「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

【当会の「気」の捕らえ方について】

「仙道」とはごぞんじでしょうか?
「仙道」とはお隣の国・中国が発祥の「気」のトレーニングを行う修業法のことで、仙人になるための方法です。

「そんな怪しいモノが中国にあるのか?」
と、思われた方がかなりいるのではないでしょうか?

でも、実は「気功」の元となったものといえばどうでしょう。英語ではタオイズムと言います。「タオ」は「道」と書きます。そして中国独自の宗教である「道教」もタオイズムの一つです。

「仙道」によれば、「気」を練ることで、「気」を自在に操り、仙術という超能力や魔法に相当する技術を使いこなし、ついには不老不死になることも可能であるとされています。さらに「仙道」は、そういった超自然的な面を持つと同時に、非常に高度に体系化されたシステムを持っていて、師さえ見つかれば誰でも修業ができるようにもなってます。

また、「仙道」の技術は中国武術にも大きく影響を与えており、その技術を使った様々な練功法もあります。特に、高級武術と言われるものは、かなり仙道の上の段階まで修業できるようになっています。

この様に、実は「仙道」は非常に多くの人が修業しているのです。ところがこの「気」を完全にマスターしたはずの人が病に倒れ亡くなったりしている事実もあります。

私は、こういった「仙道」の修業体形が組み込まれている中国武術を修業した人に以前から注目していました。「どれぐらい長生きするのだろうか?」「風貌はどうなんだろうか?」と見ていましたが、

しかし、やはり、年齢と見合った風貌で、年を取り、最後は病で亡くなっていっています。年齢も、50~80歳ぐらいですので、「気」をマスターしていない人達と殆ど変わりないと思います。

そのような点から考えて、「気は万能」とか「不老不死」「肉体の浮遊」というのは現実味がないものと思っています。

一方、気の理論の通り動くと、相手が倒れたり、身体が強くなったりという面も体験していますので、「気」を全くのナンセンスと言っている訳でもありません。

ただ、「気」の考えは武道には必要ですが、「気」の万能視をすると現実から乖離する恐れがあると感じています。

その点を踏まえた上で、当会では「気」を会員に伝えています。

【合気道の基本2:手を取らせる】

前回、合気道の技を行うには、ハンターとしての意識が大切と書きました。
今回は、さらに具体的に書いていきたいと思います。

井口雅博師範は、
手取りの技で、
「手をつかまれてからじゃあもう遅い。
 つかまれたということは、タイミングでいうと、
 拳闘(ボクシング)だったら何発も殴られている状況。
 顎を撃ち抜かれたらもうおしまい。
 つかまれたらあかん。
 相手には、つかませなあかんのや」
と、おっしゃいました。

「取られる」と「取らせる」では大違いということです。
「取らせる」とは、言い方を変えると【罠を張る】とも言えます。

【罠を張る】という意識により、
「相手の意識を自分の差し出した手首に誘導するにはどうするか」
という行動が生まれます。

すると、取らせる手と取らせない手という意識も生まれ、
その結果、左右の両手がともに活きてきます。

取らせないもう片方の手は、いつでも当身・防御ができるよう準備し、
取らせる手は、相手の前に差し出し取らせやすいようになります。

こうすると、取らせない手を相手に取らせにくくすることができますので、
相手の意識は、取りやすい手の方に余計いきやすくなります。

また、相手につかみやすく手を自分の前に差し出すということは、
相手にとって、その手が一番接近したつかみやすい部分となるうえ、
相手との距離(間合い)が広がるので、
相手が近くにいるより当然攻撃が受けにくくなります。

また、罠として手を出すということは、相手の先をいくことができますので、
技にかけやすくなります。

このように、己が、獲物側ではなく、ハンター側であることを
明確に意識しておくと心構えもかわってくるということです。

このため、パンチのように速いと合気道独自の技術が身につきにくいので、合気道では接触時間の長い手を取らせるという技術を稽古するのです。
他の武道で「実戦で手首を取りに来ることはまずない」と合気道の稽古を批判する方がいらっしゃいますが、実は、それなりの意味があって稽古しているのですね。

