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合気道小技集 第一弾:膝を使う

とうとう2月に入ってしまいました。

さて、先月はあまりブログを更新できませんでした。たくさんの方が楽しみにされているとメッセージが届き、動画の方をアップしてほしいという要望がありましたので、今後、できるだけ時間をさがして動画をアップしていこうと思います。

超初心者の方もわりと参考にされているようですので、時々になると思いますが、合気道でつかえる小技集的な動画をアップしていきたいと考えています。当会の基本的な技術の骨の技術(骨格を構造的に有利に利用する技術)から、小技集を一つ一つ紹介していければと考えています。

そこで、その一段として、骨の技術による力を使わないで相手を崩す方法として、「合気道小技集 その一:膝を使う」という動画を作ってみました。やり方だけを示したショート版と、指導風景をまとめたのロング版2つアップしましたので、レベルに合わせて好きな方を見てください。

(ロングバージョン)約10分

(ショートバージョン)約2分

形稽古の「受け」の大切さ

合気道は形稽古を中心に行う武術ですが、合気道において、形稽古で技を掛ける側を「取り(捕り)」、掛けられる側を「受け」と呼びます。そして、合気道は「受けが極意」と言われることがあります。

「受けが自ら倒れ、投げられてあげること」と誤解される方が非常に多いように思われます。確かに、演武を見せるとき、多くの師範はそのような弟子を非常に好む傾向がありますので、皆さんもそう考えるのも無理はありません。

しかし、井口師範は、
「技の稽古では、正しい動きをしたときだけ、正しい反応をしてあげないとあかん。技がより完成できるように導いてあげるのが正しい受け」
と、言われていました。

演武では、多くの観客がいますので、「取り」に恥をかかせるわけにはいきませんから、技が効いていなくても、勝手に派手に倒れて、「取り」を引き立ててあげる必要はありますが、稽古の際は、そのような心配りは、逆に修行者の技の向上を妨げる以外なにものでもないということです。

また、井口師範は
「曰く、僕は、合気道を極めるため、できる限り翁先生の受けをとらせていただいた。それで合気道の呼吸(極意)を会得したんや。翁先生に受けを取らせていただくために、常に努力をし、常にどうしたらいいか考え、常に行動していたんや。一流になりたかったら一流の人の呼吸をもらわなあかん。だから、東京に行ったら、必ず翁先生や藤平先生にくっついて、いつも呼吸をもらう努力をしていたんや」
と、話されています。

このように能動的な「受け」は、合気道にかかわる特別な感覚を受け取るために非常に大切だと井口師範はおっしゃっておられました。

要するに、教えるときも、教えを受けるときも、特別な感覚を肌で直に味わえるようにするのが正しい「受け」だということです。

しかし、その特別な感覚を味わうには、非常に才能が必要だと私は思います。ですから、才能のない私は、井口師範のその感覚を理解するのに非常に時間がかかりました。

そこで、その感覚を、言葉に変え、理論的に理解しやすいレベルにしようと試み、井口師範の秘伝を4種類に分け、物理学、生理学、心理学の3つの分野で分類して、感覚を頭でも理解しやすいようにしました。それが、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術という当会独自の4種類の秘伝となっています。頭で感覚が理解できると、直接手をとってあげることで、上達の速度が飛躍します。

私が10年以上かっかた技術でも、合気道未経験の女性が半年(週2回の稽古ベース)でできるようになったのは当会ホームページでも紹介している通りです。

ですから、当会ではその感覚の伝授を大切にするため、私は自分の知っている感覚をできるかぎり、直接すべての会員の方に伝えられるよう全員の手をとることを心がけています。

本ブログを見ている合気道の修行者の方もできる限り、師範を初めとする技術が優れた人の技を受けるようにし、その感覚に注視してください。

もし感覚に興味がある合気道修行者の方で、当会の技術に興味のある方で、師範や仲間の人に顔がさすと都合の悪い方は、個人指導の方をお受けいただければいいと思います。個人指導ではビデオのアップは行っておりません。

