皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、私の合氣道の師匠・井口師範は合氣道習得の段階として形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 があると話してくださいました。
現在当ブログではその中の体の段階について述べいます。さらに、体の段階では4種類の技術があり、それらは、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術です。前回は骨の技術の内の相手の骨格の捉え方について説明しました。相手の骨格をとらえるのにもう一つ理解しておく必要があります。それは身体には反射が起こるということです。今回はその点について話したいと思います。
このブログでわかること
合氣道で技をかける際にあまり重視されないことに反射があります。合氣道で利用する反射は、人間の骨格構造上で常にバランスを取っているため骨格の変化によって自動的に反応が起こるという現象です。これがわかると合氣道の技は相手を導くといわれる意味が分かるようになるだけでなく、最小限度で相手を崩すことができるようになります。
目次
●姿勢反射
●肩甲骨の位置と反射
●背骨と膝の反射
●骨格の変化により相手を導く
姿勢反射
人間の身体は、 全身の状態を知覚するためのセンサ の機能をもった受容器があり、それによって、自動的に体の位置や姿勢や運動における平衡を保つことができるようになっています。これを生理学では姿勢反射といいます。
そのため人間の身体はある状態になったとき勝手に反応するわけです。私たち合氣道修行者はこの特性を利用して相手の無意識の反応を引き出し、技につなげることができます。
言い方を変えると骨格上である部分が変化するとそれに応じて他の骨格が自動的に変化するということです。ですから私たち合氣道修行者はこの特性をよく知っておく必要があります。以下では合氣道修行者が利用しやすい反射について述べていきます。
肩甲骨の位置と反射
合氣道で相手を導くということをよく言われますが、そのためには相手の肩甲骨の位置とバランスの関係を知っておくと非常に便利です。
相手を前面に倒したい場合、肩甲骨を前にずらすと前方に崩しやすくなります。いわゆる巻き肩のように肩甲骨をが前にずれると前に倒れやすくなります。これは一教~四教、回転投げなどで利用できます。
また相手を後方に倒したいのであれば、肩甲骨を後ろにずらします。すると相手を後方に倒しやすくなります。代表的な技としては小手返し投げや入り身投げ、隅落としなどに利用できいます。
当会の稽古では、肩甲骨部に連なる筋膜に伸展の刺激を与えることで肩甲骨を前方にずらして相手を崩す「きりもみ」という名前の技術を入れています。これはこの肩甲骨の位置による身体の反射を起こるのを理解するためです。
背骨と膝の反射
背骨は大きく分けて、頚椎、胸椎、腰椎の3つのパートに分類されています。頚椎は首の部分で7つの骨から成り立っていて、胸椎は胸の部分で12個、腰椎は背骨の下部である腰の部分で5個の骨で構成されています。僕たち合氣道修行者が狙うのは頚椎と腰椎の2か所です。
基本的には頚椎が後ろに反ると、反射として腰椎が反り、腰椎が反ると反射的に膝が前方に移動してバランスを取ろうとします。また、背骨を屈すると反射的に尻が後方に引けます。これが背骨に関連して起こる反射です。
骨格の変化により相手を導く
骨格がどのようになると反射が起こるかといった特性を理解していると、合氣道修行者のやることはどのように導けば反射が起こるかということを考え、実行することです。
そのためには、反射が起こる条件を知る必要があります。反射が起こる条件というのは、力づくで行うのではなく、自然にその位置に導くということです。力づくで行うと、力のぶつかりが生じ、相手はそのぶつかった力を利用してバランスをとろうとしますので、理想的には相手との力のぶつかりが無いのが好ましいといえます。そのため相手をその位置、その状態に導く必要がある訳です。
僕は師匠の稽古で「導かなあかん」と言われたとき、
何をどう導くのか?
導くとはどのようにするのか?
等、わかりませんでした。師匠は「相手が自然に倒れるように導くだけ!」と言われました。要するに、自然に倒れる位置があったわけです。それが反射が起こる位置というわけです。
◆ ◆ ◆
2回に渡って骨格について述べてきましたが、骨格を考えることは合氣道修行者にとってとても大切だと感じていただいたと思います。合氣道の師・井口師範から「体は気に従い、気は意に従う」と聞きました。当初僕はこの捉え方を誤っていて、体は気に従うのだから気を鍛えれば技が上達すると思っていました。
ところが正しい体の運用ができなければ、気が流れないのです。気を正しく流そうとするには、正しい体の運用が大切だということだったわけです。
僕たち人間の体は物理法則を全く無視することができません。物理法則にのっとった動きを行ううちに、気の感覚が起こり、気の操作で身体操作ができるわけです。ですから、 正しい体の運用ができ気が意識できるようになった段階で初めて気を意識することで正しい体の運用ができるということだといえます。
それが「体は気に従う」ということだったわけです。
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