「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

【形稽古のプロセス5:生理学的技術】呼吸力

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回まで、プロセス5で使う技術として、物理学的技法の中の陽・陰の技法を説明しました。

今回は生理学的技法について説明したいと思います。

生理学的技法というのは相手の反射や反応を引き起こす技術の総称です。今回は呼吸力についてご紹介します。

 


呼吸力

 

合気道では呼吸力という言葉がよく使われますが、実体として何かという具体的な説明はされていません。

多くの合気道指導者は、「気の力」と説明することが多いと思います。

ところが、詳細をうかがうと指導者それぞれの説明が全く違います。

ある人は力を完全に抜き切り、筋肉を一切使わない完全脱力状態になったとき出る力と説明します。

また、ある指導者は心身が統一したときに体に気が流れ、非常に強靭な統一体となり、脱力感を伴って大きなパワーを生み出すと説明します。

ちなみに、二代目植芝吉祥丸道主は、脱力ということは一切言っておらず、二代目道主著の講談社スポーツシリーズ「合気道」では、「人体の重心、臍下丹田より出す気力、心力、体力のすべて統一した無限の力を、合気道においては呼吸力と呼び、この力が通ずることによって、無数の各技法が生きた働きをするのである」とあります。

ところで、中国武術では、筋肉や腱や骨に気を流すという考えで、身体を鍛えますが、そのため、気が流れやすい姿勢があり、その姿勢で気を流して身体を鍛えて初めて使える身体となるとしています。

 


呼吸力の出し方!!

 

二代目道主の文面からは筋肉を使わないとはいわれていなので、多分当会と同様、中国武術のような気の考え方を採用してたものと考えられます。

当会に井口師範から伝わった呼吸力の出し方は、まず身体を強く使える体勢を作り、そして力を相手の皮膚に入れ込むというイメージで伝えます。

身体を強く使う姿勢とは、頭を点から糸で引っ張られているようにし、脊柱をまっすぐ立て骨盤を後傾することで、地面からの力を臍下丹田に集め、肩甲骨を開き、胸を凹ませるようにする姿勢です。

そうした姿勢を作って、さらに相手の皮膚に力を流し込むようにするのが呼吸力です。

実は、人の皮膚は、垂直方向には敏感で圧力など感じますが、皮膚に平行な方向にはかなり鈍感なため、力の読み誤るが生じるのです。

とは言っても、実際に指導を受けて初めて、この呼吸力の出し方が分かり、納得できますので、多分この記事を読んでおられる人には難しいでしょう。

ちなみに、この皮膚の使い方に関しては、拙著の中の相手の力を無力化するエッセンスに記載しています。もしご興味のある方はそちらを参考にしてください。キンドル版の本「力の弱い人でもできる唯一の護身術

 

 

 


 

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【形稽古のプロセス5:伝える】陰の技法

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は前回の物理的技法の続きの陰の技法についてお話しします。

 


陰の技法の原理は作用と反作用!

 

陰の技法を端的に説明すると、相手に運動エネルギーを与えようとするときに、与える運動エネルギーと真逆に重心を移動する技術です。

例えば、前にいる相手をさらに自分の前方に押したいと思うと、自分の重心を後方に引くことをします。

特に打撃系の武道や格闘技をした人がこれを聞くと、『後ろに重心を引くと、相手に追い込まれるのでは?!』と考えるでしょう。

何故なら、陰の技法というのは、一般の素手による格闘技や武道では使われない技術だと思います。

ですから、打撃系の武道や格闘技を行っている人からすると非合理で、まるで役に立たないような印象を与える技術なので、軽く見えるかもしれません。

しかし、武器を用いる武道では、術者は知らず知らずの内に使っている技術です。

これは、中学の理科の力学で既に学んでいる原理で、非常に合理的で科学的な現象を使っているのです。

作用・反作用というのを学んだ経験があると思いますが、相手に力を与えようとすると、その力の分の反作用が自分に返ってくるというものです。

この作用・反作用の原理を利用して、これを自分の体内で作用と反作用の力を作るのが陰の技法です。

ですから、例えば相手を前に押す場合、体を後方に引くのではなく、上半身は前進、下半身は後進するので、後ろに後退するというものではないのです。


陰の技法は中丹田を使う!!

