皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です!
今回は、力を抜くことに関して、本当に力が抜けている状態をどのようなときに使うかについて述べたいと思います。
結論からいいますと、合気道では、この脱力は運動エネルギーを伝えるときに使うものです。
もっとも分かりやすいのは、当会でいう陽の技術を使うときがよい例になると思います。
陽の技術については何日か前に書きました。太極拳と合気道の共通点ということで陽の技術に触れたと思います。
今回はもう少し詳しくかきますと、陽の技術のデモンストレーションとして、縦に一列に並んでもらった人達を押し返すというものがあります。
前方の人が踏ん張ってこちらに逆らおうとしても、押す方の力が抜けていると、前に倒れそうになるので、結局、自分を安定させるため、自分を自分自身の足で支えることとなります。
そういった状態を作っておいて、力を抜いたままで、先ず運動エネルギーつくるように身体を前進させます(図の②/力が抜けけて肘が曲がっているのがポイント)。
そして、前進した時点で運動エネルギーを伝えわるようにやれば(図の③)、前方の人は後方に押されます。
それなら、次の人が逆らえばたらいいじゃないかと思うでしょう。ところが、人間には反応速度という生理学的限界があり、すぐに反応ができないのです。だいたい0.5秒の遅れて反応すると言われています。
ですから、前の人が動いて、0.5秒後に反応しても、実は押した人と前方の人の二人の体重が加わった運動エネルギーができた時点で反応することになりますから、その人に加わる運動エネルギーは前の人の2倍になります。
さらに、後方の人は3人分、さらに4人分と非常に大きなエネルギーを受けることになってくるので、全員が後方に押されるわけです。
このように、完全脱力というのは、相手に自分の運動エネルギーを伝えるときに使う技術です。ですからやたらめったら力を抜けばいいというものではなく、タイミングが必要です。
タイミングが分かれば、縦に並んだ人を何人でも押し返すことができます。護身ではそういう状況は想定できませんが、やってみると面白いですよ
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