合氣道と円運動

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
合氣道は円運動といわれますが、合氣道修行者にとってはかなり曖昧な表現だと思います。そこで、僕が学んだ合氣道での考え方を共有したいと思います。

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武道を習得する際には、稽古を通じてさまざまな状況を経験し、その中で最適な動きを学ぶことが重要です。しかし、運動神経や相手を観察するセンスなど、多くの才能が必要です。そのため、本当に技を使えるのはごく一部の人だけです。特に、形稽古だけを行う合気道では、この問題が他の武道よりも大きいと感じます。このようなセンスの不足を補うためには、知識が必要です。ここでは、実際に行われている円運動について、その合理的な考え方を説明し、センスがなくても補える知識を提供します。

目次

・合氣道における円運動の理解
・円運動の重要性
・相手を導くための円運動
・相手を読むための二つの視点
・骨格の知識を活かす
・動く相手への応用
・まとめ

合氣道における円運動の理解

合氣道では「円運動」という概念がよく使われますが、単に円を描くように動くと、相手にその意図がすぐに伝わってしまいます。この原因は、相手のことを考えずに自分だけの円運動を行うからです。円運動は、相手をどう導くかを考慮することが重要です。

円運動の重要性

円運動の特徴は、移動半径を瞬時に変えられる点にあります。これにより、さまざまな方向に相手を導くことが可能です。これを聞くと「曲線運動」と混同されるかもしれませんが、円運動は円の中心を意識した動きの集まりであり、曲線運動とは異なります。合氣道における円運動と曲線運動の違いは、相手を考慮した曲線運動であるか、単なる曲線運動であるかにあります。

相手を導くための円運動

合氣道の円運動は、相手が動ける範囲でわずかな力を加えることで相手を導く技術です。つまり、相手の動きや力の方向を考慮し、それに合わせて利用することで、相手を自分の思う方向に導くことが合氣道の本質です。

相手を読むための二つの視点

相手を円運動に導くためには、以下の2つの視点が必要です。

  1. 相手の移動方向を見極めること
  2. 相手の骨格を理解し、ぶつからないようにすること

相手の移動方向を読むことは比較的容易ですが、骨格を読むことは意識しないと難しいです。まずは静止している相手を想定し、以下の2つの考え方を理解することが重要です。

【1】相手を一つの塊として捉える
相手を一つの物体と考え、接地面や角度を意識します。例えば、相手が足で立つ銅像のように捉え、その銅像を最小限の力で倒す方法を考えます。接地面を意識し、大きな円を描くように力を加えることで、相手を崩しやすくなります。

【2】相手の関節を中心に考える
人の動きは関節を中心に構成されています。相手を導く際には、相手の関節に負担をかけないように動かすことが重要です。これにより、相手の無意識な防衛反応を引き起こしにくくなります。相手は接点から来る力を基に体の態勢を整えようとしますが、こちらは関節に意識を置き、円運動をさせるように動かすことで、相手の認識に違いが生まれるため、相手は十分に力がだせなくなります。それによりこちらはそれほど力を使わなくても相手を動かすことができます。

そのため、相手の骨格の動きを理解しておくと非常に有利です。まずは肘関節など、単純な動きをする関節に注目して技を掛ける練習から始めましょう。

動く相手への応用

静止している相手に円の考えを適用できるようになったら、次は動く相手に対して技を掛ける練習をします。動く相手の場合、関節が移動するため、それに合わせた技をかける必要があります。このように、全体としては円運動にならない場合もありますが、関節を中心に考えることで、円運動になることが重要です。

まとめ

合氣道では、相手の骨格や動きを理解し、円運動を使って相手を導く技術が求められます。今回は、基本的な骨の読みの2つを紹介しましたが、実際の技ではまだ異なる骨の読みも必要になります。これら様々な要素を考慮しながら、相手を導くことが必要です。

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合氣道:愛と調和の武道

みなさん、お元氣ですか? 僕はメチャクチャ元氣です。
さて、今回は合氣道の理念と体術がどのように結ばれているかについて井口師範から教わったことを書いていきたいと思います。

