「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

【何もしていない相手に技をかける】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

前回はジーっとしている相手に技をかけることで合気道の技の行う本質が分かるという話しをしましたが、今回はさらに具体的なヒントを出していきたいと思います。。

形稽古だけしか経験のない合気道修行者の場合は、相手が同じように合気道している慣れ親しんだ相手ならまだしも、合気道素人が相手の場合だと、ただ単にジーっとしている相手に技をかけるのがかなり難しいと思います。

何故なら、一瞬で技をかけないと、力を抜いてジーっとしている相手でも、危ないと思うと、技にかかる前につい力が入ってしまって、中々うまく技をかけさせてもらえません。

相手にできるだけ悟られないポイントを今回述べていきます。

 

 


上手くできない理由は三角筋

 

もしあなたが、手だけで技をかけようとしたとき、あなたの三角筋が動きます。三角筋は腕の根本である肩にある筋肉ですから、少し動かしても、手の末端は大きく動こうとします。

それによって相手は、あなたがどう動こうとしているか簡単に判断してしまいます。

三角筋は腕を固めるために使うのは問題ないのですが、腕を動かすのに使うと、反射が起こって脊柱起立筋群が緊張し、自由な動きができなくなります。

反射が起こるプロセスは、
①三角筋が過度の緊張する
②三角筋に意識が行く(力感がでる)
③脊柱起立筋群が緊張する

これにより体の自由度がかなり低下します。

 


運動エネルギーを伝える

 

自分の体重と同じ鉄の塊が前方から転がってきたら人はどうするでしょうか? 多分、大概の人は危険を感じ、それを避けようとするでしょう。

このように、人は動くものにはエネルギーがあるというのを無意識レベルではしっているのです。

だから、相手が物体であれば、運動エネルギーの凄さを実感できます。

ところが、相手が人間になるとその感覚がなくなります。いざ、技をかける際には、腕力だけに頼ってしまうのです。

これは、手がかなり器用に動かせるため、つい手で何とかしてしまおうとする日常の動作の癖から出ているものです。

そのため、この癖をまず除いてやる必要があります。

そのやり方としては、まず体を動かし、その反動で相手を動かすという稽古が必要になります。当会では、骨の技術の陽の技法というものです。

一般的な合気道では、その稽古として、天の鳥船の行(船漕ぎ運動)がよろしいかと思います。

この稽古が上手くできているかどうかは、後ろから相手に片手をしっかり持ってもらって、相手を前方に持っていけるかを見ると良いでしょう。

上手く運動エネルギーを扱えていたら、相手は前方に根こそぎ持っていかれます。

 

*  *  *

まだまだ、ポイントはありますが、それらは、実際に手に取って、実地で教えないとできない技術ですので、先ずは、三角筋に頼り過ぎないことと、運動エネルギーを利用することを重点的に稽古されるといいでしょう。

 

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【何もしていない相手】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

今回はジーっとしている相手に技をかけるということを話したいと思います。


他の武道の人の合気道への印象

 

 

合気道をしている人が技を見せるとき、については、「手首を持ってください」「眉間を目掛けて手刀を打ってください」など注文する人が多いと思います。

そんなとき、少し武道をした人なら『自分のいうように注文するような戦いなど無いだろう』と考えます。

僕が以前にジークンドーの大阪セミナーに参加したときのことです。そこには色々な武道経験者が集まります。

それで、以前、どんな武道をしていたかという話しをすることがあるのですが、中国拳法をしていたという人に、僕が以前に合気道をしていたということを言ったことがあります。

その人は、小馬鹿にしたような笑いを浮かべて言いました。
「合気道ですか? 合気道やっている人って、手首を握って下さいとか、一々注文付けるじゃないですか。初めから分かっている攻撃なら素人でも対処できますよね。それに合気道している人でまともな人しらないんですよね」