陰の技法の理屈は分かっていただいたと思いますが、実際にやってみると、殆どの人が今までに経験したことのない動きのため、中々思うようにできないのが現状です。

というのは、相手を前に押すために、重心を後方に移動するという動作をすると、どうしても体全体が後方に引けてしまい、相手に力を及ぼすということができません。

この理由は、実は多くの人は無意識で多かれ少なかれ、臍下丹田という下腹部にある下丹田を使うことに慣れて、下丹田の移動に全身が従うためです。

一方、この陰の技法では、下丹田を使う一方で、中丹田も同時に使います。

ただ、単に中丹田と下丹田を反対方向に移動させればよいというモノではありません。

大切なのは、「気を自分の後方に引かない」ということです。気が後ろに引ければ、前方の敵に簡単に追い込まれます。

ですから、中丹田で相手の気を受け止め、弾き飛ばすためには、常に中丹田を相手の方向に向ける意識が必要になります。

ですから、下丹田を後方に送るときも、下丹田を前方に送るときも中丹田は前方に向かう必要があるのです。

 


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【合気道の形稽古のプロセス5:伝える】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回より形稽古のプロセス5の物理的手法について記事を書いていますが、今回の物理的技法のポイントは「伝える」です。

合気道では、相手に技を仕掛ける前に、崩すことを考えます。相手を崩してから、投げに移行するため、僕の師匠である井口師範は「投げたり、固めたりは単なる枝葉」とよく言われました。

しかし、屈強そうな相手だと、どうしてその意識が飛んでしまうことがあります。

それが達人と凡人の違いなのですが、達人でない凡人の自分達だからこそ「投げたり、固めたりは単なる枝葉」という言葉は本当に肝に銘じておく必要があると痛感します。


物理的技法を行う上での注意点

 

当会では、陽・陰の技法という物理的技法で、自分の身体に運動エネルギーを生み出し、相手に伝えることを指導しています。

物理的技法といいながらも、この技法を知っている相手に対しては、悟られると簡単に逆らわれてしまうので、心理学的技法を使う必要もあります。

それはどういうことかというと、「いつ相手に運動エネルギーを伝えるか」という情報を出さないことです。

そのために、この技法を行うには、相手に情報を与えないように「人形の目」をしておく必要があります。

この「人形の目」については、本シリーズの始まりである「第一プロセスの要素は空間支配」を参照してください。

そして、さらに、ついやってしまうミスとしては、以下の問題がありますのでよくよく注意が必要です。

  1. 止まって踏ん張る
  2. 伝える接点部分を注視する
  3. 伝える瞬間に接点を意識する
  4. 自分のセンター軸を崩す

 


陽の技法

今回は、長文になるので、陽の技法についてのみお話しします。

陽の技法も陰の技法も基本的には自分の身体を動かすことで運動エネルギーを自分の身体に起こし、相手の伝える技術です。

陽の技法は、自分の重心を相手を移動させたい方向に先に動かしておき、それでできた運動エネルギーを相手に伝えます。

実は天の鳥船と呼ばれ、いわゆる船漕ぎ運動というのは、この運動エネルギーを伝える訓練の一つになっています。

船漕ぎ運動で、「気の流れ」を感じるようになると、運動エネルギーが上手く身体に流れるので、物理的な力を相手に及ぼすことができるようになります。

例えば、この動作を使うと、相手に後から手を掴まれると、相手を前方に、また、前方から手を掴まれたら、相手を自分の後方に簡単に引っ張ることもできます。

また、上手く使えれば多くの人を押すこともできます。

私の師匠・井口師範は、「相手を動かしたかったら、まず自分が動くこと」と言われましたが、これは運動エネルギーを作ってから相手に伝えよということです。

 

 


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【合気道の形稽古のプロセス5 コンタクト】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は合気道の形稽古のプロセス5について述べたいと思います。

今までのプロセスは、心理作戦といえる段階で、心理学的手法が中心で、移動の際に物理学的手法を用いましたが、ここからは、物理学的手法、生理学的手法、心理学的手法の3つの手法を用いる必要があります。

今回は物理学的手法について述べていきます。

 


