「合気道修行者個人指導」カテゴリーアーカイブ

【関東の合気道修行者の個人指導と本質の追求】

この記事はすでにFacebookへ投稿しておりますが、以前、Facebookと同時投稿をしたところ、
理由は分かりませんが、Facebook事務局からアカウント停止する恐れがあるとの知らせが
届き安全のため、投稿日をかなりずらせて投稿しております。
ですから、読者の方で早めに記事を見られたい方はFacebookに登録してください。
Facebookへの友だちリクエスト

今からやく1カ月前に、関東の方の個人指導を行いました。
昨年8月25日にこられていますので、今回で2回目です。

昨年当会の秘伝を伝授してから、自分なりの研究をされ、
他の武道家のセミナー等も出かけられ、いろいろな課題をもって
再度当会にやってこられました。

前回に行った座り技呼吸法の秘伝を使った場合、
所属されている会でかなりの上位に位置するようになったそうで、
今回の目的はさらに上位の技術を学ぶということでした。

そこで、座り技呼吸法の技量を確かめてみましたところ、
通常の合気道の技術では、とても太刀打ちできないところまで
極められていましたが、秘伝を知っている人と行った場合
まだまだ問題点があるといったところ。

しかし、今回は、その問題点をすべて克服されました。
このまま熱心に稽古・研究をされれば、間違いなく
座り技呼吸法では、実質、関東の合気会でも屈指といわれるように
なると思いますので、頑張ってほしいと思います。

さらに、上位秘伝ですが、
生理学+心理学の技術ですので、
かなり抽象度が上がり、非常に誤解されやすくなりますが、
やはり、誤解されていた点がありました。

今回の指導では、
その点も理解していただけたように思い、うれしく思います。

この方の感想を書いておきますと
———————————————-
今まで様々な武道家のセミナーにも参加しましたが、
多くは主催者の技量自慢的な内容が多く
“自分自身の進歩に全くつながらない”
という感想でした
ところが、ここに来ると、
一気に理解して使えるようになります。
こういう指導は全国ではここしかないと思います。
また来ますのでよろしくお願いします
———————————————-

指導している私自信、片目が見えません。
ですから、かなりハンディを持っていますし、

また、学生時代特に運動神経がいいといわれたこともありません。
そんな私が使えるのだから当然といえば当然なのですが……

多分多くの武道家は、セミナーだけでなく
高弟たちにすら、
大切な【本質】については、
出来る限りぼかして伝えているように思います。

折角、超一流に学んでも、【本質】を教わらなければ
意味がありません。

【本質】を学ぶと、急激に技がかわります。
ですから、真剣に学んでいる人は遠回りをせず、
【本質】を追求するようにして下さい。
【本質】がわかれば、小学生ですら非常識なことができるのです。
今回その映像をアップしましたので、お見せします。

技の深化

当会で学んでいる合気道の修行者の方が、面白いことを言っていたのでちょっとブログに書かせていただきます。

その方が、最近、座り技呼吸法を行うと、そんなに強く技をかけたつもりがないのに、相手が後方に吹っ飛ぶようなことが頻繁に起こるそうです。初心者が相手の場合、相当な手加減をしても、やっぱり後方に吹っ飛ぶそうです。

これを聞いて、どんな武道の本であったか忘れたのだけれど、以前読んだある本で、「気」が分かり始めたときに、相手が突然吹っ飛び出したと書いていたのを思い出しました。

しかし、この方が「気」を理解し始めた訳ではありません。実は、この方はどちらかというと「気」について懐疑的です。飽くまでも、井口師範の秘伝である骨の技術と皮膚の技術が身について、技が深くなって、無意識に体から出ているだけです。

現在、ご本人は、まだまだご自分の技術に自信を持っておられません。自信が持てないのは、投げ技で思うように掛からないからです。

実は、投げ技は、骨の技術と皮膚の技術を使って掛ける場合に注意点があります。それは3次元の要素(x軸・y軸・z軸)で相手をとらえて技を掛ける必要があるということです。さらに具体的に言いますと、各投げ技の特性を十分理解し、「いつ・どこでz軸である下方向に力を与えてやるか?」ということが重要な問題になります。要するに「相手を倒すには相手を落としてやる必要がある」のです。

