【合気道と下丹田】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は合気道と丹田の話をしました。一般の武道では、腹部にある臍下丹田のみを重視しますが、合気道では、丹田は3つあり、技によっては3つの丹田を利用するということを述べました。

今回は、合気道で最もよく扱われる下丹田についてお話ししたいと思います。


下丹田と足

 

一般的に全角的に合気道では丹田と言えば下丹田を示します。

下丹田は、臍した三寸の腹中にあると言われていますが、この寸というのは東洋医学の経穴(つぼ)の採寸をする単位で、通常は手の親指の横幅が一寸、親指以外の四指を揃えたときの長さを三寸としています。

ですから、一部合気道指導者が始動する臍のした9センチという主張は間違っています。

それはともかくとして、下丹田を如何に使うかというのが合気道の技で重要になってきます。

下丹田は足と関係が深く、地面の力を足から借りることで、技に活かします。

武道では足腰を鍛える必要があるといいますが、地面からの力を借りることでより強力な技が使えるようになるのです。

ですから、合気道では、足の使い方が基本中の基本になり、足さばきを隠すために袴をはくといわれているほどなのです。

何故なら足さばきが下丹田の使い方と直結しているからです。


下丹田は気を集める場所

 

合気道では、タオイズムと同じで下丹田は気を集める場所としています。

下丹田に集めた気は、技を行うときに、身体内部を移動します。

そのため気を移動する稽古が必要です。

その稽古として、師匠である井口師範より2種類の方法を伝授していただいています。

一つは、足を肩幅よりやや広めに開き、上臀部をしめることで、地面から足を通して気を上臀部に集め、その後、背中に沿って上に流し、頭迄上げます。

さらに、頭に上がってからそのままの状態でしばらくおり、その後顔の前面、体の前面を通って丹田に落とすというものです。

これはタオイズムや気功の小周天とよばれる方法に近い技術ですが、その違いは、気を地球からいただいくことと筋肉を確実に使うこととです。

そしてもう一つは、船漕ぎ運動(天鳥船(あまつとりぶね・あまのとりぶね)の行)があります。

前に手を出す時、丹田に集めた気を一旦肩に移動し、次いで手先に移動し、手を引くときは、肩にもどし、引き終わってから丹田にもどします。

こういった意識を持って船漕ぎ運動を行っていると、体内に移動する気の流れが意識できます。

その気の流れは足腰が安定するほどはっきりとするので、下丹田が足に繋がっているのがよりはっきりと自覚できます。

以上の2つの稽古で、丹田に集めた気を体内に自在に移動し、そして技に使用します。


 

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【丹田と合気道】

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さて、今回は丹田について話したいと思います。


丹田とは?

武道を指導している人の中に、肚(はら)とか肝(きも)とか丹田とかいう言葉を使う人がいます。

大概は丹田というと、臍下丹田と言って臍した3寸(この寸というのは漢方医学の経穴(ツボ)の採寸法でいう単位で親指の横幅が1寸となっている)にあると言われ、下腹部にあると思われていますが、実際は人体に3か所にあります。

その三か所というのは、上から眉間(印堂)の奥の上丹田、胸の中央(壇中)の奥の中丹田、そして腹(気海)の奥の下丹田です。

基本的には3つの丹田は、中国の仙人思想のタオイズムの思想から来たものとされています。

タオイズムでは、精神世界から物理世界への成り立ちを神(しん)・気(き)・精(せい)から説明されていて、精神世界を精妙な永遠に変わらないもの、物理世界を濁った重いもので何時かは朽ち果てるものと解釈し、神・気・精の順で重く濁り、精が凝縮して物質となるのです。

そこで、タオイズムでは、自身の中の精を練り、気に変えるということを下丹田で行い(練精化気)、完全に気に変わった時点で、中丹田で気を練って神に変え(練気化神)、最終的に上丹田で神を練って宇宙に返す(練神還虚)という行を行います。

要するに、変化して壊れやすいものから、純粋な壊れない永遠ものへと変化させていくというのに丹田をつかうわけです。

 

 