技が効く考えについて

合気道をする人、護身術をする人に、初心者のうちに覚えておかなければならないと思う【技が効く考え方】について少し書いていきたいと思います。

といいますのは、護身術をする人や特に多いのが合気道をする人の中で、相手を気づ付けずに相手を制するとう発想を持たれている方が多くいます。

場合によれば、「攻撃する技の稽古はしたくない。相手を制することができればそれでいい」という発想の方がいらっしゃいます。

それは特に女性に多いのですが、自分より力も体格も上の相手が暴行を加えようとしているのを簡単に制することができると考えるのは大きな間違いです。

男性の合気道修行者の人の場合は、段位に関係なく自分の学んでいる合気道にかなり不安を感じている合気道修行者が少なからずいらっしゃると思います。

やはり、男性になると少なくとも技が効かない経験を友達や仲間うちなどでするからです。

実は、当会に来られる合気道有段者の方にも、
「他の武道をしている人に技を掛けたが効かず逃げられた」
という悩みを抱えてあられました。

合気道の技を説明する際は、他の武道の方も素直にかかってくれるのですが、試合とはいかなくても、相手に対抗心を持たれると、格段と効かなくなります。捕らえることが中々できないのが普通です。

では、何故、多くの合気道修行者は技がかけられないのでしょうか?
私の師匠である故・井口師範は、合気道修行者で、よくする誤った考えに、
「~されたら、どうする」
ということだとおっしゃいました。

「“~されたら、どうする”ではもう遅い。自ら入るから入り身となるんや」
と、おっしゃいました。

「受け身的な技に見えるからといって、心が受け身に回ってはいけない」
ということです。

“合気道をする人は、常にハンターである気概が必要で、
獲物側であってはいけない。”

という気持ちが必要です。自然界でも、捕食者側は常に狙う側です。狙う側の方が、狙われる側よりも有利だということですね。

「攻撃は最大の防御」という発想に近いですが、あくまでも心理の問題です。歴史を見ていくと、武将の中にも、守りが得意という人がいます。しかし、そういった武将は、ただ城にこもって耐えるという発想ではありません。

「勝つために守る」わけです。攻める側は、何故落とせないかというと、城を落とす前に、様々な罠があってそうやすやすと城に近づけないからです。罠は明らかに相手に勝つための攻撃の一手段です。

人間が、地球上で一番繁殖していますが、これは、野獣たちに正面から素手でかかっていくのを放棄して、武器や罠を作るという合理的な考えに至ったからです。

“平和を目指す合気道”という考えも大切でしょうが、
“ハンターとしての合気道”という考えもなければ、合理的な発想にはつながりません。そうすると、野生の動物相手でさえも“正々堂々と戦う”という非合理的な発想に結びつきます。

合気道をしている人や護身を考える人は、ハンターといった考えから、技を再構成されることをお勧めします。そうするとまた違った景色が見えてくるでしょう。
実はこれは「先(せん)」の考えです。これを、心に留めていただければと思います。

他府県からの体験者

8月30日(火曜)の稽古に、体験に和歌山県外から男性一人が来られました。

この方は、私のユーチューブ映像をみられ興味をもたれたとのことで、古流柔術、古流剣術、中国拳法などを中心として学び、様々な身体操作系武道などのセミナーを受けられた方でした。

当会では、私自身が何十年もかかって体得した技術を、誰でもわかるよう出来る限り科学的に考え、物理系の技術、生理学的な現象を利用する技術、心理学的な現象を利用する技術と3つのカテゴリーに分類して、「世界一わかりやすく技を解明すること」を目標に会員の方に伝えておりますが、この方は、その物理系の技術である当会の骨の技術に関しては陰の用法以外は大まかにご存知のようでした。

陰の技法につきましては、実は、以前ユーチューブにアップした入り身投げの説明の映像の中で微妙につかったりはしているのですが、秘伝でとして、公開の場では詳しく説明はしていませんし、説明できません。が、とても重要な技術で、これを使うと入り身投げをはじめ裏の技が確実にできるというものです。

さらに、この方は、私の仙腸関節の固さを指摘される程、身体操作系には習熟されていました。ちなみに、仙腸関節は一年前にAKA法というので若干は調節してもらってはいるので、この部分が固いことは分かっていました。

また、様々な武道の鍛錬をされているので、体軸はかなりしっかりしていました。ただ、当会の技術が初めてなのか、当会の指導するやり方では、その体軸を十分に使いこなされていませんでした。それはその使い方が理論的に分かっておられないからでした。私も井口師範の体軸がわかるまで十数年かかりましたので、無理もないと思います。