よくある悪い例としては、「一生懸命に横に引っ張る」ような動作で倒そうとしてしまうことにあります。相手を倒すには、下の方向に力(運動エネルギー)を加える必要があります(参考動画)。そして、3次元でとらえた角度などがわかってくると、座り技呼吸方と同じことが起こるようになります。

その際、合気道修行者は非常に慎重にならないといけません。この技術が身につくと、相手が逆らおうという意図がない限り、概ね決まった形で相手が倒れます。そうなると「この投げ技は、こうする」というように、「形の万能主義」に陥ってしまう恐れがあります。これは、7段、8段の師範の方でさえ、よく陥る点だと井口師範が言っておられましたので、合気道修行者は十分注意しないといけません。

井口師範は、「合気道の技は、一期一会。たとえ同じ技でも、相手が変るだけでなく、タイミングや持ち方など攻撃の仕方が変れば、全て変る。一つとして同じものはない」といわれておりました。ですから、「完璧な形」などないということです。

確かに、「完璧な形」というのは魅力的な言葉で、魔法のアイテムのようです。しかし、誠に残念ですが、一部の合気道愛好者の中で信じられている「形さえ完璧になればどんな相手も投げることができる」という考えを完全に否定する井口師範の言葉です。

相手が逆らうのが前提条件の柔術などの組み技系格闘技をされている方なら、「完璧な形」など夢物語と笑って、当然のように受け入れられるでしょうが、受け手が協力する形稽古主体の合気道に陥り易い点でもありますので、合気道の中級者以上の方には十分注意していただきたいと思います。

この点を注意しないと、他の武道の人とも同じだと思って、他流試合のようなことを行い、他の武術の初心者にすら技が効かず、恥をかいてしまうという悲惨なことになってしまう恐れがあります。

合気道の稽古では、技の受け手は、能動的に技に掛かろうとする傾向がありますので、この技術ができる人が技を掛けると、受け手の人は能動的に技に掛かろうとする前に技に掛かってしまいます。すると、「とても凄い」と尊敬の念を持つようになり、受け手の人は一切逆らうことをしなくなります。さらに、最悪の場合は、暗示までかかり、掛け手の人が、右を指すだけで、勝手に右に倒れるというようなマンガのようなことが起こるようになります。そうなると、掛け手の人は「気」を完全にマスターしたと思い込み、達人にでもなった気になり、他流試合で悲惨な結末を迎えるということになるかもしれません。実際はこの技術の途中で止まっているだけなのです。

なお、この注意点は、形の知らない相手に思い切りもたれても、簡単に形どおり掛かるようになった方に対してのものですので、そこまで到達していない方や初級者の方は、「形だけでなく、その上の技もある」という気持ちをもって、現在学んでいる技の形をしっかりと覚えていただかないといけません。

ちなみに、その上に位置する技術というのは、皮膚感覚の技術のことです。これは、相手の反応を利用する技術ですので、より簡単に相手を倒せるようになります。そして、皮膚感覚の技術の特長は、相手の反応を利用しますので、どちらかというと相手任せとなり、毎回、見た目が変ります。ただ、合気道を長年しておられる方が相手の場合は、あまり攻撃する際に意識を持って行っていないので、その人独自の癖を持っていることが多く、常にそのようにやってしまいがちになりますので、毎回同じような動きに見えまるかもしれませんが、やはり毎回タイミングなどに若干ちがいがでますので、よく観察すると、少し違うのが見てとれます。

ですから、この合気道修行者の方には、この骨の技術・皮膚の技術に満足せずに、次の段階の技術を習得して行って欲しいと願っています。また、この方は合気道の高段者ですので、自分の技にどんどんと自信をつけて頂いて、今後活躍されることを祈っております。

お問合せ先は
http://kenkogoshin.tank.jp/contact.html

一般稽古スケジュール
http://kenkogoshin.tank.jp/schedule.html

当会ホームページ
http://kenkogoshin.tank.jp/

合気道修行者個人指導5

6月3日火曜日 午前10時から第5回目の個人指導を行いました。

最近では、座り技呼吸法では相当自信を付けたようで、「誰にも負けない気がする」といえるほどになっています。他の技術もそうなっていただきたいと思います。そのためには秘伝の応用法を今後お教えしていく必要があります。