合気道での丹田

合気道では、タオイズムとことなり、自分を永久なるものに変えるという思想はなく、飽くまでも武道としてそれぞれの丹田を使います。

合気道では、神道の世界観が入っていて、技を身体的なもの、流動的なもの、心理的なものとして分解し、それぞれ、地、水火の交わり、天に対応して考えます。

宇宙の創世は、未だ天地(あめつち)が分かたれていなかった状態から、天と地に分かれ、天地の間で陰陽の気(水と火)の交わりがおこり、清らかなる永遠に変わらないものは天に上り、濁った壊れ変化するものは地に下り、今の世界が起こったされています。

要するに、精神世界と物理世界を陰陽の二気でつないでいるということです。

それに合わせて、合気道の技で丹田を使うわけです。

天にあたる上丹田は心理的な技術を扱い、水火にあたる中丹田は変化や陰陽のバランスに関する技術を扱い、地にあたる下丹田は身体と直接関連のある技術を扱います。

ですから、多くの武道ではとくに身体と直接関係のある下丹田を大切にするわけです。

しかし、相手の土俵で戦わないとする合気道では、相手との関係性を利用するため、中丹田や上丹田を使ったりします。


 

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【達人は常に本質をつく】

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さて、この前、井口師範から教わった事を書いたメモが見つかりました。

その当時は、単なる小技を教わったものと思っていたメモですが、それを見て非常に大切な内容で、本質が書かれていることに気づきました。

今回は、その理由を探っていきたいと思います。


理解は自分のレベルに応じた分だけ

 

以前にも書きましたが、NLP心理学の15番目の前提「人は自分の世界の経験を前提にして今起こっていることを理解する」というのがあります。

この言葉は非常に深いです。

というのは、例えば、自分が進歩したいと考えたとき、自分の理解する範囲を超える必要があるからです。

生物には、ホメオスタシスといって現状を維持しようとする働きがあり、特に人間は無意識レベルで意識に介在してきます。

ところで、今までの現状であると認知できる状態のことをコンフォートゾーンといいます。

直訳すると、心地の良い領域ということですが、冷静に考えると当人にとってもあまり好ましくない状況であっても、現状がその状況であるならコンフォートゾーンなのです。

例えば、日ごろ成績が悪い人が、たまたまテストで非常に良い成績を取ってしまったとすると、何故か次のテストでは今まで以上に悪い成績をとってしまいます。

それで平均値を以前の状況にすることでコンフォートゾーンが無意識で保たれるわけです。

このように進歩しようとしても、無意識が拒否をします。ここが、進歩するという点で難しいところです。


些細なことでも本質をつく達人

 

今回の話にもどりますが、それは秘伝に当たる技術とわかったので、その内容を説明しませんが、そのメモというのが、井口師範から教わったある技のノウハウが書かれていたのです。

それは相手を痛めつける過激な技術でしたので、僕はそこまでやるつもりはないと思い、メモしておいただけでした。

ところが、単にそれは効かせ方ではなく、本質である「相手の土俵にのらない」という技術でもあったわけです。

どうしても技を掛けるとき、効かせたい箇所に意識を集中してしまい、相手に意図が悟られたしまいますが、己の意識を変えることで相手は読みができなくなります。

多分、そのとき井口師範は単なるテクニックとして説明をしてくださったのだと思います。

タオイズムでは、無為自然と言って、真人の行うことはすべて宇宙の理にかなっているといいます。

しかし、凡人の為すことは考えつくしてやっても作為的で何か問題がのこるのです。

それは心理学でも明らかですが、凡人の行いは過去の記憶の範疇を出ていないからです。

ですから、単なる枝葉の説明でも、そこには本質と繋がっているのが達人なのです。


 

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【非接触への気の合わせ方】

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さて、前回までは、接触した状態での気の合わせについて述べましたが、今回は打撃系などの非接触での気の合わせについて述べたいと思います。


打撃系は間合いの読みが大切

 

合気道では、特に打撃系の技の対策の一番最初にあげられるポイントとしては、相手との間合い(距離)を広くとることです。

距離は一間(畳縦一畳分)です。要するに約2メートルぐらいの距離を最初の間合いとします。

ですから、無暗に相手に近づかないことが大切です。この間合いは、空手などしている人にとってはかなり空きすぎているように思われるでしょうが、相手が移動を始めてから、十分反応できる距離というのが2メートルなのです。

