皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、合氣道について多くの人は、柔道とは異なる神秘的な技を行うものだと考えがちです。要するに「柔道では科学的アプローチが有効だが、氣を用いる合氣道には適さない」という考えです。しかし、合氣道においても実はその基盤には科学的な考え方が重要です。僕の師の井口師範も氣を重視しましたが、自然の理として物理的な考えを否定はしませんでした。当会では、井口師範から受けたノウハウであった物理法則に基づいた技術を「骨の技術」と呼んでおり、今回はその基本である「骨の読み」について説明します。
このブログを読むと
このブログを読むことで、神秘的に見える合氣道の技にも物理法則に基づく原理があることがわかります。合氣道を学ぶ前に、この物理的原理を理解することが大切です。さらに「骨の読みの基本」を学ぶことで、合氣道の技を科学的に理解し、神秘的な技を追求するための基礎がどれほど重要かを認識できるでしょう。合氣道の修行者は、より正確な技を身につけるための指針を得ることができます。
目次
●「骨の読み」とは?!
●骨の読みの基本
●骨の読みの問題
●骨の読みの例
「骨の読み」とは?!
当会の「骨の技術」の基本は「骨(骨格)の読み」です。これは、人体の物理法則に基づいて相手を効率的に導くための方法です。骨の読みには二つの側面があります。一つは、相手が倒れやすくなる方法を読むこと、もう一つは、技をかける際に相手の体に無理をさせず、自然に不利な状況に導くことです。
相手を倒すには、まず相手を導いて崩し、その後に倒すという二つのステップが必要です。ここでの骨の読みは、相手を崩すための導き方と、倒すときにどの方向に導くかを考えることです。それぞれ適切な方向に導くことが重要です。
第二の骨の読みは、特に相手の腕を使って技をかける際に、腕の可動範囲を理解し、その範囲内で動かすことです。合氣道の技では、一見この読みを無視しているように見えることがありますが、これは相手の胴体が動くことで関節が空間的に移動しているためです。移動量を意識しつつ、関節の可動範囲を考慮して導いているのです。
このように、骨の読みでは相手の動きを考えることが重要です。
骨の読みの基本
骨の読みの基本的な考え方は、相手をどの方向に導けば倒れるかを理解することです。初心者にとっては、この骨の読みは難しいかもしれません。そこで、分かりやすくするために、直方体の箱を倒す例を考えてみましょう。
直方体を倒す最も簡単な方法は、地面と接触している辺Lを軸にして倒すことです。普通の人は、力を加えるときに辺Lが軸になるように力を加えます。
しかし、相手が人間になると、力の加え方が難しく感じることがあります。そこで、立っている相手を後ろに倒す場合を考えると、両足の踵を結ぶ線を軸にして押すと、相手が倒れることがわかります。これが骨の読みの基本的な考え方です。
骨の読みの問題
骨の読みの基本が理解できたところで、実際に技をかけると、うまくいかないことがあります。なぜなら、相手は崩されそうになると足を踏み出してバランスを取ろうとするからです。合気道の技では、相手が足を踏み出す前に力の方向を変えて投げにつなげます。つまり、技は「崩す」と「投げる」を同時に行うのではなく、まず崩してから投げるという2段階で行われます。
もう一つの問題は、多くの技が相手の腕を使って行われるため、思うようにいかないことです。しかし、この問題は相手を導く方向を誤っていることから起こります。たとえ相手の腕を使って技を行う場合でも、基本的な原理は変わりません。ただし、腕を介すると角度が少し異なるだけです。このことを考えるとき、相手を動かない銅像だと思い、その腕を使ってどう倒すかを考えると、力を加えるべき正しい方向が見えてくるはずです。
骨の読みの例
言葉での説明ではよくわからないと思います。そのため下に、骨の読みの一例を示した映像を載せます。この動画はIAM護身術教室での技の研究会での映像の一部で、相手が静止して腕に力を入れて抵抗している場合の崩し方を紹介しています。骨の読みが分かれば、相手が何故倒れないのか理解できるはずです。
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