「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

【合わせは引力の錬磨】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道における「合わせ」について現在述べていますが、言葉での説明となると非常に難しいものとなり、前回の内容もかなり抽象的な話

今回は、前回の身体内部の気に合わせるという点に絞って書いていきたいと思います。


気が読めるから力に対抗できる

 

合わせというのは、相手の気の変化を読み、相手の気に合わせて、技を行うというものでした。

ところが、読者にとっては、相手の気を読むのはかなり難しいと考えられたのではないでしょうか?

実は、接触したところから相手の気を読むというのは非常に簡単なことで、実は誰もが、行っているものです。

例えば、パートナーと二人で組んで、一方が他方の手首を掴み、掴まれた人が挙手しようとし、他方がそれを阻もうとすると、両者の力が同じであれば、力が拮抗し、挙手することができません。

実はこれは、挙手しようとする方の力のタイミングなど完璧に読めないとできないものです。

このように、実は相手の力に対抗するという行為自体はかなり高度なもので、相手の気を読めないとできないというのが理解できたと思います。

 


合気道の合わせとは

 

手の挙上する手を妨げるのは誰でもできますが、合気道の場合、挙手する方が相手に対抗されても簡単に挙げる必要があります。

それを合気道では「合わせ」といいます。

ところが、現象から見ると、実は、抵抗しようとする相手は、合わせを行っている人の気が読めないのです。

そのため、相手の力がどうくるか分からないため抵抗ができなくなります。

もうすこし具体的に説明しましょう。

相手に抵抗しようと力を入れる点というのは、二足歩行の人間の場合、バランス的に最も力の集中する非常に限られた状態になったところだけです。

相手の気を読み、相手がバランスを取ろうとした瞬間に接点が移動すると、相手がバランスが取れた最高の位置のときに出る力の数分の一ぐらいしかでないのです。

そのため、簡単に相手に逆らうことができるわけで、現象面から見ると、「合わせ」というより「外し」といった方が適切と思うかもしれません。

しかし、仕手は相手の気を読み、気の発動に合わせることで、相手を無効にしますので、合気道本来の「気に合わせる」ということになるのです。

ですから、合気道では、全面的に相手を受け入れることで、相手の気差しを感知し、それにより相手の気の動向を知り、相手が動くより先に相手を制御する技術を磨くのです。

これが相手の全貌を吸収する引力の錬磨なのです。


 

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【相手の気に合わすというのは?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回のテーマは「相手の気に合わせる」ということです。


手首取りの技は人体内部の気に合わす稽古

一概に相手の気に合わすと言っても、気にも種類があり、人体の内部の気と周囲の気がありますので、目的をはっきりとする必要があります。

どちらにしても、それぞれの気の性質が理解できていないと、うまく合わせることができませんので、最低限の性質を覚えておく必要があります。

人体内部の気というのは、皮下にある気の層(随意筋に関連すると思われる)ともっと深層にある気があり、一般的に人が動作を行う場合は、皮下にある気の層で気が移動します。

人体内部の気に合わせる場合、この気の変動や移動を察知して、コントロールすることをいいます。

言い方を変えると、相手の気の流れを理解し、ぶつからないようにしたとき相手の気に合わせているということになります。

ですから、相手と拮抗し、力がぶつかったとき、相手の気とぶつかっているときでもあるのです。

このような理由から、合気道での「合わせ」という言葉が非常に曖昧で理解しにくく、ときには「相手の力を外せ」とか「力を抜け」というような表現になってしまいます。

そして、合気道では、一般の格闘技などでみられない、まず相手が自分の手首を取りに来るという状況の手首取り系の技(片手取り、両手取り、諸手取りなど)にかなりの時間を割くのは、打撃系の技とちがって接触時間が長いため、相手の気の変化が読みやすいことで、合気道の合わせの基本の稽古ができるからです。


 

打撃系の技で身体を覆う気の扱う稽古

 

打撃系の技は、組技系に比べ、相手との距離が遠くなり、身体周囲の気の動きが現れやすくなります。

また、打撃系の技は、攻撃を受けるまで相手と接触していていないため、相手の体内の気の流れを感じることができにくいため、身体周囲の気の変化を感じる必要があります。

ところが、相手の気を感じると言われても、特殊能力がないと不可能です。

しかし、気の性質を理解していると、相手の動きから気がどうなっているか予測できます。

そうすることで、達人に近い動きが可能になる訳です。

しかし、最低限、気の発動時期を知る必要があります。それを実現するためには、まずは人形の目という特殊な目ができる必要があり、その人形の目を鍛えると、相手の気の発動、ようするに「気差し(兆し)」が見えるようになります。

