最も基本の骨の合わせ

皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。

さて、今回は前回の合わせの技術の続きで、当会で呼んでいる「骨の技術」の中の合わせについてお話ししたいと思います。

このブログでわかること

合氣道での脱力状態と力をいれてない腑抜け状態との違いが理論的にわかり、 合氣道で「力を抜け」といわれる本当の意味を理解し技に応用するヒントを得ることができるようになります。

目次

骨の技術とは?!
骨の合わせの技術とは?!
骨の合わせを実現するには?!
ゼロ状態を作ると?

骨の技術とは?!

IAM護身術では僕が学んだ合氣道や中国拳法などの技術から力の弱い人にでもできる技術を整理統合して体系化したものを会員に伝えています。特にメインとなるのが井口雅博師範から学んだ合氣道の技術に様々な名称を付けて指導しています。

その技術は次の4つの柱で構成しています。
・骨の技術(物理学的な技術)
・皮膚の技術(生理学的な技術)
・皮膚感覚の技術【生理学と心理学的な技術)
・空間感覚の技術(心理学的な技術)
なお、この名称は当会独自のモノです。

今回はこの4つの柱の内の骨の技術、その中の合わせの技術について説明したいと思っています。

物理的な現象を扱う技術を骨の技術と呼んでいるのは、人体は骨格によって支えられ運ばれるため、骨格の運用自体が物理の法則によって支配されるためです。

具体的な内容としては、強い骨格の使い方から力を伝達する技術までが含まれています。その中で特に力の伝達については相手とのぶつかりを如何に無くしスムーズに力を伝達することが肝心です。その技術が骨の合わせの技術です。

骨の合わせの技術とは?!

合氣道では手首を取られた場合の技のトレーニングがたくさんあります。実際に護身を考えたとき、特に男性の場合は現代社会ではあまりないのではないでしょうか? どちらかというといきなり胸倉をつかまれる、殴ってこられるという方が確率的には高いかもしれません。

それでも敢えて合氣道では手首どりの技を稽古します。僕が合氣道を始めた当初はこのありえない想定に対して疑問を持ったものです。それで、本など読みあさって得られた回答は「昔は刀を持っていたため刀を素手で制するには手首を持つ必要があったから」ということでした。『じゃあ、現代社会じゃ必要ないんじゃ?』と考えたものでした。

それに対して私の師匠の井口師範の回答は「そんなもの稽古するために必要やからにきまってるやろ」ということでした。要するに合氣道独自の感覚を身に付けるには手首取りが最も有効だからだったのです。

具体的には手首取りは、
①相手との接触時間が長い
②直接皮膚に触れている
以上の二点において合氣道に必要な感覚を訓練するのに非常に適しているということなのです。

ちなみに合氣道に必要な感覚というと沢山ありますが、今回のブログでは骨の合わせという技術について述べているので合わせるということについて述べたいと思います。

合氣道はその名の通り氣を合わせる武道で、具体的には、相手とぶつからず相手を導いて相手を無力化する武道です。ですから古流武術の技術としての合気とは少し意味合いが異なり、もっと広範囲の意味を持っています。

そのため、この氣を合わせるということですが、実は技術的に述べるとかなり多岐にわたる技術の集合体ということになります。その中で最も基本となるのが骨の合わせで、これは実際に相手と物理的にぶつからない状態にする技術です。

骨の合わせを実現するには?!

この骨の合わせとは 具体的に 何かといいますと、「相手とぶつからない」という感覚を実現する技術です。骨の合わせとはその名の通り自分の骨をコントロールしてぶつかりをゼロにする技術です。

手首取りを例にとると、相手とぶつかりを感じるとき必ず手首のどこか一か所にぶつかりを感じるはずです。骨の合わせとは相手が手首に力を加えた方向に手首の骨を合わせることで握られた部分の当たりをゼロにします。

この当たりゼロという感覚は実はかなり微妙で本の僅かでもあたりがあると相手にこちらの意識が読まれてしまいます。完全にゼロに合わす必要があるのです。

そのためには相手に持たれるのではなく相手に持たせるという意識が非常に大切で、己がコントロールしやすい態勢で相手に持たせることです。そうすると相手は握っているのに握っていないような一種独特な感覚を感じます。

ところで、このゼロ状態の合わせと力を完全に抜いた腑抜けな状態と混同する人がいますが、それは全く別物です。骨の合わせを作るには、最も大切なのが手に気が入っている状況でのゼロ状態です。

言葉を変えていうなら、元合気会師範部長、気の研究会の故・藤平光一師範が指導した折れない腕の状態である必要があります。それにより、相手には腕という重い棒を持たせている状態にしておくのです。これがポイントです。

腑抜けは相手に持たれている状態、骨の合わせは相手に持たせている状態です。この違いを理解して脱力というのは筋肉を腑抜けにするのではなく、相手とのぶつかりを消滅させる技術であるということを理解しておく必要があります。

ゼロ状態を作ると?!

この骨の合わせによるゼロ状態を作るとどいうことが起こるのかというと、完全にゼロ状態になると相手の最も弱い軌道が一瞬で感じることができます。その軌道に移動するとほとんど力を使わずに相手を導くことができるようになるのです。

しかし、少しでもぶつかりがあるとその軌道はまったく感じられません。こういうと骨の合わせの稽古段階の修行者にとっては非常に難しい要求になり、これだけを目標にすると殆どの修行者が脱落することになるでしょう。

しかし、途中段階の人でも効かせる方法があります。それは、以前のブログで紹介した陽の技法と陰の技法をつかうことです。

陽の技法を使う場合の注意点は、手首の感覚がゼロ状態になったときに手首の位置を変えずまずは身体のみ動かすことです。

また陰の技法を使う場合の注意点では、ゼロ状態の感覚をキープすることに留意しながら陰の技法を行うとよいでしょう。

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ゼロにする合わせとは?!

皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。

さて、前回はタイミングを読まさない技術として当会の陽の技術を説明しましたが、今回はもっと根源的な技術である「合わせ」についてお話したいと思います。

このブログでわかること

合氣道を始めとする筋力を主体としない武道では相手の力とぶつからないということが最も大切です。今回のブログを読むことで、相手と力がぶつかる理由がわかります。それによりぶつからないためにはどうすれば良いかということが理解でき、さらには何故ぶつからないと相手をコントロールできるかということまでわかるようになります。そう理解することで合氣道の技に対して投げたり固めたりという視点ではなく、もっと根源にあるものに気づくことができます。

目次

相手と力がぶつからないのが可能な理由
相手と力がぶつかる理由
ぶつからない合わせの技術とは?!

相手と力がぶつからないのが可能な理由

実は相手と力がぶつからないというのは誰でもできることなのです。ところが相手を投げたり固めたりする場合、形にこだわってしまうがゆえに、相手と力がぶつかってしまいます。そこで相手と力がぶつからないのが可能な理由を理解し、力はぶつからないものなのだという確信をもっていただき、ぶつからないようにするにはどうするかを理解していただくためのお話しをまず最初にしたいと思います。

実は人間が二足で立っているというのはかなり不安定な状態です。例えば、人形を立たせる場合を思い出していただくと如何に人形が立っている状態というのは不安定かを思い出すことができるのではないでしょうか? 本当に軽くつついただけでも簡単に倒れてしまいます。

では、何故人間は安定して立っていられるのでしょうか? それは無意識に周りの状況を判断して常にバランスを保っているからです。ですからその判断ができない状態になると人間というのは簡単に倒れてしまうのです。その例が意識を無くしたら人は倒れてしまうという現象からわかることではないでしょうか?