以下では、空間感覚と皮膚感覚の技術が身につくように、受けをとっています。映像の受けは、演武とみれば、お世辞にも上手な受けとは言えません。それどころか、演武だと「超下手くそ」とののしられるのがおちです。ところが、感覚重視の稽古ではこのようにポイントだけ絞って受けてあげないといけないこともあります。綺麗に受けを取ってしまうと、効いていなくても、効いた気になるからです。

「いたずら合気道」

以前とった映像で、面白いものを見つけたので、「いたずら合気道」としてYoutubeにアップしました。

相手の重心をずらして導く方法として、2ついい例になると思いましたので、そこだけ切り取って映像としました。

一つは、握手から相手を倒す場面と、もう一つは人の座っている席を横取りする方法です。

呼吸力の誤解

合気道をしていると、「呼吸力」という言葉を、「筋肉を使わない、気を使った力」と指導されることがある人もいると思いますが、その場合、殆どの人は『気って何だろう?』と思いながらも、「なるほど」と納得した顔をされているのではないでしょうか。「気」は日本では常識になっているので、あまり詳しく聞けない雰囲気もありますが、結局わからず、雰囲気で納得していると思います。

そこで、気のトレーニングとして、超能力の訓練のようなことをしようとする人が現れ、やれ滝行や神社まいりやと、果ては、宗教にまで走る人までいる始末。

しかし、宗教を少しやっても、禅を少しかじっても、悟りを啓いた気になるだけで、呼吸力など全くつきません。何故なら、一つの宗教を何十年もやっても極められる人は本の一握りの人だけです。中途半端にかじったぐらいで、呼吸力がつくようなら、宗教を子供の時からやっている人の呼吸力はすごいはずですが、そんな話は聞いたことがない。

ところで、もともと「呼吸力」の「呼吸」という言葉の由来は、倭言葉(やまとことば)の「イキ」という言葉にあり、「イキ」には、当然、酸素を吸って、二酸化炭素を吐くという本来の呼吸の意味もありますが、古来から日本では、職人や芸の分野で、熟練を表すことにも「イキ」という言葉が使われ、調子やリズムから、芸事の深い要領まで表しました。

ですから、「呼吸力」の「呼吸」という言葉は、「阿吽の呼吸」(二人のやり取りのタイミングがぴったりと合っていて、所謂「息が合った」状態のときに使われる言葉)に代表される「呼吸」と同じような意味合いで使っているわけです。

ですから、「呼吸力」というのは、単なる力などと違って、熟練した力の出し方ということになります。特別な超能力ではありません。

下の映像は、呼吸力VS筋力とタイトルしている通り、力比べを映しています。映像からお分かりになると思いますが、力の出し方がわかりませんので男同士だと単なる力比べにしか見えないと思いますが、普通の体形の女性が筋肉質の男性を押しているところがこの映像のポイントです。胸の厚み、腕の太さもかなり違います。多分、体重は20キロ以上の差で、筋力は2倍以上の差はあると思われます。

この「呼吸力VS筋力」のタイトルでは、誤解を受けるかもしれませんが、誤解を避けるために、呼吸力でも、筋力は使われています。ただ、熟練した特別な技術で、単なる筋力と異なった力の使い方とご理解いただきたいと思います。

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また、今の合気道の一部指導者に、「呼吸力」の「呼吸」という言葉をそのまま受け取り、「息をしっかり吐きながら技をかけよ」と指導する方がいらっしゃると聞きますが、これは非常にナンセンスです。

確かに、中国拳法では、「はー」とか「ふん」とか息を吐きながらパンチを打ち込む動作をしますが、これには腹式呼吸と連動して行う発勁という特殊な力の出し方を行うのに使うもので、一瞬に溜めた息を、爆発呼吸で、パワーを倍加するという意味があります。中国武術には中国武術の理論・術理があり、それに則って行われているわけです。