このブログを読むと

合氣道をしているとつい自分自身だけにフォーカスをしてしまいがちです。合氣道は愛の武道といわれますが、自分だけにフォーカスしていたのでは愛の武道とはいえません。本ブログでは、世界平和を目指しているから愛の武道という思想てきなものではなく、技術的に解説することで、合氣道が何故「愛の武道」となりうるかがはっきりと理解できるようになります。

目次

合氣道の理念
合わせの概念
相手に合わせる
相手を崩す技術
崩れた状態の維持
相手を手足のように扱う
相手ファーストの考え方
天地自然と合わせる
まとめ

合氣道の理念

合氣道の創始者、植芝盛平翁は「合氣道は愛の武道である」と述べています。この言葉が示すように、合氣道が「愛」であり得るためには、「相手」にどれだけ集中できるかが重要です。しかし、同時に「我、宇宙の中心なり」という意識も大切です。この二つは一見矛盾しているように思えますが、実は深い関係があります。

合わせの概念

合氣道には「合わせ」という考え方があります。これは「合氣」とも呼ばれますが、大東流合氣柔術の「合氣」とは異なる思想です。この違いを理解することが重要です。大東流合氣柔術の「合氣」は肉体的な技術を指しますが、合氣道は肉体面と精神面の両方を統合した考え方です。そのため、大東流合気柔術とは異なった合氣道は独自の方向性を進んでいます。

合氣道では「相手に合わせる」「天地自然と合わせる」という表現がよく使われます。これらは一般的には思想として捉えられていますが、技術面でも実践されています。ただし、合氣道には大東流合氣柔術のような単独の「合氣」という技術は存在しません。「相手と合わせる」「天地自然と合わせる」という思想が、技に組み込まれています。

相手に合わせる

「相手に合わせる」というと、相手の動きに応じて自分が動くことを指します。これは合氣道において非常に重要な要素ですが、それだけではありません。相手の動きを止めた後も、相手に合わせ続ける必要があります。これは相手の力と衝突しないようにすることを意味します。相手を自分の手足のようにコントロールすることが求められます。

相手を崩す技術

相手を自由にコントロールするためには、まず相手を崩し、その崩れた状態を維持することが重要です。これには相手の骨格の状態を理解する必要があります。

具体的には、相手を崩す際には、相手の足が地面にどのように接しているかを判断し、その接点を起点に最も崩しやすい方向に誘導します。氣の流れを利用して崩すのです。

崩れた状態の維持

相手の崩れた状態を維持するためには、力の衝突をできる限り避ける必要があります。相手は衝突した部分を支えにして安定を保とうとするからです。そのため、相手の骨格を読み、関節の動きを考慮しながら、力の衝突を避けて相手を自分の思う方向に導きます。こうすることで、相手を崩れたままコントロールすることができます。

相手を手足のように扱う

相手を自分の手足のように扱うためには、自分の骨の特性を理解することが必要です。自分の手足であれば、力が衝突することはありません。動かない方に無理やり動こうとしないからです。同様に、相手に対しても同じように考える必要があります。

相手ファーストの考え方

私たち合氣道修行者は、自分にフォーカスしがちです。自分の身体操作に氣を取られることが多いですが、合氣道の本質は相手をどう導くかという「相手ファースト」の考え方が最も大切です。相手を理解し、共に調和することが、合氣道では大切です。

まとめ

このように、合氣道では相手のことを考えると同時に、相手の身体構造、相手の動きなどあらゆる物理現象をも味方につけるわけです。そのため、天地自然の理を理解し、その法則に従うことがすなわち、相手をコントロールすることでもあります。それゆえ、相手の骨格を読むということも、合氣道では必要な要素となるわけです。そこで初めて天地自然に合わせるという考えと一致するのです。このような理由から当会では「骨の技術」ということで、骨格を読み利用する技術を稽古しています。

技術の面からも相手と一体になり、相手を敵と見ず、相手ファーストの考えを体術に活かすのが合氣道です。武道でありながら、相手を尊重するという理念が体術にあらわれているからこそ、こういった技術で投げられると何故か反抗する氣がなくなります。これゆえ、世界平和を目指すのが合氣道精神ということになる訳です。

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