このように実は二足の状態の人というのは非常に不安定なわけです。合氣道では相手が察知できないような方法で相手を崩すことで相手の意識を奪って気絶させることなく相手を倒しているわけです。そういった手段や技術を用いることで人形を倒すように本の軽い力で相手を投げたり固めたりするのが合氣道の根本なのです。

相手と力がぶつかる理由

私たち人間は 相手がいる場合に本能的に相手とコミュニケーションを取ろうとする傾向を持っています。そのため相手を投げたい・固めたいと思ったとき、相手の状態を探るために力を加えつつ探りを入れます。すると相手はその探りを感知してバランスを取ろうとします。

さらに、本能的に人間は相手を崩そうと力を加える際に相手を支えとして自分は安定して相手を崩すように動きます。すると相手もこちらの力を利用しつつ力に抗うようにこちらを支えにバランスを取る訳です。要するに力がぶつかるというのは互いに支え合うためなのです。

このようにしてお互いに支え合うことで相手と力がぶつかり、相手を思うように導けず、相手に技が効かないという結果となるのです。このため少しでも合氣道を知っている人に対し、特に力の強い男性には技のポイントを押さえていても中々技がかかりません。

それゆえ、何年修行を行っても中々護身に使えるレベルまで到達できないと自信を持つことができない男性がたくさんいるわけです。というこの記事を書いている僕もその一人だったのですが…。そのため空手を習いに行ったり、中国拳法をかじったりしました。

話はそれますが、ここで男性とかいたのは、日本の合氣道界では女性には比較的男性は優しく接し、技が効かなくても効いたふりをして技に掛かってあげるため、女性には比較的自覚していない人が多く、ぶつからない技術を知らずして黒帯を持つと「もう相手が何人でも大丈夫!」「短刀取りを教えてもらったのでナイフでも大丈夫!」など自信を持っている女性が多いと聞きます。

それはともかくとして、相手と力がぶつかる原因というのは相手と支え合う状態になってしまうためということを理解してください。

ぶつからない合わせの技術とは?!

合わせの技術を一言でいうのは非常に難しいです。といいますのは、合わせの技術というのは様々な要素が複合された技術だからです。そこでそのコンセプトだけを述べると、 相手と支え合う状況をつくらないという前提条件のもと、 相手にこちらの意図を読まさない状況を守りつつ、相手が立っている人形のようにわずかな力で加えることで崩すせる状態にしてしまう技術といえるでしょう。

端的に言うと、合わせの技術とは相手とのぶつかりをゼロにする技術の総称です。ところで何故合わせの技術というかといいますと、相手とぶつからない状態というのは実は全く力を抜いた腑抜けた状態でも可能なのです。しかし腑抜けた状態では相手を導くことができません。そういった腑抜けた状態と区別するため「合わせ」という言葉を使っています。

合わせの状態、すなわち、相手を支えとして使わず相手の力とぶつからない状態を作るとどうなるかといいますと、相手側からこちらの力を全く感じない状態となります。そうした状態でこちらの動きや重み(運動エネルギーなど)などを与えてやると相手はもろに影響を受け、思わず導かれてしまいます。

しかし、この動きや重みを伝える際にも相手に意図を読まれるとぶつかりの原因となり、相手を導くことができません。しかし、この伝える技術はまた別の技術であることをご理解いただく必要があります。まず大切なのは合わせの技術を身に付けることです。その上でさらに相手にわからない伝達の技術が使えると相手を崩せるようになります。相手が崩せれば、後は投げたり固めたりは簡単にできるようになるわけです。

  ◆   ◆   ◆

今回はいかがでしたでしょうか? 合わせとは相手にこちらの意図を全く感知させず、相手と支え合うことを回避する技術だったわけです。次回からは、もう少し具体的に合わせの技術を述べていきたいと思います。次回は最も基本的になる骨の技術の合わせについて述べたいと思います。最後までお付き合いありがとうございました。

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タイミングを読ませない!

皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。

さて、前回は相手とぶつからない技術の話をしましたが、実は相手とぶつからないためには前提条件があります。それは「相手にタイミングを読まれない」ということです。

自分のやろうとすることが相手に悟られると当然相手はそれを察知して対抗しようとします。そうなるとすべての技が封じられ、結局相手とぶつかるという現象となってうまく技がかからないという結果に終わってします。

そこで今回から相手にタイミングを悟られない技術についてお話していきたいと思います。

このブログでわかること

合氣道でタイミングを読まさないということで相手に悟られない技術というのはたくさんありますが、今回は陽の技術についてお話します。陽の技術は自分の動きを相手に伝える技術ですが、問題はその伝え方が非常に大切です。

陽の技術に慣れていない人が技を受けると伝え方に関係無く確かに効果が出ますが、術理が分かっていてその動きを読んでいる相手には伝え方が悪いとこの技術が通用しません。

しかし伝え方を習得すると相手が理屈が分かっていても十分に技に掛かりますので、その伝え方を理解することで技の効き方が大きく変わります。またこのブログでは陽の技術の稽古方法を説明しますので、この稽古方法を真剣に稽古された人は自分の動きをスムーズに相手に伝えることができるようになります。それにより他の人の一つ上を行く技をかけることができるようになります。

目次

陽の技術について
陽の技術の稽古方法
タイミングを相手に読まさない

陽の技術について

陽の技術というのは、自分の動きを相手に伝える技術です。合氣道では「気の流れを途切れずに技を行う」「一度動きを起こすと止まらずに流れるように技を行う」という点に留意して技を行うように指導されています。

これは実は理科(物理学)でいう運動エネルギーを利用するということを示しているのです。というのは誰でも重いものが移動するとそれにエネルギーがあるというのは経験的に知っています。

例えば、50キロの荷物が地面に置かれているのをみても誰も避けようとしませんが、50キロの荷物が頭上1mから落ちて来るのが分かったらたいていの人は避けるでしょう。これは経験的にそんな大きなものが落ちてきたらケガをするのが分かっているからです。

50キロといっても動きがあるのとないのでは全然違うとうことです。50キロというと多分女性の体重ぐらいでしょうが、これでも動きがあると大きなエネルギーを持つということです。

ただ一般的に、私たちは人が動くことに見慣れすぎていてそれほど大きなエネルギーがあるように思っていませんが、そこに誤りがあります。実は人が動いている自体で大きなエネルギーがあるのです。そういった運動エネルギーを使うのが陽の技術と当会では呼んでいます。

陽の技術の稽古法

では、陽の技術の稽古方法をお話します。これにより伝えるという感覚が身に付き相手の力とぶつからない感覚が身に付きます。

陽の技術の稽古方法は下図の①~③に示す段階で行います。
①相手の肩に手を置いて手を伸ばした位置に立ちます
②肘を曲げつつ相手に素早く近づいていきます
③②の時点で相手を後ろに突き飛ばしつつ前にさらに進みます

               陽の技術の稽古法

注意事項としては①で相手の肩に置いた手は軽く触れている程度にし、②に至るまでその触れている圧力を変えず、③の位置に来た時点で相手を後方に押します。ただし、押した際に相手と力がぶつかる感覚がある場合や相手に抵抗される場合は動きの伝え方が上手くいっていません。

陽の技術の目的は、一つは動き(’運動エネルギー)をまずは作ること、2つ目はそのエネルギーをぶつからずスムーズに相手に伝えることです。スムーズに相手にエネルギーを伝えるため大切なことは伝えるタイミングを相手に読まさないことです。

タイミングを相手に読まさない

相手と力がぶつかったり、抵抗されて失敗する場合は、明らかに相手にいつどのタイミングで押してくるのかというのがあらかじめ伝わっているからです。

その理由として挙げられる問題点としては
 ①初めから押すタイミングを決めている
 ②初めから力が入っている
 ③途中から徐々に力が入ってくる
 ④押し出すときに掌の一点に力が集中する
などが考えられます。

まず①について述べてみましょう。この稽古で大切なのは相手に読まれないということです。そのためにはまずは相手を後方に押そうという気を無くす必要があります。人は接触をしていると、相手の意志が案外読めるもので、あらかじめどのタイミングで相手を押そうと決めていると、大概の相手は最初の時点でその意思を読むことができます。そのため押し出したときにはもうすでに相手に逆らわれるということがおこるのです。

②についてですが、自分は力を抜いているつもりでも案外と肩や腕に力が入っていることが多いです。わずかな力でも入っているだけで小さなぶつかりが最初からできてしまいます。すると相手はその力の変化を読み取ることができ、対抗されてしまいます。

③ですが、徐々に力が入ってくるとこの地点が危ないと相手は察知してしまいますので、最後まで力を入れないことが大切です。

④ですが、動きを伝えようと思うことで、つい掌に力が入り、掌底の一点に集中する動きができ読まれます。

以上問題点を上げましたが、この動作を行うコツは指全体を含む掌全体をまんべんなく相手に当てることで相手はこちらの動作が読めなくなります。

何故このような4つの問題点が出るのかといいますと、ちょっとした意識の変化で手が勝手に動いてしまうことが原因なのです。それで掌全体が相手に触れているということでその微妙な変化がもろに相手に伝わるため簡単にこちらの次の動きが相手に読まれてしまいます。

ですから、この動作で100%相手に読まれない稽古をすることで相手に動き(運動エネルギー)の伝え方が理解できるようになります。それによって形稽古にこの伝える技術を入れていくとさらに技が良くなるのです。

  ◆   ◆   ◆

合氣道の技の要は、投げ技や固め技ではなく如何に相手に読まれない動きができるかという点です。ですからどの角度で捩じるとかいうのもある面は大切ですが、技を知っている相手だと完全な角度を知っていてもうまく逃げられてしまいます。

これに関しては、コツがわかるとすごく技が他の人に掛かるようになりますが、周りそのコツになれてくるとまた技がかからなくなるという現象を合氣道をしている方なら経験があると思いますが、これが投げたり固めたりの部分のみに意識が行っているためなのです。

私の亡くなった師匠である井口師範は「投げたり、固めたりは枝葉」といいましたが、まさしくそのことを言われていたのだと思います。

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力がぶつからない技術

皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。

さて、合氣道の修行者の皆さんは相手と力がぶつかって技がかからないということを経験することがあるのではないでしょうか?

