【視点が違うから発想が違う】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は、武道での、西洋的な動きと東洋的な動きの発想の違いを述べ、合気道での稽古をするうえでの方向性を話したいと思います。

僕たちは幼少のころから、テレビ中継などでボクシングなど西洋の格闘技の動きをずっと見て育っているわけです。

そんな中、僕たちの頭の中には、知らず知らずの内に、西洋式の動き方がインプットされています。

ところが、合気道はこれとは全く別物なのです。

当会では合気道ベースの護身術を伝授しているため、合気道の動きに従っています。

ですから、合気道の動きを考えるうえで、西洋式な考えを適用することはできません。

 


 

合気道の動きと西洋の動き

 

 

 

例えば、相手があなたに攻撃してくる素振りがあった場合、あなたはどうするでしょう。

あなたは殴られまいとして、何らかの動きを起こすでしょう。

ところが、合気道では、そういった気配をできる限り生み出さないよう「気をださない」ということを行います。

要するに、動作前にタメを作るとかせず、いきなりゼロから動作を起こします。

開祖は「わしはただ立っておればよい」と言われたように、合気道は静から動へと変化を起こす武道です。

一方、ボクシングを代表とする西洋の格闘技などでは、動で、フェイトなどを組み合わせて、相手を幻惑し、相手を制圧します。

別にどちらが優れているというものではありませんが、まったく考え方違うため、違った視点で考える必要があります。

現在は、テレビ放送などで、西洋の動きが幼少のころから頭に入っている分、どうしても動から物事を考えるのが日本人です。

そういう意味では、西洋の動きと合気道の動きは対極の思想にあると言えます。

 

 


静から動へ

 

 

 

合気道では、静止した状態を如何に瞬間に動く状態に持っていくかという点を考えた動き方をする必要があります。

例えば、西洋的な動きであれば、背骨を綺麗なS状にし、上下の運動を背骨で吸収し、それをバネに変えるよう、骨盤は前傾にするのが正解です。

一方、合気道は、西洋的なフットワークを行わず、静止した構えから技を行います。

そのため、背骨はできるだけまっすぐ立て、骨盤は後傾しすることで体全体を一つのものに統一し、体の傾斜を使って、瞬間に体を加速して、一瞬で動きを作ります。

実は、これを実現するため、足の三角の秘伝、時間静止の秘伝というものがあります。

時間静止といっても、実際に時間を止めるのではなく、そのように感じさせるということです。

基本的な考えは、如何に静から動への瞬間に移るかということですので、秘伝は公開できませんが、それぞれ読者の方が考えてくださればと思います。

 

 

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