この距離だと、相手が例え武器を隠していても何とか逃れることができます。

そういった備えも合気道の稽古の中に実は含まれているわけです。

そして、相手が一気に攻撃を畳みかけようとしてきたとき、合気道では入り身といって、相手の死角に飛び込んでいく技法があります。

これが上手くいくと相手の後ろに簡単に回り込むことができます。


最外殻の気の合わせと外殻の気の合わせ

打撃に対する合わせは、外殻の気や最外殻の気を使います。

最外殻の気は意志と共に動き、相手にぶつけた場合には心理的な圧力を生む気です。

この気に合わせるという場合、一定の圧力をキープします。

このため、相手が前に出れば横にまわり、相手が下がれば前に出るというように相手との距離感を変えずに相手と相対することで、気の繋がりを作ります。

そうすることで、相手がしようとすることがこちらに伝わりやすくなります。

さらに、相手に対して、こちらが変化が殆どないような見せ方をすることで、相手と自分の間にできた気の空間の支配ができるようになります。

これは、ある駅で自分の乗っている電車が止まっているところに、隣の線路に別の電車が止まり、その電車が自分の電車より先に発車したとき、まるで自分の電車が急に動き出したように見える現象を引き起こすと言えば、空間の支配という意味がわかると思います。

相手と自分の位置関係が変わらず、見た目周りの空間が動いているように見せることで、空間自体が動いていると脳と錯覚します。

この錯覚を誘導することで、相手の体勢を崩すことができます。

また、最外殻の気は、指向性が強く、正面には敏感ですが、少しずれると鈍感となり、鈍感な範囲に沿って移動することで、簡単に相手の内に入れます。

これが入り身の原理ですが、入り身では、外殻の気の合わせといって、相手の外殻の気と自分の外殻の気を調和させるような意識で入り込むことで相手のコントロールがやりやすくなります。

 


 

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【「挙手への対抗」の気の読みの応用?!】

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さて、前回は、「気は誰でもが読んでいる」と書きましたが、それは「挙手への対抗」でのみ行うことができるということでした。

ところが、合気道では、その反対の動作が要求されます。

すなわち、「相手に対抗されても挙手ができないといけない」ということです。

この対策方法としては2つ挙げることができます。一つは反応時間を利用する方法、そしてもう一つが「合わせ」を用いる方法です。


反応時間利用する方法

 

反応時間というのは、生物がある刺激を受けて、その刺激に対して反応するまでの時間をいいます。

要するに、反応するのに時間差が生じるということです。

そこで、反応時間を利用するには、相手に予めこちらがしようとすることを読まれると困ります。

合気道では自分の情報を隠すことで相手に予め読まさなくするしてから動作を起こす技術が何種類かあります。

最も簡単な方法の一つを分かりやすく説明すると、例えば、相手に持たれている手を挙げるのであれば、手を持ってくるはずのところに何か浮遊物が飛んでいるのを想像し、それを捕まえようと瞬間にそこに手を伸ばすことです。

これだけのことで、相手はこちらの動作が読めなくなります。

反応時間を利用するだけでなく、次の「合わせ」においても非常に大切なことは、移動する前に相手とぶつかっていないということです。

そのぶつかりは、本の僅かであっても相手はこちらの動きを予め読むことができます。


「合わせ」を使う

 

合わせを使う場合、大切なのは相手の動作を導くことです。

前回の記事を思い出していただきたいのですが、合わせを行うには3つの条件をクリアしないといけない上、その条件も使えないといけません。

  1. 人は自然と感覚によって相手の気を読んでいる
  2. 接触していると気が読みやすい
  3. 相手の気の発動を待ってから対抗している

1~3をクリアするためには、こちらの情報を遮断している必要があります。

そのためには相手とのぶつかりをゼロにする必要があります。これで握っている相手にとって読みにくく、こちらにとっては読みやすいという状況になります。

何故なら、握る方は、握るという命令を自分自身に下す必要があり、そちらに意識が集中する分情報の読みが不利になるからです。

その上で、相手の力をある方向に誘引しておいて、それを避けるように動くことで、挙手を容易にすることができます。

それが合わせの技術です。

合わせには、骨の合わせ、皮膚の合わせ、皮膚感覚の合わせと空間感覚の合わせ、中丹田を使った陰陽jの合わせなどがあります。

それぞれ数種類あり、それを組み合わせて使う場合もあり、かなりの数に上ります。


 

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【「挙手への対抗」でわかる気の読み方】

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さて、合わせについて最近お話しをしていると思いますが、「合わせ」の説明を読んでも、言葉の遊びに感じ、まだこじつけのようにしか聞こえない読者の方がいるのではないでしょうか?

