皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、今回は合気道で「結び」という言葉がよく出てくると思いますが、これについて話したいと思います。
合気道の前提と目的の矛盾
以前にも、お話ししましたが、合気道は相手との対立ではなく、相手の受け入れが前提になっている武道です。
ところが、武道というのは、相手を退けることを目的としているため、合気道のこの前提と目的が矛盾するのです。
そこで、全国の合気道の道場では、形稽古に対する様々な捉え方が存在しています。
例えば、「合気道は和合の精神を体現した武道であるから、形稽古においては、取り(技の掛け手)と受け(技の受け手)がお互いに協力し合って、美しい形を演武するのが大切」という前提だけを重視した考えです。
逆に、「合気道は武道であるから、攻撃してくる相手を退け、攻撃不能にしないといけない」という目的だけを重視した考えもあります。
このように、合気道では、前提のみを重視するか、目的のみを重視するかというように、極端に2つに分かれる矛盾を持っています。
この矛盾の解決が結び!
そもそも、存在という点から、人は自分と他人という点で、既に対立した状態です。
他人は自分が頭の中で考えた通りに動くわけではありませんので、自分の脳で相手をコントロールすることはできません。
ところが、相手の特性を知っていて、それを利用するなら、割合簡単に人はコントロールできます。
そして、自分と他人を隔てる壁を破る技術が、合気道では「結び」と呼ばれる技術なのです。
ですから、相手に協力してもらうのではなく、相手が協力してくれるように持っていくのが、井口師範が教えた合気道でした。
結びの技術というのは、まず自分の感覚を開いて、相手を受け入れ、そして相手との接点を相手に譲って、相手が動く方に導くというものです。
読者の方の中には、言葉でいうのは簡単だが、実際にできるのか?という疑問を持った方がいるかもしれませんが、それができるのです。
次回はその原理について、お話しします。
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