繋がる感覚をすぐに起こせるように日ごろから筋膜のテンションを感じる稽古しておく必要があります。

2つ目の体外で氣の流れる感覚を使うという方ですが、僕はこれは生理学的な反応と心理学的な反応をミックスした感覚と考えています。

人間の目を機能的に分けると、中心視野と周辺視野に分かれていますが、周辺視野では見るというより感じるという感覚の方が強いのです。周辺視野は動く物体をとらえることに発達した視野ですので、これに意識を置くとかなり微妙な運動を感じることができます。この微妙な動きの感覚を使って相手の初動をとらえることができると、相手の動きに合わすことができるようになります。そうすると、相手と繋がった感覚を目で感じることができるようになります。

これが体外での気を感じることに通じるものだと僕は考えています。確かに、もっと第六感的な超感覚というのはあるのは否定しませんし、僕の師匠はそれを感じることができましたから、もっと深いものがあるのは確かですが、目の機能を使った感覚の捉え方であればだれでも実現可能だと思います。

今回は僕の感覚的な内容をお伝えしたので、考えが違う方もいらっしゃるかもしれませんが、ヒントになった方もいらっしゃるのではないかと思います。

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繰り返しが奇跡を起こす!

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、僕は少年時代、小学校から大学まで、もともとは学年でもトップクラスの運動オンチでした。そんな僕は実質は26歳から合氣道を本格的に学んで、現在は武道家をやっていますが、当時の僕からするとまさに奇跡としか言いようがありません。今回は過去を振り返ってみて、この奇跡が何故起こったのかを考えてみたいと思います。読者の方々の参考にもなると思いますので、良ければ最後までお読みください。

本ブログでわかること

武道では何度も何度も繰り返す稽古が大切という話を聞きますが、一つのことをひたすら続けると本当にありえないことが自分の身の上に起こります。少年時代の超運動オンチだった僕が元格闘家を含めいろいろな武道経験者に合氣道の技術を教えています。この僕を変えたのは、他の武道やボクシングなどでは手打ちと蔑まれるような一見非常識と思われる当て身の稽古をただひたすら続けたからです。その結果、奇跡が起こった訳ですが、そこから得られた極めて重要なことをお話ししたいと思います。技の上達が今一度と思われている人は是非参考にしてください。

目次

・今何を思っているかで将来が決まる
・師の言いつけをひたすら守った結果
・ショボいと思った当て身は実は凄かった
・奇跡が起こった理由

今何を思っているかで将来が決まる

中学校や高校では学年に一人や二人はいると思いますが、何の障害も持っていないにも関わらずどうしようもないほどスポーツができない生徒がいます。僕のその中の一人でした。

そんな僕は人生で2度合氣道に挑戦しています。1度目が22歳の時でした。しかし2年程して指導員の先生に上達が全くできず退会を促されました。2度目は26歳の時で、永遠のわが師・故井口雅博師範に入門したのがそれです。

1度目の合氣道を志した理由は「健康になるため」でした。ただ立ってだけでも30分すら持たないほど体が弱かったため、氣という生体エネルギーが高まる合氣道をすると健康になるといわれたからです。しかし、そんな軟弱な体を持つ僕にとってはたった1時間の合氣道の稽古は僕を苦しめただけで、何も得るものがありませんでした。

2度目は、暴行を受けたことで、「沢山の人が見ていても誰も助けてくれる人はいない。自分の身は自分で守るしかない」と思い、井口師範に入門しました。そして、2年もすると普通の人並みの健康を手にいれました。

僕の体を健康にした原因として、この2つの合氣道の違いはどこにあったのかというと、結論からいうと、2回目に良い師に巡り合えたからではなく、考え方の違いにあったと思います。

1度目の合氣道は、「健康になるため」というのを裏を返せば「今健康でない」という意識からきています。一方「身を守るために技を少しでも身に付けたい」という思いには「今健康でない」という意識が全くなかったわけです。

技を何としても身に付けたいという思いから、不調で寝ていても壁を押すなど稽古をしていたぐらいです。その結果、技が身につく体に少しずつ変わって行き、技が身につくために最終的には病魔まで追い出してしまったわけです。

師の言いつけをひたすら守った結果

僕の行う打撃は他の武道やボクシングでいう単なる手打ちです。しかしそれがわが師・故井口雅博師範から教わった打撃法でした。下の映像から見ても僕のパンチはただの手打ちでしかありませんが、元格闘家の人が後方に飛ばされています。

僕がこの打撃法の練習をしているのを見た多くの人は「そんな手打ちのパンチを練習しても意味がない」とよく言ったものでした。

しかし、僕の勝手な解釈では、当て身を「合氣道は投げがメインなので、軽い打撃で牽制して投げの補助を行うもの」としていたのでしたので、師匠の方法で良いと考えていたのです。