しかし、私がふとした機会に発見した、「体軸を感じる方法」を伝授しますと、体軸ができていたので、すぐ、かなりの使い手になられました。

ところで、井口師範の秘伝は、かなり勘のいい人に受けていただくと
「何故かそうなる」
となり、勘の悪い人が受けると
「恐ろしい力でもっていかれる」
と感じます。

ところが、この修行者の方は、その二点を同時に指摘されましたので、かなりの洞察力です。

それはともかくとして、その上級の技術、生理学的な現象を利用する技術、心理学的な現象を利用する技術に関してはご存知なく、非常に不思議に思われたようで、秘伝を伝授するまで、原理に関しては皆目見当がつかないとのことでした。

そこで、この方は即時に入会することにされました。

後でメールをいただき、この方が納得して、即時に入会するというのは稀なことだとおっしゃっておられましたので、井口師範の秘伝が本当に貴重なものであると再認識をし、師の井口師範に伝授していただいたことに、本当に感謝の気持ちでいっぱいになりました。

話は戻りますが、この方も、非常な武道マニアでしたので、内家拳の話とか、いろいろな武道談義ができ、とても楽しかったです。
兎に角、会社の休みを取って、近い内に個人稽古に来られるとのことでした。
お疲れ様でした。

【攻撃の三角を外せ2】

2週間ほど前に、【攻撃の三角を外せ】という投稿をしましたが、それに関連した映像をとりましたので、参考にしていただければと思います。

大切なポイントとして、【外す】といいますと、【逃げる】【避ける】という意識になってしまいますが、そういう意識では、こちらに隙ができてしまいます。

飽くまでも能動的な意識がないと、次の動きに影響がでます。そこで、【相手の気にぶつかってやる】という意識をもちながら、躱すことを意識しないといけません。

そういう意識を持つために、実は【秘伝】があるのですが、公開の場では話すことができませんので、映像を参考に各自、その秘伝となるカギを探してください。

【攻撃の三角を外せ】

師匠である井口師範から、
「気を出してはいけない。気を出さない稽古をしなさい」と時々いわれました。

【気を出さない】といいますと、合気道は【気の武術】といわれていますので、多くのひとは「???」と思うでしょう。

特に、合気道創設当時、いわば「戦闘隊長」的な役割を担当し、他流試合などで活躍した藤平光一師範は「気を出しなさい」と指導していたので、非常に矛盾したことをいうと思われるのではないでしょうか?

しかし、井口師範は別の機会には
「合気道は気とともにあり、気を離れては合気道ではない」
とも言われていました。

非常に矛盾したことをいう先生だと皆さんも思われているでしょう。しかし、ここに秘密が隠されているのです。

井口師範が「気をだしてはいけない」と言ったのは、あらかじめ相手に向けて気を出すと、相手に悟られるので、いけないといったのです。

そして、「心と体と気を一つにし、あっと思ったら、終わっている」という状態にしなさいといったのです。が、これではわかりにくいとおもいますので、解説しますと、例えばパンチで攻撃をする場合、当たるギリギリのところまで気を出さず、当たる瞬間に気を出すことで、相手に非常に悟られにくくパンチが打てるということです。

ところが一般的な武道では、「相手の目をみなさい」と指導します。この行為は、井口師範によれば、相手に向けてこちらの「気を出す」ことだと言われていました。

確かに、殺気だった目でにらまれると恐怖を起こします。しかし、相手の目に気を送り付けることは、次に自分の行動が相手に筒抜けになるということです。そうなると、結局は、運動神経のよい方や体の大きい方、体力が強い方が勝つということになります。この状況を井口師範は【攻撃の三角】ができるといわれました。

攻撃の三角というのは、殴ろうと思った瞬間、ターゲットに向けて、まず気を送り、次にパンチを送る動作ですが、ターゲットとは攻撃できる未来の瞬間であり、まるでレンズで光を集めるようその瞬間にむけて、「気」「パンチ」「意識」「時間」「空間」が集中するということで、【三角】と言われていました。

実は井口師範は、概ね集中させる動作について常に【三角】といわれていたのです。ですから、以前【足の三角】の話題をだしましたが、ある方向に集中が起こるということである意味、共通の三角ですね。井口師範の場合【気が集中する】ことが【三角】という言葉であらわされたのですね。