一方、合気道で息を吐けと指導する方はいますが、何故そのようなことを言い始めたのか根拠がないと思います。開祖・植芝盛平翁先生がその様に言ったという話しはどこにも無いように思います。

また、投げ技をする際に息を思い切り吸って、悠長に「ハ~~」と相手にわかるように息を吐いていたら、技を掛けるタイミングがもろ分かりで、簡単に止められてしまいます。

呼吸の仕方については、合気会系の合気道ではあまり口うるさく言われませんが、例えば、達人と名の高い養神館の創設者・塩田剛三師範は、著書「合気道人生(竹内書店新社)」では、技を掛ける場合の呼吸を「吸う・止める・吐く」と次のように説明しておられます。

「ある一つの技をかける場合を考えてみますと、技をかける前に息を吸い、技をかける時は息を止め、かけ終って息を吐く というのが典型的パターンでしょう。
・・・真に力を一点に集中しようとすれば、息を止めて、それだけの動作にしぼるわけ です。しかし、息を止める時間が長いと、その間体内の酸素の欠乏度が高まり、 ・・・これが疲労に通じるわけです。
息を 止める時間は短ければ短いほどいいので、合気道の技は一瞬にして決める、というのも、そこにあるわけです。」

また、
「絶えざる稽古と研究の中で、自分の吸う息、吐く息、止める息の強弱、長短と、すみやかな重心の移動とがバランスが とれ、自分の体がリズムに乗るかを体得することです。
その時こそ、体が軽く、楽に動き、しかも技の効果が大きく、 疲労度も少ないことがわかり、合気道の素晴らしさを自覚し、一層修行の楽しさが増すことでしょう。」

この文章は、呼吸力については直接言及していませんが、ただ息を「ハ~~」と吐きながら技をかけることではないということはわかると思います。最後に故・塩田剛三師を知らない方のために、塩田師の映像を載せておきます。

なお、私の師・故・井口雅博師範は、合気会で、私は養神館の合気道に関しては詳しくありませんので、お門違いということもあり、塩田師の技については言及しませんが、合気会の技でも十分共通するところはたくさんあると思います。

金縛りの原理

Youtubeなどでは、合気道の達人が、弟子たちが次々と金縛りになって、投げられたり、抑えられたりする映像が見られます。

「あれは、達人以外は不可能」
と、思われている人が殆どだと思います。

ところが、ある種の金縛り化は特別な人ができるというわけではありません。ちょっとした知識と感覚のトレーニングにより、誰でも簡単にできるようになります。

一見超能力のようなトレーニングが必要ではないかと思いますが、金縛りになる原理が分かれば、その様なトレーニングは必要ないとまで言い切ることができます。 

実は金縛りには、複雑な霊現象のような金縛りもありますが、もっと簡単な原理によって引き起こされる金縛りもあります。

そして、私たち目標とする金縛りは、後者のもので、その原理は次のようなことで金縛りが起こります。
人がバランスを失い、自分の体を安定させようと手で体を支えようとする際に、最低限の力というのがあるのですが、この支えようとする力がその最低限の力に比べ必要以上に大きいと、この余計な力とバランスをとるため肩の筋肉、背中の筋肉と順に力が入っていき、全体のバランスを取ろうとします。

その結果、どこかの力を少しでも抜くと、アンバランスが発生し、倒れそうになるので、どこの力も抜けない状態になります。これが武道における金縛りの原理です。その状態で、バランスを少しずつ崩し倒せばいいだけです。

ですから、金縛りを起こすには、相手に必要以上の力を入れさせ、その余剰の力を相手に戻してやれば実現できます。
以下の映像は金縛りを実現するため当会で行っている訓練の一部です。合気道の修行者の方のご参考になればと思います。

