【護身を考える】③
今日は! 皆さんお元気ですか? 僕はメチャ元気です。
今日も前回に引き続いて、合気道と護身術について少し書いていきたいと思います。
当会では、合気道をベースにした護身術を教えていますが、「合気道でいいのでは?」と言われることがあります。
しかし、敢えて「護身術」としているのは、「危険回避・安全確保」という点をはっきりと意識して頂くためです。これは主催者自身が、若いころ体が弱く、体が見た目から貧弱だったので恐喝や暴力のターゲットになったことから、合気道の護身面のみを稽古する道場があればと思ったからです。
特に現状では、合気道というと、様々ななニーズの人が集まっています。武道としてやりたい人、健康のため運動の一つとしてやりたい人、演武を見せるためにやっている人、仲間作りのためにやっている人など、現在の合気道は様々なニーズに応えていると思います。
しかし、多くのニーズに応えるということは、逆にいうとそれぞれの目的が薄められることになります。確かに、平和を目指す合気道ということで、多くの人のニーズにこたえられるのはそれはそれで素晴らしいと思いますが、やり方次第では問題があるのではないかと僕は考えています。
確かに、専門店が同居する百貨店のようなそれぞれのニーズに合わせた部門があるのは素晴らしいと思いますが、色んなニーズの人が同時に行うなら、色んなものが揃っている雑貨屋ということになってしまい、「ごっちゃごっちゃになってどこに何があるか分からない」ということになる恐れが大いにあると思います。
特に合気道は、基本的に二者一組となって形の稽古を行います。武道としてやりたい人が、綺麗な演武を見せたい人と組めば、投げ技を稽古しようと思ったら、頼みもしないのに、勝手に体操の選手のごとく派手にぶっ飛んでくれるというようなことになります。それでは、自分の技が本当に効いているのかすら分からず、実際に護身に使えるかどうか判断が付きません。
ですから、当会は、護身術面のニーズに応える専門店ということで、敢えて「合気道護身術」として教えています。
そうすると、目的が明確になります。護身を目的としたなら、「危険回避・安全確保」から現状の合気道では殆ど稽古されない「当て身」もかなり力をいれて研究・稽古しないといけないということも見えてきまし、崩れない相手をどうするかなど色んな課題が見てきます。
現在、もし合気道で護身を考えるなら、少なくともごっちゃごっちゃにおいている雑貨屋ではなく、護身術や格闘技を研究している指導者のいる道場か、ダンス・体操・格闘技の経験をすべて持つ万能な指導者のいる専門店が入っている百貨店のような道場をさがす必要があると思います。