そして毎日毎日ひたすら手打ちの打撃の稽古をしたものでした。するとある日、体に芯が通る感覚ができてきました。その感覚を使うと、何故かあまり力を使わず人が投げれるようになったのでした。合氣道でいういわゆる呼吸力が出てきたというものです。

僕は師匠はこのために、僕に当て身の稽古をひたすらするように言ったのだとそのとき理解しました。

ショボいと思った当て身は実は凄かった

僕は長い間、合氣道の当て身は手打ちだから大したことが無いと真剣に思っていました。ところが師匠が亡くなり、喪に服して3年経ち、合氣道をもう一度始めようと思ったのですが、師匠と肩を並べられるような先生を探しましたが見つけることができず、結局合氣道はあきらめ打撃系格闘技であるジークンドーをすることにしました。

やはり、40代に入ってからの打撃系格闘技では、片目の見えないハンディを持つ僕にとっては非常に負担が大きいものでした。特に若い人を相手にするスパーリングでは、体力負けをしてしまうことが度々ありました。

そんなある日、パンチングミットに打撃を打ち込む稽古をしていたとき、体力に限界を感じ、手抜きで思わず合氣道の当て身をだしてしまったのです。要するに手打ちでミットを叩いたわけです。すると、ミットを持っていたパートナー役の人が、「何ですか? 急に打撃が強くなりましたが、疲れたようにしていましたが、実は体力を温存していたのですね?」と言ってきたのです。

僕は手を抜いて楽な合氣道の当て身に変えただけだったので非常に驚きました。それで、ジークンドーのパンチングのトレーニングで、疲れてきたら合氣道の当て身を行うということをやり出したのです。ここにきて初めて他の打撃系の人たちに手打ちと蔑まれる合氣道の当ては実は凄いと実感し始めたのです。

それからしばらくして、ジークンドーでスパーリングを行ったとき、相手が空手の高段者と当たりました。僕は短期決戦でないと勝てないと思い、相手の打撃に合わせて入り身突きを行いました。

すると相手が2メート後方に吹っ飛んで尻もちをつきました。これには会員が全員おどろき、側でスパーリングをしていた人が「合氣道! すげー」と叫んだぐらいです。でも一番驚いたのは当の本人、僕だったのです。何故ならコチラは全く実感がなかったからです。このとき初めて合氣道の当て身がこれほど恐ろしいものかと知ったのです。

そしてIAM護身術として合氣道を教えている今、以前に中国拳法の達人の先生が「太極拳では食勁と言って、師の打撃を直接身体に受けることを行います。師の打撃を受けると、感覚が分かり打撃力が師に近づくのです」と言っていたことから、僕も弟子にときどき本の軽くお腹に打撃をするのですが、多くの弟子がその日に腹を下したと言うのですが、それは大げさに言っているのだろうと勝手に思っていました。

そして、先日、弟子のひとりの当て身の軸が非常に整ってきているの見て、「随分と良くなりましたね。じゃあ、僕のお腹に当てて見てください」と言って、打撃を直接受けたところ、かなりの衝撃が内部まで入ってきて、内臓にダメージを感じました。

最悪だったのが翌日です。38度ぐらいの熱が出、一週間後熱がおさまってからも身体が非常にだるいという体調不良が2週間も続きました。打撃をもらった日より3週間前には空手の黒帯の身長190センチ、体重100キロ以上の巨漢のパンチを鳩尾(みぞおち)にもらっても平気だったのですが、弟子の当て身は鳩尾を外して打ったにもかかわらず、打たれた瞬間、約2,3秒声がかすれ、さらには腹に思い鈍痛が残りました。

これによって合氣道の当て身というのは非常に恐ろしいと痛感しました。僕の場合、ただひたすら師匠の言われるままに稽古を行い、壁や立木や電信柱を叩き続け、何年もかかってコツと思われるものを掴んだのです。やはり継続は力といいますが、他の武道で手打ちと蔑まれる打ち方でも継続していると奇跡が起こるのです。

でも、 剛柔流空手の四段 の師匠が手打ちのような当て身を教えること自体をよくよく考えてみますとそこには訳があったのは明白ですよね。今冷静に考えるとさすが達人、凄い意味があったのですね。

奇跡が起こった理由

ここで、超運動オンチの僕が当て身を稽古をひたすら行うことで、身体が健康になり、しかも様々な武道経験者にも指導できるというようになったという奇跡が起こった理由としては次の2点だけだと思います。

①優れた師匠のいわれる通り改変することもなく稽古を行った
②ひたすら稽古を何年も続けた

①についてですが、師匠の弟子となった人は何人もいますが、当て身について言及する人がいません。というのは僕ほど当て身の稽古を行った人がいないからだと思います。

師匠が指導した当て身は見た目は他の武道の人に蔑まれるいわゆる「手打ち」ですから、こんなの稽古しても意味がないと誰もが思うのです。ところが、僕は運動オンチという劣等感から、ひたすら一人稽古ができる当て身に打ち込んだのです。このお陰で当て身のコツを体得し、今は簡単に多くの弟子たちに指導できるようになりました。