物理学的手法を行うための前提

物理学的手法は、身体を構造的に有効に使う方法から、相手に運動エネルギーを伝える方法までいろいろありますが、ポイントは、運動エネルギーとなります。

要するに、筋力だけではなく如何に相手に運動エネルギーを伝えるかが大きなカギとなります。

そのため、相手の力と方向を合わせて、力をゼロにする方法を学ぶ必要があります。

人は、力をゼロにするということ学ばないと、生まれてから現在に至るまで、力に対抗するように体にずっと教えられてきていますので、相手の力を感じるとそれに逆らおうとしてしまいます。

ところが、力に逆らおうとすると、相手の方が力が上なら絶対に勝つことはありません。

ところが、相手が入れた力の方向に合わしてあげると、力感がゼロになり、相手も力が入らなくなります。

これが運動エネルギーを相手に入れる前提になりますので、物理学的手法を行うためには、どうしても力感ゼロをつくらないといけないのです。


運動エネルギーを利用するマインド

僕の師匠である井口師範は、「気の流れ」を重視しました。

「気の流れ」を簡単にいうと、一旦動き出した身体を止めず流れるように動かし続けるという行為を繰り返すことで、気の流れが起こると思っていただくといいと思います。

要するに、運動エネルギーができているときが気の流れが発生している状況でもあります。

そのため、運動エネルギーを作るには、常に足を運んでいる必要があるということになります。

人が動いているだけで、かなりの運動エネルギーを持つことになります。

しかし、人は、例えば体重50キロの人が動いても、全く恐怖を感じませんが、ゆっくりと50キロの鉄の塊を投げてこられるとかなり恐怖を感じます。

実は人も動くとそれだけのパワーがあるのですが、物体は自分で止めるということをしません。

一方、人は運動エネルギーが相手に伝える際に、自分の足で支えてしまって、折角できた運動エネルギーの大半を消してしまうことの方が多いのです。

それは、自分の安定を保とうとする特性があるため、無意識そうしてしまうのです。

そういったことを念頭に置くと、運動エネルギーの伝え方次第で相手に大きな影響を与えることができるのは理解いただけると思います。


 

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【合気道の形稽古:プロセス4 静から動へ】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回はプロセス4についてお話しします。

プロセス4では、いよいよ動き出すわけですが、動き出すタイミングには2つあり、どちらを選ぶかは本人次第になります。

 


前進しようとする気を読んで動く

 

読者の中で相手の動きの気が見える人は殆どいないのではないでしょうか?

でも、大丈夫です。気は僕の目には見えませんが、それが分かる方法があります。

というのは、人が動作を始める際に、気が差しますが、その気が差すのと同時に微妙な動きが起こるから、その変化をよく観察しておれば稽古すれば誰でも相手の気が差した瞬間がわかります。

そのタイミングに合わせて動くと、相手よりも先にあなたは動くことができます。

但し、タメを作る動きでは、相手よりも早く動くことはできません。

そのため、傾斜歩法という足運びを覚える必要があります。傾斜歩法は体を傾けることで、前に推進力を与える足運びのやり方です。

上図は、後ろの足を前に運ぶ場合の傾斜歩法を示しています。②がプロセス3での待ちの状態です。

そして移動しようと思った際に②において軸を傾斜することで③~④の動作を行います。

⑤で前になる足が着地した時点で、歩幅を調整するため、後ろになった足を引きます。これを継足といいます。

 


攻撃しようとする気を読んで動く

 

合気道の形稽古では、特に正面打ちや横面打ち、正面突きなどの打撃による攻撃の際は、受けは離れた時点から、取りを狙って攻撃を仕掛けます。

ところが、実戦では、攻撃者が離れた距離にある時点から狙って打撃することはあまりありません。

相手は打撃が確実に当たる距離に入る少し手前でタメを作って攻撃を仕掛けます。

何故なら、打撃を当てようと意図した瞬間から打撃が終了するまで、動作がロックしてしまうから、そのロックした期間をできる限り小さくするためです。

これを当会は攻撃の三角が形成されたといいますが、攻撃しようとする意識が出、そして目標箇所に全意識が集中して、まるでレンズで太陽光を集めたように意識が固定してしまいます。

