皆さん、お元気ですが? 僕は相変わらずすこぶる元気です!
気の武道と呼ばれる合気道は、あまりにも神秘化されていて、科学的な解釈をすると、「分かった気になって何を言う」というような反応をされることがよくあります。
しかし、人間は物理法則の世界でやはり生きているので、どうしても物理法則に束縛されているという事実があるということです。
今回は、いくら神秘的な武道としての合気道でも、科学的解釈も必要であるという話しをしたいと思います。
「気」は万能という主張
確かに、「気」は万能の宇宙エネルギーとすると、非常に夢があって素敵だと思います。
ところで、以前、とあるSNSに入っているときに「氣が出れば、筋肉は必要ない」とまでおっしゃる人がいました。
その人の主張は次のようなことでした。
「気とは万能の宇宙エネルギー」
「体に気が通ると、100階のビルから落ちても無傷」
「人は気が入れば空を自由に飛ぶこともできる」
早い話が漫画・ドラゴンボールで描かれている「気」は、実際に可能だという主張です。
確かにドラゴンボールでは、そういうことになっていますが、実際にそれができる人間を見たことがあるかというと誰も直接みたことがないのが現状じゃないでしょうか?
一歩譲って、仮にそのような人がいるとしても、そういうことが全員が全員できるのかという点を考えると、そういう主張には無理があるように思います。
もし、万人が万人できるのであれば、多くの人が空を飛んでいるはずですが、そのような人はどこにも見当たりません。
やはり、現実問題として、出来ること、出来ないことをはっきりとしていないと、努力が無駄になり、かなり遠回りをすると僕は考えています。
例えば、気をだして空を飛ぶ練習をするよりも、もっと合理的な方法を考えた方がよいと思っているのです。
科学的視点を持った経緯
僕の師匠である井口師範は「気」によって合気道の技や秘伝を説明してくださいました。
ところが、井口師範のお言葉は、すべて「気」で説明される中、どうしても不合理な点があり、言われていることに矛盾点が沢山でてきました。
場合によっては、『師範が今しがたおっしゃった言葉と今の言葉って全く真逆じゃないのか?』と思われることもありました。
例えば、「気を出したら相手に悟られる」と言ったあと、すぐに「しっかり気を出さんとあかん」というように、相反する言葉で指導されましたので、聞いている方は一体どっちなんだと混乱します。
でも、僕は、井口師範は達人であると信じて疑いませんでしたから、これには何か深い意味があると感じ、分からないことをメモして、常にどういうことを言われているのかと考えていました。
その結果、一口に気といっても、何種類もあるということに気づき、井口師範の言葉から、人体の気の構造に気づきました。
人体の気の構造というのは、人体の内部にある根源の気、人体の表面にある気、人体を取り囲む気の三層からなっているということです。
そしてそれぞれの気の性質を利用すると合気道の技がかなり有効になるということが分かりました。
気の科学的分類
この三層を、心理的な影響を受ける気、生理的な影響を受ける気、物理的な影響を受ける気と言い換えることができます。
これに気づいて、僕は井口師範の秘伝を分類することで、井口師範の秘伝を分かりやすく整理することにしたのです。
そして、ある女性に指導をしてみて、秘伝を直接伝えるのではなく、整理分析した形で伝える方が、より短時間で技ができるという実体験で確信しまた。
というのが僕が10年かかった技術を彼女は3カ月でマスターしてしまったのですから。
このように、物理学、生理学、心理学など科学的に分析して解釈することで、達人の技術の再現が、ある程度可能になります。
師匠も、合気道は自然の理を表したものだから、自然の法則が一番大切と言っておられました。
自然の法則というと、物理学も自然を科学的に観察し、分析した学問です。
客観的に物事を観察し誰もが再現可能にするのが科学ですから、当然といえば当然です。
こういう意味で、僕は神秘を神秘としてだけに囚われず、科学的な目も入れていく必要があると考えます。
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