この後で合気道でも使えるということをその人に証明したのですが、話がそれるのでここでは話しません。

このように他の武道の人は、合気道は注文付けて技をかけるので卑怯だという考えを持っている人が多いようです。

確かに、合気道をしている人達の中には、その状況からでしか技をかけられない人もいるのも確かですが、互いの安全のためにはそういった状況から技をかける方がいいのです。

特に、総合格闘技でさえ危険と禁止されている手首などの関節技は一度痛めると非常に治りにくいと言われていますので、掛ける方も限定した範囲でする方が安全です。

ただ、相手に技をかける際に、自分が注文しないとできないのでは非常に問題があります。

それでは、護身にもなりません。しかし、実際に自在に使える前に、何もしていない相手にどう技をかけるかということができるかどうかという点も大切です。

 


井口師範との思い出

 

 

僕が初めて井口師範にお会いしたとき
「大阪でやっていたんやったんか。そしたら、何でもいいから技を一つ掛けてみなさい」
と言われました。

井口師範はというと、ただ単につっ立った状態でジーっとしています。
「何も抵抗するつもりはないから、得意な技をかけて見なさい」と言われました。

僕は、「ジーっとしている人への掛け方を大阪では学びませんでしたので、どうしていいかわかりません」と答えると、
「ジーっとしている相手へすら技が掛けられないなら、千変万化する相手へどう技をかけるんや」と言われました。

 

 

 


ジーっとしている相手に技をかける

 

 

柔道でも、空手でも、どの格闘技でも、ぼんやりとジーっと立っている相手に対して簡単に技をかけることができます。

ところが、最近の合気道では、これをできる人が思っている以上に少ないように感じます。

合気道では、様々な攻撃に対しての技の稽古を行いますが、そういった稽古では、形を意識しすぎて、技への誘導が疎かになってしまい、形がきれいに決まれば満足してしまう人が多いからではないでしょうか。

そのため、習った形で相手に攻めてもらわないと技が掛けられないという状況になってしっているのです。

しかし、護身を考えたとき、暴漢はコチラが得意とするような方法で攻撃してくれるとはかぎりません。

そこで、もっと本質的な部分を稽古する必要があるということが分かります。そのためには、相手にジーっと立ってもらって技をかけてみるというのも大切です。

 

*  *  *

合気道修行者も、一度ジーっとしている人に掛ける技を考えてはどうでしょうか?

例えば、一教ならこうする。二教ならこうする。小手返しなら…。

 

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【一動作ごとの意味が重要】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

今回は、一つ一つの動作の意味とその重大性についてお話ししたいと思います。

どのようなことでも、ある程度極めた人は一つ一つの動作、或いは言葉を発するにも意味を持たせるように言うことが多いと思います。

私の合気道の師匠である井口師範は、「一歩足を踏み出すその一つの動作にも意味がある。さらに、手を一つ出す動作にも意味がなければならない」ということをよく言われていました。

私たちは、日常、何か動作をするごとにさほど大きな意味を持たせて動いていないことが多いと思います。

例えば、手を出すという一つの行為においても、ただ手を出しているというように、何故そのような経路を通って手を出すかということを深く考えていないのではないでしょうか?

ほぼ無意識に手を出す。それが普通で何も疑問を感じたことがないと思います。

これを武道でやってしまうのは、良くないというのが井口師範のご指摘でした。そこで、どのような意味を考えてやっていくのが良いかと井口師範は言われたのでしょうか。


将棋

 

 

井口師範は、僕が正面打ちを受けるときに、将棋に例えて話されたことがあります。

「将棋は無意味に駒を動かすのとちがう。一手一手すべて意味を持たせて打っていく。合気道もそれと同じ、不用意に手を出したらあかん」

ですから、合気道の手を出す出し方も、「何故そのように出すか?」ということの意味の重大さを感じながら出していく必要があるとのことでした。

一つの動作をするにも、初動から意味があるということでした。

 


中国武術の例

 

 

 

武道では、始点から終点までかなり理由があったりします。そのため正しいフォームといえるものも存在しています。

例えば、中国武術である太極拳では、套路(形)の中に、色々な形があり、それぞれの動作において手や足の始点と終点があります。

太極拳では、始点、途中、終点をすべて意識するために、あのような緩慢な動作で稽古をするのです。

また、私が12年ほどやっていたジークンドーでも、エコノミーラインといって最短で手を出す軌道が決められていたりします。

 


