手首持ちの技の意義について1

皆さん
メリークリスマス!
お元気ですか? 私はメチャ元気です。

さて、今回は前回の続きです。片手持ちの意義について話していきます。

合気道では、手首を取りに行く技が多い。しかし、実際の場面では、男が女の子やを捕まえるときや、子どもを捕らえるときぐらいしか手首をつかむ場面というのはないのではないでしょうか。

格闘の際、警戒している相手の手首を捕まえに行くというのは実は非常に難しい。手の先にある手首は手を早く動かすと捉えにくいからです。

それなのに、合気道ではかなりこの稽古を行います。これについて不思議に思った人も多いのではないでしょうか。私も、井口師範の道場に入る前の以前の道場で、この質問をしたら先輩に、「合気道は護身術だから」と教えられました。その時は納得したが、開祖の翁先生は合気道は武道であるといわれているので、護身術だからというのもおかしい話ですが、そのときは納得してしまいました。

しかし、井口師範に師事して、その意味が分かりました。それは自然な動きをするのに、相手に固定された状態でも「気にしない」という意識作りが大切だということでした。

持たれたことを意識しないで動けるようになることで自分の本来の動きができるからです。人は、相手に手を持たれるとどうしてもその箇所が気になります。その結果、相手の最も力が入りやすい場所で抵抗するということをしてしまうものです。

要するに相手の土俵で戦うということです。これは正々堂々を好む日本人にピッタリの考え方なので、多くの日本人がそう反応します。これでは、力の強い人にかなうわけがありません。そこで、合気道では、相手の土俵に入らず、対処することを学ぶ必要があるのです。それが手首取りの技の稽古であるわけです。

そうは言っても具体的にどうするかということが分からなければ、何年たっても稽古にはならないでしょう。というのは、人は相手と力をぶつけることで力加減を測るという生まれながらの特性があるらです。だから、それをやらない具体的な方法が必要なのです。

ところが、多くの道場では具体的にはその方法を教えてはないようです。単に「力を抜け」とか「気を出せ」と教える程度が関の山ではないでしょうか。そういった点では、一番親切なところが藤平光一先生の気の研究会、現在の心身統一合気道だろうと思います。それでもかなり感覚的で才能のある人が非常に有利なように思われます。

このように基本的には合気道は才能のある人が習得できるシステムになっていると、才能の無かった私には思われます。幸いなことに、私は井口師範に師事でき、井口師範はより具体的な技術を教えていただけました。

とは、言っても、井口師範自身は武道の達人でしたので、かなり感覚的な説明でした。ですので、その説明の本当の意味が理解できるのに非常に年数を要しました。でも、分かってみると、非常に明確な秘伝でした。ただ、説明が感覚的すぎたので、理解ができなかっただけです。でも、本当に井口師範が教えたかった本質がわかると、井口師範の偉大さが分かりました。

その方法には3つあります。物理的な方法、生理学的な方法、心理学的な方法です。
そのどの方法も、相手が持っている手首である「接点を動かさない」というのが共通した基本です。井口師範は「手首を持たれたら、手首は相手に与る。そして動けるところを動かせる」「相手を動かしたかったら、まず自分が動け」などとおっしゃいました。そこに実は秘伝があったのです。

次回は、もう少し踏み込んで手首取りの話をしようと思います。お楽しみに!

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