②については、師匠はあまり理由も話さないし、師匠から打撃も受けたことがありません。「僕の打撃は本の軽く小突いただけでも致命傷を負わすから、そう簡単に出せんのや」と師匠はいい、師匠の打撃を経験したことが一度もありませんでした。

ただ、私の打撃を見て、その都度指示を出すだけでしたので、多分多くの弟子の人たちは師匠の前ではいうことを聞いていても、毎日ひたすら稽古をすることが無かったのだと思います。

しかし、何年も稽古している内に、身体が安定し軸ができるのを感じ取れるようになりました。そしてこれが合氣道でいう呼吸力という特殊な力だったのです。

もともと空手もしていた師匠がこのような当て身を教えること自体を考えると、師匠もやはり合氣道開祖のいうように当て身をひたすら稽古した証でもあるのだと思います。そして一つのことをひたすら稽古する意味を伝えたかったのだと思います。

「三年かけても良師を探せ」 という中国のことわざがあるそうですが、私の当て身の例からも、次元が違う一般常識と異なる技術を学ぶときはそれを体得した師の存在は絶対に必要だと思います。地図やガイドが無くして見知らぬ山の頂上には登れないということですね

こういった点からも井口雅博師範とご縁ができたことは本当に良かったと思っています。

  ◆   ◆   ◆

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メリットが多い入り身突き

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気といいたいのですが、若干調子が悪いです。実は少し前までダウンしていました。そのためしばらくブログが更新できませんでした。そのダウンの原因は強烈な合氣道の当て身を食らったことで、その翌日から熱を出して寝込んでしまったのです。

僕はかなり自分の腹の強さには自信をもっていましたが、弟子に完全に打ち破られました。 弟子のひとりの入り身突きががなり上達したので、どれぐらいのものかと思い腹で受けてみたのが間違いのもとでした。

過去の経験からどうやら脾臓を痛めたようです。以前脾臓を痛め3週間入院したことがありますが、症状が非常に似ています。

よくよく考えてみると、僕は合氣道の完成域の当て身を直接受けたことが無かったのですが、ここまで利くとは思ってもみませんでした。

今回はこの恐ろしい威力を持つ入り身突きについて述べたいと思います。

このブログでわかること

入り身突きは一見すると、相手の攻撃に合わせて入り身をして当て身を加えるという非常にシンプルな技です。ところが、これを正しく行うと非常に大きなダメージを相手に与える技になります。このブログでは、入り身突きで正しい打ち方ができるための基礎を述べ、そのポイントを明確にすることで誰でも護身術につかえるレベルの強烈な入り身突きができるように解説します。非常にメリットの大きい技術ですので、合氣道初心者から中級者の方まで是非最後までお読みいただくとよいと思います。

目次

入り身突きとは
入り身突きのやり方
入り身突きのポイント
入り身突きの稽古のメリット

入り身突きとは

入り身突きとは、当会では「相手の攻撃に合わせて相手の外側に入り、当て身を行う技術」を指します。やり方は非常にシンプルです。

①相手と畳一枚分(一間)離れて相対する
②受けが正面突きまたは正面打ちを仕掛ける
③攻撃が当たる寸前に入り身をして相手に打撃(当て身)を行う

入り身突きは近年の合氣道では殆ど使われない技術じゃないかと思います。同門でない人としては、第2代目の故・吉祥丸道主がときどき剣取りや杖取りの演武の際に行われていた技術です。同門といっても僕自身も道場で稽古したのではなく、師匠である井口師範から個人的に教わった技術です。

この技術を稽古することでさまざまなメリットがあります。詳細については後半で述べています。

入り身突きのやり方

以下では一人稽古でできる入り身突きのやり方を説明します。

①半身の構えで構える
②前側の足をセンターラインより外に移動し、統一体を作る
③身体を安定させたまま後ろ側の足を外にまわし、当て身。

  足運びの図

入り身突きのポイント

入り身突きに関していえば、先ず一人稽古を徹底的に行うと良いでしょう。そして入り身突きのポイントが把握できた時点で二人稽古を行うと良いと思います。

【一人稽古】
入り身突きの一人稽古では3つのポイントに留意して稽古する必要があります。やり方は前節で説明した通りですが、単にその動作を繰り返すだけでは大抵は悪い形が身について終わるだけです。そこで3つのポイントを説明します。

一つ目のポイントというのは、前節で説明した一人で行う形をやる際に、統一体を養成するという意図を持つことです。動きを覚えるのではなく統一体というきっちりと軸を意識した強固な姿勢を作るという意思をしっかりと持つ必要があります。