そんなとき、『相手が意地悪をしている。もっとちゃんと技に掛かってほしい』と考える人と、『自分の技が未熟だからできない』と考える人とがいると思いますが、実は意地悪でも未熟でもなく、【ぶつからない技術】が使えていないだけなのです。 当会ではこのぶつからない技術のことを【核の気】と言っています。

この核の気については前々回の「当て身の稽古は地と繋がる為」というところでも述べましたが、今回はこの核の気についてもう少し深掘りしていきたいと思います。

このブログでわかること

ぶつからない技術というのは、相手の力を自分の体を通じて地面に流す技術です。相手の力が地面に流れれば相手とぶつかることがありませんので技が掛けやすくなります。また手が触角であることや、力を抜くということの大切さ、タイミングの重要性がわかり技がより上達しやすくなります。なお、核の気がわかると、座り技呼吸法を行ってもわずかな動きで相手を倒せるようになります。また投げ技でもわずかな力で相手を投げることができるようになります。

目次

相手の力を地に流す技術・核の気
核の気のポイント
投げたり固めたりは本の枝葉

相手の力を地に流す技術・核の気

前々回に核の気についてお話ししました。この核の気の感覚を養うためには当て身の稽古が最も有効と思われます。そして当て身の稽古をやっている中で拳の衝撃が地面とつながるという感覚ができた時点で核の気が使えているということになります。

この感覚を養成するためには、最も大切なのは体全体に力が入らないことです。要するに体全体の筋肉を引き締めないということです。ある種の打撃系武術では体の筋肉を一瞬に引き締めることで打撃力を上げるということをやりますが、合氣道の当て身の場合はこれとは真逆になりますのでこの点が非常に大切です。

具体的にいいますとボクシングでは最もやってはいけないという「手打ち」というような打ち方で合氣道の当て身は稽古を行います。ちなみにボクシングでいう手打ちというのは、腕の収縮だけでパンチを打ち出すことで、体重も乗らず、相手を倒すだけの力が出せない最も良くない打ち方を指します。

前々回のブログでもお話ししましたように、この手打ちのようなパンチが地面とつながると強大な力がでます。これは相手と接触が生じたとき拳が直接地面とつながる為です。要するに地面というのは地球ですから地球を味方につけ、地球と相手をぶつけるわけです。

ところで、核の気の使用にも、最低限は衝撃に耐える腕の強さが必要になります。ですから、幼児が強力なパンチが打ち出せるかというとそうではありません。その点は注意が必要です。

核の気のポイント

核の気を使うのに大きなポイントがあります。それは合わせと誘導との2つのステップが必要であるということです。

【合わせ】
合わせというのは 相手の力を感じるため相手の力に当たることを言います。

合わせを行うには、手を触角として使うために最初は脱力させ、次に相手の力を感じるため相手の力に当てます。相手の力に当てる場合誘導したい方向に相手の力が当たる個所を探します。

【誘導】
誘導とは合わせで力の方向性を知覚したなら、自分の腕をコントロールすることで足の裏に力が伝わる方向を見つけることです。相手の力が地面に伝わると突然相手が動き出します。

相手の力と当たる個所が見つかると、自分の腕をコントロールして相手と自分の足の裏がつながるところを探します。相手の力と地面がつながると相手は勝手に誘導したいと思う方向に移動を始めます。

誘導についてもう少しわかりやすい例でいいますと、コーヒーカップの耳を持つ手をイメージしてもらいたいと思います。コーヒーの量がかわると当然カップを持つ指の力加減は変えないとコーヒーをこぼしてしまいますが、こぼす人がいないということは人は無意識にコーヒーの量によってカップを持つ指の力加減を変えているのです。

足の裏に力を伝えるというのはこのコーヒーカップを持つ指のような微妙な力加減と同様のことを腕全体のコントロールを行うことで相手の力を地面に伝えることなのです。決して体全体を固めて足に力を伝えることではないことに注意が必要です。

そのようにできたとき初めて相手が動き出します。ちなみにことき感じる感覚は当会の陰の技法を行うときに得られる感覚が非常に参考になります。そのため基本動作として陰の技法を稽古しておく必要があります。

投げたり固めたりは本の枝葉

核の気を使用した技を考えたとき、合氣道で大切なのは合わせと導き(誘導)であるということがわかります。

私の合氣道の師匠である故・井口師範は「投げたり固めたりは本の枝葉」ということをよく言われていました。要は投げたり固めたりというのは単なる結果に過ぎず、その前段階までが本当は大切だということでした。

要するに投げたり固めたりするその前にプロセスがあってそのプロセスこそ重要なのだということです。そのプロセスこそが当会で教える核の気です。師匠は「体の中心から気が出て力となったときこそが呼吸力がでるのだ」といいましたが、この中心(コア)からでる感覚があるため当会では核(コア)の気として核の気と呼んでいるのです。結果的には相手を合わせて誘導することなわけです。

井口師範は「元を忘れるな。何が幹であるかを知ることが大切」とおっしゃいました。そのため当て身の稽古をするように常々言われていたのです。

  ◆   ◆   ◆

今回は、当会が指導する核の気について少し深掘りしました。核の気というのはコアから出る気ということなのですが、身体を固めず(リラックスしていて)、腕の力加減をコントロールすることで足底に相手の力が流れる場所を探して相手の力と地面をぶつけるという技術なのです。

最もわかりやすい稽古は、手打ちのパンチを行って拳に感じた衝撃が直に地面に伝わるという感覚を養うことです。このとき重要なのは手の動きだけでパンチを行うということです。この当て身の稽古方法は前々回で詳しく説明していますのでそちらを参考にしてください。

核の気を使う当て身では前方向のみに力をぶつけるというやり方をしましたが、 核の気を合氣道の技で使う場合はこの感覚を四方八方に使う必要があります。ここがやはり難しいのですが、これも稽古次第です。

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合氣道と護身の間合い

皆さん! お元気ですか?
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さて、今回は一般の人にも役に立つ護身術の基本的な考えと護身の間合いについて話していきたいと思います。間合いというのは合氣道では相手との距離をいいます。護身を考えた場合、犯罪者と自分との間の距離ということです。

今回のブログでわかること

護身術の基本的な考え方がわかります。その考えから犯罪者と自分との間の距離で何をすべきかを理解することで、未然に安全が確保できるようになります。

これは一般的な護身だけでなく、合氣道のような護身を想定した武道において非常に大切な考えであり、技の稽古においてもこの考えをもって行うことが大切であり、合氣道を特に護身術として考えている人には必須の考えですので、是非理解して日ごろの生活でも意識するようにしていただくと、未然に危険から回避できるようになります。

目次

護身術の基本的な考え方
危険に関する3つの距離
犯罪者のリズムを見る

護身術の基本的な考え方

護身術というと暴漢などに襲われた場合を想定して、相手がどう攻撃したらどう避けるかという議論がよくなされますが、最も大切なのは安全確保です。

ですから護身術というのは戦闘術や格闘術とは全く違うものです。相手と接触するというのは最悪の場合であって、その際に用いる術(体術)を使うことが無いように努めるのが本当の護身術です。

このように話しますと、「じゃあ、体術は必要ないのか?」と誤解されますが、その最悪の状況において、少しでも状況を好転させるために用いるのが体術だと考えておく必要があります。ですから体術を使うことが起こるというのは最悪の状況であるということをまず頭において下さい。