合気道での意味

 

 

話を合気道にもどしますが、井口師範は「陰(かげ)から現れるがごとく」とおっしゃいました。要するに動作の初動を隠すようにとおっしゃったのです。

これをうかがったとき、「なるほど」と思いましたが、初動を隠すといわれて具体的にどうするか非常に混乱したものです。

ところが、そういった指導を何度も受ける中、あるとき井口師範がいわれた言葉で、僕はようやく意味がわかりました。
「人の体には陰(かげ)と日向(ひなた)がある。右手の陰は左側、左手の陰は右側」

これだけでは分かりにくいので解説すると、この陰、日向というのは、気が表に出やすい位置のことです。言い方を変えると相手に感知されやすいかどうかということです。

右手が、正中線より右側にあると、そこから動作を起こすと、相手にとって右手の動作が非常に察知しやすくなり、すぐに対処されてしまいます。

一方、右手が正中線より左側にあり、そこから動作がおこると、相手に察知されにくくなるというものです。

そのため、右手を出すとき、正中線より左側に右手をずらしておいて差し出すと、「陰から現れるごとく」手が出るということです。

このように合気道においても、手を出すことですら、始点から終点まですべての点で意味があるということです。

 

 

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【目と心の動きと護身術】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

読者の方で犬が怖いという人はいませんか? 今回は犬恐怖症の人が何故おとなしい犬にもよく吠えられるのかということについてお話ししたいと思います。


仔犬でも怖い人

 

 

先日、公園のそばを通っていると、公園の中を仔犬に紐をつけて散歩させている子供がいました。

仔犬の柔らかい毛がモフモフとしていて、ぬいぐるみのような愛らしさで、チョロチョロ、チョロチョロとあちらこちらを嬉しそうに尻尾を振って歩いていました。

僕は、あまりにも可愛いのでちょっとその仔犬を見ていたところ、ある小学生の高学年らしい少年に近づくと、突然その仔犬がキャンキャンと吠えだしたのです。

その時のシーンが詳細に僕の記憶に残っているので、その状況を詳しくお話ししたいと思います。

このその少年は、ジャングルジムの傍を丁度通りがかるところでした。

ところが、犬が嫌いらしく、仔犬が近くに来たと思ったら、急におびえた目をして、さっとジャングルジムの傍ぎりぎりのところまで飛びのきました。

そして、じっとその仔犬の目を見て、自分にとびかかられないようにと必死で逃げようとしていました。

ところが、後ろがジャングルジムがあり、それ以上、後方に下がれないので、おびえた顔で、仔犬と目を合わしながら、必死で、ジャングルジムにしがみつき、2段ほど登りました。

それでも、なおも吠える仔犬と目を合わして、恐怖に顔を引きつらせていました。

 


犬好きと犬嫌いの違い

 

 

この小学生の行動を見て、僕の知り合いの犬恐怖症の人も、同じような行動をとっていたのを思い出しました。犬恐怖症の人は、大概は犬と目を合わせるのです。

ところが、犬好きな人は、犬と目を合わせるというより、犬の全体像を見ます。犬の毛がどうなっているとか、色がどうだとか、動作がどうだとかです。

人は相手が気になると相手全体を見ます。昔、狼に育てられた子供というのがインドで発見されたことがありますが、赤ちゃんは狼を恐怖することすらありませんので、狼の目を見ることはありません。だから、狼は巣に連れて行って人間の子供を育てたのでしょう。

何十年も前、小学生のとき、遠足にいったとき、学校の先生が、野生の動物に目を合わせるのは危険なので決して目を合わせないようにしなさいと言ったのを思い出しました。

将に人は恐怖を感じると、恐怖の目でその動物と目を合わそうとするようです。

一蹴りでやられそうな、小さな仔犬ですら、目を合わせる対象に吠えるのですね。

ですから、犬恐怖症の人は、是非とも犬と目を合わせるようなことはしないことです。

 


合気道の目の使い方

 

 