ところで、今回も質問形式で行いました。
一通り、当会の秘伝技術は理解していただいているようです。どちらかというと秘伝技術の確認といった観で稽古が進みました。

こういう確認の稽古というのは、秘伝技術の精度を上げるのに非常に大切です。この方はそこをよく理解してくださっているので、教え甲斐があります。というのは秘伝を教わり、理解したからといって、それはあくまで頭での理解ですので、技への応用は中々難しいものです。

次回からは、秘伝技術の精度を上げることと、各技のどこでその秘伝技術を応用していくかが課題となってきました。遠いところからこられお疲れ様でした。

合気道修行者個人稽古4

5月27日火曜日 午前10時から1時間、第4回目の個人指導を行いました。

たった1時間のために、遠いところから来られるだけあって、とても熱心です。頭がさがる思いです。今回もまた、質問から始まりました。

この方は、実際に合気道の稽古の際に、前回の練習した技を掛けようとしたそうですが、上手くいかなかったので、復習のためこのブログを見たそうですが、「上手くいかない理由分からなかった」とのことです。

実は、わからない点というのは、感覚なのです。以前、とあるSNSで知り合った合気道修行者にメールで相当詳しい説明をしたことがあります。でも、結局伝わりませんでした。その結果、片道6時間掛けて和歌山まで来られたことがあります。そこで初めて手をとってわかっていただきました。ですから、文章だけでは、感覚が伝わらないのです。そして映像でもやはり、感覚は伝わりません。

そして、合気道においてその感覚には、タイミングが含まれます。だから師より伝わったものがないと分かるものではありません。今回はそれを中心に稽古を行いました。

さらに、今回は、超サービスで、空間感覚の精度を上げる秘伝の稽古をしました。ちょっとしたことですが、この稽古で起こる現象は理科で学んだ知識をひっくり返すもので、常識人であるこの方もずいぶんと驚いたようです。これにより、今後、この方の空間感覚の技術は飛躍的に進歩すると思います。

それから、ついでですが、空間感覚の技術は、この方の昇段試験には間に合わないと思っていましたが、私の勘違いで昇段試験は7月末で、まだ2ヶ月あると分かりました。ですから、この期間があれば、何とか剣取りで、正面打ち・横面打ちでのランダムな攻撃にも対処できるようになりそうです

余談ですが、上で紹介したSNSで知り合った方は自衛官だったのですが、家に戻ってから、稽古して、この空間感覚の技術を習得し、ついには同僚が近くから打つエアガンを100パーセントよけられるようになったそうです。その上で、本物のピストルの弾をよける自信が持てるようになったと報告してくださいました。

ちなみに私は、本物の銃の弾をよけることは絶対に無理だとここに付け加えておきます。なぜなら、私は銃をうったことはおろか、本物の銃すら見たことがないのですが、その自衛官の人は、練習で常に銃を打っているので、その特性を良く知っているからできるのです。ですから、護身術として使いたいと思われる合気道修行者には、当身や武器の使用法をよく知っておいていただきたいと思うのです。

合気道修行者個人指導3

5月20日火曜日 午前10時から1時間、合気道修行者の3回目の稽古を行いました。

今回も質問形式で技の稽古を行いました。メインは、7月の末ごろにある昇段試験の種目での質問でした。まず「半身半立ち」がうまくいかないとのことで、「半身半立ちの稽古の意義」から説明しました。

半身半立ちの稽古の意義というのは、「受けを倒すのにどの方向に導けば倒れ易いかを体に覚えさせる」ところにあります。

護身これだけでは分からないと思いますので、以前に撮影した写真で示しますと、人間は頭に対して斜め下の方向(右図の三角形の斜面方向)に引かれるとバランスが崩れてしまいます。この倒れやすい方向を体で理解し、その方向に崩せるようになるというのが半身半立ちの意義なわけです。相手は立っていて、自分は座っているので、立っているときよりもよりその方向に導き易いからです。

ですから、取り(自分)は、受け(相手)の頭が斜め方向に落ちるように、相手との接点である手を導かなければなりません。合気道修行者は、その意味を理解して、半身半立ちの稽古をする必要があります。それによって、立ち技でも、どのタイミングで斜めに導くかを知ることができるようになります。