この攻撃の三角が形成される瞬間に相手は隙ができるため、当たる距離に入る少し手前でのタメを作った時点に、相手に向かって、傾斜歩法で移動し、ロックさいた相手の攻撃を抑えます。

 

 

 


 

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【合気道の形稽古のプロセス3続き】

皆さん、お元気ですか? 僕はかなり元気です。

さて、今はこのブログでは、合気道の形稽古をプロセスとして分解して考えているわけですが、今回は前回の3プロセスの続きを話したいと思います。

 


実戦では相手の攻撃は途切れがない

 

合気道の形稽古では、師匠がまず見本を行い、生徒は師匠の行った通りの形を行ういますので、足の運び方などあまり考えないのが普通ではないでしょうか。

ところが、実戦を想定した場合、相手がどう攻めてくるかわからないわけで、その際、どの足を出すかという問題もでてきます。

そこで、一般の合気道道場では自由技を稽古しますが、日ごろの形稽古に慣れている受けである攻撃側は、実戦さながらというような、試合のような自由度までは中々いかないのが現状です。

何故かというと、受けが放つ一つ一つの攻撃技が単独で完結するようになっているからです。

例えば正面打ちなら、正面打ちで完結し、次の攻撃を出すことは想定外になっているのです。

しかし、実戦を想定した場合、一つの技が完結になっていることはありません。

一つの技が受けられたなら、次の技と連続的にだしていくのが実際の闘いではないでしょうか。

ですから、ただ単に自由技の稽古をしても、臨機応変ということになると十分とは言えないのが現状です。

ところが、実は、プロセスを重視していると、そういった連続攻撃をも形の中では想定して成り立っているのが分かります。

 


進める足は既に決まっている

 

プロセス3は、相手の動き方を観察する段階で、取りはほぼ静止状態での待機です。

ところが、このプロセス3で、相手の攻撃がどのようなものかには関係なく、自分の進めるべきはどちらの足か決まっています。

そのため、同じ左構えでありながら、前足をそのまま進めるなら図1、後ろにある足を前に進めるなら図2次の図のように上半身の角度をあらかじめ決めています。


                         図1             図2

前の足をさらに前に送る場合は後ろにある足を軸に、後ろの足を前に送るなら場合は前にある足を軸にして、体を傾斜し、倒れていく運動を前への推進力に利用します。

それにより、タメを使わずに移動します。ですから、合気道では、相手に悟られない前に、このような体勢で瞬間に動ける準備をしているので、ボクシングなどのフットワークを使わずに素早く動けるわけです。

大事なポイントは、特に手の位置をどこに持ってくるかではなくどちらの肩が前になっているかという点です。

この構えのメリットは、前進しても肩が入れ替わらないため、移動のタイミングが非常に察知されにくい点です。

 


 

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【合気道の形稽古のプロセス3】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は合気道の形稽古のプロセスで、第三段階目について話します。


相手の兆しをとらえる

 

第三段階のプロセスでは相手の兆しをとらえることが必要になります。

井口師範はその兆しをとらえることを「相手が気を差したら、すぐに行動を起こさなあかん。それが入り身の呼吸や」とおっしゃられたことがあります。

実は、気を出さない特別な訓練をしたしかもかなりの手練れの人以外は、通常は何か動作しようとしたときに、必ず兆しとともなって、動作前に気を出します。

その気を捉えて、動き出せというのが井口師範の「気が差したら」ということでした。

しかし、読者の皆さん、気なんてわからないと思われている方がおられると思いますが、実は、よくよく人を観察したとき、何か行動を起こそうとしたとき、微妙に体が動き、それから行動が起こるものです。

その微妙な動きをよく観察して、微妙な動きが起こったときに行動を起こすということをしていると、相手よりも先に動くことができます。

しかし、これには目でみるという感覚ではなく、目で感じるというように、視覚を体感覚に変換する訓練が必要です。

 


視覚より体感覚の方が反応が早い

 

通常、あまり視覚と体感覚に関して比較をしたことのある人は少ないのではないでしょうか?