合気道では、相手と目を合わせないということを再三師匠に指導されました。

全体を見ることと目を合わすこと、これは相反する意識の表れだということです。

スパーリングなどで相手の攻撃を受けないでおこうと思えば思うほど、相手の目をみてしまいます。合気道の目付けとは真逆の目付になります。

この目付の詳しい方法を説明するにはかなり複雑になります。もし、興味のある方は是非、護身術を学びに来てください。

また、目の使い方については、拙著に記載しています。もしご興味のある方はそちらを参考にしてください。キンドル版の本「力の弱い人でもできる唯一の護身術

 

 

このように、感情の動きが目に出るわけですが、相手に対する恐怖などがでると、おびえた目で相手の目を見るという行為に走ります。もしあなたが暴漢に遭遇したら、まずは相手の目をみないことです。

もし、あなたが暴漢に襲われたら、見るのは相手の耳を見てください。そうすれば、相手はあなたの思考を急によみづらくなります。

そして、相手の隙に付け込んで、目を攻撃すれば相手は、虚をつかれ、簡単に目をつかせてくれます。目をつかれれば、大概の人間は痛みのため何もできなくなります。その隙に逃げるとよいでしょう。

 

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【状態の気の流れを利用する】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

今回は、合気道で使う「状態の気の流れ」の利用についてお話ししたいと思います。

これまで、合気道では気の流れを重視し、自分の重心を安定し、己の気の流れを崩さず、相手の気の流れに自分の流れを加えることで、相手を崩すということをお話ししてきました。

そして気の流れには、意識の気の流れ、動作の気の流れ、状態の気の流れがあり、人が動くときそれが重なって存在しているともお話しし、それぞれの気の流れを利用することで合気道は技を行っています。

今回は、状態の気の流れの利用について解説していきます。

 


状態の気の流れ

 

 

以前にもお話ししましたが、状態の気の流れというのは、理科でいる慣性力、要するに、ある方向に動き出すと、逆の方向にはすぐには動けないということです。

合気道以外の武道では試合がありますが、大概の武道では後ろに引くなと教えられます。それは後ろに下がると、相手に追い込まれてしまうからです。

というのは、後方に下がると後方に慣性力が働くため、相手からの攻撃により、さらに後方に下がる力に拍車がかかり、最後に追い込まれてしまうからです。

また、他の武道ではカウンター攻撃といって、相手が前に出るタイミングでパンチなど打撃技を出すことで、出会いがしらの相手の慣性力を利用することで、打撃力を瞬間に高めて衝撃を相手に与えることも行います。

 


状態の気の流れを積極的に使うのが合気道

 

 

このように合気道にかかわらず、他の武道でも、この状態の気の流れは意識されています。

しかし、合気道ではとくにこの状態の気の流れを意識し、利用することをより意図的に行っています。

例えば、呼吸投げなどの系統の技に使われています。相手の力を受け、そのまま流し、相手の重心を中心に回るように導くくことで相手を投げるのが呼吸投げです。

前項で、他の武道ではカウンター攻撃を行うという話しをしましたが、実は合気道でもそれを行います。

最近はあまり当て身すら使わない道場が多いときいていますが、実際に使用する際は、合気道では当て身(打撃技)を行うときにはこのようなカウンター攻撃を使います。

合気道は、相手が武器を持っているということも想定して、畳一畳分の間合いをとるため、遠い距離からカウンターを取る技術で入り身一足という技術があります。要は相手の懐に一瞬で飛び込む技術です

また、合気道には、相手に後方に追い込まれそうになったときのフットワークとして、後方への体捌きがります。それは、後方に向かう慣性力を横方向にずらすステップです。

 


重力も状態の気の流れ

 

 

さらに、合気道では重力も状態の気の流れと考え、利用します。

確かに、物理学では重力というのは、物体に重力加速度がかかっている状態として、何もないところで物体が加速しているのと同じことと扱いますから、当然といえば当然です。

ですから、重力も状態の気の流れととらえ、投げを行うとき、重力の方向を意識する必要があります。

例えば、隅落としという技を使うとき、上手くできない人の多くは相手の腕を伸ばそうとより遠くに運ぼうとする傾向があります。

腕が伸びた時点で下方向に導いてやれば、重力の状態の気の流れを利用することができます。

以上、状態の気の流れとは、一度動き出したものは止めるのに大きなエネルギーがいる。しかし、その動く方向に力を加えるとより大きな気の流れができるということです。

 

