護身術:武器としての靴の使い方

靴を武器にするといいますと、靴を手に持って何かするのではないかと予想される人が多いですが、靴の側面のエッジで脛など蹴るだけでかなり武器になります。普通の運動靴でもエッジで脛を蹴られると非常に痛いです。

素早く相手の脛にエッジをぶつけるよう蹴るだけで暴漢の動きを数秒間止められますので、かなり有効な武器となります。

本日のブログでは、シークンドーという武術で使われる蹴り方を紹介します。右足で相手の脛に靴のエッジをぶつけるのを想定して説明しますが、左右どちらでも構わないので、自分の蹴りやすい方で練習して下さい。

①まず相手に対して自分の右側面を向け、完全に横になって構えます。

②体を振り子のように振らせながら、左足を右足に素早く寄せ、右足は曲げて宙に浮かせます。

③左足を寄せた反動がある間に、右足を飛び出しナイフのごとく素早く蹴り、靴のエッジを敵の脛にぶつけます。

このときの注意事項をあげると、体が振り子のように振れることが大切です。ちなみにジークンドーでは、このフットワークを振り子即ちペンジュラムのようなので、ペンジュラム・シャッフルと呼んでいます。このフットワークのメリットは、移動して蹴るよりも短い時間で蹴りを相手に到達させる点にあります。

また、稽古する際の注意点は、くれぐれもパートナーの脛を直接靴で蹴らないということです。できれば座布団でも足に当てて稽古して頂きたい。というのは、軽く当たっても唸るぐらい痛いからです。

ちなみにジークンドーの訓練では、脛に丈夫なプロテクターを付けますが、それでも蹴られると腹が立つぐらいかなり痛いです。

 

護身術:武器としてのペンの使い方

皆さん、お元気ですか? 私はすこぶる元気です。

さて、今回はペンを使った護身術を説明していきます。

身の回りで武器にできそうなものと言えば誰もが最初にあげてくるのではないでしょうか?
ところが、案外ペンの持ち方をご存知ないようです。持ち方次第では、単に相手を怒らせるだけにしかならない場合もありますし、ペンが折れてしまうこともあります。
そこで、有効なペンの持ち方を示しておきます。

基本は、ペンはできるだけ手元に収めるということを覚えて下さい。相手が怖いからと言ってでペンを長くして持つと、テコの原理が働いて、案外簡単に手から外れてしまいます。

また、短く持つことのメリットは、相手に武器を持っていることが悟られにくいという点にあります。ですから、ペンを使うときは、なるべく相手に悟られないように心掛けてください。そうすることで有効な武器になります。

ではペンの持ち方を説明しましょう
持ち方は次の図の通り2通りあります。上の図は、先端を親指と人差し指でしっかりと抑え、残りの指にしっかり納める持ち方で、下の図は、ペンの天蓋をしっかりと親指で抑え、残りの指に収める持ち方です。基本はこの2種類ですので、これらを覚えておいてください。


なお、ノック式ボールペンなどでは、下の持ち方ではペンが出たり入ったりし、安定しないので、図の〇で囲った部分でわかるように、ノック部分を押さずに、クリップ部の上部を親指で抑えて持つことです。

 

護身にはジャケットを使え!

皆さん、お元気ですか?
私はメチャ元気です。

さて、先日、護身術の電子出版をおこなったという報告をしました。
力の弱い人でもできる唯一の護身術という本です。(https://www.amazon.co.jp/dp/B07FHYGQKR/0

現在改訂版を出すべく、色々と修正・追加を行っております。
第3章の中の「身の回りの物を武器にしよう」の項で、どうしても書いておきたかったのですが、イラストが中々追いつけず、とりあえず出版をしたので今追加をしている最中です。

なお、現在価格は250円となっていますが、1100円に改訂版から料金を上げる予定です。料金引き上げが9月から予定しています。3つの秘伝とはいえ、殆ど表に出ない秘伝技術を公開しているので、あまりにも安すぎると会員から不満の声があがったためです。

本を買っていただいた方も追加内容には関心があると思うので、このブログで発表していきますので安心してください。

今日発表するものは、「服を武器にする」とうことです。

ただ、このノウハウを公表すると、わりと「そんなの当たり前じゃん」と反応する人が案外多いです。

しかし、セミナーで、こうしてくださいと言ってみると誰もできません。今日のブログで発表するやり方も多分「そんなの当たり前じゃん」というものですが、「服を武器にするにはどうしますか?」という質問に正しく答えられる人が殆どいません。ちょっとした知識は、当たり前に思うのですが、知らないといざというときには使えません

