【3月4日の稽古/先日の体験者が入会されました】

金曜日の稽古をしました。先日体験で来られた方が入会したいということで、稽古に参加されました。
人数が少なかったので、入会者の人に当会の基礎技術について説明をするとともに、皆さんに再度基礎理論を復習していただきました。
さすが、ボクシング経験者です。技の勘所が理解してもらえ、かなり納得していただけました。これが武道や格闘技未経験者の場合、どれだけ有効なのかを説明するのが非常に難しいのですが、スパーリング(疑似試合)の経験がある人にはとても説明しやすいのがうれしいです。

当会では、「見て覚えよ」とか「習うより慣れろ」という従来のやり方をしません。まず理論をわかっていただいてから、複雑な技を教えます。
それは、井口師範から教わった秘伝が入るからです。型ばかりやりますと、そちらに気が回り、井口師範の秘伝を教えても、やはり型に気がまわり、そこまで意識できなくなるためです。

ですから、新しい人が入るとかなり面倒なのです。しかし、山に登るのにまず地図を渡した方が目的地が分かります。山に入って、人についていけば頂上にたどり着くというやり方ですと、非常に頭のいい人しか、覚えないと思うし、人についていくと、次一人で山に登ろうと思うとやはり道に迷うと思うからです。
どんないいノウハウも、その使い道を誤れば、失敗してしまいます。ビジネスもせっかくいい情報教わっても、うまくいく人は全体の1割に満たないと聞いたことがあります。ただ、人のまねをして、ついていくだけではだめだということなのでしょう。

ですから、地図を渡し、その地図のポイントを示し、皆さんに少しでもわかっていただきたいと考えています。
今回の入会者の方も、「秘伝と言われるだけあって、絶対にボクシングをやっていた自分では、一人でこういうところにたどり着くのは無理ですね。井口師範は本当に達人だったのだと思います」
と、言ってくださいました。

井口師範は、全国に出るつもりがなかったので、全く無名ですが、刃物を持った暴力団十数名を相手に素手で立ち向かったり、店で暴れるプロ力士を抑えたりと、様々な逸話がのこっています。
達人と言えば、通常私たちからかなりかけ離れた存在だと思ってしまいますが、井口師範のお言葉に「一流には一流の答えがある」というのがありますが、井口師範は「秘伝」という形で私たちに一流の答えを残してくださっています。

ただ、その一流の答えを活かせるかどうかは、ビジネスと同じ様に、結局自分次第なので、井口師範の足元に近づけるようこれからも精進していかなければと思っています。
ところで、「一流の答え」にも、基礎と応用があります。基礎の捉え方から、井口師範は違っていました。
例えば、合気道は杖(ジョウ)が基礎という人が時々おられます。私も井口師範に杖を学び、その通りだと思います。しかし、そういう人の杖捌きをよく見ると、神道夢想流の杖の使い方をされたりしています。

いろいろと杖に関してネットで調べましたが、岩間の斎藤先生が型でしめしている以外は合気道独自の杖に関する動画をみつけられませんでした。ですから、基礎に関してはさらにないと思われます。そこで、本当の基礎の部分だけの動画を作ってみました。杖は本当に力を使わない稽古ができますので、ご参考になればと思います。