ところが、武道をしていると、視覚に頼るとどうしても遅れが生じます。

その実験として、二人一組になって向かい合い、一方の人が掌を上に、他方の人は掌下にしておきます。

次に、掌が上を向いている人が、手を動かすので、それを目でよく見て動いた方向に合わせて、相手の掌に自分の掌を乗せている人が手を素早く動かすというのをやってみてください。

手を先に動かす人は相手に読まれないようにフェイントをいれたりして、追従させないように移動させましょう。

目でとらえようとすると、あっという間に手が離れてしまいます。

次に、相手の掌に追従する人は目を閉じて、掌に伝わってくる感覚で相手についていくことに収集しましょう。

すると、さっきまで追従できなかった相手の動きが、手に取るようにわかったと思います。

体は体感覚で動かされていますから、視覚を通すとどうしても思考が間に入り遅れがでるのです。

そのため、視覚より体感覚を優先する必要があるのですが、合気道では、視覚を体感覚として感じるという秘伝というか考えがあります。

これを実現するには、相手をよく観察するということで訓練していくしかありません。

僕の場合、横断歩道で赤信号から青信号に変わった瞬間、人はどう行動するかを観察して、稽古した覚えがあります。

よく観察すると、なるほどこのタイミングかというのが分かります。

 


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【合気道の形稽古の第二プロセス:準備】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は合気道の形稽古の第二プロセスについて話したいと思います。

 


向かい合った時点が第二プロセス

合気道では、相手とあいさつをして、2メートルの距離、即ち畳一つ分を隔てて、互いに相半身で相対します。

相半身というのは、互いに同じ足を前にして、共に半身の構えをとることです。

通常はこの時点が始まりと思われてますが、実はこの時点では、もうすでに第二プロセスに入っているのです。

このプロセスでは 、情報の遮断をしつつも 相手の攻撃に いつでも対処できる 体の状態を作っておく必要があります。

まず体の状態ですが、 ポイントは3点あり、肩甲骨の位置と 背骨の 形と 骨盤の 使い方です 。

肩甲骨を開き 、 肩を 内側に凹まします。そうすることで、前方からの力を効率に受けることができるようになります。

更に、 上半身と下半身を一体にし、地面からの力を直接伝えるようにするため、背骨は S 字カーブを 描かずに一直線上に立て、骨盤は 後傾させます

背骨をまっすぐに立てるポイントは、頭の天辺に糸が付いていて天から引っ張られているとイメージするとやりやすいのではないでしょうか。

なお、背骨をこのように立てると、背骨や足をバネにして、ボクシングのような飛び跳ねるフットワークは不可能になります。
そのため、合気道では特殊な移動方法を行います。
このプロセスは、移動するまでの準備のプロセスですので、次のプロセスで、そのような特殊な動きをします。


静を保つ

 

このプロセスでは大切なのは移動準備ということです。
そして、移動するための軸足はこの時点で決まります。

例えば、右半身の構えですと、右足が前に出ていて、左が後ろに惹かれていますので、どちらの足を軸にするかで、構え方に違いがでます。

引いた後ろ脚を軸にするなら、そのままの構えのまま待機しますが、前足を軸にするなら、体重を前足に書けるとともに、右腰骨を左腰骨よりも前になるようにして構えます。

こうすることで、次回述べる傾斜歩行という移動方法が容易にできるようになります。

このとき構えで大切なのは、見た目からこちらが構えているというような構えはしないことです。

もし構えるなら、肩が前に出ている方の腕を、下図のようにしてセンターよりさらに反対側なるような位置においておき、いつでも防御できるようにしておきます。

後の左足を軸にする場合の右手の位置

このとき、目は人形の目で、いつでもすぐに動ける心構えと体勢を保ち、静止したまま、相手の出方を待ちます。
以上がこのプロセスの要素となります。

 


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【第一プロセスの要素は空間を支配】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は、合気道の形稽古の始まりは「受け」「取り」の役割が決まった時点からという話をしました。

そこで、このプロセスでは何をするかという技の最も大切な構成要素について述べたいと思います。

 


初めの段階での前提!

