5月20日火曜日 午前10時から1時間、合気道修行者の3回目の稽古を行いました。
今回も質問形式で技の稽古を行いました。メインは、7月の末ごろにある昇段試験の種目での質問でした。まず「半身半立ち」がうまくいかないとのことで、「半身半立ちの稽古の意義」から説明しました。
半身半立ちの稽古の意義というのは、「受けを倒すのにどの方向に導けば倒れ易いかを体に覚えさせる」ところにあります。
これだけでは分からないと思いますので、以前に撮影した写真で示しますと、人間は頭に対して斜め下の方向(右図の三角形の斜面方向)に引かれるとバランスが崩れてしまいます。この倒れやすい方向を体で理解し、その方向に崩せるようになるというのが半身半立ちの意義なわけです。相手は立っていて、自分は座っているので、立っているときよりもよりその方向に導き易いからです。
ですから、取り(自分)は、受け(相手)の頭が斜め方向に落ちるように、相手との接点である手を導かなければなりません。合気道修行者は、その意味を理解して、半身半立ちの稽古をする必要があります。それによって、立ち技でも、どのタイミングで斜めに導くかを知ることができるようになります。
それから、この方は、「昇段試験では、受けが投げ技に合わせて勝手に飛んでくれたりしますが、例え飛んでくれない場合でそれに対応できるようになり、ちゃんとした形で昇段試験に臨みたい」とおっしゃっておられるので、その希望に合わせて、現在火曜日の技の研究会で行っている「強く固定された場合」の対処方法などの説明と稽古を行いました。
稽古後、「多くの人は長年やっていると自然とできるようになると思っているようですが、稽古する意義が分からなければ、稽古しても仕方がないし何時までたってもできないわけですね」とおっしゃられましたが、私もその通りだと思いました。
最後に、この半身半立ちの意義・原理を使った代表的な立ち技として、最近撮影した「隅落としの原理」の動画を下に付けておきます。