 


 

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【心理学と気】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は、合気道で使う気の構造についてお話ししましたが、今回はその気に合わせることについて話を進めていきたいと思います。


気と心理学

 

もうすでに気づかれた読者の方もいらっしゃるとおもいますが、合気道で用いる人体を覆う気というのは、心理学でいわれるパーソナルスペースと深く関係があります。

*  *  *

パーソナルスペースとは、人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア対人距離とも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。

一般に、親密な相手ほどパーソナルスペースは狭く(ある程度近付いても不快さを感じない)、逆に敵視している相手に対しては広い。相手によっては(ストーカー等)距離に関わらず視認できるだけで不快に感じるケースもある。

(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

*  *  *

また、パーソナルスペースに関しても2種類あります。

例えば、全く見知らぬ人が正面に立ったときに、不快に感じても、その距離なら、後ろに立たれても案外気にならないものです。

しかし、さらに後ろからその人が近づいてくると、見えていなくても、嫌に感じる距離というのが確かに存在するのは誰でも経験があると思います。

このように、正面、横、後ろと実はパーソナルスペースというのが違うというのが非常に大切です。

心理学ではおおむねコミュニケーション時を考え、正面で感じるパーソナルスペースを取り扱うことが多いので上記の説明になるだけです。

しかし、武道では、2種類のパーソナルスペースは必ず考える必要があるのです。


合気道で使う人体を取り巻く気

 

前回にお話ししましたが、もう一度復習のために、人体を取り巻く気についてまとめておきますと、次の3種類になっています。

  1. 人の意識に直結して動く気の層
  2. 人の身体の感覚に直結している層
  3. 身体の動きに直結している層

以前に、人体の気の構造を図で示したことがありますが、そのとき、人体を取り巻く気の層は2つあると説明しました。

皮膚表面に存在する外殻の気とそれを覆っている最外殻の気という2つがありましたが、1が最外殻の気、2が外殻の気に相当します。

 

さらに、3については、非常に敏感な人は、日常で気が付いているかもしれません。

というのは、移動しようとしているときに、体の表面に微妙に起こる変化があります。

例えば、右に移動している最中、すぐには左に移動したいと感じたときに、何らかの圧力が右方向にかかっている感覚です。

或いは、体全体を使うスポーツで、ある体勢である体の使い方をしようとすると、圧力感を感じ、それをすると体を痛めるであろうと感じるという圧力です。

これが3番目の気の層で、井口師範は「気の流れ」とおっしゃられ、「気の流れに乗り、気の流れに逆らわない」とご指導いただきました。


 

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【複数ある人体の気の場】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は相手の骨格に合わせるという話をしましたが、今回は相手の気に合わせるということで述べていきたいと思いますが、今回は人体を取り巻く気の構造についてお話しします。

 


気の場

 

以前にもお伝えしたように、人体の周囲には人体を覆うように気の場があります。

しかも、人体を覆う気の場は、一つではなく、複数あります。

この気の場を見ることができる人は殆どいないと思います。この文章を書いている僕にも見ることはできないのです。

スピリチャル系の人でも、合気道で使うこの気の場の構造を指摘する人は殆どいません。

唯一、神智学の方で、この考えに近いものがありますが、利用法は全く違います。

実は、体で感じる井口師範からは、気の多重構造についてお話しいただけませんでした。

しかし、井口師範からお話を受けて、整理すると、どうしても気が多重構造をしているとしか考えられず、僕はかなり矛盾点に悩まされました。

そして神智学を勉強して始めて、なるほどと思うことができました。

そして、この気の場は、分かるものから説明を受けると誰でも感じることができます。

ただ、気の場の多重構造は感じられなくても、多くの人はこの気の一部は日常生活で人と関わりを持ったときに時々感じています。

例えば、自分の目の前に人が立つと、非常に鬱陶しい感じを受けます。

特に相手との距離が短くなると、何か圧力のようなものを感じることがあると思います。

これが気の場であり、心理学ではパーソナルスペースといわれるものです。

合気道では、このような気の場と感じられるものが多重構造をしていると考えるわけです。


合気道で用いる3つの気の場

 

合気道で用いる気の場としては、人の意識に直結して動く気の層、人の身体の感覚に直結している層、身体の動きに直結している層などが、合気道で合わせる気となります。

また、スピリチャル系の人が感じる気の場は、概ね相手の性格や性質に直結した気の層のようで、これには色がついていたりするようですが、僕たちが技で使う気の層とは別です。

