皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
合氣道では、「合氣道は氣の武道であるから、術理など考慮する必要はない」という意見もあり、他方、「合氣道は自然の理を体現する武道なので、理に従う必要がある」という考えもあります。ではどちらが正しいかということですが、今回はこの問題について述べていきたいと思います。
合氣道は氣だけ鍛錬すれば良い!?
僕の師匠、井口師範は「氣が分かれば、何も考えずとも技は自然に効くようになる」と教えてくれました。この言葉を聞くと、術理は関係ないように思えるかもしれません。しかし、「氣が分かれば」という前提があるため、「氣」を理解するためにはどうすれば良いのかという疑問が生じます。
では、手っ取り早く開祖の真似をして宗教に入るのが良いのでしょうか?実際には、宗教を行っている人の中で、氣を完全に体得している人は非常に少ないのが現状です。開祖は武道や宗教において特別な素質を持っていたため、両者を結びつけることができたのだと思います。
僕の目的は護身として使える技を学ぶことでしたので、宗教を行う選択肢はありませんでした。師匠に聞くと、彼も必死に合氣道の技を修行していたと言っていました。僕も師匠と同じように、技の稽古を通じて氣を体得する必要があると考えました。「何も考えずとも」というのは、体得した最終段階のことです。
つまり、術理が必要ないというのは、氣を体得した最終段階の状態を指します。氣を体得するためには、技の中で理に適った動きをし、その中に氣の流れを生じさせることが重要です。結局、術理を必要としなくなるまでには、修行が必要だということになります。
合氣道の技は天地の理に従う
僕が師匠の技を見たとき、その美しさに感動しました。師匠はその理由を「天地の理に適った動きだからだ」と説明してくれました。具体的には、天地の理に適うとは、正しい姿勢とタイミングが重要であり、すべての動きにはそれに応じた姿勢と行うべき時期があるということです。
もし姿勢が不自然だったり、タイミングが早すぎたり遅すぎたりすると、氣の流れが途切れてしまい、技がうまくいかなくなります。師匠はこれを水に例え、水は低いところに流れ、場所によって形を変えながら自然に流れていくと教えてくれました。この考え方が合氣道の技を行う上でのポイントです。
姿勢の重要性
まず姿勢についてですが、師匠は「力みのない自然な氣の流れを生む姿勢が大切だ」と言いました。これは、状況に応じて効率的に身体を使える姿勢を意味します。つまり、物理的に安定した姿勢を保つことで、身体のパフォーマンスを最大限に引き出すことができるということです。
タイミングの重要性
次に、適切な時期、つまりタイミングについてですが、これは相手との関係に関わります。具体的には、相手の動作のどのタイミングでどう行動するかが重要です。そのためには、相手の身体を読む技術が必要です。合氣道では、一つの技は相手の氣や力を受け入れ、タイミングを合わせて相手の力とぶつからない状態を作ります。そして、気の流れや呼吸力を使って相手を崩し、その瞬間に投げ技や固め技を行います。
技のプロセス
投げ技や固め技のような合氣道の一つの技を行うためには、次のプロセスを踏む必要があります。
- 合わせ: 相手の動きに合わせる。
- 導き: 相手を導く。
- 崩し: 相手を崩す。
- 投げ技・固め技: 最後に技をかける。
このプロセスを理解するためには、相手の骨格を読む知識が必要です。合氣道の技を成功させるためには、相手を崩すことが重要です。相手を崩すために、相手がどう崩れるかを理解する物理的な知識があれば、才能がなくても目安にすることができます。
僕の道場では、「骨の技術」として、水が低い方に流れるように相手を崩すための稽古を行っています。このような稽古を通じて、相手を崩す適切なタイミングを読む力を養うことができると考えています。
まとめ
合氣道における「氣」の理解は、単なる鍛錬を超え、技術の奥深さを探求する旅です。井口師範の教えから、氣を体得するためには、まず技の中で理に適った動きを実践することが重要であると学びました。姿勢やタイミングの重要性を理解し、相手との関係性を意識することで、自然な氣の流れを生み出すことができます。
技のプロセス、すなわち合わせ、導き、崩し、投げ技・固め技を通じて、相手を崩すための知識を身につけることが、合氣道の技を成功させる鍵となります。最終的には、術理を超えて自然に技が効く状態を目指すことが、合氣道の真髄であり、修行の目的です。
このような理解を深めることで、合氣道を通じて自分自身を成長させるとともに、護身術としての技を身につけることができるでしょう。合氣道の修行は、単なる技術向上にとどまらず、心身の調和を図る道でもあるのです。
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