拳で語りあう?

 4月より新しいお弟子さんができましたので、今回の土曜日の稽古は、初歩的な技術を中心に稽古を行いました。

 ところで、今日は、4月に入って急に来なくなったお弟子さんが、半月ぶりに稽古に参加しました。学業が忙しくて、これなくなったのかと思っていたら、生活全般に無気力となったと言っていました。
 確かに、技はかなり正確にこなすのですが、顔の表情が硬いまま稽古を最後まで終えました。

 稽古終了後、
「日本拳法をしていたときのようにまたスパーリングのようなことをしたい」
と彼がいったので、稽古は終わっていましたが、
「じゃあ、少しライトでスパーやるか?」 
といって、互いに防具を付けて、ライトスパーをすることにしました。

 スパーリングを始めた時点では、彼は、かなり表情が硬かったのですが、スパーリングをしている中で、徐々に闘志が出てきて、いい顔になってきました。それに伴い、かなり動きがよくなりました。後半は、合気道的な動きでないと、若い彼にはかなわないようになりました。

その際、「スパーリングで合気道の原理を使うとこうする」など説明をすると、数分のスパーリングでしたが、彼はどんどんと技に取り入れるようになりかなり上達しました。

 スパーリング終了後、「久しぶりに楽しかった」と表情が柔らかになり、顔つきもかなり精悍になってかえって行きました。

 一般に、“拳で語り合う”という表現をつかうことがありますが、力と力のぶつかり合う全力を出し切った喧嘩とは違った意味で、何か彼の心に伝わったようです。今後、彼にとってこのとことがいい方向に向かえばいいと願っています。