 

このプロセスでは、相手との間合いが離れているため、物理的技法や生理学的技法は使えないので、心理学的技法を使います。

このプロセスでは、相手と自分という分離して考えるのではなく、「相手と自分がこの空間を作っている」という考えが前提です。

合気道の開祖の「眼中敵も味方もない」という表現は、「空間という点において」と冠せば誰でも十分納得いくのではないでしょうか。

しかし、「相手も自分も空間の一部であり、この空間を共有している」と思うだけでは、このプロセスにおいては何の意味もなく、それは単なる前提にしかすぎません。

大切なポイントは、誰がこの空間を支配するかということです。

当然、合気道の形稽古では「取り」がこの空間を支配するのは言うまでもありません。

このプロセスでは、そのための技術を行うというのがお分かりいただけたと思います。

 


初めの段階での技術

 

まず空間の支配のためには、相手に対して自分がこの空間で何をするかという意図や情報を漏らさないことが重要です。

相手にこの空間で何が起こるかわからない状況をつくることで初めてあなたは空間を支配することができます。

しかし、人は何かしようとすると、動作や視線や表情などで、今しようとする様々な情報を出してしまいがちです。

その中でも、目が情報の漏れるのもっとも大きな要因となっているというのは誰も否定しないでしょう。

「目は心の窓」などとよく言われますが、目の使い方一つで、こちらが何を意図しているかというのが相手にすぐにばれてしいます。

そこで、このプロセスでは情報が最も漏れやすい目から情報を遮断するためには、眼球を動かさず、相手の全体像を視野に入れておくという見方が非常に有効です。

この見方は当会では「人形の目」という呼び方をしています。

というのは、例えばフランス人形を思い出してもらうといいと思いますが、右を見ていると思うと、人形はあたかも右を見ているように見え、自分を見ていると思うと自分を見ているように見えるからです。

このように人形の目は、観察者の心理が勝手に反映されるので、こちらの情報の撹乱には非常に都合がいいのです。

もし、詳しい目の使い方に興味のある方は、拙著に記載していますので、参考にしてください。キンドル版の本「力の弱い人でもできる唯一の護身術

 

 

実は合気道では、目の使い方だけなく


 

 

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【形稽古の始まりはいつ?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、最近のブログでは合気道の形稽古は様々なプロセスで成り立っていて、それぞれのプロセスを丁寧にこなすことで形が成立するという話しを進めています。

今回からは、形稽古ではどういったプロセスで構成しているかを説明していきたいと思います。

まずは、形稽古の始まりについて述べたいと思います。


向かい合った時点が始まりではない

 

試合のある多くの武道や格闘技では、向かい合って、主審が開始の合図をした時点から試合が始まります。

ところが合気道は、試合のような「用意、始め!」でお互い正々堂々と戦うという考え方はありません。

「形稽古だからそんなことを考えないのか」といえば、そういうことではありません。

技をかける側である「取り」の基本的な心構えとして、「相手が自分に向かってくると判断した時点から、意識を相手から離さず、相手の動きを観察するというところから始める」ということが大切です。

そして、不用意に相手を自分に近寄らさないという意識を持つ必要があります。


間合いの理論

 

相手を不用意に近寄らせないというと、相手とどれぐらい離れておればいいのかという発想になりますが、そのために合気道では間合いの取り方についての考え方があります。

間合いの種類は、遠い間合いから六間(ろっけん)、三間(さんげん)、一間(いっけん)の3つです。

一間は1.8メートルですが、約2メートルと考えてもいいでしょう。

六間の間合いというのは、相手が走るのがかなり速いひとでも、その時点で走って逃げると追いつけない距離です。

三間では、ちょっと隙を見せただけで相手が、自分に近づいて来れる距離です。

アメリカのボディーガードは、あらゆる襲撃事件は6メートル以内から起こっているといっていますから、この距離が安全を確保するのに一番大切な距離であるということが家ます。

さらに、一間はというと、相手自分に近づいてきたときに、対処できる最小の距離ということです。

というのは、試合じゃないので、相手はもしかすると武器を隠し持っているかもしれないのですが、そうした際、この距離が最低限必要な距離ということになります。

ですから、合気道の形稽古の場合、相手と向かい合っていなくても、既に三間以内に相手がいるとうことですから、相手の動向から目を離してはいけないということになります。

要するに、合気道では、稽古が始まり、相手とあいさつを交わした時点ではなく、稽古相手が決まり、受けと取りの役が決まった時点から、取りは受けから意識を離してはいけないということです。

言い方を変えると、もうこの時点から合気道の形におけるプロセスが始まっていると考えます。

 


 

 

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