 

今回も、もう少し僕が気づいたことについて話していきたいと思います。


「挙手への対抗」でわかること

 

前回にお話しした「挙手への対抗」のところで、相手の挙手に対抗するためには相手の「出鼻を挫く」ことが必須条件になるのはお分かりいただけると思います。

もうすでに鋭い読者の方は気づいたかもしれませんが、相手の挙手に対抗する場合の前提条件は、相手の出鼻を挫くことであり、それは相手の挙げようとする気配を読んでからでないと対抗できないということです。

ちなみに、この「出鼻を挫く」ということですが、武道では「出頭(でがしら)を打つ」「出頭(でがしら)を抑える」という表現をします。

ですから、この「挙手への対抗」では、合気道でいう「合わせ」というのを誰もが出来ているということであり、合気道の技においても「合わせ」は誰にでもできるということを示唆しているのです。


技への応用するためには?!

「挙手への対抗」は、自然に相手の気を読み、相手の出鼻を挫いているということが分かっていただいたと思います。

ではこれをどのように合気道の技に応用するかという点を明らかにしていきたいと思います。

その前に、「挙手への対抗」をモデルに、「合わせ」について考えていきましょう。

まず「挙手への対抗」から分かることは、以下の3点です。

  1. 人は自然と感覚によって相手の気を読んでいる
  2. 接触していると気が読みやすい
  3. 相手の気の発動を待ってから対抗している

このように、誰でもできる「挙手の対抗」で、合気道に必要な方向性が明らかになると思います。

1は、力差がなければ誰でも簡単に相手へ対抗できる事実から、実は気を誰もが読むことができるということに気づくと思います。

2は、例えば、相手が手を挙げようとしたときに相手の手を掴みそれを妨げることを考えれば、初めから接触しているときの方が有利なのは誰でも理解できるでしょう。このことからも手首取りの技を稽古する意味が分かると思います。

3の意味していることは、まず相手が発動するのを待つということです。井口師範は「合気道は狩人の心が大切」とおっしゃいましたが、すぐれた狩人は獲物の様子を観察してここぞというときに獲物を狩ります。

以上のことから、僕たち合気道修行者は何をすればよいのかおぼろげながら理解できたのではないでしょうか?

次回はさらに踏み込んでいきたいと思います。


 

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【合わせは引力の錬磨】

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さて、合気道における「合わせ」について現在述べていますが、言葉での説明となると非常に難しいものとなり、前回の内容もかなり抽象的な話

今回は、前回の身体内部の気に合わせるという点に絞って書いていきたいと思います。


気が読めるから力に対抗できる

 

合わせというのは、相手の気の変化を読み、相手の気に合わせて、技を行うというものでした。

ところが、読者にとっては、相手の気を読むのはかなり難しいと考えられたのではないでしょうか?

実は、接触したところから相手の気を読むというのは非常に簡単なことで、実は誰もが、行っているものです。

例えば、パートナーと二人で組んで、一方が他方の手首を掴み、掴まれた人が挙手しようとし、他方がそれを阻もうとすると、両者の力が同じであれば、力が拮抗し、挙手することができません。

実はこれは、挙手しようとする方の力のタイミングなど完璧に読めないとできないものです。

このように、実は相手の力に対抗するという行為自体はかなり高度なもので、相手の気を読めないとできないというのが理解できたと思います。

 


合気道の合わせとは

 