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【動作の気の流れを利用する】2

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

今回は、合気道で使う「動作の気の流れ」の利用の続きで、具体的にどのような方法を用いるかという点についてお話ししたいと思います。

前回は、相手は常にこちらの動きを読もうとしているので、意図があっても、意図を持ちつづけていなければ相手はこちらの意図を読むことができないという説明をしました。

そこで、具体的に意図を持たない動きをつくりだすのかをお話ししたいと思います。

 


意図を持たない実際の方法

 

意図を持たない動きを実行するのはどうしたらいいのでしょうか? もし井口師範が生きていらっしゃれば、「単に相手に合わすだけ!」という答えが帰ってくるでしょう。

これでは意味が分からないとおもいますが、私たち達人でない凡人が実現できることは一つ手をセンサーにして、手に意図を持たせないで、ただ相手についていくことです。

そうすることで、相手はコチラの意図を計ろうといろいろと動きます。さらに読めなくなると、その手から解放されようと動き始めます。

そうすると、しめたもので、相手の動きが関節の稼働範囲の終端に近づいた時点、曲線運動で軌道を変える前に、相手の動きの方向に合わせて、そこで少し力(運動エネルギー)を加えてやれば、関節の可動範囲の終端に導くことができます。

相手は、自分の動作の気の流れとこちらが加えた気の流れと区別がつかずに、自ら窮地に追い込まれた形になり、崩れてしまいます。

これが、相手の動作の気の流れを利用した崩し方です。

 


意図を持たない方法を実現するには?!

 

この話をすると「成る程!」と思う人が多いと思います。ところが、実際の技になると、相手についていくということが中々実現しません。

何故なら、多くの合気道の稽古の場合、技の受け手が自ら勝手に技にかかろうとしてしまうことが多いからです。

ところが、実際に護身術などで使用する際は、時代劇の殺陣のようにはいきません。こちらに危害を加えようとする相手が、わざわざ自ら勝手に投げられてはくれるということはありません。

そこで、こういった稽古をするには、相手に逆らってもらうような稽古が必要になります。

そうすることで、相手の手に自分の手を持ってきて、自分の手をセンサーだと思って相手についていくことが大切です。

しかし、相手についていく際に自分が崩れていては全く意味がありません。自分の軸はピシッと極め、重心を安定させて相手の動きについていきます。

そして、相手が不利な位置に手を持ってきたら、すかさず、相手の手をその動きに合わせて、さらに加速する訳です。

 


相手の脳にパニックを起こす

 

相手は自分の意識で自分をコントロールしてい居たはずが、気が付くと相手にコントロールされていることに気づくと、脳がパニックを起こします。

そうするとしめたものです。相手に隙ができ、相手を自在にコントロールできる土台が完成します。そのまま、無理をせずに相手に技をかけていけば、相手はかなり自然な感じで投げられたと思います。

これが相手の動きの気を利用した技です。

ちなみに、このとき、相手が意味なく笑っているような顔をしていたら、脳がパニックを起こしている状況で、あなたの技が聞いている証拠です。

 


当会での稽古

 

 

当会では、この相手の動作の気を利用した稽古には、杖(じょう)の稽古も併用します。

杖とは直系3センチ、長さ約128センチぐらいの木の棒です。

杖を用いて変幻自在の動きによって、相手の動作の気の流れをさらに導く方法を理解していただいています。

ちなみに、先日、関東から個人稽古に来られた方も、こちらに来ると言うことであらかじめ岩間の斎藤師系列の杖の動きを学びに行かれたそうですが、当会の井口師範の指導した杖を体験して、全く別物だといっておられました。

井口師範の指導する合気道の杖(じょう)の捌きを稽古するとかなり理解できますが、これに関してはまた別の機会に紹介したいと思います。

 

