大和言葉から学ぶ合氣道

こんにちは、皆さん。お元気ですか? 僕は今日もメチャクチャ元気です。

今回は、合氣道と日本語の深い結びつきついてお話をしたいと思います。

合氣道と日本語の深い結びつき

日本語には、一見無関係に思える2つの言葉が、実は古来の大和言葉レベルでは深いつながりを持っていることが多いです。これらの言葉の背後には、日本人の自然観や精神性が色濃く反映されています。特に合氣道における「氣」の概念を考える上で、言葉のルーツから得られるヒントは非常に多いのです。

意外な「氣」と「木」の関係

例えば、「氣」と「木」。一見すると無関係ですが、実は同じ語源の言葉なのです。そのように考えると、どちらも「生命力」や「自然のエネルギー」を象徴しています。「氣」は目に見えないエネルギーや生命の働きを表し、「木」は大地に根を張り、天に向かって伸びる生命そのものです。古代の日本人は、木が大地の「氣」を吸収して成長すると考え、「木」は目に見えない大地の「氣」が具現化したものであり、さらには、大きな木には神が宿ると信じ「神木」として祀っていました。このように、「氣」と「木」は自然の力と人の営みをつなぐ重要なキーワードなのです。

呼吸という言葉と呼吸力の深い意味

合氣道でよく使われる「呼吸力」という言葉も、大和言葉の深さを物語っています。呼吸は大和言葉では「息」です。「息(いき)」は「氣」を取り入れる動作を意味し、「生きる」「活きる」「粋(いき)」など、すべて「氣」と密接に結びついています。呼吸とは単に空気を吸うことではなく、「氣」を体に取り入れて全身に巡らせる行為です。合氣道の「呼吸力」は、まさにこの「氣」を自在に使う力を指します。

力とその源

さらに「力(ちから)」という言葉にも注目が必要です。「ち」という音は「地」や「血」ともつながり、どちらも生命やエネルギーの源を意味します。つまり、「力」とは大地や血液といった根源的なエネルギーが形となって現れたものです。呼吸力は個人の血から出る単なる筋力や体力ではなく、天地の「氣」を体に通し、自然と一体となって発揮される天地の力を利用するものなのです。

呼吸力の体感をするための合氣道の稽古

合気道の稽古には、「天の鳥船」と「振り魂」という準備運動が含まれています。最近では、これらの運動が神道に由来するため、思想や信教の自由を尊重し省略する道場が増えていると聞きます。しかし、実際にはこれらの運動は呼吸力を体感するために非常に重要です。これらの稽古を通じて、「天の氣」「地の氣」「火の氣」「水の氣」を感じ、それを体の骨や筋肉に通すことを学びます。ただし、合気道における呼吸力の技術は非常に秘匿性が高く、「天の鳥船」と「振り魂」のやり方は口伝であり、古神道のものとは異なるため注意が必要です。Youtubeで公開している開祖がこれを行なっている動画が参考になります。

この稽古の基礎となるのは丹田です。運動を行う際には、頭(上丹田)、胸(中丹田)、下腹(下丹田)の三つの丹田を一直線に揃えることが重要です。これにより、身体を貫く天地の軸が生まれ、呼吸力を発揮する準備が整います。「天の鳥船」と「振り魂」を行うことで、呼吸力の出し方が理解できるようになります。

継続的な鍛錬の重要性

呼吸力の出し方が分かったからといって、それで終わりではありません。より強い「氣」を扱うためには、骨や筋を鍛え、体を整えることが不可欠です。合氣道開祖・植芝盛平翁先生も私の師の井口師範も常に鉄の杖を振ることで、強い呼吸力が出るように体を鍛えていたと言われています。正しい身体の使い方としっかりとした基礎があってこそ、合氣道の強い呼吸力が発揮されるのです。

言葉のルーツを知り、自然の「氣」とつながる感覚を大切にすること。それが、合氣道の「呼吸力」を深く理解し、実践するための第一歩なのです。

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