攻撃者の意識の三角

さらに、この【攻撃の三角】ができると、攻撃しようと意図した瞬間から攻撃動作が終わるまで心も身体も一切がその三角に固定されてしまいます。云わば『こだわり』が生まれるのです。

井口師範はその三角の外に逃れれば当たることはない。もっとも有効なのは攻撃の三角の両辺のどちらかにはいることだと教えて下さいました。そこがもっとも安全な位置だということです。この理屈で、「入り身一足が完成する」といわれていました。

ですから、合気道修行者はできる限り、【攻撃の三角】の時間を小さくする必要があります。要するに相手に向かって【気を出す】時間が短ければ短いほど、有効です。こういった意味で【気をだすな】と言われたのです。

ところで、当会の女性会員で、この【気を出すな】と最初から指導したものですので、稽古の際もできるかり【気がでない】ので大きな問題がでています。
それは何かといいますと、合気道の稽古は受けと取りがペアになって稽古をおこないますが、受けが全く気を出さなかったらどうなるかといいますと、取りの方が、攻撃される寸前まで予測がつかないということになります。すると、取りは反応が遅れ、受けにやられてしまうことになり、取りの技の稽古ができません。ですから、受けをする人は、絶対に【気を出してあげないといけません】
これが合気道の暗黙のルールになっていますので、初めから外したやる気のない正面打ちや横面打ち、正面突きなどもってのほかだと思います。

武道家の集まりなどで合気道と言えばかなり馬鹿にされた態度をとられます。これは『やる気のない攻撃を捌く稽古をしているからそんな稽古役に立つわけがないし、実際合気道をしている人に口だけの人が多い』という事実からです。

ですから、このブログを読んでいる読者の方には、その点どうか気を付けて頂きたいと私は思います。

『合気道は和の武術、そんなに殺気を出してはだめです』と言われる師範の方もいらっしゃるかもすれませんが、武道という以上、攻撃の気配を出してあげないと、相手の気を流す稽古はできません。

合気道が和の武術であるというのなら、相手を高めるという意味で、気を出して攻撃をしてあげる必要があると私は考えています。

【伝わる難しさ】

実は、個人指導を行いました関東の合気道修行者の方から、行った講義内容についてのまとめについてメールがすぐに届いていました。

下記の画像がその内容に対する添削です(秘伝が書かれているので文字はつぶしています) 黒字がその方のまとめ、赤字が私が訂正した部分。
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個人指導では、かなり説明を重視して時間をかけておこないましたが、こう見てみると、直接個人指導をしても、伝わる難しさがよくわかると思います。

さらに、この方は、論理的思考の持ち主で、非常に頭の回転がよく、的確に私の指導に対して動ける人です。
それにもかかわらず、思い違いの部分がかなりあります。

私も、ジークンドーをしていたころ、ジークンドーの特別講習会に何度か参加しましたが
なかなか、うまく説明を文章にすることができませんでした。

そういった点から見ても、このようにすぐにまとめられるという点で、この方の頭の良さや凄さが分かると思います。

ですから、文章や映像だけではかなり伝わり難いというのが分かります。今回、講習の内容をこのように送っていただくことで、
自分の説明の足りない部分が見えてきます。

非常にありがたいことです。

【関東の合気道修行者の個人指導と本質の追求】

この記事はすでにFacebookへ投稿しておりますが、以前、Facebookと同時投稿をしたところ、
理由は分かりませんが、Facebook事務局からアカウント停止する恐れがあるとの知らせが
届き安全のため、投稿日をかなりずらせて投稿しております。
ですから、読者の方で早めに記事を見られたい方はFacebookに登録してください。
Facebookへの友だちリクエスト

今からやく1カ月前に、関東の方の個人指導を行いました。
昨年8月25日にこられていますので、今回で2回目です。

昨年当会の秘伝を伝授してから、自分なりの研究をされ、
他の武道家のセミナー等も出かけられ、いろいろな課題をもって
再度当会にやってこられました。

前回に行った座り技呼吸法の秘伝を使った場合、
所属されている会でかなりの上位に位置するようになったそうで、
今回の目的はさらに上位の技術を学ぶということでした。

そこで、座り技呼吸法の技量を確かめてみましたところ、
通常の合気道の技術では、とても太刀打ちできないところまで
極められていましたが、秘伝を知っている人と行った場合
まだまだ問題点があるといったところ。

