【体の段階】目の使い方

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道は5つの段階を通って学ぶということを今までお話しました。それは形(かた)・体(たい)・気(き)・意(い)・神(しん)とあるということでした。そして形の段階は合気道で行う形を素直に学んで覚える段階で、体の段階は自分がどう動くと相手にどう影響がでるかということと相手をどう導くと相手がどう動くかという2点を体レベルで覚えるまで行うということでした。

さらに、形の段階で大切なのはその大前提をしっかり意識して行うことだということをお話しました。その大前提とは「相手にこちらの意図を察知されない」 です。要するにこちらがしようとすることを相手に読まれてはいけません。

今回は、相手に察知されないために最も大切なお話をしたいと思います。それは目の使い方です。というと「何だそんなことか。当たり前じゃん」と多くの人が思います。

ところが気が付かないかもしれませんが案外と目に気を配っていないことが多いのです。

例えば、四方投げをするとき相手の手首を見てつかんだり、横面打ちを受けるとき相手の手刀をじっと見たりと、自分の意図がもれもれになっちゃうんですね。

合気道は形稽古を行いますから、例えば横面打ちの技なら100%相手は横面打ちをしてくることが決まっています。すると気を許してつい横面打ちでの手刀を見てしまうのです。そういうことを繰り返している内に相手の手刀を見る癖がついてしまうんですね。

ここまで来ると中なか癖が抜けなくなります。ですから相手の手刀の方に視線をもっていかないということを身につける必要があります。

「相手の手刀を見ずに受ける?」ってそんなことできるの?と疑問を持たれた人もいるかもしれませんが、見ないのではなく視線を移動しないのです。そして実は人間の目はそういった機能があるんです。

具体的にいうと、人間の目には視野といいうものがあり、しかも2種類あるんです。1つは中心視野、もう一つは周辺視野というものです。中心視野というのは、視線の中央部に集まっていてピントを合わせて詳細を観察するための部分のことを言います。周辺視野というのは動体を検知するものです。この周辺視野で相手を観察し中心視野を使わず技を行うわけです。

これは草食動物を例にとると分かりやすいと思います。草食動物は草と石とを区別するためには中心視野で観察しながら草だけを食べると同時に周辺視野で肉食獣などの敵が近づかないかを判断する必要があります。肉食獣の遠くにいるわずかな動きでも察知できれば逃げて命を守ることができるのです。ですからそのような機能を周辺視野が持っているわけです。

それで何を言いたいかというと、武道ではこの周辺視野を使って相手の動きを判断する訓練が必要だということです。そうすることで視線を動かさなくても相手の動きを読むことができます。

視線が動かないと、相手はこちらの意図を目から読み取ることができなくなるのです。このように周辺視野が使えるようになって初めて体の段階での前提条件の一つがクリアされます。

ですから皆さんも眼球を動かさず周辺視野で相手をとらえられるよう形稽古を行ってください。それによって相手はこちらの意図が読めなくなります。これが体の段階の第一歩になるわけです。

次回は、体の段階の大前提を満足するためのもう一つのポイントについてお話しします。

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【体の段階】骨の技術を学ぶ前提

皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。

さて、今回から合気道の師匠・井口師範から教わった「合気道の習得の5つの段階」を細かく説明していこうと思います。ただし、誤解されるのをさけるために、護身術として合気道を使うという前提でのお話になります。ですから合気道に対して僕とは違った取り組みをされている方には不本意な内容になるかもしれません。そういった方は自分の目的にあったブログをお探しいただけると幸いです。

そこで、まずは第1段階の「形(かた)の段階」から第2段階の「体(たい)の段階」をざっと説明します。特に今後は体の段階の中について深掘り下げていくために、合気道を護身術にフォーカスしたときの最も重要な前提についてお話ししていこうと思います。

まず、合気道の習得の5つの段階の第一段階の「形の段階」から説明させていただきます。といっても合気道の基本は二人で形稽古を行うことにありますから、今更の話なので、そんなこと当たり前じゃんと思われるかもしれませんね。

しかし、護身術という点でとらえたとき、大切なのは飽くまでも「形」は稽古の第一段階にすぎないということを理解していただくため敢えて書かせていただきました。といいますのは、僕にも経験があるのですが、形を行っているとどしても形にこだわりが出てきます。「綺麗に演武したい」「完璧な形を覚えたい」「どれが本当の正しい形なのか?」など考えてしまっても何も不思議ではありません。

ところが合気道の井口師範は「合気道の技は一期一会。相手が違えばタイミングも違う。一つの技でも千差万別。その都度その都度全て違うのが本当の合気道の技」と言われました。要するに「合気道の形にはこれが完璧であるという唯一のフォームは存在しない」と言うことです。

では、唯一無二のフォームを追求するのではないとなると「何を追求すれば良いのでしょうか?」と疑問が湧いて来ます。その答えが「体の段階」にあるのです。

体の段階とは、簡単に言えば「自分がどのような動きをすれば相手に影響が出るか? 相手をどのように導けば良いか?」ということを追求する段階であり身に着ける段階であると言えます。要するに身体操作というものも必要になってくるのです。

ところで、この体の段階に入るさいに最も大切な前提があります。合気道の開祖・植芝盛平翁先生の逸話をよく耳にしますが、「訳もわからないうちに倒されていた」と翁先生の技を直接経験さらた方の多くはおっしゃいます。このように「訳がわからないうちに」ということが何故起こるのでしょうか? 要するに、技を受ける人が翁先生がどのように技をかけてくるかが全く読めなかったという点にあるのではないでしょうか? だから翁先生の動きが読めず対抗することができなかったのですね。

ということは私たち修行者は「相手にこちらの意図が察知されない」ということを大前提する必要があるということじゃないでしょうか?

