△○□の三角の術理

合気道修行者の方に△と言うことについて質問されましたので、今日はそのことについて説明させていただきます。

一般に、合気道の技は、△○□で構成されているとよく説明されます。
特に多い説明は「入り身で三角に入って、丸く捌いて、四角に抑える」というものです。

私は、大阪で合気道を学んでいるとき、確かに、そういわれるとそのような気がするのですが、なんとなくこじ付けぽく感じたものでした。
○はニュアンス的になんとなく分かるのですが、△や□といわれても、十分納得できないなあと感じました。

確かに、「入り身はイメージ的に矢印ぽい動きなので、三角だ」といわれれば三角ではあるし、四角は安定しているから、抑え技と解釈できるが、それでも何となく納得できないものがありました。

ところが、井口師範に師事するようになり、井口師範にこの質問をぶつけてみましたところ、
「三角は強い。では、三角の何がつよいか」と逆に聞き返され、言葉に窮したことがあります。

井口師範は、「ピラミッドも強い。これも三角だかや」といいました。

井口師範は感覚の人なので、感覚的な説明でしたし、問答を全て記載すると遠回りになるので、要点をお話しますと、三角形の強さは「底辺に対して頂点が強い」ということでした。

皆さんもご存知の三脚などの「3点支持」より、机の4点支持の方がが強いというのは経験的にご存知と思いますが、指導者で3点指示の説明をされる方がいらっしゃるというのを聞いたことがありますので、そうではないというのを特に強調しておきたいと思います。。

例えば、合気道の場合、相手と対峙するとき、半身をとりますが、この半身が三角だといわれるのです。ご存知の通り、その半身とは、前の足にあたるつま先を前に向け、後ろの足にあたる足は前のつま先に対して、L字あるいはレの字の形になるように立ちます。このとき力の使い方で後ろの足に当たる方の踵とつま先を結ぶラインが底辺になり、前足に当たる方の足が頂点という関係になるというようことで、だから、半身が強いということでした。

ところが、△でなくても、床についている足が二点でも、その二点を結ぶライン上から押されれば十分強いので三角という必要性はないと思われる方がいらっしゃるかと思いますが、入り身でご説明をするともっと納得していただけるでしょう。

そこで、入り身ですが、合気道では、移動する際に、他の武道のようにステップでためを作ってジャンプするように移動せず、後ろ足に当たる方の足を軸にして、その軸を前に傾斜するようにして移動をします。その際、後ろ足の足元(踵とつま先のライン)が三角の底辺となり、進む方向に移動する前足が頂点となるように移動するわけです。だから入り身は三角なのです。

ただし、この際の足先の力の入れ方に口伝(秘伝)があり、急加速できる方法がありますが、公のブログでは話せませんのでご了承ください。
なお、この移動方法には次の2つのメリットがあます。
①移動開始が相手から見えにくく瞬間に移動したように思わせる点
②ためを作る時間がないので、相手がためをつくっている間に相手の虚をつけるという点

これが井口師範の言われる入り身が三角である理由です。ですから、合気道修行者の方で、ためを作ってから動いていらっしゃったら、ためを作らないで動く動きを研究される必要があると思います。

井口師範から教わった△の技術は、入り身だけでなく、実際は三角を使う場面はたくさんありますが、あまり多く書きすぎると混乱されると思いますので今回はこれだけにさせていただきます。