【井口流合気道では情報を隠す】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は情報と井口流合気道の技の関係についてお話しします。


人は不安定だから技が効く

 

合気道の技にかかると、全く非常識な事態に落ちると感じる人が多いのではないでしょうか。

例えば、合気道の師匠が「今から、コップでお茶を飲むから、両手で阻止して見よ」と言われ、師匠の片手を両手でつかんで飲まさないように一生懸命力を入れても、師匠は平然としてコップを口に運びます。

これをは傍で見ていると、『そんな馬鹿な!』と思って、今度は自分だと代わって邪魔をしようと両手で力いっぱいに阻止しても、師匠は平然とコップを口に運んでお茶を飲みます。

こんな漫画のような場面が実際可能なのです。

それは、人間が最大の力を入れられるのはバランスが大きく影響しているからです。

ですから、バランスを保つことができなければ、思った力の数分の一しかでないようになっています。

何故なら、実は二足で立つというのは、かなり不安定な状態だからです。

この二足で立つという不安定さを人はあまり意識していないため、完全に不安定になるまで不安定であることに気づきません。

合気道ではこれを利用するわけです。


井口師範は徹底的に情報を隠す

 

井口師範の合気道では、相手を不安定にするのは当然なのですが、相手にとっていつ自分が不安定になったか察知できないのを良しとしました。

そのため、周りから見ていると、技の受け手が自らわざと倒れたように見えます。

ところが、井口師範は、受け手がわざと崩れていくと「勝手に倒れるな!」と叱りました。

しかし、井口師範の技が効いていると、ワザと倒れているわけではないのに体が勝手に倒れていきます。

あたかも井口師範に体が乗っ取られたようにコントロールされるのです。

これは、いつ不安定になったか、自分の状態が把握できないためです。

このように指導した井口師範の意図は、自分が不安定になったと自覚できたら、同じ原理で何度か技が掛けられると、不安定になった原理が相手に分かるからです。

しかも、井口師範は、「技は一期一会」といわれて、毎回原理を変えて技を掛けておられましたから、例え不安定になったと自覚できても、原理が分かることはないのです。

ところが、「世の中に天才はいる」といわれ、技の原理である本質についてはかなり秘密にされ、技を掛けるのも不安定になったのすら気づかせない、同じ原理を二度続けないなど徹底していました。

このように井口師範は、技を掛ける前も、掛ける最中も、情報を徹底的に隠すことに徹しておられました。

ですから映像を見てもわからない部分が合気道にはあるのです。


 

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