この大前提「相手にこちらの意図を察知されない」ということをベースに技を構築していく必要があるということです。要するに形の次の段階ではこのことを常に前提として研鑽する必要があるということです。そうでないと、合気道の技を護身術としては使えなくなってしまいます。

今回は合気道を護身術として使う場合に限って「体」の段階での大前提をお話しました。

なお、本稿は、形のみを研鑽されて美しい形を目指しておられる方々を批判したものではありません。受け取りの2人が調和して美しさを追求される方々の体の表現は芸術としてすばらしいものがあります。そういった芸術を否定しているわけではありません。飽くまでも護身術という点で述べたものですのでお気を悪くされないでください。

次回は、この大前提「相手にこちらの意図を察知されない」という点からどのように体の段階を稽古していくのかという点について述べたいと思います。

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【合気道習得の5つの段階】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、かなり長い間ブログを書いていませんでしたが、如何おすごしでしたでしょうか? 僕にはこの間いろいろな学びがありました。特に「超瞑想」というものを学ぶことで今まで理解できなかったことが理解できるようになりました。

具体的にいいますと、僕の合気道の師匠である井口先生にお教えいただいた「合気道習得の5つの段階」について非常に曖昧で人にはご説明できるようなものではなかったのです。そこで今回はその説明をしたいと思います。

【合気道習得の5つの段階】

僕の合気道の師匠・井口師範は合気道の習得には以下の5つの段階があると言われました。

①形(かた)の段階
②体(たい)の段階
③気(き)の段階
④意(い)の段階
⑤神(しん)の段階

形の段階
合気道の稽古は基本的には二人で形稽古を行うのが普通です。ですからこの形をまずは覚える必要があるのは誰でもわかる事です。この段階は合気道をある程度の期間学べば誰でもできる段階です。

体の段階
合気道で形を覚えたら次に行う必要があるのがこの体の段階です。この段階では、自分がどう動くと相手にどのような影響がでるか? 相手をどのように導くと崩すことができるのか?ということを学びそれを深め体に覚えさせるです。当会では骨の技術と皮膚の技術として指導しております。

気の段階
体の段階で「自分の体の動きが相手にどう影響をあたるか?」「相手にどのように導くと相手が崩れるか?」ということを繰り返しているうちに、力(運動エネルギー)をどのように起こし、どのように伝えるかが体で分かってきます。すると、これにより「気の流れ」が分かってきます。それが気の段階です。

意の段階
井口師範は「気は意に従う」とおっしゃいました。意、要するにこころによって気をコントロールする段階です。意を持つだけで気が流れるようになる段階です。実は僕は気の段階と意の段階の違いが判らなかったのです。その明確な違いが僕には理解できなかったのです。ですから、知らないことは教えるわけにはいかないと指導でもブログでも一切述べてなかったわけです。ところが2021年11月にYokoグランサーニュ先生の主催する「超瞑想」を学ぶことになり、そこで明確な違いをお教えいただきました。それで初めて「気」の段階と「意」の段階の違いが明確になったわけです。それにより会員に示すことができるようになりました。そしてこれを会員の方々にお伝えすると、すぐにも「体」「気」「意」の明確な違いが分かりだし、技の理解が急速に深まりました。この意の段階が分かると以下4つの段階が分かるようになるので、それぞれの会員の方の自分の技における位置というのが明確になったのです。

神の段階
神と書いてシンと読みます。意で行うというところにもまだ限界があります。意が読まれると相手に悟られるからです。意の段階を行っていると、動けば即合気といえる段階になり、体が勝手に最善に反応して相手に技をかける段階です。タオイズムでいう「無為自然」の状態となります。

以上が合気道習得の5つの段階です。これだけ段階があるということを知っておくと、「もっと完璧に技をおこなわなければ」「もっと美しく技をおこなわなければ」など形にのみ意識をとらわれることなく、先を目指して進むことができると思います。

この5つの段階というのは合気道だけではないと思います。ほとんど全ての学びについて言えるのではないでしょうか?

私たちが何かを習得する場合、この5つの段階を通過します。ですから自分がどの位置にいるかというのがとても大切で他の学びをされている方にもご参考になるのではないかと思います。

私たちはつい目に見える部分だけをみて、それで判断しますが、それは飽くまでも形の段階でのことです。もっともっと先に進みたいものです。

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