それから、この方は、「昇段試験では、受けが投げ技に合わせて勝手に飛んでくれたりしますが、例え飛んでくれない場合でそれに対応できるようになり、ちゃんとした形で昇段試験に臨みたい」とおっしゃっておられるので、その希望に合わせて、現在火曜日の技の研究会で行っている「強く固定された場合」の対処方法などの説明と稽古を行いました。

稽古後、「多くの人は長年やっていると自然とできるようになると思っているようですが、稽古する意義が分からなければ、稽古しても仕方がないし何時までたってもできないわけですね」とおっしゃられましたが、私もその通りだと思いました。

最後に、この半身半立ちの意義・原理を使った代表的な立ち技として、最近撮影した「隅落としの原理」の動画を下に付けておきます。

合気道修行者個人指導2

5月13日火曜日、午前10時から1時間、合気道修行者の方の第2回目の個人指導を行いました。

今回、この方はからうれしい報告がありました。それは、「(その方の道場で)座り技呼吸法で倒せない人が居なくなった」ということです。上手く技術を習得されているようでうれしく思いました。そこで、座り技呼吸法の返し技も指導し、できるようになっていただきました。

稽古を始めて早速、質問からはじまりました。「両手を思い切り持たれた状況で相手の方向に手をあげるように、師範に言われるが、それは可能ですか?」ということでした。

それで、私は実際に技を行った方がわかりやすいと思い、両手で思い切り私の手首を持っていただき、そこから説明を始めました。「先ず、合わせて」「次に、重心を奪う方向に導きます。この導きは3センチぐらいで十分です」「その上で、相手の力に当たらないように、手を上げ、そこから相手の方に手を持っていけば、結果は師範がおっしゃるとおりになります。」と答えながら実演しました。見た目は師範のおっしゃっているやり方に見えるのですが、手順は違います。確かに、師範のおっしゃるやり方もありますが、呼吸力の差が相当必要になりますので、万人にできるものではないと感じました。ちなみに井口師範に呼吸力で技を掛けられた場合、カクンと首まで衝撃が走り、まるでアンドロイドかサイボーグ相手にしているぐらい、力量差を感じた覚えがあります。

話を戻して、井口師範の合気道では、護身上は、相手に固定されるというのは相手に遅れているのでよくないと教えますが、固定された場合の稽古も技術の原理を習得する上で大切であるとしています。そこで、当会でも思い切り相手にもたせ、①合わせ、②導き、③崩しの手順で技の稽古を行います。(参考動画)

今回は、さまざまな状況で、「合わせ」「導き」「崩し」を行いました。また、ご自分の道場でお試しになった報告が楽しみです。

合気道修行者個人指導1

本日から合気道修行者の方の個人指導が始まりました。

合気道十数年のベテランだけあって、技を見る目がこえているので、初心者に指導する場合と違ったアプローチが必要でした。

通常は、第一段階の秘伝技術の「骨の段階」の技の4つの技法(第一式から第四式)の陽の技術と陰の技術の内、第一式と第四式の陽の技術の多方面からのアプローチをするのが通常ですが、今回は、そういった説明を入れつつも、第四段階の秘伝技術までを視野に入れ、質問形式をとりながら、技術の伝授を行う形にしました。

ただ、段階的な稽古でないので、第二段階の「皮膚の段階」の技術は十分理解できたようですが、第三段階の「皮膚感覚の段階」の技術は特に難しいように感じられたようです。

また、第四段階の「空間感覚の段階」の技術は、応用範囲が非常に広いので、分かり易い技術を1種類だけ稽古しました。

それは、上段からの武器攻撃を避ける稽古で、素人目には「上段から振り下ろしてくるのだから、避けられて当たり前、こんな稽古役に立つのか?」と思われますが、「空間感覚の段階」の技術の意味が理解できていると、この稽古の重要性がわかります。ちなみに、「空間感覚の秘伝」を理解しないで同じような稽古をしても、まったく意味がありません。

ともかく、あっと言う間の1時間でした、理解していただけたでしょうか? 次週、お会いしたときが楽しみです。