二つ目のポイントとは、移動する第一歩が重要です。その一歩から丁寧に統一体を作る意思で踏み出す必要があり、踏み出し終わりでは確かな軸(左が前なら、3つの軸の内の左軸)を作ります。

3つ目のポイントはその軸を保ちながら、後ろ側の足を引き、相手のセンターラインの軸に対して最も強い力が出せる角度で体の位置を決め、確実な統一体を作ることです。この3つもポイントを意識し、統一体が出来て初めて当て身を行います。

【二人稽古】
確実に入り身突きができるようになったら、次は二人稽古に入ります。二人稽古の際は、特に重要なのは受けに回る方、要するに最初に攻撃する人の意識が非常に大切です。

合氣道は、本来の相手との距離は一間(畳の縦一畳分)です。この距離は攻撃する人からするとかなり離れているように思いますが、実はこの距離はかなり実用的に設定された距離なのです。

運動生理学によると、人間の反応に要する時間というのはおよそ0.5秒と言われています。一般の成人男性が静止状態からスタートした際に0.5秒で到達できる距離が2mです。昔の人間であれば、その身長を考えると畳一枚分と考えられるわけです。

しかし多くの格闘技ではもっと狭い距離感で戦いますので、疑問に思った人もいるでしょうが、そもそも現代の格闘技というのはルールに則って行うものです。そして相手の戦う方法もわかっています。しかし、本来の武道というのは、各流派、各門派でそれぞれ秘伝があり、闘いになったとき相手がどのような戦闘法で来るか分からないというところからスタートです。ですから不用意に敵に近づくようなことはできないわけです。

こういった点は合氣道にも残っていて、護身を考える上でも相手との距離を意識することは非常に大切で、相手が2m以内に入った時点では、武道的には常に先を取っておく必要があり、師匠である井口師範は「相手が迫ったら、氣の流れを途切らせれず、常に相手より先を動いている必要がある」と言っていました。

話はそれましたが、二人稽古ですが、受けの人は距離感をしっかり守った上で、しっかりと取りの人に当たるように攻撃を仕掛ける必要があります。しかも、気をしっかりと出して打ち出す必要があります。

その上で、取りは相手の氣の変化をとらえ、入り身をして、当て身を行います。ただし、統一体を作った当て身を実際に当てると肋骨が折れるだけではすまないので、当たる手前で止める必要があります。いわゆる寸止めというものです。

入り身突きの稽古のメリット

入り身突きを稽古することには多大なメリットがあります。まずは一人稽古ができることです。そしてペアでの稽古においても様々なメリットもありますので、併用して稽古を行うことをお奨めします。それぞれの稽古におけるメリットは次の通りです。

【一人稽古でのメリット】
①入り身突きでは合氣道の稽古が一人でできる
②工夫次第でさまざまな統一体の稽古ができる
③呼吸力を発揮するための統一体の稽古となる
④どのような態勢で呼吸力が発揮できるかがわかる

①については説明の必要はないでしょう。②についてですが、単に形として稽古するだけでなく、例えば入り身突きで当て身を入れる際の統一体をより完成度を上げるために、例えば、当て身を入れる手前の統一体と同じ体の形を作って壁を叩いたり、押したりする稽古など非常に有効な稽古となります。③と④というのは非常に近いものですが、投げなどでも統一体は非常に大切ですが、入り身突きで瞬間に統一体を作る稽古をしていると、投げの際にもこの経験が活きてきます。

【二人稽古でのメリット】
①合氣道に必要な距離感が身につく
②相手の気を読む稽古ができる
③物理的な攻撃のタイミングが理解できる
④攻撃ラインを外す技術(さばき)が身につく
⑤ 合氣道の各種技で呼吸力を発揮するタイミングがわかる

①の距離感については既に述べた通りで、必ず相手と相対するときは畳一枚分で行うことです。②についても受けが打つという気をはっきりと出して行うことで相手の気を読む稽古となります。③については、相手とのタイミングのやり取りが身につきます。④については何度も繰り返すことで、小さな動きで躱す技術が身につきます。⑤は相手が攻めるくるという状況で、相手の力の発揮するポイントをずらして技をかけるのが本来の合氣道の技ですので、タイミングを読む稽古により投げ技などで活かされるようになります。

  ◆   ◆   ◆

日本の多くの道場ではあまり当て身のやり方を説明しないと聞いています。道場によれば師範が「人を傷つける当て身のような危険な技は教えていないし、教えるつもりもない」と言って、基本の正面打ち、横面打ち、正面突きのやり方も指導することなく、見よう見真似でやるようにいわれます。

しかし、例えば毒蛇の毒に対しては毒を研究する必要があるように、こういった攻撃技も正しいやり方を学び、その特性を知っておく必要があると僕は考えます。

空手や中国拳法を学んだ経験から申しますと、空手、拳法、ボクシングなどの連打の経験がないと、次の攻撃すら気にしないような技の掛け方をしてしまいます。これは僕だけではなく多くの合氣道修行者が陥る問題ではないかと思います。