中心(丹田)について

今回の話は、合気道ではよく使われる丹田の話ですが、合気道修行者の人が読むと少し異端に思うかもしれません。別にこれが正しいのだと主張しているのではありません。

まず、一般的なところから行きますと。丹田とは、もともと気功の元となった中国の神仙道から来た言葉です。神仙道では、気を集め、不老長寿の薬、要するに丹を作る田という意味から、丹田と呼ばれているということです。場所は文献によってさまざまで、臍の下、2センチぐらいから15センチと所説さまざまです。共通する認識は、正中線上にあり、臍の下で、内部にあるということです。

合気道では、この丹田が自分の中心と教えますが、丹田の場所についても、師範により様々です。物理的にはっきりと示されているという理由で肥田式強健術の聖中心を丹田という合気道家が多くいるようです。興味ある方はネットで検索してください。このように、ここを意識しなさいと言っても、こう様々だとどれを信用していいんやらということになります。

多くの道場では、本当のところ、心の底から「ここが丹田だ」と言い切れる人がいないのが現状ではないでしょうか。

井口師範は
「そんな細かいことはどうでもいい。体が安定したときに忽然と中心(丹田)が感じられるから、場所などを人から教えられるものではない」
と、言われ、場所を教えていただけませんでした。

これを聞くと、かなりいい加減なことをいうと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんし、合気道の修行者の方の多くはびっくりすると思います。何故なら、多くの師範(というより井口師範以外の方といった方が正解かもしれません)は、「初めに丹田ありき」で説明されると思います。そして、静止した状態で、丹田を意識したら、それを維持するように指導されます。

井口師範の言わんとすることは、丹田は感じるもので、思うものでないということです。場所として教えられると、感じてはいないのに、意識することはできます。すると、当人は感じていると勘違いをしてしまいます。

別の言葉でいえば、じっとしているときに丹田を感じる姿勢と動いているときに丹田を感じる姿勢が違うのです。

もっと言えば、体の勢いによって、丹田を感じる姿勢が違うのです。一人で静かに立っているときの体勢、一人で動いているときの体勢、相手と動かずに立っているときの体勢、自分が動いて相手が止まっているときの体勢、自分も相手も動いているときの体勢はすべて異なり、それぞれの体勢で一番よい姿勢があり、その状態のときに、中心(丹田)が感じられると井口師範はいわれました。

なお、井口師範の生まれた時代は、だれでもなんとなく丹田の位置を知っていましたが、現代の人は丹田という言葉さえしらない人がいますので、当会では、丹田の大まかな位置は皆さんに教えることにしています。

これにより「相手と結ぶ」というのは、「自分が丹田を意識できる姿勢を作ることにより、丹田と相手が結ばれた感覚をつくる」ということだと説明されています。

合気道の稽古では、一般的には丹田を意識してから、技をかけるといわれます。「その都度、丹田が感じられる姿勢をつくれ」というのは、非常に窮屈な考えで、それぞれの状況で、最適な姿勢があるという考えを受け入れられない人も、そういう考えもあるということを頭の隅に置いておかれるのもいいとおもいます。

第4番目の技術(空間感覚)の応用

最近、空間感覚の技術の応用の稽古ばかりやっています。
空間感覚の技術というのは、当会では第4番目の技術で、第3番目の皮膚感覚の技術の上位技術となっています。この第4番目の技術は、第2番目の皮膚の技術を基本とする技でも効果がでます。

映像は、皮膚の技術でできる座り技呼吸法ですが、これに空間感覚の技術を入れると、もっと力が不要になります。

合気道の秘伝の同時使用

当会に伝わる井口師範の合気道の秘伝は、当会では次の4つに分類して指導しています。
①骨の技術(物理学的な技術群)
②皮膚の技術(生理学的な反応を利用する技術群)
③皮膚感覚の技術(①と②を同時にしようした技術群)
④空間感覚の技術(心理学的なトリックを利用した技術群)

今までは、それぞれ個別に指導しておりましたが、実際使用するのを想定した場合①~④を組み合わせて行います。この組み合わせをお弟子さんたちに説明するのはかなり難しいと思っていましたが、杖(じょう)の稽古を導入してから、お弟子さんたちの感覚が敏感になり、上記の技術を同時に組み合わせて用いても使えるようになっているようです。

