合気道の陰陽 脱力と呼吸力

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

久しぶりに記事を書きたいと思います。今回は僕の合気道の師匠・井口師範から教わった脱力と呼吸力について述べたいと思います。

このブログでわかること

合気道の稽古では脱力や呼吸力についてよく言及されますが、非常にあいまいに扱われることが多いです。このブログでは脱力と呼吸力について明確に示します。それにより脱力が、何故必要で、いつ脱力すべきかが分かります。また呼吸力という力についても明確にわかり、それにより今後の合気道の修行の指針となります。

目次

●太極と脱力と呼吸力
●脱力の目的と意義
●呼吸力とは?!
●まとめ

太極と脱力と呼吸力

中国の思想には「太極」という考え方があります。これは、すべてのものには陰と陽が存在し、それぞれの組み合わせで万物が生成されているとされます。合気道でも、この陰陽の理が技の中に生きています。さまざまな局面でこの陰陽の理が現れますが、呼吸力と脱力がその代表例です。呼吸力は、天地とのつながりから力を得て相手に伝える技術であり、術者はそれほど力を使っている感がないが、受けた方は大きな力を感じるのが特徴で、一方、脱力は「合わせ」を行う際にともなう技術で、「合わせ」で相手の力を吸収してゼロにした状態を保持し、相手が崩れるまで持続します。脱力を伴う「合わせ」で崩された相手はまったく抵抗感がなく何故か相手に操られると感じます。

過去の文献には、合気道の開祖が弟子に対して行った技に関する興味深いエピソードが残っています。ある弟子は「開祖に技をかけられたとき、開祖の腕が鉄棒のようになった」と述べ、別の弟子は「まるで雲を相手しているようであった」と記しています。このような対照的なコメントは、一方の弟子が呼吸力で制され、もう一方の弟子が脱力に伴う合わせで制されたことを示しています。しかし、どちらも開祖が行った技です。この例から、開祖の合気道では2つの技術を使って技を行っていたことがわかります。

古代中国の易経では、太極という考え方が陰陽の組み合わせで万物の変化が起こることを説明しています。易経では6つの陰陽の組み合わせで64通りの事象を説明しておりますが、合気道でも同様に考え、脱力と呼吸力の組み合わせも多様な合気道の技を生み出す基礎となっています。

脱力の目的と意味

合気道では、「力を抜け」とか「脱力しろ」という指導をよく受けますが、実際に脱力を技に活かすのは難しいことです。なぜなら、脱力にはタイミングが重要だからです。ただ単に力を抜いているだけでは技にならず、護身にも使えません。では、いつ脱力すればいいのか?それは、なぜ脱力するのかを理解している必要があります。

まず、脱力のタイミングについて話します。合気道の技は、通常、次の段階で行います。
1.受け入れの段階
2.合わせの段階
3.導きの段階

受け入れとは、相手の意図(気)を感じ取ることです。合わせでは、相手の力を吸収し、衝突を避けます。導きでは、相手のバランスを崩して投げ技や固め技に持っていきます。脱力は、2の合わせの段階で必要になる技術です。

しかし、脱力の意味が理解されていないと、導きの段階に進むことが難しくなります。多くの人が、相手の力との衝突で合わせがうまくいかないと考えますが、実際には、脱力の目的が明確でないために起こる問題です。

その目的は、「運動エネルギーを相手に伝える」ことです。具体的には、運動エネルギーを伝えることで相手のバランスを崩しておくことです。合わせの際に身体が緊張していると、相手に意図が伝わります。例えば、肩甲骨周りの筋肉が固まっていると、相手を導く途中で動きにぶつかりが生じることで相手に崩そうとする意図が伝わってしまいます。
運動エネルギーを伝えることの重要性は、腕力で相手を崩そうとするとすぐに相手は察知して対処されてしますが、運動エネルギーを伝えると相手は自分が崩されたことに気づかない点にあります。運動エネルギーの伝達方法には、陽の技法と陰の技法があります。これらの技法を理解し、別々に稽古することが重要です。

呼吸力とは?!

合気道の指導者は、呼吸力を不思議な気の力と説明します。受けた人は、その力によってまるで重機と相対しているような圧倒的な力を感じます。術者の腕が鉄棒のように感じられることもあります。僕の師匠である井口師範は、呼吸力を天地自然の力の一部として捉えていました。当会では、この呼吸力を天の気、地の気、火の気、水の気といった4つの要素に分けています。

天の気と地の気は垂直方向の力を発揮する際に用いられ、火の気と水の気は水平方向の力を出す際に使います。これらの力は相手の力を天地に導くため、相手は天地との戦いになると感じることがあります。

しかし、井口師範は、天地の気を利用するには、自分の体も強くなければならないと指摘し、呼吸力の鍛錬の重要性を強調しました。核の気を使えても、身体が弱ければ十分な力を発揮できないことを示唆しています。自分から力を出せるようになるため、日々のトレーニングは非常に重要です。

まとめ

合気道は自然の理で動く武術です。そのため自然の理を説く太極という中国の考え方が非常に参考になります。そのため、合気道では太極の陰陽の理が技の中に生きていますが、その解釈や応用は神道の思想と結びついています。脱力や呼吸力などの概念は、相手との調和や自然との調和を大切にする神道の精神に基づいています。

合気道の技術は、相手の力を受け入れ、調和し、導き、そして無力化することに重点が置かれています。脱力の目的は、相手の力を受け入れ、相手の力を「合わせ」によって無効化し、さらに脱力により身体で起こした運動エネルギーを伝えることで相手のバランスを崩すことにあります。呼吸力は、神道の自然への敬意と結びつきながら、相手の力を受け入れるだけでなく、天地のエネルギーを借りてその力を増幅させる役割を果たします。

したがって、合気道においては、太極の陰陽の理を中国の思想として取り入れつつも、神道の観点から技術を理解し、実践することが重要です。これによって、相手との調和や自然との調和を促進し、技術の深化と精神的成長をもたらすことができます。

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