相手の骨格を読む

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、私の合氣道の師匠・井口師範は合氣道習得の段階として形の段階・体 の段階 ・気 の段階 ・ 意 の段階 ・神 の段階 があると話してくださいました。

現在当ブログではその中の体の段階について述べいます。さらに、体の段階では4種類の技術があり、それらは、骨の技術、皮膚の技術、皮膚感覚の技術、空間感覚の技術です。前回は骨の技術の内の自分の骨格を利用する技術として肩甲骨の使い方について述べました。今回は骨の技術の内の相手の骨格の捉え方について説明していきたいと思います。

このブログでわかること

合氣道の修行者の中で相手の骨格を意識している人は案外少ないように思います。相手の骨格を意識できるかどうかで、「相手とぶつからない」状態が可能になります。特に自分より力の強い人に逆らわれると技がかからないという人は相手の骨格を意識することでかなり技の自由度が増しますので是非最後までお読みください。

目次

相手の骨格を意識するとは?
相手の関節を意識するとは?
力の強い相手の場合は?

相手の骨格を意識するとは?

では、相手の骨格を意識するとはどういうことでしょうか? ご存じのように人間の体は骨によって支えられています。骨がなければ、立っていることすらできません。さらに骨は、筋や筋肉によって接続され自在に動くことができるようになっています。

また、私たちは、自分の身体の骨格を意識することなく自在に手足をコントロールしています。自由にコントロールしているといっても、実際は骨格の接続部である各関節で折れ曲がったり、回転したりして自在に動いているにすぎません。ですから、骨の途中で折れ曲がるようなフレキシブルな動きをしているわけではありません。

各関節をコントロールする筋肉が無意識レベルで協調して動いてその自在性を実現しているのです。ですから結局は人間の動きというのは各関節で折れ曲がったり、回転したりしたりして総合的に目的の動きを達成しているにすぎないのです。

ですから人間は誰もが関節を意識して動かすということをしていません。そのため人間は自分の関節に異常が起こった時に初めて自在に動かせないということを知るのです。

逆にいうと、相手の関節を意識して、相手をコントロールするということを行うと、相手はそのことに中々気づきにくいものです。そこで私たち合氣道修行者は相手の関節を意識して、それをコントロールしようとすることで相手とぶつからない技が実現できるのです。

相手の関節を意識するとは?

では具体的に相手の関節を意識するとはどういうことかを述べていきたいと思います。

例えば、相手の腕を曲げさせる場合を考えてみましょう。通常相手の腕を曲げさせることを考えた場合、下図のように、肘と手首に圧力をかけて曲げようとするか、手首をつかんで抉(こじ)る力で肘を曲げようとするかのいずれかでしょう。

特に、肘と手首に力を加える場合の力の加え方で行う場合、腕の固定端となる相手の肩と手首から加える下の力と、肘関節を上から押す食い違う力によって強制的に肘を曲げようとします。ところが実をいうとこの力の入れ方は非常に非効率なのです。何故なら肘が曲がった状態というのは相手と相手の手首が接近している状態であるので、相手の肩が固定端となっていことで接近した距離を作り出すのが難しいのです。

モデル的にいうと下図のように両端を支点で支えている状態で、ゴムを伸ばすように下に引き伸ばしているような力の加え方だからです。

腕がゴムのように伸びるのであれば肘のところで容易に曲がるのですが、実際は腕は伸びませんから、力の加え方としては非常に非効率といえます。

また、手首をもって抉るように曲げようとしても、多くの力は骨を折る方向への力となって無駄に消費されてしまいます。ちなみに、これは座り技呼吸技などで手首を持たれたときに相手の腕を曲げさせよと手首部分に圧をかけて抉るのとまったく同じ原理です。

一方、関節の可動範囲を意識することで腕が曲がったときどのように手首が移動するかを意識して力の与え方を工夫した場合、最も効率よい力加減で相手の腕を曲げることができます。

要するに、相手の肘を曲げさせるには、円運動の軌道を描くという意識が必要なのです。この意識があると、最初の肘と手首を食い違いに力を加える場合でも、手首の位置は肘を折り曲げるのと同時に相手に近づける必要があるということがわかります。

そうすることで最も効率よい力で相手の腕を折り曲げることができるのです。私たち合氣道修行者はこのように関節においてどこに導けばよいかを意識して技をかけることで最小限の力ということがわかるようになります。

このように相手の関節を意識し、どのような軌道で相手を導くかをイメージするというのが非常に大切なわけです。

力の強い相手の場合は?

ところで確かに関節を意識すれば最も効率の良い力加減で関節部を折り曲げることができるのは理解できます。ところが相手が力の強い場合は効果がないのではないかという疑問が生じるのではないでしょうか?

実は人間の筋肉の構造上、力を入れられるのは一方向のみに限られています。ですから何も力が加わっていない方向に自分の筋力が加わると関節か勝手に曲がるか伸びるかどちらかになってしまうのです。ということは、相手に逆らわれるということは自分の力の入れる方向に相手の筋力が逆らっていることに他ならないのです。

さらにもう一点、運動生理学で分かっていることですが、相手がこちらの力の方向が読めない場合、気づいてからそれに対抗するのに0.5秒かかります。

しかも、人間の関節というのは相手の腕をコントロールするという点だけに限定しても、肩関節、肘関節、手首関節などがあり、さらにねじり方向など含めると、相手が力を加える方向性を考えたとき幾通りもの選択肢が考えられます。

ですから技の掛け手の視点から見ると、関節の可動範囲を考えるにもどの関節を意識するかというだけでも多くの選択肢があります。ということは相手にどの関節を狙っているかを悟られさえしなければチャンスはある訳です。

理想的をいえば、一つの関節から相手を崩したなら連動して次々と関節を変えていくことで常に相手の先をとれたなら、相手を自由に扱えることになります。これができると例えば相手に人差し指を持たせた状態で指一本だけで相手の腕をコントロールできるようになります。これには流れるように自分の意識をそれぞれの関節に持っていく必要がありますが稽古次第で誰でもできることであり、不可能なことではありません。

◆   ◆   ◆

今回は相手の骨格を読むということでお話をしましたが、正確には相手の関節を意識して軌道がどうなるかをイメージして技をかけるということでした。相手の骨格を読むといいますとまだまだ様々な要素があるのですが、また別の機会にお話ししたいと思います。

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「相手の骨格を読む」への2件のフィードバック

  1. 骨格を意識してやると、また違った感覚がありました。
    相手の腕を掴んで動かすにしても、相手の肘や肩や肩甲骨とかを考えながら動かすと、相手は抵抗できないようです。

    骨格を意識してやると自分の腕と相手の腕が一体化したような感覚で、これも「結び」かなと思います。

    もしかしたら、骨格を意識すると、接触点の意識とかがなくなり、やってやろうという気持ちも消え、身体の内部の力が浸透しやすいのかもしれませんね。

    1. mimoさん

      素晴らしいです!
      いつもコメントありがとうございます。

      内容的にはかなり難しい内容でしたので理解できる人がどれぐらいいるかと思っていましたが、適格にご理解いただいたようでとてもうれしく思います。

      関節と相手との接点部分の関係、要するに軌道がどうなるかという意識をするだけで一体感を感じることができるのです。

      言い方を変えると「相手の骨の一部になる」ことで、相手との接触部分が消えるわけです。それはまるで自分の骨の途中でぶつかり感を感じないのと同じになるのですね。

      骨格の意識は非常に大切ですね。

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