ちなみに、意識に直結している気の層というのが、先ほどお話ししたパーソナルスペースです。

このパーソナルスペースは、非常に厄介で、相手の気のパワーが強いと、自分の意識が萎縮します。

意識が萎縮すると、身体の内部の気が隠れてしまい、体の動きに制約がでます。

そのため、井口師範の秘伝には、人形の目という特殊な目をすることで、意識に直結して動く気の層をできるかぎり、消す技術もあります。

このように、気の場の知識があることで、自分の気の場と相手の気の場の両方をコントロールすることが可能になります。


 

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【骨格を理解する】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今日は、陽の技法に必要な骨格の合わせについてお話ししたいと思います。


陽の技法

 

当会では、骨の技術というものの中に、相手を崩すのに運動エネルギーを作り、相手にその作り出した運動エネルギーを乗せ、相手を崩す技法があります。

当会では、その技法には2種類あり、陽の技法と陰の技法というものがあります。

陽の技法というのは、気の運行として稽古を行う船漕ぎ運動の応用としてかなり多くの合気道指導者が行っていますが、陰の技法を理論立てて説明する方は少ないのではないでしょうか。

陰の技法については、前々回に少しふれたのですが、今回は陽の技法について述べたいと思います。

陽の技法は、端的にいうと自分が動くことで、自分の体重を運動エネルギーとして利用するものです。

人間の体重は、例えば成人男子であれば大抵60キログラム以上あります。

これは相当な重量ですよね。例えば60キロの鉄の塊が飛んで来たら、誰も受け止めようとは考えないでしょう。

誰でも、60キロの物体の運動エネルギーの大きさは知っているのです。

ところが、相手が人間だと、運動エネルギーを軽く考えてしまいます。

それは、運動エネルギーを持っていても、その大抵は、その人が自ら足で殺してしうまからです。

ところが、そのエネルギーを上手く使えると非常にいい味方になるのは分かると思います。


骨格の合わせ

 

折角、船漕ぎ運動をやって、運動エネルギーの伝わり方を体で感じても、実際に相手がいると、技を掛ける際に上手く運動エネルギーが伝えることができないものです。

そのもっとも大きな原因は、運動エネルギーを作る前に相手と力がぶつかっているところにあります。

相手と力がぶつかっている状態では、相手からすると、こちらの次の動きが非常に見えやすくなります。

そこで、修行者は相手とぶつからないということを考える必要があります。

相手とぶつからないで相手を導くのがいわゆる合気道における「合わせ」です。

陽の技術で、相手に運動エネルギーを伝えたいのなら、少なくとも合わせができていないと、伝えることができません。

特に大切なのは、当会の分類での骨の技術の中び合わせの技法です。その中で、「骨格の合わせ」が陽の技術では特に大切です。

骨の構造の合わせとは、骨格上どの方向に動かすと相手の関節にぶつからずに骨を動かすことができるかということを判断することです。

ぶつからず、相手が動いてしまう関節の動きを実現することで、運動エネルギーが最も効率的に伝わります。

骨格の構造を理解するということは合気道修行者には非常に大切なことです。


 

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【トライアドと合気道】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回はNLP心理学を使って、合気道の習得に必要な話をしたいと思います。


トライアド

NLP心理学では、人の状態を3つの要素で表します。それをトライアドと言いますが、その3つの要素とは、身体、言語、フォーカスです。

この3つの要素で、その人の心の状態が決まります。

具体定期にいうと、万歳と大きな声を出しながら、落ち込むことができません。

またニコニコと嬉しい顔をしながら、落ちこむ人はいません。

楽しいことを考えながら、落ちこむ人はいません。

このように、言語、身体、フォーカスでその人の状態が決まってしまうのです。

実は、これは個人の感情の状態だけでなく、この3つトライアドと合気道の稽古に非常につながりがあります。


合気道での祝詞の意味

人は落ち込むと、身体能力が非常に落ちます。例えば、オーリングというのはご存知でしょうか?

OKのマークを指で作り、輪にした親指と人差し指を切り離すようにパートナーにしてもらうと、精神がいい状態だと中々離れませんが、落ちこんだ状態だと軽く力をいれるだけで離れてしまいます。

普通の精神状態のときは、このオーリングというのは非常に重い白く、例えば、「ついてない」という言葉を3回唱えただけで、パートナーは簡単に指を切り離すことができ、「うれしい」とか「ついてる」とかを3回唱えると、切り離すのが難しくなります。