そしてその最悪の状況において少しでも優位に立てる方法を取るのが護身術です。そのためいくら腕に自信があっても正々堂々と戦うという発想を持たないことです。

まず推奨できるのは、危ない状況になりそうな段階で、武器に使えるものを想定できることが大切です。例えば、相手に見えないようにボールペンを握っておいて、相手が攻撃してきたらボールペンを突き刺すなど相手の意表をついて攻撃を仕掛けることです。そう考えると、日ごろから身の回りのものを如何に武器にするかということを考えておくととっさの時に便利です。

そして武器が全くない状況において、初めて体術を使うという選択肢をもっておくことです。特に女性の場合は体術を知っているのといないのでは雲泥の差がでます。

何故なら性的暴行を狙う暴漢は弱そうな相手を狙って襲う傾向があるといわれていますから、襲った相手が手ごわいだけで逃げ出す可能性が高いといえるからです。

危険に関する3つの距離

前項でお話ししたように護身術は自己の安全確保ということが目的であるという点が大切といいました。そのためには危険な場所には近づかないというのが大切です。

しかし、仕事で遅くなるなどで、一人で夜道を歩く必要があったり、旅行などで一人で知らない街を歩く必要があったりすることが無いとは言えません。

そんな場合、犯罪を未然に防ぐために犯罪者と自分との間の距離を理解しておく必要があります。

それには3つの距離というものがあります。合氣道においては畳1枚分、畳3枚分、畳6枚分です。これでは一般の人にはわかりにくいので、2m、6m、12mと考えていただくと良ろしいでしょう。

まず遠い距離からお話しますと12mというのは、街中では暴漢から走って逃げるには十分な距離です。ですからこの距離で暴漢を見つけられると、走って安全な場所(人の多いところなど)に逃げることができるということです。

次に中間距離の6mですが、暴漢がすぐに襲える距離ではないということで、相手に隙があればすぐに逃げることができる距離です。また間に障害物のあるところに入れば相手は危害を加えることができなくなる距離です。ただし、多くの犯罪において犯罪者を6mまでで発見できないことで起こるといわれています。

ですから、危険と思われる場所を仕方なしに通らねばならない場合は、犯罪者を6メートル以上離れた距離で判断できる必要があるということを頭に入れておいてください。

最後に2mの距離ですが、これ以上近づくと非常に危険といわれる距離です。人が判断して反応するのに約0.5秒かかります。また2mは犯罪者があなたに近づくのにかかる最大の時間が0.5秒でもます。ですから2mの距離を確保できると、冷静であれば相手の刃物の一撃も躱すことができる距離でもあるのです。

ですから2m以内というのが最も危険な距離であり、体術が必要な距離ということです。合氣道においても最初の間合いが畳1枚分というのは非常に理にかなっています。

このように距離の知識をあらかじめ知っておくと、如何に暴漢にいち早く気づけるかというのが護身の要になるということがわかるのではないでしょうか。ですから、危険と思われる場所に一人で踏み込む必要がある場合、周りをよく観察することが大切であるというのは言うまでもありません。

犯罪者のリズムを見る

最後に、犯罪者をいち早く知るためのヒントを述べたいと思います。合氣道の師匠・故井口雅博師範によりますと、犯罪者が獲物を狙うとき独特なリズムになるといわれていました。

合氣道において「見る」というのは非常に重要な要素に位置しています。合氣道では見ることで相手のリズムを知り、合わせによって相手を制するわけですから、見るというのも特殊な見方が存在します。その味方を使って犯罪者のリズムを見るのです。

まず犯罪者のリズムについて説明しますと、例えば、人ごみの中でスリを働く人がいる場合、スリがターゲットに向かったときに独特のリズムができるというのです。

具体的には、街中の人ごみの中では、川の流れのように人は全体的に同じリズムで動いているそうなのですが、犯罪者はそのリズムとは違った動きをするというのです。ですから、よくよく観察していると簡単に見分けがつくということです。

ところが「よくよく観察する」なんてできないと思われる読者の方もいらっしゃると思いますが、井口師範が言われているよくよく観察するというのはじっと観察するということではありません。 リズムを見る目で見るということです。

合氣道には独自の見方、眼法があります。しかしそのやり方を説明するより、科学的な説明をした方がわかりやすいでしょうから、科学的な説明をしていきたいと思います。

人の目というのは、中心視野と周辺視野というのがあって、中心視野というのは静止したものをじっくりと観察するための視野であり、周辺視野というのは動きを観察するためのものです。これは特に草食動物によく発達しているもので、草を中心視野で確認しながら、周辺視野に映る遠くの肉食獣の動きをいち早く判断できるようになっています。

この周辺視野でみるようにすることで全体のリズムのなかの違和感を感じるリズムがわかります。ですから、全体をぼんやりと眺めるような目つきで様子を探るという癖をつけると、暴漢の接近がわかるようになるわけです。

  ◆   ◆   ◆

今回のブログでは護身の立場から間合いについて述べましたが、合氣道修行者もこの距離を常に意識する必要があると思います。

といいますのは、武道において大切な考えに「先」というのがありますが、この「先」をいつ取るかという点においてこの距離感が必要訳です。 ただ単に動く だけで、先を取る意識無くして武道が成り立ちません。

具体的には合氣道の稽古でこの点が抜け落ちることがよくあるのです。例えば、他の武道経験者に指摘されることなのですが、形稽古において相手を投げ技で投げた後、投げた相手が受け身をとって立ち上がってこうようとしている際に、有段者でも不用意にこの距離内でぼんやりと待っているというケースです。

これは相手が格闘経験のある相手なら、すぐさま攻撃を仕掛けてこれる状況であるという自覚がないまま、こちらが準備できるのを相手が待ってくれるという前提で稽古を行てしまうというようなことを平気でやっていることになるのです。

ですから、この距離(間合い)についてよく理解し、相手がいつかかってきても良いように、形稽古においても、気を抜かずちゃんと相手をよく観察しておくこと、いわゆる残心を忘れてはいけません。形稽古においてつい忘れがちになりますが、今一度間合いについて肝に銘じておくことが大切です。

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当て身の稽古は地と繋がる為

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は近年の合氣道ではあまり稽古されなくなった合氣道の打撃法である当て身の稽古の意義についてお話ししたいと思います。 近年、合氣道の当て身についてはほとんど言及されなくなっていて本来の合氣道の当て身がどのようなものかもわからなくなっているのが現状ではないでしょうか。

そのため当て身の必要性を感じる合氣道修行者も他の打撃系の武道の打撃法を学んで当て身として取り入れる人もいるようです。 今回は本来の当て身の修行が如何に大切かについて体験から得られたことを書いていきたいと思います。

本ブログでわかること

今回の記事を読むことで、合氣道の当て身の威力がどれぐらいかがわかります。さらには当て身の稽古を行うことで得られることの重要さを知ることができます。それによって、当て身の稽古で身に付けた身体の使い方は投げなどの技における身体の使い方の基礎を養うことができるという事実が理解できます。

そして当て身の稽古は一人稽古ができる非常に優れた稽古方法であることが理解できますので、中々一人稽古ができないで悩んでいる合氣道修行者には大きなメリットとなります。しかも合氣道の上達に直結することがわかるようになり、当て身の稽古の意義と素晴らしさを実感していただけます。

目次

合氣道の当て身の威力を知る!
合氣道の当て身は地面と結ぶ
地とつながる当て身の稽古法

合氣道の当て身の威力を知る!