手の挙上する手を妨げるのは誰でもできますが、合気道の場合、挙手する方が相手に対抗されても簡単に挙げる必要があります。

それを合気道では「合わせ」といいます。

ところが、現象から見ると、実は、抵抗しようとする相手は、合わせを行っている人の気が読めないのです。

そのため、相手の力がどうくるか分からないため抵抗ができなくなります。

もうすこし具体的に説明しましょう。

相手に抵抗しようと力を入れる点というのは、二足歩行の人間の場合、バランス的に最も力の集中する非常に限られた状態になったところだけです。

相手の気を読み、相手がバランスを取ろうとした瞬間に接点が移動すると、相手がバランスが取れた最高の位置のときに出る力の数分の一ぐらいしかでないのです。

そのため、簡単に相手に逆らうことができるわけで、現象面から見ると、「合わせ」というより「外し」といった方が適切と思うかもしれません。

しかし、仕手は相手の気を読み、気の発動に合わせることで、相手を無効にしますので、合気道本来の「気に合わせる」ということになるのです。

ですから、合気道では、全面的に相手を受け入れることで、相手の気差しを感知し、それにより相手の気の動向を知り、相手が動くより先に相手を制御する技術を磨くのです。

これが相手の全貌を吸収する引力の錬磨なのです。


 

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【相手の気に合わすというのは?】

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さて、今回のテーマは「相手の気に合わせる」ということです。


手首取りの技は人体内部の気に合わす稽古

一概に相手の気に合わすと言っても、気にも種類があり、人体の内部の気と周囲の気がありますので、目的をはっきりとする必要があります。

どちらにしても、それぞれの気の性質が理解できていないと、うまく合わせることができませんので、最低限の性質を覚えておく必要があります。

人体内部の気というのは、皮下にある気の層(随意筋に関連すると思われる)ともっと深層にある気があり、一般的に人が動作を行う場合は、皮下にある気の層で気が移動します。

人体内部の気に合わせる場合、この気の変動や移動を察知して、コントロールすることをいいます。

言い方を変えると、相手の気の流れを理解し、ぶつからないようにしたとき相手の気に合わせているということになります。

ですから、相手と拮抗し、力がぶつかったとき、相手の気とぶつかっているときでもあるのです。

このような理由から、合気道での「合わせ」という言葉が非常に曖昧で理解しにくく、ときには「相手の力を外せ」とか「力を抜け」というような表現になってしまいます。

そして、合気道では、一般の格闘技などでみられない、まず相手が自分の手首を取りに来るという状況の手首取り系の技(片手取り、両手取り、諸手取りなど)にかなりの時間を割くのは、打撃系の技とちがって接触時間が長いため、相手の気の変化が読みやすいことで、合気道の合わせの基本の稽古ができるからです。


 

打撃系の技で身体を覆う気の扱う稽古

 

打撃系の技は、組技系に比べ、相手との距離が遠くなり、身体周囲の気の動きが現れやすくなります。

また、打撃系の技は、攻撃を受けるまで相手と接触していていないため、相手の体内の気の流れを感じることができにくいため、身体周囲の気の変化を感じる必要があります。

ところが、相手の気を感じると言われても、特殊能力がないと不可能です。

しかし、気の性質を理解していると、相手の動きから気がどうなっているか予測できます。

そうすることで、達人に近い動きが可能になる訳です。

しかし、最低限、気の発動時期を知る必要があります。それを実現するためには、まずは人形の目という特殊な目ができる必要があり、その人形の目を鍛えると、相手の気の発動、ようするに「気差し(兆し)」が見えるようになります。

 


 

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【心理学と気】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は、合気道で使う気の構造についてお話ししましたが、今回はその気に合わせることについて話を進めていきたいと思います。


気と心理学

 

もうすでに気づかれた読者の方もいらっしゃるとおもいますが、合気道で用いる人体を覆う気というのは、心理学でいわれるパーソナルスペースと深く関係があります。

*  *  *

パーソナルスペースとは、人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア対人距離とも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。

一般に、親密な相手ほどパーソナルスペースは狭く(ある程度近付いても不快さを感じない)、逆に敵視している相手に対しては広い。相手によっては(ストーカー等)距離に関わらず視認できるだけで不快に感じるケースもある。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

