皆さん、お元気ですか? 僕は相変わらずメチャクチャ元気です。
さて、前回では相手との関係させ相対速度をゼロにすると理屈上は止まっているのと同じということでしたが、実際面において後退すると、確実に相手に押し切られてしまうということでした。
今回その点をもう少し詳しく話し、そのためにどうするかを話していきたいと思います。
理論的にはゼロなのに何故負けるか?
相手が前に出てくれば、こちらが後退すると、理論的には相手との関係性はゼロ、要するに相対速度がゼロになるはずであるが、実際に戦ってみると、後退すると相手にやられてしまいます。
これは井口師範は気が後方に向かうからと説明されていました。気の感覚で説明すればそれだけなのですが、そこにはちゃんと科学的根拠もあります。
この理由の科学的根拠は、相手と相対速度がゼロになっても、地面との相対速度は後方に増しているため、足の運動が後方に向かって動いているという事実があるからです。
足が後方に向かうと、運動エネルギーを持っているため、静止状態に比べ、急きょ方向転換をすることが困難になるために、結局自分の足の不自由に動かしているのと同じなのです。
ですから動いている電車の中での相手との静止状態から闘い始めるのとはわけがちがうのです。
人間は後方に動くというのは、日ごろの動作で非常に少ないということの経験不足と後ろに目がないという点から、前に方向に動くのにくらべて、かなり動きが制限されるわけです。
心理的な相対速度
それでは、合気道ではどうするかという問題になりますが、合気道では、心理的な相手との距離感を利用することになります。
要するに、後方に下がるのではなく、相手が相対速度ゼロに感じる動きをするわけです。
具体的には、円運動を想定して、自分が円の中心で相手が円の外側を移動するような動きを取ることで、相手との相対速度がゼロに感じるように動きます。
そのため、相手の前進運動に対して、こちらが後退運動をするという最悪の事態を防ぎます。
ですから、合気道では「引かば、押せ。押せば、回れ」と教えるのがその理由です。
しかし、これは初心の考えで、上級者になると相手の動作に対してどうするかではなく、気に対してどうするかを考えます。そのため、相手の気をコントロールするにはどう動くかという発想をもって動くことになります。
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