このような思いをもっておられる合氣道修行者も少なからずいると思います。そんな方は今回の記事を読んでいただいて、ひそかに一人稽古をされると良いと思います。一年も続けているときっと技に大きな変化がでてくるでしょう。

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合氣道で当て身を重大視すべき理由

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は一般の合氣道では殆ど重視されていない合氣道の打撃法である「当て身」の重要性について述べていきたいと思います。今回から何度かに渡り当て身を解説していきたいと思います。今回はその概要を説明します。

このブログでわかること

当て身は合氣道の技を行うために相手をけん制するだけのものではありません。当て身の稽古を行うことで合氣道の技に与える様々なメリットがあります。このメリットを知ることは合氣道の技の大きな向上につながります。特に当て身の指導を受けていない合氣道修行者の人には、 当て身の基本が身につくように、 手の作り方から基本的な知識を今回は述べますので、是非最後までお読みください。

目次

当て身の稽古の利点
当て身の基本の手刀と拳について
軸の考え方
実際の軸の使い方
当て身が合氣道の基礎となる理由

当て身の稽古の利点

当て身の稽古の利点を上げますと次のようになります。

①一人稽古ができる
②軸を使った統一体を作るタイミングの習得
③当て身を知ることは打撃技の対策となる
④身体の正しい運用の仕方がわかる
⑤ 合氣道の氣の技術が向上する

 合氣道修行者の大きな悩みはやはり一人で効率的な稽古ができないことではないでしょうか? しかし、当て身は一人で稽古できるものです。というかむしろ一人で稽古した方が稽古がし易いといえます。

 合氣道の技で呼吸力を使うには統一体が出来ている必要があります。しかし、稽古相手がいる場合、どうしても意識が相手に向かい、統一体を作ることより相手をどうにかしようとしてしまいがちになり、統一体を作る稽古が中々できません。しかし、一人稽古でできる当て身の場合、姿勢など十分注意して統一体を作ることを意識しつつ自分のペースで稽古ができます。それにより強固な統一体を作り、それを形稽古で活かすことができるようになります。

ファンタジーに出てくるように何でも効くポーションというのは実際には存在しません。毒の対策には毒をよく知り、それを中和する対策が必要です。それと同じように、打撃を知らずして打撃に対応するのは不可能です。ですから合氣道の打撃である当て身を深く知ることは護身の上でも非常に大切です。

打撃法というのは、単に暴力を振るうということではなく、そこには技術が存在します。その中には身体のバランスの取り方、タイミング、心身統一など様々な要素が含まれています。当然、それらには投げ技に関係する要素もあり、身体の運用の基本が当て身では学べます。

当て身は動さが非常に単純なため、氣の運用法も投げに比べ非常に単純です。ですから当て身で氣の運用を学んでおいてそれを投げに応用する方が非常に早道だといえます。

当て身の基本の手刀と拳について

一般的に多くの合氣道の道場では当て身が割合軽視されているようです。ひどい場合には拳の握り方や手刀の使い方すら教わらないケースがあると聞きます。しかし、 当て身は 、身体の動きをシンプルに表現する非常に大切な動作の一つでもあります

合氣道の当て身には、拳、手刀、肘、肩を使います。古い時代では蹴り技も稽古したといわれていますが、合氣道では主に手刀(てがたな)と拳(こぶし)が基本となりますのでここではそれらを説明します。

まず手刀です。師匠の井口師範の指導した手刀で説明します。指を開き、気を籠めます。このとき指は打撃をした時に衝撃でお互いにぶち当たらないように図のように指は揃えないで開きます。氣を籠めるというのは、 少し力を加えられても動かない程度に 指を一本一本の張りを強くします。

拳の作り方は、小指から順に強く握っていき、最後親指で包み込んだら、ふっと力を抜き2~3ミリほど緩ませてから、拳の内側に籠った氣が拳の外側に回るように氣を張ります。こうすることで、拳の内側に向かった氣を拳の外側を覆うように意識することで、固いものを殴っても氣で吸収することができるようになります。

そうすることで相手の頭蓋骨を叩いて骨折するということが少なくなりますが、それでも万が一のためにその手で毎日固いものを叩きある程度慣れておく必要もあるとのことです。ただし、合氣道の場合は当て身は空手や拳法のように主体ではなく一撃必殺を目指すわけではないので、強くするかどうかは後は趣味の問題になるでしょう。

軸の考え方

合氣道では体軸が3本あると考えます。身体の正中線を通った軸と、両乳首に沿った2本の線です。基本的には、正面打ちは正中線を使い、それ以外の当て身は、右手での打撃は右側の体軸、左手での打撃は左側の体軸を用います。