しかし、今回は、その問題点をすべて克服されました。
このまま熱心に稽古・研究をされれば、間違いなく
座り技呼吸法では、実質、関東の合気会でも屈指といわれるように
なると思いますので、頑張ってほしいと思います。

さらに、上位秘伝ですが、
生理学+心理学の技術ですので、
かなり抽象度が上がり、非常に誤解されやすくなりますが、
やはり、誤解されていた点がありました。

今回の指導では、
その点も理解していただけたように思い、うれしく思います。

この方の感想を書いておきますと
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今まで様々な武道家のセミナーにも参加しましたが、
多くは主催者の技量自慢的な内容が多く
“自分自身の進歩に全くつながらない”
という感想でした
ところが、ここに来ると、
一気に理解して使えるようになります。
こういう指導は全国ではここしかないと思います。
また来ますのでよろしくお願いします
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指導している私自信、片目が見えません。
ですから、かなりハンディを持っていますし、

また、学生時代特に運動神経がいいといわれたこともありません。
そんな私が使えるのだから当然といえば当然なのですが……

多分多くの武道家は、セミナーだけでなく
高弟たちにすら、
大切な【本質】については、
出来る限りぼかして伝えているように思います。

折角、超一流に学んでも、【本質】を教わらなければ
意味がありません。

【本質】を学ぶと、急激に技がかわります。
ですから、真剣に学んでいる人は遠回りをせず、
【本質】を追求するようにして下さい。
【本質】がわかれば、小学生ですら非常識なことができるのです。
今回その映像をアップしましたので、お見せします。

【自分軸】

【自分軸】
以前に、概念的な【自分軸】のお話しをかきました。今回は【技における自分軸】について書きたいと思います。

【技における自分軸】というのは、先日お話ししました【軸をつくる】とは全く違った意味の軸であり、合気道におけるもっとも大切な軸であり、基本をなすものです。

その軸は、天から気がまっすぐに自分に降りてきて、そのまま地面を貫くような感覚があり、地面まで達した気が地面で反射して、身体を通って手から出るというような感覚を持ったものになります。

それは飽くまでも、感覚であって、気が本当に存在するかと言う問題ではなく、そう感じるということです。
ですから、そう感じると、体が最高のパフォーマンスを発揮するものだとご理解いただけるといいかと思います。しかも【自分軸】は純然たる技術ですので、誰でもできるものです。

もう一度いいますが、以前お話しした【軸を作る】では、技を仕掛けるさいに、自分と相手とが一体にならないといけないのですが、その一体となり回転を伝える軸と言う意味ですので、今回の【自分軸】とは意味が全く違いますのでご注意ください。

後は映像をご確認ください。映像でも非常に曖昧な表現にもなっていますが、小学校4年生のお子様でもできる純然たる技術ですので、そう考えてごらんいただけるとありがたいです。

【軸をつくる】

合気道では、【相手と一体になる】ことが大切です。

さらに、一体になった後、【軸を作り利用する】ことが必要になってきます。

今回は、【軸を作る】ことに関連して、まず入り身投げが何故難しく感じるのかという点をお話しします。
実は入り身投げには軸がたくさん存在するのです。
しかも、時々刻々と軸が入れ替わります。
その話をするとややこしくなるので、

今回は、重要な2つの軸について話ます。
そして、2つの軸をうまく扱えると、相手は簡単に倒れます。

実際は、背面に倒すときに、
もう一つ軸を意識するといいのですが、
軸の数が多いほど、難易度が上がりますので、
取りあえず、2軸を意識するようにしてください。

なお、入り身投げの応用例では、
2本目の軸を1本目とし、3本目の軸を2本目で説明していますので
最初の基本的な入り身投げと軸の作り方が違うと思うかもしれませんが、
軸が刹那に現れ消えるので、そのようにしました。

とにかく、言葉でこれらの軸について説明すると、
非常に長くなる上、説明しずらいので、
今回は映像で説明します。

結局、巧くいかない大きな理由としては、
実は入り身投げは、最初に作った軸が突然消えて、
さらに、突然、別の場所に新しい軸ができるのですが、
うまくいかない人は、
最初につくった軸にこだわって
技を続けてしまうからです。

一応、物理的な説明を行いましたが、
一つ知っていていただきたいことがあります。

それは、【本当に大切なこと】は、
自分を安定させるため、【自分軸】を意識をする必要があるということです。
【自分が確実な立ち位置に立って相手を導く】
というのが本来の合気道です。