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【動作の気の流れを利用する】1

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

合気道のでは気の流れに合わせて技をかけます。気の流れには、意識の気の流れ、動作の気の流れ、状態の気の流れがあります。

今回から、相手の「動作の気の流れ」の利用する点に絞ってお話しをしていきたいと思います。その前に、今回はまず知っておかないといけないことをお話ししたいと思います。


動作には終わりがある

 

人体は関節で構成されています。タコのような軟体動物でないかぎり、動作は関節によって制限がでます。

例えば、腕を曲げれば、ある時点でそれ以上曲がらなくなります。要するに、関節の可動範囲の終端で動作は終わりを迎えます。

この終端を押さえれば相手を崩すことができます。ですから、合気道では、相手の動作の気の流れを利用して、この終端に相手の腕を導けばよいのです。

しかし、問題は、人は動きの連続性をキープするために、関節の可動範囲の終端に来る前に、回転運動で起動を変えて縮まった関節は伸ばせるようにし、伸びた関節は縮めるようにします。折角、相手の関節の可動範囲の終端に導こうとしても、相手は曲線運動で軌道を変える訳です。

普通、人は相手が押さえつけてきた場合、相手はこちらの意図を察知すると、それを阻止するために、曲線運動で起動を変えて有利な位置を確保するものです。

 

相手に読ませないためには?!

 

 

相手を不利な状態に導くためには、こちらの意図を相手に読まさない必要があります。相手は、常にこちらの動きの意図を読もうとしています。

そして、こちらの意図を読むことで、こちらの動きに応じて、より有利な位置をキープしようとします。

では、相手にこちらの意図を読ませないためにはどうするか?

井口師範はいいました。「話は簡単。こっちが意図を持たなければいいだけ」

確かに、こちらに意図が無ければ相手はいくらこちらの意図を読もうとしても読みようがありませんが、果たして意図がない動きで相手を導くことができるのでしょうか?


意図のない動きとは?!

 

例えば、罠を考えてみてください。罠を仕掛けた人自身には意図がありますが、罠自身は通常モノですから意志も意図がありません。

この例からも、導くという意図があっても、意図を持たないということが可能だということを理解しておく必要があります。

実際、合気道では、このような罠の原理で、体の反応が発動するようにしている場面が多々あります。

テレビに出た合気道の達人が、技をかけると何故か手が離れないと言っているシーンがよくあります。これは、この原理を使っているからです。

*  *  *

次回は、動作の気の流れを利用する方法に具体的に迫りたいと思います。

 

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【意識の気の流れを利用する】

【意識の気の流れを利用する】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

今回は、合気道で使う「意識の気の流れ」の利用についてお話ししたいと思います。

 


重なる気

 

先ずは、前回お話しした気の流れで、一般的な人が身体行動を起こす順を見ていきましょう。

①意(こころ)に意図が起こります。
②その意図に従って気が動きます。(意識の気の流れ)
③気が動くと、その人の身体から気が外に出ます。
④それと同時に、意図した通り体に気がながれます。(動作の気の流れ)
⑤体に気が流れると意図通り身体が動き出します。
⑥身体が動き始めると、物理の法則によって縛りができます。(状態の気の流れ)

この様に、人の行動は、3つの気の流れが重なって初めて身体が動き行動できるわけです。

先ず、意識の気の流れができ、次に動作の気の流れが意識の気の流れと重なります。さらに、動作が起こると、状態の気の流れがそれらに重なり、3つ重なった状態で動作している状態になります。

合気道では、このどれかの気の流れを操作することで、相手をコントロールします。

 


いつ意識の気の流れの利用するか

 

意識の気の流れを利用というと、意識の気の流れが生まれた時点での利用を考えるのが普通じゃないでしょうか。

ところが、先ほども言ったように、気の流れというのは、重なって存在するものなのです。ですから、意識の気の流れを操作する場合、意識の気の流れが起こった時点以降であればどの時点でも可能です。

 

但し、他の気の流れと重なっている場合、他の気の流れを無視するわけにはいきませんので注意が必要です。

 


意識の気の流れと攻撃の三角

 

