前回に引き続いて、当身についてお話ししていきたいと思います。前回は、当会の当身の原理を「骨の技術」と呼んで、重要な稽古の一つと分類しているとお話しをさせていただきましたが、もう少し踏み込んで今回はお話しさせて頂きます。
当会の「骨の技術」は、動作の起こりの原理から、4つに分類し、第1式から第4式があります。
- 第1式 : 攻撃方向への移動に伴う当身
- 第2式 : 回転運動による当身
- 第3式 : 位置エネルギーを利用する当身
- 第4式 : 頭の重さを利用する当身
となっています。
また、これらの当身で、
- 攻撃する方向に対して、身体の加速を加える陽の様式
- 作用・反作用を利用する陰の様式
があります。第1式~第4式まで陰陽をあわせると8つに分かれます。さらに、運用の際は、それぞれを同時に混ぜて使ったり、連続で使用したり行いますから、組み合わせは無数存在することになります。
しかも当身の原理(骨の技術)は、単に当身を行うだけでなく、投げ技の動きにも利用しますので、非常に大切な技術となっています。ですが、文の上で全てを説明するのは非常に困難で、たとえ、打撃の専門家であっても、大きな勘違いをしてしまう恐れもありますので詳細な説明は省きたいと思います。要は、動作を伴った骨格の正しい使い方の理論ということだとご理解ください。
次回は、当身についての意外な心理面について少し触れたいと思います。