*各自軸の使い方に口伝あり

実際の軸の使い方

合氣道で当て身を実際に行う際は次の2点をまずに決めて行う必要があります。

①どの軸を使うか
②どう氣(力)を流すか

合氣道の当て身は、基本的に地球から氣を借りて行うので、この2点を意識することが非常に大切です。

軸とその軸を中心とする回転運動を連想する人がおられるかもしれませんが、当て身で使用するのは、統一体を作るのに使う天地を貫く軸です。

そのため最初に軸を決め、その軸での統一体を作り、それから地面とつないで地球の氣を借ります。ここでは氣と言いましたが、実際は科学的に解釈した場合、軸の使い方によって地面からの力を使う場合と地球の重力を使う場合の2通りあります。

この2点を決めるだけで、軽く出したパンチや手刀でもかなりの打撃力を示します。この2点が正しくできると、ボクシングで悪い例と言われる「手打ち」のパンチですら女性でも強力な打撃力を実現します。

当て身が合氣道の基礎となる理由

合氣道での当て身を行う場合、即座に軸を決め、その軸で統一体を作る必要があります。統一体は合氣道の各技において必須の条件ですので、当て身の稽古で瞬時に統一体を作る訓練ができていると当然、投げ技や固め技において、どういった形で統一体を作ると良いかというのが判断できるようになります。その結果、合氣道の技の効き目がかなり向上します。

ですから、当て身の運用は、単に相手をけん制するだけのモノではなく、投げ技においても身体の使い方という点においては、当て身の運用と同様に軸に対して統一体を作るため、同一と言えます。ですから、一人稽古で当て身の稽古をするのは形における投げ技を正しく運用するために必要な基礎力を身に付けるのに非常に有効なわけです。

  ◆   ◆   ◆

いかがでしたでしょうか? 当て身の一人稽古の大切さがわかっていただいたのではないでしょうか? 次回は、最も一人稽古がしやすい入り身突きについてお話ししたいと思います。

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身体に気を回し病気を改善する甩手(すわいしょう)

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、最近は合氣道の技術を上げる補助訓練として気功法をご紹介していますが、今回は甩手(すわいしょう)です。

このブログでわかること

合氣道の技の質を上げるのに役立つ氣功として今回は甩手をあげます。甩手は統一体で行うと、身体に気が回るだけでなく、様々な病気にも効果があるといわれています。このブログでは、養生法としての甩手だけでなく、武道としての応用もわかります。

目次

甩手の効用
甩手のやり方
摔甩の武道での応用

甩手(すわいしょう)の効用

 甩手(すわいしょう  Shuǎishǒu )には前後の甩手と正中線を軸に体を捻る甩手があります。前後の甩手は前回の擺腕でも紹介しました腕振り運動として普及しているものです。体を捻る甩手は摔甩(すわいそう/高藤仙道での呼び方です。発音記号では「 Shuāi shuǎi (しゅわいしゅわい)」となっています)という別名もあり、太極拳などの柔拳では重要視され、準備運動として鍛錬されています。
なお、当会では、前後の甩手の代わりに前後の擺腕(はいわん)を行うために摔甩のみを鍛錬しております。

【腕振り運動(前後の甩手)の効果】
関英男工学博士はその著書の中で腕振り運動で画期的な効果のあった例として次のものを上げています。
・肺癌(午前2000回、午後2000回、夜2000回を5ヶ月)
・関節炎
・食道癌
・頚部淋巴線癌(1日1000回)
・半身不随(5、6ヶ月)
・肝硬変
・白内障(朝800回、夜1000回で4週間)
・トラコーマ、色盲、まぶたに生じるこぶ
・心臓病、高血圧
・神経症、精神分裂症
・腎臓病

これ以外に中国拳法研究家の笠尾恭二氏は太極拳で学んだ捻る甩手で空手で痛めたひどい腰痛を直したとその著書に書いています。人によってはかなりの違いがあるでしょうが、このように様々な症状で効果が出ている甩手です。

甩手のやり方

以下では前後の甩手と摔甩のやり方を説明します。

【前後の甩手のやり方】
前後の甩手のやり方もたくさんありますが、関英男工学博士のやり方を説明します。呼吸は自然呼吸で行います。

立禅の立ち方か肩幅に足を開いて少し膝を緩めて立つ
②両掌を内に向け向かい合わせにする
③力を抜いて手を後ろに振り上げる
④後ろに振り上げた反動で腕が戻ってきたら前に振り上げる
③と④をできる限り長い時間繰り返して行う。

また掌の方向ですが、指導者により手の甲を前にするように指導する場合もあります。掌を向かい合わせにする場合はできる限り氣で両掌が繋がっている意識を持つと良いでしょう。

