皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。
さて、前回は手首取りの骨の合わせについてお話ししましたが、今回はその次に行うことについてお話ししたいと思います。
このブログでわかること
合氣道の修行者で「手首取りで骨の合わせによって相手の力の状態を読み相手とぶつからない状態になったのに動かそうとするとぶつかってしまう」という悩みを持っている人がいると思います。これは合わせの次に何をするかというのが明確でないからです。今回は相手とぶつからないために骨の合わせの次に何をするかについて具体的に述べていきたいと思います。(合氣道では実際はこれも合わせの中に入っているのですが、分かりやすくするために 骨の合わせとは 分けて説明します)
目次
・合わせの感覚の確認
・一瞬はできてもすぐにぶつかる理由
・2つのポイント
合わせの感覚の確認
骨の合わせができた後に次に何を行うかということを説明する前に、合わせが本当にできているかを知る必要があります。合わせが中途半端だと、次のステップに進んでも相手とぶつかりができるだけで、相手を導くことはできません。そこでまず合わせの感覚とはどんなものかについて触れておきましょう。
骨の合わせができたときの感覚は、相手に手首を持たれたときに相手がしっかり持っているにもかかわらず、骨がクリクリと動く状態になっているような感覚です。
例えていうなら、鉄の棒を厚いスポンジで包んでいて、重さがあるのに持ちにくいというような、持てているがしっくりと来ないというような感覚を相手に与えるようになったときに骨の合わせができています。
感覚は人それぞれ違いますので、自分の手でもう片方の手首をつかんでその感覚を理解していただくとよいと思います。
なお、持たれている方の手では、僕自身の感覚でいうと、皮膚の毛穴から空気を吸引して相手の掌全体にくっついているような感覚がありますが、その感覚がわからない人は自分の手首をつかんでつかんだ手の感覚をまず作って、慣れてきたらつかまれた方のの手首の感覚を覚えてください。
一瞬できても、すぐにぶつかる理由
合わせの感覚がどのようなものか分かると、一瞬はできるのですがすぐにぶつかるということで悩むこととなります。
その理由は相手を動かそうとした際に合わせの状態から抜け出してしまうからです。では、持続するにはどうするか?ということですが、これにはいくつかの注意点がありますが、その目的は相手に悟られないということに尽きます。
その相手に悟られないためにはどうするか?といいますと、持たれている点で変化が起こらないようにする必要があります。そのためには、心理的なポイントと物理的なポイントがあります。
心理的なポイントとして「持たれている点を意識しない」ということが肝心です。相手と接触している場合、何故か自分が意識しているところは相手に伝わりやすくなります。ですから、相手との接点はできる限り意識しないということです。
物理的なポイントとして「相手の関節を意識して動くべき方向に動かす」という点です。こういうとときどき「相手の有利になるのでは?」という質問がかえってくるときがありますが、そんなときは「例えばドアを開けるときあなたはどうしますか?」と答えます。
例えば、ドアには開き戸と引き戸がありますが、引き戸でいくらドアを開こうとしてもドアはうごきません。人間の体も動く方向にしか動かないのです。合氣道では相手に有利か不利を考える場合は、バランスが取れているかどうかだけが問題で、相手の関節に無理をかけるのではないのです。
2つのポイントが同時!
前項では心理的ポイントと物理的ポイントを分けて書きましたが、実は行うことは同じことを示しています。物理的ポイントを実行するためには心理的ポイントも実行している必要がありますし、反対も同じです。
かなり無意識の領域の話になるのですが、自分の体をコントロールする際は人は必ず関節使って動かそうとしています。要するにタコなどの軟体動物の足のように動かそうと、骨の真ん中を折って動かそうとする人はいません。人が例えば腕を使おうとしたとき、腕の中間点を意識する人はいないのです。
ところが相手に手を持たれたとき、その部分を意識して無理やり動かそうとしてしまいます。ところが相手に持たれた部分が骨の中央と考えるとそこを意識するのはナンセンスということがわかると思います。要するに、相手と自分の接点を骨の真ん中とみなすことで、相手の関節が自分が曲げるべき場所だとわかるのです。( これが実は相手と一体になるということにも通じるのです)
そういう意識があると合わせができた部分でぶつかることが無くなるのです。要するに、骨の合わせでは相手の骨格を読む力が必要となるのです。
何故なら、相手が崩れるように骨格全体を読みつつ、相手の関節で曲がることを意識する必要があるからです。
合氣道では骨の合わせのことを単に「力を抜け」と指導されますが、「力を抜け」の本来の意味は骨の合わせを行うことにあるのです。ですから、「力を抜く」というのは非常に難しく骨格の読みができることが必修条件なのです。
◆ ◆ ◆
今回は骨の合わせについてお話しましたが、ここまで読まれた方は、「合氣道は氣で行う武道ではないのか? 何故骨格など読む必要があるのか?」と思われた方もいらっしゃるのではないでそうか? 次回はそのことをお題とした合氣道習得の5つの段階について述べたいと思います。
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