井口・合氣道の「合わせ」とは?!

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、。今回は当会で指導している「合わせ」というものにフォーカスして説明をしていきたいと思います。飽くまでも当会が定義する「合わせ」という考え方なので、他の方々がのべる「合わせ」とは異なるかもしれません。ですので、他の方の考えが間違っていると主張している訳ではありませんので誤解されないようによろしくお願いします。

本ブログを読むと!

今回は「合わせ」ということについて当会での考えを述べたいと思います。本ブログを読むことで合氣道の技を行う上で、相手と接点ができた際に先ず何をすれば良いかがわかります。特に合氣道のような形稽古を行う武道では、どのような技をかけて来るかが技の受け手に分かるため、対抗するのが容易です。しかし、「合わせ」を使用し次の段階の「導き」にスムーズに移行できれば、例え相手が対抗しようとしても難しくなります。このブログでは、先ず「合わせ」の定義を知り、次の「導き」にどうつなぐかについて述べることにより、合氣道の形稽古を納得できる形で稽古できることになります。

目次

●「合わせ」とは?!
●「合わせ」と「単なる脱力」の違い
●「合わせ」の重要なポイント「結び」

「合わせ」とは?!

私の師匠、故・井口師範は「相手の土俵で戦わない」とよく言っていました。これは、相手と直接ぶつからないことを意味します。

井口師範の合気道の指導では、専門用語がほとんど使われませんでした。そのため、「合わせ」というような言葉は使わず、技を説明する際にはさまざまな表現が用いられました。「力を抜け」「相手の力に合わせる」「ぶつからないようにする」「相手の氣を逃がす」「相手の氣に合わせる」など、状況に応じて言葉が変わります。

当初、私はこれらの説明が一貫していないと感じていましたが、井口師範がこれらの言葉を使うのは、技が始まる相手との接点ができた時だと気づきました。

具体的には、相手との接触ができ、相手を自分の思うように動かす準備が整った段階で、これらの説明がされていたのです。

私は、相手を自分の意図通りに動かすことを「導き」と呼び、その前段階、つまり相手との接点ができた時点を「合わせ」と名付けました。

さらに、「合わせ」とは、相手の力や氣とぶつからず、こちらの力や氣が相手に伝わりやすい状況を作る準備段階を指します。

「合わせ」と「単なる脱力」の違い!

相手の力とぶつからない状態を考えると、まず思い浮かぶのは「力を抜く」ということです。しかし、実際の戦いでただ力を抜くだけでは、相手に制圧されてしまいます。

単に「力を抜いた状態」では非常に危険です。「赤子の手を捻る」という表現があるように、受け身でいると相手にやられてしまいます。

しかし、赤子の動きには武道にとって参考になる点もあります。以前、耳鼻科の医師に「甩手(すわいしょう)」という氣をらせん状に体幹に通して体を捻る気功法を教えた際、私は「一瞬だけ力を入れるのではなく、常に筋肉と連動して体を捻ってください」と伝えました。

その医師は、「どの赤ちゃんについても言えることですが、赤ちゃんの頭を押さえて固定しても、固定できないという経験をいつもしているが、この原理が働いていたということがこの動作で分かって納得できました」と言いました。耳鼻科なので頭が動かれると困るので動かないように固定するそうですが、物心ついた子供や大人は頭を押さえる固定ができるそうですが、赤子にはどうすることもできないので非常に気を使うそうです。

要するに、赤子が頭を捻るときは氣が通っているが、大人は首の筋力だけで行うということです。つまり、力が抜けているように見える赤子でも、氣が通っていれば大人の力でも止めることができないということです。

この例からわかるように、「合わせ」とは氣が入った状態で、相手と力がぶつからない状況を作ることです。これにより、相手はこちらを制圧できなくなります。この点が「合わせ」と「単なる脱力」の大きな違いです。

「合わせ」の重要なポイント「結び」

先ほど、「合わせ」と「単なる脱力」の違いは、氣が入っているかどうかだと説明しましたが、さらに大切なポイントがあります。

それは、相手と氣が繋がっているかどうかです。この氣の繋がりを私たちの会では「結び」と呼んでいます。「結び」があることで、自分の作った氣の流れが相手に届くようになります。合氣道の氣の技では、自分の体だけに氣が通っているだけでなく、相手に氣が届いている必要があるということです。

「結び」によって、相手と自分が一体となり、相手を自分の手の延長のように自由に動かせるようになります。これにより、次の段階である「導き」が可能になります。このように、「合わせ」において「結び」は非常に重要な要素です。

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