呼吸力1

皆さんお元気ですか? 私はメチャ元気です。

さて、今回から、かなり曖昧な言葉「呼吸力」について書いていきます。

合気道では、「呼吸力」を重視します。
「呼吸力」というのは、ウェイトトレーニングで鍛えた単なる力と区別するために用いる合気道独特の言葉です。

「呼吸力」を端的に言えば、「気」を用いた力を示します。ところが、それだけの説明で、さまざまな誤解を生じているのが現状じゃないでしょうか?

そのため、合気道をしている人に「呼吸力とは?」と問いますと、さまざまな答えが返ってきます。しかも、その答えは、非常に曖昧なのです。

それは合気道指導者についても同じことが言えるでしょう。ある道場では、「息をハ~と出せば気が出る」と指導していました。私の目から見ると、単に筋肉を使った力の出し方にプラスして「ハ~」と掛け声を出しているだけにしか見えませんでした。

他方、とある道場では、力を抜いたときに気が流れると指導している道場もあります。以前にもお話ししましたが、脱力には、別の意味があり、筋肉を使わないということではありません。今回は「呼吸力」についてお話しするので、脱力の意図を簡単に言っておくと、「察知能力を上げること」と「相手の動きに合わせること」の2点です。

話は「呼吸力」に戻りますが、井口師範の指導する呼吸力は、非常に具体的でした。というのは、井口師範自身が「これが呼吸力や」と、体で示してくださったからです。

師範自身は「これが気の力や!」と言っておられましたが、直接、「呼吸力」を示して下さるのですから、曖昧さの入る余地など全くなく、非常に明確でした。ところで、井口師範の呼吸力を受けたときの感覚をいいますと、「恐ろしく大きな力が突然加わってなす術がなかった。」あるいは、「まったく自分の力が入る余地がなかった。」という感じだったのを今でも思い出します。

「じゃぁ、呼吸力の正体は?」ということですが、呼吸力を科学的に考えたとき、確実に言えることは、体幹の強さから出る力+運動エネルギーがその根幹にあると考えることができます。

その理由は、師範に直接触れずに気だけが送られた場合と、直接受けた場合では、受ける感覚が違うからです。科学的に考えた場合、離れている場合と接触している場合に関する共通項のみが気の正体と考える方が妥当的です。

だから、呼吸力についても、「気と気に導かれた間接的要素」ととらえているわけです。そうすると、非常に明快な答えが現れます。

そこから導きだされた答えは、私たち修行者が実は「呼吸力」を理解する上で必要としているのは次の2点ということです。
①気によって導かれた間接要素がどうなっているか?
②その間接要素を気でどう導くか?

①についてはもうすでにお話ししましたが、もう一度記しておきますと、
呼吸力=気 + 体幹の強さから出る力 + 運動エネルギー
です。

②については、かなり長くなるので、また次回にお話しします。

なお、呼吸力を別の方向から書いた話は以下にあります。

呼吸力の誤解

今回からはより具体的に科学的考察を加えた内容にしていくので、このブログで曖昧にしていた点もはっきりとさせていきますのでお楽しみに!

 

【護身術の本出版】

皆さん、お元気ですか?
私はとても元気です。

しばらくブログをお休みにしていましたが、実はその間に、護身術の本を書いていました。
そして、アマゾンのキンドル版で出版しました。

本の題名は
力の弱い人でもできる唯一の護身術
 -合気道の秘伝エッセンス
 -女性・シニアにできる唯一の方法を世界初公開
としました。

先月6月9日に、東海道新幹線で無差別殺傷事件が発生し、誠に残念なことに一人の男性が亡くなりました。

その男性は、頭もずば抜けていて、会社からも期待されている上、周りの人にやさしく非常に正義感が強く本当に人格的に優れた人だということでした。

また、刃物をふるう犯人に無防備な素手で相手に立ち向かうというのは、並外れた勇気の持ち主であったのでしょう。
心からご冥福をお祈り申し上げます。

でも、本当に残念でしかたがないのは、もし少しでも日ごろから護身への問題意識があれば貴重な生命を失うことがなかったのではないか思われる点です。

この悲惨な事件から分かることは、日ごろの護身の意識がなければ、このような東大を出ているほどずば抜けて頭がよくても命を失ってしまうという点、普通の頭しかない私たちは、それこそ日ごろから十分注意しておかなければいけないという点ではないでしょうか?

ところが、マスコミでは視聴率の関係からか、こういった事件が起こっても全く護身について語られることがありません。

そこで、そういった悲惨な事件をこれ以上増やさないためにもと、安全確保を重視した護身術の本の必要性を感じ、この度、出版することにしました。

本書の大きな意義は、本来は合気道の一部の者だけが独占していると思われる力のいらない秘伝技術の本の一部ですが公開した点です。ですから、合気道修行者も非常に参考になるとは思います。

本書で書いた技術は、骨の技術の秘伝、皮膚の技術の秘伝、空間感覚の技術の秘伝の本の一部を護身に焦点を当てて書いたので、実際に合気道の技に活かすには不十分とは思います。

何故なら、素人の護身という点で書いていますので、秘伝技術の幅広い応用については言及していないからです。

それでも、力のいらない技術の一端を知ることができると思いますし、秘伝技術の説明ではイラストなど入れて分かりやすくしたつもりですので、ご興味がある方は読んでいただくといいと思います。

また、一般の人も、今後このような犯罪がますます増えると思いますので、是非とも安全確保のため読んでいただければ幸いです。

現在のところ、価格は250円としています。
しかし、このことを当会の会員の皆さんに話したところ、「安すぎる」と言われました。そこで、今後の値段を再考しておりますので、急遽上がるかもしれませんがあらかじめご了承ください。

なお、価格を変更する際は、ブログでお知らせいたします。

以下にアマゾンのリンクを貼っておきます
力の弱い人でもできる唯一の護身術
-合気道の秘伝エッセンス-女性・シニアにできる唯一の方法を世界初公開