僕は実は井口師範より合氣道の当て身をかなり学んでいたのですが合氣道をやっていた当時は合氣道の当て身で人に打撃をしたことがありませんでした。大概はコンクリートの建物の壁や立木や電信柱を叩くということばかりやっていました。

しかも、他の武道で僕が経験したような力を溜めて突くようなやり方ではなく軽くポーンと壁や立木や電信柱に拳をぶつけるというようなやり方だったので、内心はこんなので効くことはないだろうとさえ考えていました。

ところが、井口師範が他界されて合氣道が学べなくなった後、ジークンドーという武道を行ったときに、パンチのトレーニングがあまりにもハードだったので、あるとき手を抜いて合氣道風のパンチを出したことがありました。

パンチングミットでパンチを受けてくれていたパートナーの人が、「急に極端に打撃力があがりましたね!」というのです。内心は『手を抜いただけなのに…』と思いながら非常に不思議に感じましたが、でもまだそのときは『樂できてラッキー❤』的な意識しかありませんでした。

しかし、 しばらくして打撃技のスペシャリストである空手の高段者の方とスパーリング(試合形式の稽古)を行う機会がありました。そのときに合氣道の当て身の恐ろしさを実感することになったのです。

相手は空手のシニアクラスの常時入賞者でしたので、僕はかなり気合が入っていました。何とかこの人に打撃を当てたいと思って戦いに臨みました。

そして、戦っている最中に思わず合氣道の当て身が出てしまったのです。合氣道の当て身の特徴は出だしが読みにくいという点にあります。ですからスルッとその空手の高段者の方の胸にパンチが命中したのでした。

イメージ的にはそんなに強く打ち出したという感じはなかったのですが、驚いたことに相手は後方2メートルほど吹っ飛んで、尻もちをついてひっくり返りました。

軽く出したはずのパンチで相手が吹っ飛んだのですから出した当人である僕の驚きといったら言葉に表すことができないのは言うまでもないでしょう。この体験で初めて合氣道の当て身の威力の恐ろしさを知ったのです。 もしこれが顔面に当ていたらと思うとゾッとしました。

ちなみに、この時使用した当て身というのは「核の気の当て身」と当会で呼んでいる技術です。井口師範がときどき「体の芯から気がほと走らせて当て身が打ち出せたら大したもの」と言われていたため、芯から出る気ということからコアという意味で核という言葉を使って「核の気」と呼んでいるわけです。

下の動画は会員にその実例を示したものです。見た目かなりショボいパンチ (僕の意識では10%ぐらいのイメージ) ですが、受けの方が後方に弾かれています。ちなみに受けの方はフルコンタクト空手の経験もある元格闘家の方なので、パンチを受けたのが初めての素人ではありません。

合氣道の当て身は地面と結ぶ

前項の動画を見ると、ボクシングにおける悪いパンチの例とされる「手打ち」のような打ち方をしています。ですから本当に効いているのかと多分プロボクサーでも思われるのではないでしょうか? ところが、実際に受けてみるとかなりの衝撃を感じます。

ではこの当て身の秘密はどこにあるのか?と思われたと思います。この秘密は実は打撃が相手に当たった時点で、パンチ表面に衝撃として力を感じますが、それを感じたと同時にその力を地面に結びつける点にあります。

当て身を長年稽古していると、ある時点で「パンチに衝撃が加わったと同時に足の裏にその力が感じる」という経験をします。するとこの時、足が地面に根が生えたようになるとともに、体の芯から力がほとばしり出る感覚が起こります。

体の芯からでるといいますと、丹田という臍下にある体の重心からほとばしり出ると誤解されることが良くありますが、これは飽くまでも体の芯、コアから力あるいは気が出るという感覚であります。そのため足に根が生えたように地面とつながった感覚がでるのです。そこで当会では「核の気」と呼んでいます。

この「核の気」の感覚が体に出始めると、この感覚は投げ技にも使えるということがわかります。またこの感覚を経験すると天の鳥船の行(船漕ぎ運動)のやり方も変わり始めます。

どう変わるかというと、相手の力を感じたとき常に地面と結びつくようになるのです。これは天の鳥船のような一人稽古においても動きが地面と連動するような感覚になります。

そうなると、体の転換などの動作においても地面と結びつき簡単に相手を誘導することができるようになります。これは優れた一部の人だけができるという特殊な技術ではありません。誰でもできる技術です。

下の動画は当会の会員の稽古風景を一部切り取ったものです。両手でしっかりと持った自分よりも体格の大きい相手を己が地面と結びつくだけで左右に誘導しています。動画では受けの人が勝手に歩いているように見えますが、逆らおうとしているため止めようとする足の力により足の踏み込む音がかなり大きくなっている点に注目してください。

ちなみに実演者には「核の気」の技術を2か月ほど前に教えたばかりなので、動画の前半では感覚の調整に時間がかかって誘導できていませんが、感覚ができるとともに相手を誘導しているのがわかると思います。

地面につながる当て身の一人稽古法

まず大切なポイントに拳の握り方があります。素手で硬いものを叩く場合、拳の握り方は非常に大切です。ボクシングの様にグローブをはめる格闘技では拳はほとんど握らないのが普通ですが、素手で硬いものたたく場合、拳を握らないと骨折をしてしまいます。

また、拳を固めるといってコチコチに握ると、意識が拳の中に滞ってしまい、気が拳を通じて流れなくなります。合氣道では拳を握っては技がかからないというのは実はこのことを言っているのですが、これを誤解して合氣道では拳を握るのは良くないとして、当て身でも手刀を使うようにといわれる方もいらっしゃるほどです。

しかし、僕が学んだ井口師範は、「拳を一度思い切り力いっぱい握って、ゆっくり緩めて拳に意識が行かない程度まで緩んだとき本当の拳ができる」といわれました。

そのようにして拳を握ると壁や立木を拳で軽くたたいても痛みがかなり少なくて済みます。それは拳に弾力性がでるためです。しかもある程度握っているので拳の中で骨折するということもありません。これが合氣道の当て身的には正しい握り方となります。

さらに、当て身の稽古をする場合、力を抜いて、立木やビルの壁に軽くドシーンと響くように拳をぶつける稽古をします。僕の場合は、手に傷をつけたくなかったので軍手をして稽古をしました。そうこうしている内に、拳の衝撃と足の裏で感じる地面がつながってくるようになります。

  ◆   ◆   ◆

僕の合氣道の師匠である井口雅博師範は合氣道において当て身が非常に大切であると常々話していました。また、合氣道開祖・植芝盛平翁先生は合氣道の実戦において「当て身7分に投げ3分」と言われていたとも言われていますが、井口師範は当て身の稽古は合氣道の身体を作るといいましたが、これは地面とつながるということだったのです。

ちなみに、最初の項でジークンドーの稽古の話や空手家の人とのスパーリングの話をしましたが、合氣道の当て身が他の武道の打撃技より優れていると言っているのではないということをご理解いただきたいと思います。

あくまでも合氣道は打撃をメインとする武道ではありませんが、かなりショボいパンチでも地面につなぐと威力が出るということを心にとめていただくとよろしいかと思います。他流批判ではありません。空手や中国拳法でも一撃で人を簡単に死に至らしめる打撃力を持った方はたくさんいらっしゃると聞いていますので誤解をされないようにお願いします。 当然、僕のパンチではそのようなことはできません。

打撃系武術には打撃系武術の秘術があり、その秘術をもってすれば僕ができる当て身の何十倍もの威力の打撃ができるということです。

僕の当て身を受けた空手家の人の名誉のためにも言っておきたいのですが、動画で見てわかる通り見た目非常にショボく見えるパンチです。当然当人はなめてかかったと思います。その上、今までに経験のない打撃法を受けたため、 人間は知らないことには対処ができませんので上記のようになっただけです。2度目は効果があるかというとそうではないかもしれません。

ただ護身といったレベルで考えると是非女性にも習得してもらいたい技術だと思います。

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骨格と姿勢反射

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、私の合氣道の師匠・井口師範は合氣道習得の段階として形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 があると話してくださいました。

現在当ブログではその中の体の段階について述べいます。さらに、体の段階では4種類の技術があり、それらは、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術です。前回は骨の技術の内の相手の骨格の捉え方について説明しました。相手の骨格をとらえるのにもう一つ理解しておく必要があります。それは身体には反射が起こるということです。今回はその点について話したいと思います。

このブログでわかること

合氣道で技をかける際にあまり重視されないことに反射があります。合氣道で利用する反射は、人間の骨格構造上で常にバランスを取っているため骨格の変化によって自動的に反応が起こるという現象です。これがわかると合氣道の技は相手を導くといわれる意味が分かるようになるだけでなく、最小限度で相手を崩すことができるようになります。

目次

姿勢反射
肩甲骨の位置と反射
背骨と膝の反射
骨格の変化により相手を導く

姿勢反射

人間の身体は、 全身の状態を知覚するためのセンサ の機能をもった受容器があり、それによって、自動的に体の位置や姿勢や運動における平衡を保つことができるようになっています。これを生理学では姿勢反射といいます。

