皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、合気道の技は「受け入れる」「合わせる」「導く」という3つのプロセスで成り立っています。今回は「導く」ということについて述べたいと思います。
このブログでわかること
合気道の稽古で指導者がよく口にすることで非常にあいまいな表現として「合わせなさい」と「導きなさい」という2つの言葉があります。どちらも非常にあいまいでわかるような気にさせながら実はわかってないという状況にしてしまう言葉です。このブログを最後まで読むと「導く」の意味をはっきりとわかり、今後「導きなさい」と指導されても、あいまいな概念ではなく実際にどう導くかがわかるようになります。また「導く」が何故合氣道にとって大切化も理解できるようになります。それによって合氣道の技を進歩する切っ掛けとなるでしょう。是非最後までお読みください。
目次
・「合わせ」は「導き」の出発点
・「導き」を成功させるためには?
・骨格を読むヒント
・導きに必要なもう一つの要素
「合わせ」は「導き」の出発点
世間一般の合氣道のイメージというと、相手の力を利用して相手を不利な状況に持って来て関節技を極めて相手を制圧するというところでしょう。ところが、熟練した合氣道修行者の技は、関節技をかけているように見えても実は関節技で倒したり、投げたりしているのではありません。要するに痛みを与えているのは二次的なもので、相手を崩しているのは別の原理に基づいているのです。
その原理というのが「合わせ」と「導き」です。「合わせ」につきましては前回ご説明いたしましたが、念のためにもう一度述べますと、 力、氣、意識など相手とのぶつかりをゼロにすることです。
何故ぶつかりをゼロにすることを「合わせ」というかというと、単なる脱力と区別するためです。「合わせ」と単なる脱力の違いは、腕に気が通っているかということです。単なる脱力では動かす前に腕に気を通す必要がありますが、この気を通した瞬間に相手に察知されます。相手に察知されないようにする原則としてはできるだけ変化を起こさないということです。
例えば片手取りなどですと、「合わせ」では相手の力の方向を読んで相手の力がゼロになる位置に手を調整することで実現しますが、力感がゼロだといっても、氣は手に流れた状態ですので、すぐに動ける状態にあります。
「導き」のプロセスでは「合わせ」ができた時点がスタート点になります。そこから相手に察知されないようできるだけ変化を起こさないように「合わせ」の状態を保ったまま相手を崩れる状態に持っていくのが「導き」です。
ところが、多くの合氣道修行者が直面するのは、せっかくうまく「合わせ」ができているのに「導き」がうまくできずぶつかってしまうという問題です。これは「合わせ」さえできれば技ができるという勘違いからでる問題です。
「導き」を成功させるためには?
では「導き」を成功させるにはどうするかという問題ですが、一言で言うと「受け」の人に無理をさせないということです。
具体的には、人間は関節を使って動いているわけですから、その可動範囲を考慮して相手が気持ちよく崩されるように持っていく必要があります。ですから「導き」と呼ぶわけです。
ですから、相手の骨格を読むということが必要になります。最終的には相手が骨格的に考えた倒れやすい位置に持っていくと相手は自然とついてきます。
といいましても、「導き」がうまくいくと、相手はわざと自ら投げられるというような状況ではないので、なかなか鮮やかな綺麗な受け身にはなりにくいです。それは、受けは『何故か倒された』という印象を持つためです。
骨格を読むヒント
骨格を読むといってもピンとこない人もいるかもしれません。また、骨格を読んでやっているつもりでも、うまく技がかからない人もいるでしょう。
骨格を読んで導くというのは、極論を述べると、操り人形を操るというイメージなのです。操り人形が人間らしい動きをさせるためには、ただ糸を引っ張るだけでなく、操り人形の関節を意識して操作します。技をかける際も同様で、関節が曲がる方向性に導いていきます。
それともう一点重要なのが、相手の足です。足がどの方向を向いているかを判断し、バランスが崩れる方向性も考慮する必要があります。
この2点を意識して技をかけることで相手を導くことができるようになります。
導きに必要なもう一つの要素
導きを成功するためにもう一つ重要な要素があります。それは相手に自分の意図を察知されない動きを実現する技法です。実は、これが非常に難しく、多くの人が導きに失敗する原因でもあります。この技法については秘伝として、一度記事から外したのですが、再度書き直して軽く触れておきたいと思います。
相手に察知されないための動きの実現については、当会では次の4つの中のいずれかの方法を指導しています。
①意を使う方法
②陽の技法を使う方法
③陰の技法を使う方法
④核の氣の技法(天地の氣)を使う方法
これらの技術がないと導きが中々うまく使えません。最も大切なのは、自分の意識を接触部分から完全に切り離してしまう必要があります。
①の意を使う方法というのは、「氣は意に従う」という師匠の井口師範の言葉の通りなのですが、意識が接触点にあるとどうしてもこちらの動きが相手に読まれてしまいます。そのため、意識を別のところに集めて、一気呵成に動かす方法です。
②③は当会独自の呼び方ですが、物理的技法のひとつでそれぞれの説明をすると長くなってしまうので、このブログで別に述べていますのでそちらを参考にしてください。
④についてですが、当会では核の氣と呼んでいますが、合気道では正式には呼吸力と呼ばれる特殊な力の出し方を使う方法です。詳しくお知りになりたい方は、こちらも別の記事を参照してください。
他にも様々な方法があるとは思いますが、当会では上記の4つの方法を指導していますが、秘伝にあたるため詳しくは述べられません。本ブログの以前の記事でかなりのヒントを書いていますので、興味ある方は他の記事もお読みいただければと思います。
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