別のやり方としては、腹式呼吸を伴って行うやり方もあります。腕を後ろへ向かうときに吐く、腕が前に向かうときに吸うやり方とその逆もあります。

また腕の前後を1セットとして、1,2,3,4,5,6と、中国読みでイー、アル、サン、スー、ウー、リュウと数え、ウー(4)の時に屈伸して身体を垂直に落とし、リュウのときに戻すという動作を行うやり方もあります。この動作により垂直軸での呼吸力の獲得の助けになります。

色々なやり方がありますが、どれが正しいというわけではありませんが、自分がこれだと思ったものをやると良いでしょう。

【摔甩のやり方】
①肩幅に足を開き、立禅の姿勢で立ちます
  立禅のように足を肩幅に開き膝を軽く曲げ骨盤を後傾し
  背骨を一直線に立てリラックスして立つ
②腕の力を抜く
③息を吐きながらリラックスして体を捻る
④体の捻りにつられて腕が振られ体に絡みかせる
⑤体が捻りきると逆の方向に体を捻る
以上を60回以上繰り返す。

摔甩の別法として、捻りきった時点で捻った方の足の踵を付けたままで つま先を上げてさらに足の捻りも加えて捻り幅を大きくするやり方もあります。

甩手では統一体が非常に大切になります。統一体を意識し、そして何時間でもできるぐらいリラックスして腕の力を抜いて行うことを心がけましょう。

摔甩の武道での応用

前後の甩手については養生法としてしか当会では指導しないので、ここでは摔甩のみの武道での応用を述べます。下の写真は、中学3年生の女子が摔甩で後ろから思い切り抱き着かれた状態から脱出する瞬間をとらえたものです。

まだまだ初心者ですので頭は下を向いていますが、それでも重心位置は統一体の位置をとっているため、思い切り抱き着いた私が簡単に振り回されているのがわかります。

このようにリラックスして正しい甩手ができると大きな相手に抱き着かれても小さな女性でも相手を振り解くことができるようになります。

合氣道の形においては、 回転運動を伴う形の動作 では甩手の応用ができます。是非甩手を稽古して、後ろから抱き着かれた相手を振り解けるぐらいになってみて下さい。

  ◆   ◆   ◆

今回で合氣道に役立つ氣功法を紹介しましたが、是非行ってもらうときっと技に活きてくると思います。

最近、ブログを読んでメールで当身についての問い合わせがよく来ているので、次回は当て身について若干述べたいと思います。

読者の皆さん、素敵な一日をお過ごしください。

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師匠のお墓まり

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

4月1日は師匠・故 井口雅博師範の命日です。そんな訳で師匠のお墓まりに行ってきました。

4月1日の朝は幸いにも澄み渡る青空が広がる晴天に恵まれました。僕は到着予定時間を11時頃と考え、朝9時50分に家を出て車を走らせました。途中のスーパーに立ち寄り、お供えのお花と缶ビールを買いました。ビールは当然師匠が好きだったキリンラガービールです。

このラガービールには思い出があります。井口師範を生前のご自宅までお送りする際、毎回、途中のある酒屋さんの自販機で買われたのがキリンラガービールです。それで当時を思い出し、同じサイズの思い出の缶ビールを買いました。

さらには、かなり遠回りになったのですが、生前に井口師範をお送りした道場からご自宅まで向かう桃山町を抜ける道を車を走らせました。

車道の両脇は、鮮やかなピンク色に色づいた桃の花が満開に咲いている桃畑が広がっていて、それは幻でもみているかのような まるで伝説の桃源郷の中を車が走っているように思わせる一種不思議 な光景でした。それを横目で見ながら車を走らせていると異世界でも紛れ込んだような不思議な気分になりました。

到着は、途中桃山町のイベントとぶつかり、予定よりも1時間以上遅れましたが、無事、那賀町にある師匠のお墓に到着し、お墓周りを水で綺麗にし、お花を生け、用意したビールをお供えし、線香に火をつけ、般若心経を三度唱えました。

本年も無事師匠のお墓詣りができ、本当に幸せです。来年も元気で師匠のお墓にお参りしたいと思います。

去年のお墓詣りからは、いろいろなことがありました。今まで説明ができなかった 骨の合わせの原理や、呼吸力の原理について突然説明ができるようになったりと、師匠が守ってくださったお陰と心より感謝をしました。

少しでも師匠の足元に近づけられるようさらに精進しなければと決意しました。

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身体の動きを有効活用する擺腕(はいわん)

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、最近は合氣道の技術を上げる補助訓練として気功法をご紹介していますが、今回は擺腕(はいわん)です。

このブログでわかること

合氣道で技をかけるときに一番気にしなければならないこと、それは自分が行おうとする意図が相手に伝わることです。意図を伝えない動きを習得するため当会では練氣功の擺腕という動作を合氣道用に使えるように若干変更して行っています。今回はその擺腕のやり方を覚えるていただき、動作で相手に意図が伝わらない動きの習得を可能にします。

