【片手取りのメンタル】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は片手取りの取らせ方ということで、手首の角度が大切で、相手に取らさせないといけないという話しをしました。

今回は、さらに片手取りで相手に取らさせるためのメンタル面の大切さについて述べたいと思います。

 


取りは先を取る意識が必要

 

 

合気道では、最初の構えは畳一枚を隔てた距離、およそ2mから始まっています。

技は2人一組になって形稽古で行い、一方が取り、もう一方が受けと役割を分担して技を行います。

ちなみに取りとは技をかける側で、受けは技をかけられる側です。

合気道の稽古の場合、相手の攻撃を捌くところから始めますから、受けは決められた攻撃パータンで相手に仕掛けに行き、取りはその攻撃パターンを受けて技をかけるます。

そこで、問題になるのが、取りはどうしても気持ちが受け身に回ってしまうことです。

それで武道としての稽古にはなりません。武道ではやはり相手よりも先を取る必要があります。

要するに形の主導権を自分が握るのです。

そのため、取りは、片手取りの場合は相手全体を視野に入れつつ、隙を作らずいつでも当て身で攻撃できるという意識を保ちつつ、取らせたい手を前に出して、相手に近づいて行きます。

 


受けも心構えが大切

 

僕は、井口師範に師事する前に、大阪で少し合気道をやっていたわけですが、片手取りの稽古を井口師範のもとで行ったとき、いきなり叱られた覚えがあります。

一つは前回、お話ししたように、相手に取りやすいよう手首を曲げて入ること、もう一つはもっと根源的な間違いでした。

それは、余りにも無防備に相手の手首を取りに行っていたという間違いです。

普通のドアを開けるのに、誰でも、何も考えずにドアのノブを掴みに行きますが、その感覚で、相手の手首をつかんでいるところを師匠からお叱りをうけたのです。

実戦において、そんな隙だらけで相手に近づくバカはいません。

僕は、このとき受けの役割の大切さを思い知らされたのです。

ですから、受けも隙を作らず、取りが差し出す前の手を押さえるように手首をつかみます。

そうしないと取りから当て身などの攻撃が来るかもしれないのです。

合気道の場合、相手をノックアウトするという発想がないので、相手にとって自分が遠くなるように、一番近くにある手首を抑えに行くという発想なのです。

この発想は、実際に護身術として使う場合、非常に大切になります。また、正面打ち、横面打ち、正面突きに対して迎えに行くという発想にもつながりますので隙を作らない掴み方は十分研究する必要があります。

 


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