 

例えば、「手首を持とう」とする意が起こったとき、この意識の気の流れは、手首を持った時点で完結します。要するに、手首を持って握り込んだ時点でその気の流れが終了します。

ということは、手首を握るという目的を果たす前まで、この意識の気が出たままになるのです。

意識の気がでることを、井口師範は別の言葉で、攻撃の三角ができたと表現しています。

この攻撃の三角というのは相手が攻撃しようとしたときに限定していますが、実際は、人が意図を持ち、気が出た瞬間、目的を遂行してしまうまで、動き続ける現象です。

ですから、意識の三角といった方がいいかもしれません。

要するに、人が意図を持ち、気を発した時点から、目的の遂行が終了するまで、人はその動作にロックがかかるわけです。

「手首を持とう」と意図し、気が出た瞬間から「手首を持つ」という目的遂行まで動作続けるので、手首を持とうとする瞬間、手首が前に移動すれば、その移動につられて前のめりになってしまします。

これは無意識に起こることなので、気が付けば自分が崩されているという状況になるわけです。

一方、「手首を持とう」と意図し、気を発した時点、突然にパンチなどの攻撃がきたらどうなるでしょうか?

通常の人であれば、意識の気の流れが「手首を持とう」という目的が突然中断(攻撃の三角が破壊)され、一瞬だけ、脳がパニック状態になり金縛りになった状態になります。

 

  *  *  *

 

このように、意識の気の流れを利用するにはタイミングが関わっています。ですから、どんな時にどいう行動が適切かというのを体に覚させておかなければなりません。

皆さんも色んな条件を実験してみて、どんなときどうなるか、経験すると非常にいいと思います。

 

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【合気道は流れに逆らわない】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

合気道は「気」を合わせる武道ということで、「気」に対して合わせるという考えがあります。

要するに、合気道は流れに逆らわない武道です。その流れとは「気」の流れをいみします。

今回は相手の「気」の流れに乗ついて話しします。

 


「気」の流れ

 

合気道では「気」の流れを重視します。合気道で利用する「気」の流れを、大きく分けると以下の3つになります。

  1. 意識の「気」の流れ
  2. 動作の「気」の流れ
  3. 状態を表す「気」の流れ

以下ではもすこし詳しくそれぞれの「気」について説明していきます。

 


意識の「気」の流れ

 

人が何かしようとするとまず最初に出る「気」です。人は何か行動を起こす時、まずこの「気」がでないと行動を起こせません。

最初に意図である「意(こころ)」が動き、「気」が動きます。

前々回の片手取りの導き方で記載した技法は、この相手の意識の「気」の流れを利用した技術です。

具体的にいうと、手を掴もうという「気」を導いて相手を誘導しました。

 


動作の「気」の流れ

 

1で起こった「気」により導かれる「気」で、体に流れる「気」です。それによって体が動きます。

それと同時に、物理学でいう運動エネルギーが物体に乗っている状況になるので、ある意味では動作の「気」の流れというのは、運動エネルギーと同等といえます。

 


状態の「気」の流れ

例えば、あなたが高いところから落下する場合を考えてみますと、この落下という現象が起こったら、静止している何かに捕まるか、外部に力を求めないと、この落下という状態は止まりません。

いくら手足をバタバタしても、体に「気」を通しても全く何もかわらないのです。

こういうように一旦落下という状態を始めたら、自分の中では全くコントロールが効かなくなります。

これは、落下という状態の「気」が発生しているということです。こういった状態の「気」が発生した段階では、どんなに「気」を出そうとしても、それには逆らうことができません。

物理学でいう慣性の法則というと理科系の人はわかりやすいかもしれませんね。

 


合気道は「気」の流れを使う

 

合気道はこれらの「気」の流れを巧みに組み合わせて、相手をコントロールする技術なのです。

ですから「気」の流れをよく観察し、その「気」の流れに合わせて、それぞれの性質を使って、「流れ」乗って、軌道修正しつつ変化を起こしていきます。

ですから、「合わせ」であり、「導き」であるのです。

要するに、合気道は流れに逆らわないということです。

 

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【信じる力】

皆さん、お元気ですが? 僕はメチャ元気です!