このように、人は感情で筋力が大きく変わるものです。しかも、少しプラスの言葉をいうだけ、マイナスの言葉をいうだけでかなり影響をうけるものです。

合気道では、このオーリングが簡単に切り離される状態を気が出ていない状態、切り離せない状態を気が出ている状態といえるのです。

こういったことを知っていると、「穢れ」た状態とは、「けがれ」ようするに気が枯れて気が出ていない状態にあり、Oリングが簡単に切り離せる状態ということがわかります。

そのため、古い合気道では祝詞を奏上し、穢れを清めて、気が出る状態にしてから稽古を行ったのです。

ですから、祝詞というのは、実は言語面とフォーカス面から身体をいい状態にするテクニックだったのです。

その上、合気道では、天の鳥船の行や振り魂で身体面とフォーカス面で強制的にいい状態にするテクニックがあったりするわけです。

しかし、いざというときに祝詞、天の鳥船の行、振り魂などしている暇がありません。

ところが、これらのテクニックを使わなくても、身体、フォーカス、言語を変えるだけでも、正しい状態である気が出ている状態とすることができることを知っておれば非常に役にたつと思います。


 

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【合気道の指導に必要な3つの要素】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、以前にお話ししたことがあると思いますが、NLP心理学では、人が物事を理解するのに3つのタイプがあります。

3つのタイプというのは、視覚タイプ、聴覚タイプ、体感覚タイプの3つです。

実は合気道の指導者には、この3つ感覚を総動員する必要があります。今回はその話をしたいと思います。


合気道習得は体感覚タイプが優位

 

合気道では、体感覚タイプの人が他のタイプの人よりもかなり優位に習得ができます。

というのは、合気道の技術というのは非常に体感覚に頼る部分が大きいからです。

例えば、当会の技法で陰の技法というのがあります。

当会の技法で修行者が一番苦心するのがこの陰の技法です。

陰の技法を井口師範は、「相手を導きたかったらまず自分が動け、相手を手前に引っ張りたいのなら、自分から前に出よ。相手を自分から離したいのであれば、自ら下がれ。相手を左に動かしたいのであれば、自ら右に行け。そして相手を気で導け」とおっしゃいました。

体感覚の人への説明では、例えば陰の技法で相手を前に導くようにするには、気をこの様に集めるとよいと説明するだけで、同じ動作を行うことができます。

感覚をリアルに説明すると分かってもらえるのです。その点、気で説明するのが都合がいいと思います。

当会では、元プロ格闘技の選手の人がそのタイプで、「気が分かるか、信じられる人は簡単です」といいます。


動作の原理の理解が必要な聴覚タイプ

 

ところが、特に聴覚タイプの人の場合は物理的に説明しないと理解ができません。

そこで、物理学の出番になります。これを物理で説明することは簡単で、「スケートリンクで二人立っていて、一人がもう一人の背中を押すとどうなるか?」という問題で、「一方が前に進んだら、もう一方は後ろに同じ速さで下がっていく」というのが正解です。

スケートリンクの場合、A君とB君がいるとすると、始めはA君もB君も速度がゼロですが、A君がB君を押して、B君が時速5キロで前に進んだら、A君は時速-5キロ、要するに反対方向に同じ速度で進むわけです。要するにプラスマイナス0となるわけです。

視覚タイプの人は、実際にやってみて、技を掛けてみて、目で確認して初めて「成る程、確かに!」と理解します。

さらに、聴覚タイプも視覚タイプも、感覚にフォーカスして気の感覚を体感できるようにする必要があり、非常に厄介に感じるかもしれません。

しかし、体感覚タイプの人は自分の技をうまく説明することが苦手で、相手に伝えるという点では、視覚・聴覚タイプの人の方がわかりやすくなります。

そのため、合気道の指導では3つの感覚の総動員が必要なのです。

 


 

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【知っているからこそ認識できる】

 

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回も情報という点で話を進めていきたいと思います。


NLP心理学の前提15番目と開祖のお言葉

 

さて、NLP心理学について以前のブログに書きましたが、僕が習っているNLP心理学には15の前提があります。

以前にも書きましたが、その中で15番目の前提「人は自分の世界の経験を前提にして今起こっていることを理解する」が合気道では非常に大切な前提にもなっています。

合気道開祖・植芝盛平翁先生がおっしゃった有名なお言葉に次のものがあります。

* * * *

相手の目を見てはいけない、目に心を吸収されてしまう。
相手の剣を見てはいけない、剣に気が把われてしまう。
相手を見てはいけない、相手の気を吸収してしまうからだ。
真の武とは相手の全貌を吸収してしまう引力の練磨である。
だから私はこのまま立っとればいいんじゃ。

* * * *

開祖のお言葉をそのまま真に受けると、「相手を見ずにどうして技を掛けるのか?」「目をつぶっておくことなのか?」など考えてしまいます。

一方、井口師範の秘伝の目付(眼の使い方)を知っている人なら、なるほどと思えるのではないでしょうか?