*  *  *

また、パーソナルスペースに関しても2種類あります。

例えば、全く見知らぬ人が正面に立ったときに、不快に感じても、その距離なら、後ろに立たれても案外気にならないものです。

しかし、さらに後ろからその人が近づいてくると、見えていなくても、嫌に感じる距離というのが確かに存在するのは誰でも経験があると思います。

このように、正面、横、後ろと実はパーソナルスペースというのが違うというのが非常に大切です。

心理学ではおおむねコミュニケーション時を考え、正面で感じるパーソナルスペースを取り扱うことが多いので上記の説明になるだけです。

しかし、武道では、2種類のパーソナルスペースは必ず考える必要があるのです。


合気道で使う人体を取り巻く気

 

前回にお話ししましたが、もう一度復習のために、人体を取り巻く気についてまとめておきますと、次の3種類になっています。

  1. 人の意識に直結して動く気の層
  2. 人の身体の感覚に直結している層
  3. 身体の動きに直結している層

以前に、人体の気の構造を図で示したことがありますが、そのとき、人体を取り巻く気の層は2つあると説明しました。

皮膚表面に存在する外殻の気とそれを覆っている最外殻の気という2つがありましたが、1が最外殻の気、2が外殻の気に相当します。

 

さらに、3については、非常に敏感な人は、日常で気が付いているかもしれません。

というのは、移動しようとしているときに、体の表面に微妙に起こる変化があります。

例えば、右に移動している最中、すぐには左に移動したいと感じたときに、何らかの圧力が右方向にかかっている感覚です。

或いは、体全体を使うスポーツで、ある体勢である体の使い方をしようとすると、圧力感を感じ、それをすると体を痛めるであろうと感じるという圧力です。

これが3番目の気の層で、井口師範は「気の流れ」とおっしゃられ、「気の流れに乗り、気の流れに逆らわない」とご指導いただきました。


 

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【複数ある人体の気の場】

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さて、前回は相手の骨格に合わせるという話をしましたが、今回は相手の気に合わせるということで述べていきたいと思いますが、今回は人体を取り巻く気の構造についてお話しします。

 


気の場

 

以前にもお伝えしたように、人体の周囲には人体を覆うように気の場があります。

しかも、人体を覆う気の場は、一つではなく、複数あります。

この気の場を見ることができる人は殆どいないと思います。この文章を書いている僕にも見ることはできないのです。

スピリチャル系の人でも、合気道で使うこの気の場の構造を指摘する人は殆どいません。

唯一、神智学の方で、この考えに近いものがありますが、利用法は全く違います。

実は、体で感じる井口師範からは、気の多重構造についてお話しいただけませんでした。

しかし、井口師範からお話を受けて、整理すると、どうしても気が多重構造をしているとしか考えられず、僕はかなり矛盾点に悩まされました。

そして神智学を勉強して始めて、なるほどと思うことができました。

そして、この気の場は、分かるものから説明を受けると誰でも感じることができます。

ただ、気の場の多重構造は感じられなくても、多くの人はこの気の一部は日常生活で人と関わりを持ったときに時々感じています。

例えば、自分の目の前に人が立つと、非常に鬱陶しい感じを受けます。

特に相手との距離が短くなると、何か圧力のようなものを感じることがあると思います。

これが気の場であり、心理学ではパーソナルスペースといわれるものです。

合気道では、このような気の場と感じられるものが多重構造をしていると考えるわけです。


合気道で用いる3つの気の場

 

合気道で用いる気の場としては、人の意識に直結して動く気の層、人の身体の感覚に直結している層、身体の動きに直結している層などが、合気道で合わせる気となります。

また、スピリチャル系の人が感じる気の場は、概ね相手の性格や性質に直結した気の層のようで、これには色がついていたりするようですが、僕たちが技で使う気の層とは別です。

ちなみに、意識に直結している気の層というのが、先ほどお話ししたパーソナルスペースです。

このパーソナルスペースは、非常に厄介で、相手の気のパワーが強いと、自分の意識が萎縮します。

意識が萎縮すると、身体の内部の気が隠れてしまい、体の動きに制約がでます。

そのため、井口師範の秘伝には、人形の目という特殊な目をすることで、意識に直結して動く気の層をできるかぎり、消す技術もあります。

このように、気の場の知識があることで、自分の気の場と相手の気の場の両方をコントロールすることが可能になります。


 

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