さて、今回は信じる力ということについてお話ししたいと思います。


生まれ変わった僕の健康

 

 

僕は、子どものころから体が弱く、青年になってもその状態は変わりませんでした。

その間、西洋医学、東洋医学などの医療はもちろん、ヨガを始めいろんな健康法に取り組みましたが、全て上手く行きませんでした。

ところが、合気道の井口師範とお会いし、僕の健康状態がまるっきり変わってしまいました。

合気道をして2年ほどしたある日、僕は自分の身体が非常に軽い事に気づきました。

「普通の人の身体って、こんなに軽いんだ。僕は根性がなかったんじゃない」というのがその時の僕の感想です。


師匠の悲しい出来事

 

 

実は、その井口師範ですが、過去に何度か弟子の裏切りに遭っています。

そして僕が井口師範にお会いしたときにはちょうど裏切りにあった後でした。

それは、一番弟子であった某氏が、稽古場所を変更したと他の弟子をだまして、組織ごと乗っ取っられたのです。

普通だったら、騙されたと思ったら、師匠に連絡して、謝罪して元に戻ろうとするはずですが、殆どの弟子は某氏についていったままだったのです。

僕が推測するに、井口師範のご説明が、非常に曖昧に聞こえるために、真意が伝わらず誤解を受けたのだと考えています。

僕が今入っているビジネス塾もよく似ています。フェースブックのメッセンジャー・グループを使ってグループ分けをしていて、そこで仲間と話し合って高めていくということをしています。

ところが、以前僕が入っていたグループで、主催者の悪口を先導する人間が3人現れ、不満を述べるようになると、その不満がグループ全体に広がり、ついにはグループが機能しなくなるという事態になりました。

結局、多くの人を引き連れて、その人達は辞めていきました。

話は戻りますが、僕は井口師範の稽古の送り迎えをしていたので、よく空き地で車を留めるように言われ、技を見ていただきました。

そのとき、5分前におっしゃったことと、まるで反対のことを言われるようなことがかなり度々ありました。

いうことが、前と全く逆だったり、一貫性がないと思ったこともかなりありました。

しかし、そのことは井口師範がいい加減なことを言っているのではなく、弟子の理解度が低すぎるためなのです。

こうしたことが、誤解を生み弟子の裏切りに繋がったのだと僕は考えています。

 


井口師範の偉大さを悟る

 

僕も初めは混乱していたのですが、井口師範のお言葉に深い意味があると僕は考え、井口師範のご指導をノートに付けておりました。

そして、井口師範の一見矛盾に感じる言葉をすべて正しいと仮定のもと、技を分析することにしました。

そうこうするうちに、井口師範がおっしゃられる言葉が、物理学、生理学、心理学のいずれかで考えても非常に合理的であることが分かってきました。

そのお陰で、僕の分かる範囲のことで井口師範の技術をシステム化し、誰でも理解できる言葉に置き換えることができるようになりました。

この技術のシステム化において、「気」という概念で話をするとき、そのようにしか言えないということにも気づきました。

つくづく考えてみますと、やはり井口師範は達人で、その刹那刹那の技を的確に説明されていたのだと気づくことができました。

でも、このような気づきは、井口師範を信じたからこそ出てきたもので、井口師範を裏切って出ていった人には理解できなかったのです。


信じる力の大きさ

 

運動神経万能でなんでもできる井口師範を裏切って出ていった人に比べるとクズかもしれない僕のような体育の苦手だったものでも、信じる力によって、それを見つけ出すことができたとのです。

しかも僕は片目が見えません。それでも、50歳を超えてた時点で、若いプロボクサーともスパーリングをし、引き分けた経験もあります。

それは、別に僕が凄くなったというのではなく、井口師範の秘伝が凄いという証明だと言いたいのです。

この様に、徹底的に信じ切る、信じる力というのは凄まじいものだということです。

僕は今、自分を徹底的に信じてみようと思っています。皆さんも、自分の力を徹底的に信じてみてはどうでしょうか?

 

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