そのため人間の身体はある状態になったとき勝手に反応するわけです。私たち合氣道修行者はこの特性を利用して相手の無意識の反応を引き出し、技につなげることができます。

言い方を変えると骨格上である部分が変化するとそれに応じて他の骨格が自動的に変化するということです。ですから私たち合氣道修行者はこの特性をよく知っておく必要があります。以下では合氣道修行者が利用しやすい反射について述べていきます。

肩甲骨の位置と反射

合氣道で相手を導くということをよく言われますが、そのためには相手の肩甲骨の位置とバランスの関係を知っておくと非常に便利です。

相手を前面に倒したい場合、肩甲骨を前にずらすと前方に崩しやすくなります。いわゆる巻き肩のように肩甲骨をが前にずれると前に倒れやすくなります。これは一教~四教、回転投げなどで利用できます。

また相手を後方に倒したいのであれば、肩甲骨を後ろにずらします。すると相手を後方に倒しやすくなります。代表的な技としては小手返し投げや入り身投げ、隅落としなどに利用できいます。

当会の稽古では、肩甲骨部に連なる筋膜に伸展の刺激を与えることで肩甲骨を前方にずらして相手を崩す「きりもみ」という名前の技術を入れています。これはこの肩甲骨の位置による身体の反射を起こるのを理解するためです。

背骨と膝の反射

背骨は大きく分けて、頚椎、胸椎、腰椎の3つのパートに分類されています。頚椎は首の部分で7つの骨から成り立っていて、胸椎は胸の部分で12個、腰椎は背骨の下部である腰の部分で5個の骨で構成されています。僕たち合氣道修行者が狙うのは頚椎と腰椎の2か所です。

基本的には頚椎が後ろに反ると、反射として腰椎が反り、腰椎が反ると反射的に膝が前方に移動してバランスを取ろうとします。また、背骨を屈すると反射的に尻が後方に引けます。これが背骨に関連して起こる反射です。

骨格の変化により相手を導く

骨格がどのようになると反射が起こるかといった特性を理解していると、合氣道修行者のやることはどのように導けば反射が起こるかということを考え、実行することです。

そのためには、反射が起こる条件を知る必要があります。反射が起こる条件というのは、力づくで行うのではなく、自然にその位置に導くということです。力づくで行うと、力のぶつかりが生じ、相手はそのぶつかった力を利用してバランスをとろうとしますので、理想的には相手との力のぶつかりが無いのが好ましいといえます。そのため相手をその位置、その状態に導く必要がある訳です。

僕は師匠の稽古で「導かなあかん」と言われたとき、
 何をどう導くのか?
 導くとはどのようにするのか?
等、わかりませんでした。師匠は「相手が自然に倒れるように導くだけ!」と言われました。要するに、自然に倒れる位置があったわけです。それが反射が起こる位置というわけです。

  ◆   ◆   ◆

2回に渡って骨格について述べてきましたが、骨格を考えることは合氣道修行者にとってとても大切だと感じていただいたと思います。合氣道の師・井口師範から「体は気に従い、気は意に従う」と聞きました。当初僕はこの捉え方を誤っていて、体は気に従うのだから気を鍛えれば技が上達すると思っていました。

ところが正しい体の運用ができなければ、気が流れないのです。気を正しく流そうとするには、正しい体の運用が大切だということだったわけです。

僕たち人間の体は物理法則を全く無視することができません。物理法則にのっとった動きを行ううちに、気の感覚が起こり、気の操作で身体操作ができるわけです。ですから、 正しい体の運用ができ気が意識できるようになった段階で初めて気を意識することで正しい体の運用ができるということだといえます。

それが「体は気に従う」ということだったわけです。

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相手の骨格を読む

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、私の合氣道の師匠・井口師範は合氣道習得の段階として形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 があると話してくださいました。

現在当ブログではその中の体の段階について述べいます。さらに、体の段階では4種類の技術があり、それらは、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術です。前回は骨の技術の内の自分の骨格を利用する技術として肩甲骨の使い方について述べました。今回は骨の技術の内の相手の骨格の捉え方について説明していきたいと思います。

このブログでわかること

合氣道の修行者の中で相手の骨格を意識している人は案外少ないように思います。相手の骨格を意識できるかどうかで、「相手とぶつからない」状態が可能になります。特に自分より力の強い人に逆らわれると技がかからないという人は相手の骨格を意識することでかなり技の自由度が増しますので是非最後までお読みください。

目次

相手の骨格を意識するとは?
相手の関節を意識するとは?
力の強い相手の場合は?

相手の骨格を意識するとは?

では、相手の骨格を意識するとはどういうことでしょうか? ご存じのように人間の体は骨によって支えられています。骨がなければ、立っていることすらできません。さらに骨は、筋や筋肉によって接続され自在に動くことができるようになっています。

また、私たちは、自分の身体の骨格を意識することなく自在に手足をコントロールしています。自由にコントロールしているといっても、実際は骨格の接続部である各関節で折れ曲がったり、回転したりして自在に動いているにすぎません。ですから、骨の途中で折れ曲がるようなフレキシブルな動きをしているわけではありません。

各関節をコントロールする筋肉が無意識レベルで協調して動いてその自在性を実現しているのです。ですから結局は人間の動きというのは各関節で折れ曲がったり、回転したりしたりして総合的に目的の動きを達成しているにすぎないのです。

ですから人間は誰もが関節を意識して動かすということをしていません。そのため人間は自分の関節に異常が起こった時に初めて自在に動かせないということを知るのです。

逆にいうと、相手の関節を意識して、相手をコントロールするということを行うと、相手はそのことに中々気づきにくいものです。そこで私たち合氣道修行者は相手の関節を意識して、それをコントロールしようとすることで相手とぶつからない技が実現できるのです。

相手の関節を意識するとは?

では具体的に相手の関節を意識するとはどういうことかを述べていきたいと思います。

例えば、相手の腕を曲げさせる場合を考えてみましょう。通常相手の腕を曲げさせることを考えた場合、下図のように、肘と手首に圧力をかけて曲げようとするか、手首をつかんで抉(こじ)る力で肘を曲げようとするかのいずれかでしょう。

特に、肘と手首に力を加える場合の力の加え方で行う場合、腕の固定端となる相手の肩と手首から加える下の力と、肘関節を上から押す食い違う力によって強制的に肘を曲げようとします。ところが実をいうとこの力の入れ方は非常に非効率なのです。何故なら肘が曲がった状態というのは相手と相手の手首が接近している状態であるので、相手の肩が固定端となっていことで接近した距離を作り出すのが難しいのです。

モデル的にいうと下図のように両端を支点で支えている状態で、ゴムを伸ばすように下に引き伸ばしているような力の加え方だからです。

腕がゴムのように伸びるのであれば肘のところで容易に曲がるのですが、実際は腕は伸びませんから、力の加え方としては非常に非効率といえます。

また、手首をもって抉るように曲げようとしても、多くの力は骨を折る方向への力となって無駄に消費されてしまいます。ちなみに、これは座り技呼吸技などで手首を持たれたときに相手の腕を曲げさせよと手首部分に圧をかけて抉るのとまったく同じ原理です。

一方、関節の可動範囲を意識することで腕が曲がったときどのように手首が移動するかを意識して力の与え方を工夫した場合、最も効率よい力加減で相手の腕を曲げることができます。

要するに、相手の肘を曲げさせるには、円運動の軌道を描くという意識が必要なのです。この意識があると、最初の肘と手首を食い違いに力を加える場合でも、手首の位置は肘を折り曲げるのと同時に相手に近づける必要があるということがわかります。

そうすることで最も効率よい力で相手の腕を折り曲げることができるのです。私たち合氣道修行者はこのように関節においてどこに導けばよいかを意識して技をかけることで最小限の力ということがわかるようになります。

このように相手の関節を意識し、どのような軌道で相手を導くかをイメージするというのが非常に大切なわけです。

力の強い相手の場合は?

ところで確かに関節を意識すれば最も効率の良い力加減で関節部を折り曲げることができるのは理解できます。ところが相手が力の強い場合は効果がないのではないかという疑問が生じるのではないでしょうか?

