【物理と気】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道といえば「気」の武道と呼ばれ、合気道の技、すべては「気」で行うのが本来の合気道と言われています。

今回から「気」について少し考えていきたいと思います

気は物理を超えない

ところが、「気」というのが、目には見えないと来ています。そんな目に見えないうえ、よくわからない「気」を使えというのだから合気道修行者もたまったものではありません。

そのため、さまざまな情報を、ネットや本やDVDなどから取り入れている人が多いと思います。

挙句の果てには、合気道のためにチャクラ開発とか走ったり、気功法に走ったり、宗教に走ったりといろんな人がいます。

実は、僕自身もその口なのですが、結局、いろんなことをしても合気道という点においては、師匠から教わったことを超えるものではありませんでした。

そして、行きついた結論は、「気」は物理を超えるものではないということです。

とはいっても、この物理世界も、量子力学から見ると物質面と情報面でできています。超ひも理論までいくと、結局は単なる振動という情報にすぎなくなるわけです。

「気」を使えば何でも可能という人がいます。確かに量子力学の観測者視点で考えるとそうかもしれないが、我々が住んでいる世界、要するに五感で感知できる世界はマクロな世界なので、いくら、観測者問題を取り出しても、古典物理の法則の方が強く作用している訳です。

ですから、いくら観測者視点に立とうとして、重力を無視しようとしても、無重力を作り出して空を飛ぼうとしても飛べるわけがありません。

こういうと、そんなことはない、真剣にそれを望めば誰でもできると、量子力学コーチのある人がいっていましたが、誰でもできるなら、世界中で空を自由に飛んでいる一般市民がどこかに住んでいてもおかしくありませんが、そういった話は聞きません。

そういった話題がでてきても、魔女とか、魔法使いとか、正体不明の人の話しで、単なる都市伝説の域をぬけません。

このような訳で、マクロな世界は飽くまでも物理の法則に従っていますから 、物理を無視して技を掛けるというのは、マクロな視点しか見えない我々には不可能なのです。


「気」は自然の法則に従う

そこで、僕たちは、もう少し物理の法則にしたがった技の掛け方を学ぶ必要があると思います。

僕の師匠・井口師範は、次のように言われました。
「合気道は自然が一番、自然とは必然的にそうなること、水が高いところから低いところに流れる。それが気の流れに従うということ。水が低いところから高いところにながれたら不自然。そんなもの合気道ではない」

要するに、「気」は自然の法則にしたがうということです。ですから、「気」を使う合気道では、自然の法則、宇宙の法則に従い、その中で「気」の流れを作って、「気」の流れに従う必要があります。

要は、物理法則も自然の法則なわけで、これを無視すること自体が不自然な技といえるわけです。

僕たちはこの物理の法則にも従った動きができる必要があるのです。

当会では、そういった物理的な側面を研究する技として、「骨の技術」と名付け、技を研究しています。

これは、物理的に強い骨格の使い方から始まり、運動エネルギーの起こし方・伝え方、相手のバランスの見方など研究するものです。

読者の皆さんも是非、物理法則に従った、自然な技とは何かを研究してみるのも良い事だと思います。


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