【脳から見た合気道】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は脳に関して話を書きたいと思います。


合気道はどうして愛をとなえるのか?

合気道開祖・植芝盛平翁先生は、「合気道とは愛である」と言われています。

これを脳で考えたとき、非常に合理的であるというのが分かります。

というのはまず「愛」とは感情であるということです。ですから、合気道の愛というのは頭で考えた愛ではなく、感じた愛である必要があります。

何故、感情である必要があるのかというと、人間の脳の構造上、思考より、感情が優先されるからです。

人間の脳の進化の段階を考えると分かるのですが、脳を機能的に分けると、まず最初にできたのが生命を維持する脳(脳幹、間脳)、次に感情脳(大脳基底核・大脳辺縁系)、そして思考脳(大脳新皮質)と発達してきているのです。

そのため、思考脳より、感情脳の方が優先される仕組みになっていて、人がコントロールされるのは感情が動いたときなのです。

この原理を知っていると、武道をするにも感情が大切だということがわかります。


明鏡止水の境地はポジティブな感情

ところが、格闘技の試合とかでは、「もっと冷静になれ!」とよく指導されることがあります。

そこで、感情=悪という考えがでてきますが、実はこれは間違いなのです。

というのは、冷静の境地になったとき「明鏡止水の境地」というゾーン体験があられるといわれていますが、この状態は実はポジティブな感情に満たされたときにラわれる状態です。

人間の感情脳には、好き嫌いを判断する偏桃体とやる気をコントロールし、大脳を活性化する側坐核というものがありますが、偏桃体でポジティブな感情が発生するとやる気脳である側坐核がすぐに働き、大脳を活性化し、判断力をあげます。

側坐核が活性化すると、快楽物質というドーパミンが放出されると言われています。ドーパミンが放出されると、快感を脳が感じるようになります。「楽しい、ワクワクする」という状態です。

その快感を感じ極度に判断力が上がった状態が「明鏡止水の境地」なのです。

ですから、好ましい感情を作り出して、自分のやっていることに快感がでてくることが大切なわけです。

それが合気道では好ましい感情を「愛」とよんでいるのです。


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