しかも、まだ稽古3ヶ月の初心者の方も、十分ついてこられています。初心者の人の才能も関係があるのかもしれませんが、これは杖(じょう)の稽古によるところが多いものと思われます。合気道にとって杖の稽古は非常に効果が高いので、ブログを読まれている合気道修行者の方も杖を稽古することをお薦めします。

ただし、神道夢想流を稽古されている合気道修行者の方が多いとききますが、神道夢想流は一度しか経験していないので一概にいえませんが、神道夢想流では、このような感覚が身につくかどうか私は疑問に思っています。

今回は、下の映像のような秘伝混合の稽古を行いましたが、映像を見てもわかるとおり、秘伝の同時使用をいきなり求めても、皆さん十分付いてこられているようです。ただ、映像を見て秘伝を見て取れる方以外は、映像を見ただけで再現はかなり難しいと思います。

合気道に用いる「呼吸」という言葉

合気道には、呼吸力、呼吸法、呼吸技、呼吸投げなどのように「呼吸」とついた言葉がでてきますが、「呼吸」がついているので、どのように息を吸って、どのように息を吐くかということに意識が囚われている人がたまにいるようです。

確かに、世間一般に、呼吸というと、酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出す動作のことを意味します。そこで、技をかけるときは、「ハーっと吐け」と指導する人もいる様ですが、これは誤った認識です。

合気道における「呼吸」というのは、昔の人が使ってきた「息(いき)」という意味と解釈しないといけません。今でも武道や芸道では、「息」ということばが使われるときは、「芸道や武道の深い要領」のことを意味します。特に武道や武術の場合、言い換えると「極意」をさしているのです。ですから、合気道でいう「呼吸」というのは、この「息」の意味、要するに「極意」という意味で使われている訳です。

呼吸力というのは、極意を体得した特別な力ということになります。要するに、体全体が協調して出る統一力といった方がいいかもしれません。ただし、井口師範の言われる呼吸力とは、統一した力がでるようになった人が、さらにその力を限界まで鍛え上げた特別な力をさしていましたが、一般の合気道では、それは呼吸力の差を生み出しているもので、単に呼吸力は統一された力だと考えた方がいいと思います。

さらに、技や法となると、その呼吸力の上に、術理に則る必要がでてきます。そしてその術理も極意の一つですから、これも「息」すなわち「呼吸」を意味するものです。いくら呼吸力が強くても、術理を破るやり方ですと、当然「呼吸」とはいえないですし、法や技とは言えませんし、そういう力ですと相手を破壊しかねません。それでは、平和の精神に基づいた合気道精神からも逸脱します。

ですから、呼吸法といっても、息の吸い方と吐き方ではないのです。座り技呼吸法で、息を腹式呼吸でハーっと吐きながらやっても、効かないものは効きません。「まだ呼吸が浅いから」というわけではないのです。統一力である呼吸力と術理の二本柱がちゃんとできているかどうかが効く決め手となるのです。

たまに、道場などで、合気道の何年も先輩になる人が初心者相手に、さも知っているように息を吐いて技をかけるように言うことがあるようですが、それは、多分、中国拳法の本でも見て、息を吐きながら行う発勁という動作を意識しているのだと思います。

しかし、合気道と中国拳法では学び方が違います。根本的な違いは、合気道における拳や足による当て身は、補助的な役割しか持っていませんが、一方、中国拳法では、拳や足での当て身は破壊を目的にしたものであるということです。ですから、中国拳法には手足による破壊ための独自の気の理論があり、その上での腹式呼吸(爆発呼吸)を行っているのですから、「息を吐くと強い」というものではありません。

ですから合気道修行者はその当たりをよく理解して、心身の統一と術理の二本柱にした合気道の技の研鑽を行っていただきたいと思います。