実は人間の筋肉の構造上、力を入れられるのは一方向のみに限られています。ですから何も力が加わっていない方向に自分の筋力が加わると関節か勝手に曲がるか伸びるかどちらかになってしまうのです。ということは、相手に逆らわれるということは自分の力の入れる方向に相手の筋力が逆らっていることに他ならないのです。

さらにもう一点、運動生理学で分かっていることですが、相手がこちらの力の方向が読めない場合、気づいてからそれに対抗するのに0.5秒かかります。

しかも、人間の関節というのは相手の腕をコントロールするという点だけに限定しても、肩関節、肘関節、手首関節などがあり、さらにねじり方向など含めると、相手が力を加える方向性を考えたとき幾通りもの選択肢が考えられます。

ですから技の掛け手の視点から見ると、関節の可動範囲を考えるにもどの関節を意識するかというだけでも多くの選択肢があります。ということは相手にどの関節を狙っているかを悟られさえしなければチャンスはある訳です。

理想的をいえば、一つの関節から相手を崩したなら連動して次々と関節を変えていくことで常に相手の先をとれたなら、相手を自由に扱えることになります。これができると例えば相手に人差し指を持たせた状態で指一本だけで相手の腕をコントロールできるようになります。これには流れるように自分の意識をそれぞれの関節に持っていく必要がありますが稽古次第で誰でもできることであり、不可能なことではありません。

◆   ◆   ◆

今回は相手の骨格を読むということでお話をしましたが、正確には相手の関節を意識して軌道がどうなるかをイメージして技をかけるということでした。相手の骨格を読むといいますとまだまだ様々な要素があるのですが、また別の機会にお話ししたいと思います。

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骨格の使い方を覚える(肩甲骨)

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、私の合氣道の師匠・井口師範は合氣道習得の段階として形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 があると話してくださいました。

現在当ブログでは、その中の体の段階について述べいます。当会では体の段階を骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術の4種類に分けて説明していますが、前回はそれぞれの合わせの技術について述べましたが、今回は骨格の利用の方法(骨の技術)について説明していきたいと思います。

このブログでわかること

井口合氣道で学ぶ合わせの中で特に骨格を如何に使うかを知ることが大切です。骨の技術にも合わせが存在しますが、まずは骨格の使い方を知ることです。今回は特に上半身の骨格の中でも重要な部位・肩甲骨について解説していていきます。その特性を知ることで、 今までできなかった 上級者の動きとの違いが理解できるようになり、自分の動きが改善できます。

目次

骨格を知る必要性
技のポイントは肩甲骨にある
相手に情報が伝わる筋肉

骨格を知る必要性

当会の骨の技術というのは、人体の骨格を知ることで次の2点を確実に理解することです。
 ①自分の骨格をより強く使う
 ②相手の骨格上の弱点を効率的に利用する

まずは①ですが、自分自身の骨格を如何にすれば物理的により強く活用できるかということです。簡単な例でいえば、当てが押してきたときに相手の力に対して自分の足の位置が十字になるような立ち方だと非常に弱いが、相手の力の方向に足が並んでいると対抗しやすくなるというように強い骨格の使い方を知るということです。

②ですが、今度は逆に相手を投げたり固めたりするために、相手をまずは崩す必要があるのですが、どうすれば崩すことができるか、どうすれば相手を停止させることができるかという知識です。

以上の知識があることで初めて相手を投げたり固めたりすることができるわけです。

技のポイントは肩甲骨にある

合氣道の技をかける際に重要なのは、如何にバランスが取れているかということですが、それには強く骨格を利用するということが大切です。

特に合氣道においては手を使う技が殆どですが、特に女性の場合だと男性に比べて腕力が劣るのは当然です。ですから単に筋力勝負になると力の弱い人が負けてしまいます。ところが筋肉を使うにしても骨格を如何に使うかを知っていると非常に有利になります。

特に手を使う技術を中心に行う合氣道ではその付け根部分に当たる肩甲骨の知識が非常に大切になってきます。肩甲骨は腕の動きをよりスムーズにできるようにするための骨でもあるからです。

例えば上に腕を上げる際、ある角度より肩甲骨下部が外側に開きます。あるいは手を水平に後方に開いていくとある角度から肩甲骨は背骨側に移動始めます。

このように腕の動きと肩甲骨は密接な関係があるのですが、肩甲骨の位置によって腕の力をメカニカル的に強くしり、弱くしたりとするのです。

最近、肩甲骨を自在に動かすことで運動エネルギーを増大して伝えるという武道や格闘術が出ていますが、ここでは肩甲骨の位置による

また、肩甲骨は体幹の運動エネルギーを伝えるときの中継、車で言えばクラッチの役割もする部分で、特に当身などの打撃技の場合にためで用いることもあるが、打ち込んだ瞬間では最も強い位置を取るようにします。

相手に情報が伝わる筋肉

合氣道の技で最も大切なポイントは、「相手に情報を与えない」です。その為にはどのよう骨格の動き、要するに「それにかかわる筋肉の緊張が相手に情報を与える」かという事実を知る必要があります。

特に相手と接触している場合は相手はこちらがこれから行おうとする情報が筋肉の緊張によって漏れてしまいやすくなります。

その代表として、以前にもお伝えしましたが、上腕二頭筋と三角筋が挙げられます (座り技呼吸法では何故力が入るのか)

さらに、肩甲骨を後方に引っ張る菱形筋というのもそうです。厄介なことにこの筋肉は腕の位置によって反射的に作用するから余計にコントロールが難しいのです。そのため技によっては菱形筋を用いない腕の使い方を覚える必要があります。

         菱形筋

さらに、腕を動かそうとする際にタメを作る場合どうしても菱形筋で一旦肩甲骨を後方に引くという動作が入ってしまいます。これにより微妙に肩が動くので、相手に攻撃をするという意思表示をしたのと同じことになってしまいます。勘の良い相手だとその動きを察知し簡単に対処してしまいます。

また、一般の人がタメを使おうとすると一旦肩甲骨が後方に引かれますので、実は肩の微妙な動きは観察眼のある人だと十分に情報が洩れるものです。

後で述べますが実は合氣道の技において肩甲骨の位置が非常に大切なのです。この筋肉の影響が出る技として、小手返し投げや入り身投げがあります。これらの技を行う際は菱形筋がタイミングを読まれる原因となります。

肩甲骨の使い方

肩甲骨には2つの使い方があります。
①力学的に強く用いる場合
②体幹からの運動エネルギーを伝えるクラッチ的役割

そのため技に応じてどちらを使うかということをよく認識して意識的に使う必要があります。

まずは①の力学的に強く用いる場合についてお話したいと思います。中国拳法では含胸抜背(がんきょうばっぱい)という言葉がありますが、これは左右の肩甲骨を広げ胸を腕で包み込むような形をとることです。いわゆる巻き肩にするということです。

これは合氣道の技においても力を前方に出す場合は同じ状態を取ります。例えば、片手持ちで行う体の転換という動きがありますが、肩甲骨を前方にずらすのと腕に力が入らずに相手を誘導することができるようになるでしょう。胸を張って行うと見た目を綺麗に見えますが巻き肩気味に行うのが正しいといえます。

特に、胸を張っているのが良い姿勢と思われている方に座り技呼吸法で腕や肩に力が入ることが多いのですが、肩甲骨を前方に移動し肩を落とすことに注意すると体幹の力が手先に伝わるのがわかると思います。

次に②の体幹からの運動エネルギーを伝えるためのクラッチとして使う場合についてですが、これは相手は当身を打つ場合や、人を投げる場合にも使います。これは以前にお話しした陽の技法というものです。

陽の技法では身体と腕を肩甲骨で切り離して置き、まず身体を動かし運動エネルギーを生み出した後、遅れて肩甲骨を動かすことでクラッチの役目を果たさせ、運動エネルギーが最大になった時点で腕に接続することで突然大きな力が加わった状況にします。

この時のコツとしては、体で波を起こし、その波が遅れて肩甲骨をはじめとして腕全体に伝わるという意識をもつと技の効きが大きく変化します。このように肩甲骨を同のように操作するのかを知っていると技の利き方を十分発揮できるようになるのです。

◆   ◆   ◆

今回は自己の骨格の使い方というテーマでお話ししました。特に肩甲骨の使い方が非常に大切ですので、その特徴をお話しました。次回は相手の骨格の考え方についてお話します。

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【体の段階】合わせの目的と種類

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、私の師匠・井口師範はあるとき「合気道では5つの段階を通って学ぶ」とお話しくださいました。その5つの段階とは形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 です。

今は体の段階に関してお話ししていますが、今回は合わせるということについて話したいと思います。

合氣道の稽古で「合わせ」ということをときどき指導者が口にされると思います。しかし、よくよく聞いてみても中々理解できないのではないでしょうか? その理由は「合わせ」ということがかなり抽象的にしか説明されていないからだと気づきます。今回は技ができる人が気づいている合わせの目的と合わせの種類について話したいと思います

このブログでわかること

合氣道の 技に使われる合わせの目的と種類を理解することで、合氣道修行者がよく陥る問題点である「相手との力のぶつかり」の原因を特定することで技がスムーズに行えるヒントをつかむことができます。

目次

合わせの目的とタイミング
合わせの種類
骨の合わせとは?!
皮膚の合わせとは?!
皮膚感覚の合わせ?!
空間感覚の合わせ?!