目次

・擺腕の効果
擺腕のやり方
擺腕の応用

擺腕の効果

 本来、擺腕は手足を使い全身に気を発生させるトレーニングです。そのため健康に対して様々な効果が考えられます。 船井総研ホールディングス の創立者・船井幸雄氏が日本中に広めた腕ふり運動は、関英雄工学博士が台湾で気功の甩手(すわいしょう)を学びそれを船井氏に教えたといわれますが、腕振り運動の腕を振る動作だけでも、健康面のみで次の効果があったといわれていますので、擺腕も同等の効果は期待できます。

【腕振り運動の効果】
・肺癌(午前2000回、午後2000回、夜2000回を5ヶ月)
・関節炎
・食道癌
・頚部淋巴線癌(1日1000回)
・半身不随(5、6ヶ月)
・肝硬変
・白内障(朝800回、夜1000回で4週間)
・トラコーマ、色盲、まぶたに生じるこぶ
・心臓病、高血圧
・神経症、精神分裂症
・腎臓病

腕振り運動のやり方は、肩幅に足を開いて立ち、そのまま手を前後に振るという非常にシンプルなものです。やり方については次回の甩手(すわいしょう)で説明します。

擺腕は腕振りだけではなく足の動きも加わるのでさらに効果が期待できます。

なお、当会では、擺腕はそういった健康面の効果は無視はしないものの、あくまでも技を正確に行えるためのトレーニングとして位置付けていて、次の目的で行っています。

・心と身体の動きの一致
・肩(三角筋)に頼らない動きの習得
・身体の動きおよび氣を手に伝える感覚の習得
・心身の統一

技は掛ける手前で相手に読まれるとかけることができません。特に力を使わない合氣道の技ではちょっとした動きから相手に悟られることで技にかからないことが多いです。その大きな原因が肩の筋肉の緊張にあります。特に三角筋の小さな動きは腕の先端に行くほど大きな動きになるため、三角筋の緊張は相手にすぐに伝ってしまいます。そこで、三角筋を余り使わないで相手をコントロールする技術を習得する必要がありますが、擺腕はこれにうってつけです。

擺腕のやり方

擺腕には前後の擺腕と左右の擺腕があります。当会で行う前後の擺腕と左右の擺腕では違った意図をもって行っておりますので、まず前後の擺腕を説明し、その後左右の擺腕を説明します。

【前後の擺腕のやり方】
①足を一歩前に踏み出す
②両手を前に振り上げて若干体をそらせる
③「シューッ」と息を吐くとともに体を曲げる
④体が45度ほど曲がったところで手を解放して後ろに振る
⑤体が45度のまま息を吸って腕を戻す
⑥腕と体の角度が90度になったら体を反らせる
⑦③~⑥を繰り返す(最低60回以上)

この動作で大切なのは腕を振るタイミングです。見た目はただ腕を振っているだけのように見えますが、実は体が45度になるまで腕と体の角度は90度のままにキープしています。

【左右の擺腕のやり方】
①腕を力を抜いてダランと垂らして立つ
②息を吐き、身体を横に反らせてから手を横方向に跳ね上げる
③上に腕が上がったら息を吸いながら身体をもとに戻す
④腕が身体の両側に戻ったら、息を吐きながら反対側に上げる
⑤息を吸いながら腕と身体を元に戻す
⑥②~⑤を繰り返す(最低60回以上)

擺腕の応用

擺腕の応用として武道で使う場合は前後の擺腕と左右の擺腕では若干使い方が異なるので、それぞれ分けて詳しく解説したいと思います。

【前後の擺腕の確認】
①相手に両手で支えてもらう
②合わせを使って相手とのぶつかりを消滅させる
③擺腕の動作を行い、体を倒す

以上の動作をして、ぶつかりがなく、持ち手(受け)の人がついて来るようになれば前後の擺腕のトレーニングが完成していることになります。この動作には核の氣(当会では呼吸力のことを、コアから出る氣ということで核の氣と呼んでいます)を使います。

【左右の擺腕の確認】
①片手を相手に持ってもらう
②合わせを行って相手とのぶつかりを無くす
③左右の擺腕の動作を行う

以上で相手が無理なくついてくれば左右の擺腕が完成していることになります。左右の擺腕の場合は、当会の陽の技術の応用で、当会で言う核の氣の力で運ぶものではありません。

  ◆   ◆   ◆

以上、擺腕のやり方や擺腕の効果、さらには武道的な使い方など解説しましたが、擺腕は非常に優れたものだとお分かりいただいたのではないでしょうか?

立禅、天の鳥船の行、振魂の行に加えて擺腕を取り入れるだけで、かなり一人稽古がしやすくなると思います。是非頑張ってください。

次回の記事は太極拳のトレーニングでも有名な甩手(スワイショウ)を予定しています。

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