* * * * *

ジャケットを使った護身術

①図のように小指側に襟が来るように服を握りしめ、フリスビーを投げるときのように体の内側に構える

②相手の動きを感じたら、上着がまっすぐに相手にぶつかるように相手の顔面を目掛けて素早く投げつける

③相手にぶつけたら、すぐに手元に引き、服を引き寄せ、また元の構えの位置にもってくる

注意:
やたら服を振り回さないこと。威力がない上、隙だらけになるので、相手はあなたを害しようと手を使って簡単に服を避けてあなたのところに入ってくることができる。

 

 

 

呼吸力2

皆さんお元気ですか? 私はすこぶる元気です。

さて、前回の【呼吸力1】では、呼吸力は気とその気に導かれた間接要素で成り立った力であるといいました。さらに、呼吸力を理解する上で重要なのが、
①気に導かれた間接要素
②その間接要素をどう気で導くか
であり、その間接要素とは、体幹の力と運動エネルギーだというところまでお話しましたね。

かなり今回の記事を出すまで時間がかかりました。それは、説明が非常に難解を極めたためです。というのは、説明しようとなると本一冊分ぐらいは必要だからです。

ところで、今日は、②の間接要素を気でどう導いているかということについてかなり気になっておられる人が多いと思います。

そこで、今回は②について述べていきましょう。

まず結論から言いますと、「気で導くためには、相手との接点で気が伝わる特別な状況を必要」ということです。

ただ、この特別な状況を一概に言葉で説明できません。何故なら、シチュエーションによって、「接点の特別な状況」というのが違ってくるからです。

そこで、座り技呼吸法という2人二組になって、互いに向かい合ってすわり、一方が他方の手首を握り、握られた人が握った人を倒すという技について述べたいと思います。

この際のポイントは、肩の力を抜いて、手首を握られた際、すぐに指先を開き手をパー状態にすることです。

こう言えば、「そんなこと知っている」と合気道をしている人なら誰でもいうでしょう?

ところがそれを知っているにも関わらず、何故相手を巧く倒せない人がこれほどまで多いのでしょうか?

それには理由が2つあります。まず、指先に力を込めて開く動作の意味が分かっていないという点です。

ではどういうことか?というと、手を開くのは、相手を引っかけるという状態に持っていきやすいということです。呼吸力は相手の力に逆らって押し返す力ではなく、相手を引っかけて相手を運ぶ力を言います。

引っかけるという表現を使っていますが、どう引っかけるかというと皮膚に引っかけるのです。多くの人がやっているように骨を相手にぶつけて押すのではありません。

もう一つの答えは、肩の筋肉の動きがあるからです。もっと具体的にいうと、三角筋の動きがあるからです。

三角筋が動くと、三角筋で気が分散してしまい、もはや呼吸力ではなくなり、単なる腕力になります。

だから、「肩の力を抜け」といいます。でも、その表現は非常に微妙です。「肩の筋肉をブラブラにしろ」と誤解を与えるからです。
肩の筋肉を一切使わないで腕を動かすというのは、科学的にありえません。肩の力を抜けというのは、無駄な力を出すなということです。

例えば、歩くのに無駄な力をいれて歩いている人があると、異様な感じがし、つい「足に力を入れずにあるけないのか?」と言いたくなると思います。

じゃあ、普通の人は足の筋肉を一切使わず歩いているのでしょうか?

答えは“否”でしょう。その証拠として、何か月も寝たきりになった足が細くなり筋肉が無くなった人はすぐに歩けません。足のが腕よりごついのは筋肉がついているからです。このように歩くためには足には筋肉がかなり必要なのです。

そういう事実から考えても、達人が肩の筋肉を一切つかわないなど言っても、筋電図で筋肉測定をしたわけじゃないので本当に科学的に正しいわけではありません。

実はこの肩の力を抜けという表現は、古い時代に気の研究会の藤平光一師範が合気会で指導していたときの表現が残ったものと考えられます。井口師範は、「肩の筋肉を使うな」などとは言わず「肩の筋肉に気を通して、張りを作れ」とおっしゃいました。

このように達人一人一人表現が違うので、飽くまでも感覚的表現であり、科学的根拠でいっているのではありません。

私は井口師範がおっしゃったことが一番しっくりきました。この張りを作るというのが非常に大切だと痛感しています。

そういった感覚があるときに呼吸力が使われている状態と考えてください。全ての呼吸力を使う技に共通する感覚が「引っかけて運ぶ」というモノです。これ以上は、実際にお会いしないと説明が困難ですので、以上を参考に研究してみてください。