【合気道の形稽古のプロセス3】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は合気道の形稽古のプロセスで、第三段階目について話します。


相手の兆しをとらえる

 

第三段階のプロセスでは相手の兆しをとらえることが必要になります。

井口師範はその兆しをとらえることを「相手が気を差したら、すぐに行動を起こさなあかん。それが入り身の呼吸や」とおっしゃられたことがあります。

実は、気を出さない特別な訓練をしたしかもかなりの手練れの人以外は、通常は何か動作しようとしたときに、必ず兆しとともなって、動作前に気を出します。

その気を捉えて、動き出せというのが井口師範の「気が差したら」ということでした。

しかし、読者の皆さん、気なんてわからないと思われている方がおられると思いますが、実は、よくよく人を観察したとき、何か行動を起こそうとしたとき、微妙に体が動き、それから行動が起こるものです。

その微妙な動きをよく観察して、微妙な動きが起こったときに行動を起こすということをしていると、相手よりも先に動くことができます。

しかし、これには目でみるという感覚ではなく、目で感じるというように、視覚を体感覚に変換する訓練が必要です。

 


視覚より体感覚の方が反応が早い

 

通常、あまり視覚と体感覚に関して比較をしたことのある人は少ないのではないでしょうか?

ところが、武道をしていると、視覚に頼るとどうしても遅れが生じます。

その実験として、二人一組になって向かい合い、一方の人が掌を上に、他方の人は掌下にしておきます。

次に、掌が上を向いている人が、手を動かすので、それを目でよく見て動いた方向に合わせて、相手の掌に自分の掌を乗せている人が手を素早く動かすというのをやってみてください。

手を先に動かす人は相手に読まれないようにフェイントをいれたりして、追従させないように移動させましょう。

目でとらえようとすると、あっという間に手が離れてしまいます。

次に、相手の掌に追従する人は目を閉じて、掌に伝わってくる感覚で相手についていくことに収集しましょう。

すると、さっきまで追従できなかった相手の動きが、手に取るようにわかったと思います。

体は体感覚で動かされていますから、視覚を通すとどうしても思考が間に入り遅れがでるのです。

そのため、視覚より体感覚を優先する必要があるのですが、合気道では、視覚を体感覚として感じるという秘伝というか考えがあります。

これを実現するには、相手をよく観察するということで訓練していくしかありません。

僕の場合、横断歩道で赤信号から青信号に変わった瞬間、人はどう行動するかを観察して、稽古した覚えがあります。

よく観察すると、なるほどこのタイミングかというのが分かります。

 


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