合わせの目的とタイミング

さて、読者の方に質問をさせていただきたいのですが、合わせの目的とは一体何だと思いますか?

合わせの目的、それは相手の態勢を崩すという点にあります。技が効かない多くの人が考えてしまう過ちは合わせとは単に力がぶつからない状態をつくるだけと思われているのですがそうではないのです。

目的が相手の態勢を崩すといいますと、次に技が効かない 多くの人がよく誤解する点に崩す時期の問題があります。 その誤解というのは、相手を投げたり固めたりする直前と考えてしまう点です。

実は合氣道においては相手を崩すのはできるだけ早い時期の方が良いのです。しかも上級者の技では相手は自分が崩れているのに気づかないように行われています。崩れているから100%の力が出せずぶつからない状態になるということです。

合氣道のおいては合わせとは、相手と向かい合った瞬間から始まっていて、さらに相手と接触した時点で確実になっています。要するに接触した時点ではもうすでに崩れている状態を作っているというのが正解です。

「投げたり固めたりは本の枝葉、もっと幹とは何かを理解しないといけない」と僕の師である井口師範は言いました。投げようと思って崩していてはもう遅いわけです。

こういうタイミングの問題と合わせの目的が分かると合わせの見方が変わってくるのではないでしょうか。

合わせの種類!

合わせの目的とタイミングがわかると次に合わせには種類があるということがわかります。当会で指導している合わせには4種類あります。

それぞれについては後で説明しますが、僕自身も師匠の井口師範から指導を受けたときも「気に合わせる」と一言で説明されていました。さらに、それを「氣結び」ということもいっておりました。

ところがこの「合わせる」ということですが、かなり曖昧でかなり難解なものだと僕は当初から感じていました。というのは、何故か説明されるとわかった気になる言葉ですが、実際具体的にどうやればよいのか皆目見当がつかないというのが現状だったのです。

しかし、あるとき僕は井口師範の技を受けていて「合わせる」動作の見本を見せていただいたときある違和感を感じたことがありました。その違和感というのは一回目にの技を受けたときと二回目の技を受けたときに感じる感覚が違うように感じられたのです。

それに気づいてから、何度も井口師範の技を受けるうちに明らかに感覚が異なっていることを発見しました。そういったことを何年か繰り返しているうちに合わせには4種類のものがあると気づいたのです。

それで僕はそれぞれに名前を付けました。一つ目は骨の合わせ、二つ目は皮膚の合わせ、三つ目は皮膚感覚の合わせ、四つ目は空間感覚の合わせです。実は井口師範は常日頃から「秘伝には名前はない。名前があるとこだわりができるから自然でなくなる」と言われていたためこの分類は井口師範には内緒で名前を付け分類することにしましたので合氣道では全く効かない表現だと思います。

さらにそれぞれの合わせの発見を発端にそれに派生する技術があることを発見し、IAM護身術ではそれぞれの技術に骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術とカテゴリー化して現在会員の指導に役立てています。

ちなみに実際の合わせは、単独で用いるというより複合して用いるのが普通です。以下ではもう少し4種類の合わせについてそれぞれ説明していきたいと思います。

骨の合わせとは?!

骨の合わせとは、相手の力を読み取り相手とのぶつかりをゼロの状態にし、相手のバランスと骨格を読んで相手の力が入っていない関節を中心に円軌道を描いて相手を崩す技術です。骨格を読むことから骨の技術と名付けました。

合わせができない人がついやってしまいがちなことなのですが、例えば片手取りの場合、相手に手首をつかまれますと、相手が力を入れた部分に逆らうように力が入ってしまいます。

これは合氣道を知らない普通の人に起こる反射が原因です。身体のバランスを保つための反応で、日常生活においてこの反応のため身体に大きな負担をかけずケガをしないで済むようにできています。

ところが、あくまでもこの反射は日常生活の中に必要なことで、重いものを持つとか持ち上げるとかする際に身体に負担をかけずケガから身体を護ることで身についたものです。

ですから、相手が人間となる武道では状況が違ってきます。このような反射に頼っていると、相手が自分より強い力がある場合は相手に決してかなうことがありません。合わせとは人を相手にしたものなのです。

こうした点を理解して骨格や力感覚から相手にぶつからない状態をつくることでどう相手を崩せるかを考えるのが骨の合わせなのです。

皮膚の合わせとは?!

皮膚の合わせというのは、皮膚のテンション(張り)を利用して運動エネルギーを瞬間に相手の中心に仕掛ける技術です。これを実現するには実は骨の合わせの感覚がわからないとできません。何故なら皮膚のテンションを利用するためにはぶつかりがあるとできないからです。

皮膚の合わせが行えると、傍目で見ると受け手の人の動きがまるで八百長のようにわざとらしく技に掛かっているかのように見えますが、受け手の人はかなり不思議な感覚を受けるような技術です。

このようになる理由は単に受け手の人が技の掛けての人の動きが読めないため反応が遅れるから起こる現象です。運動生理学では人間が気づいてから反応するには0.5秒かかるという時間差があるといわれていますが、0.5秒というのは武術的にみるとかなり長い時間なのです。

そのため様々な武道では反射神経を鍛えるという稽古をします。しかし、それらは実は相手の動きから次の動きがどうなるかを読むという訓練になっているだけで、この0.5秒という反応時間を0秒にすることではないのです。人間の神経の構造上遅れるというのは宿命のようなものなのです。

それで合氣道の場合は如何に相手に読まれないかという技法が発達しその一つが皮膚の合わせなのです。

皮膚感覚の合わせとは?!

皮膚感覚の合わせというのは、実は運動生理学上の特性や心理学上の特性を利用したもので、人体が感知しようとする感覚の特性を利用するもので、皮膚に軽い刺激を与えることで意識が奪われ気が付くとバランスを崩しているというような性質をつかった合わせです。

この合わせで技がかけられると、ふわっとした感覚で何故自分が倒されるかわからないという不思議な感覚で倒されます。

この皮膚感覚の技術で最も大切なのが重みを伝えることです。重みを伝えるというのは具体的には運動エネルギーを伝えることをいいます。力を伝えるとどうしても相手に力感覚を起こしてしまいますが、運動エネルギーを効率的に伝えると相手は強い力を感じずにコントロールされてしまいます。

ですから皮膚感覚の合わせとは、相手に察知されにくいように運動エネルギーを伝える技術のことをいいます。

空間感覚の合わせとは?!

空間感覚の合わせというのは相手の動作とシンクロさせて動くことを言います。このシンクロの際に大切なのは相手から見てこちらの変化ができるだけ小さく見えるように行うことです。

人間にホメオスタシスの原理が働くため、相手との相対的な変化が殆どない状態を作ることで相手は無意識にその状態を保とうとしてしまいます。

最初は相手の動作に合わせスタートしたシンクロですが、変化をわずかだけ起こるようにこちらが動くことで相手を誘導することができるようになります。

これは電車に良く乗る人だとわかるのですが、駅で自分の乗っている電車が駅で停車していて隣の線路で停車している電車があった場合に隣の電車がゆっくりと動き出したとき、何故か自分の電車が動き出したような錯覚にとらわれることがあると思いますが、これが空間感覚の合わせの原理となっています。

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今回は合わせの目的とタイミングと種類というテーマでお話ししました。合わせとは実は合氣道の技を行う上で最も重要な中核をなす技術であるということがわかると思います。

合わせというのは言葉で説明するのが非常に厄介で実際に技を受けて指導してもらわないと意味がわからないと思います。しかも合わせを実現するための骨格について少し知識が必要なので次回から骨格についてお話します。

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