このように、言葉を一つにしても、認識が人ぞれぞれ違います。


井口師範のお言葉

 

井口師範の目の秘伝についてはあまり詳細はお話しできませんが、井口師範は「眼で見るんと違う、(眼で)感じるんや」とおっしゃいました。

翁先生のお言葉と井口師範のお言葉と考え合わせれば、前半部分のお話しは、目をつぶることではなく、見ることに関する極意であることは分かると思います。

さらに、「真の武とは相手の全貌を吸収してしまう引力の練磨である」という点に関しては、少し前にこのブログで書きましたが、合気道は受身の武道ではなく、相手を受け入れる武道といったことを思い起こしていただきたい。

相手を受け入れるというのは、こちらが相手に対して「ああしよう。こうしよう」と考えるのではなく、自分の主張は全部おいておいて、相手が何をしたいのかを見極めることにあり、「You first」であるとお話ししました。

最後に、翁先生がいわれる「このまま立っとればいいんじゃ」というのは、相手が行動を起こし、その気が差すまでの間であるというのことです。

そのまま何もせず突っ立っておれば、殴ろうとしている相手にノックアウトされてしまいます。

このように、井口師範から秘伝を聞いているものにとっては、翁先生のお言葉は「なるほど」と腑に落ちる言葉ですが、秘伝を知らない人にとっては理解ができない言葉だと思います

秘伝を知る事が如何に大切かが分かるのではないでしょうか?


 

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【井口流合気道では情報を隠す】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は情報と井口流合気道の技の関係についてお話しします。


人は不安定だから技が効く

 

合気道の技にかかると、全く非常識な事態に落ちると感じる人が多いのではないでしょうか。

例えば、合気道の師匠が「今から、コップでお茶を飲むから、両手で阻止して見よ」と言われ、師匠の片手を両手でつかんで飲まさないように一生懸命力を入れても、師匠は平然としてコップを口に運びます。

これをは傍で見ていると、『そんな馬鹿な!』と思って、今度は自分だと代わって邪魔をしようと両手で力いっぱいに阻止しても、師匠は平然とコップを口に運んでお茶を飲みます。

こんな漫画のような場面が実際可能なのです。

それは、人間が最大の力を入れられるのはバランスが大きく影響しているからです。

ですから、バランスを保つことができなければ、思った力の数分の一しかでないようになっています。

何故なら、実は二足で立つというのは、かなり不安定な状態だからです。

この二足で立つという不安定さを人はあまり意識していないため、完全に不安定になるまで不安定であることに気づきません。

合気道ではこれを利用するわけです。


井口師範は徹底的に情報を隠す

 

井口師範の合気道では、相手を不安定にするのは当然なのですが、相手にとっていつ自分が不安定になったか察知できないのを良しとしました。

そのため、周りから見ていると、技の受け手が自らわざと倒れたように見えます。

ところが、井口師範は、受け手がわざと崩れていくと「勝手に倒れるな!」と叱りました。

しかし、井口師範の技が効いていると、ワザと倒れているわけではないのに体が勝手に倒れていきます。

あたかも井口師範に体が乗っ取られたようにコントロールされるのです。

これは、いつ不安定になったか、自分の状態が把握できないためです。

このように指導した井口師範の意図は、自分が不安定になったと自覚できたら、同じ原理で何度か技が掛けられると、不安定になった原理が相手に分かるからです。

しかも、井口師範は、「技は一期一会」といわれて、毎回原理を変えて技を掛けておられましたから、例え不安定になったと自覚できても、原理が分かることはないのです。

ところが、「世の中に天才はいる」といわれ、技の原理である本質についてはかなり秘密にされ、技を掛けるのも不安定になったのすら気づかせない、同じ原理を二度続けないなど徹底していました。

このように井口師範は、技を掛ける前も、掛ける最中も、情報を徹底的に隠すことに徹しておられました。

ですから映像を見てもわからない部分が合気道にはあるのです。


 

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【合気道は相手思考】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、このブログでは護身と情報という話をしていますが、今回は、情報を出さないということについて述べたいと思います。

 


情報を読むためには?

 

合気道と他の武道・格闘技の違いを述べるとしたら、極端な言い方をすると、他の武道・格闘技は、相手と対立を中心に技ができているが、合気道は相手を受け入れることを中心い技ができているということになるでしょう。

相手を受け入れるというのは、最初に自分の意見を出さないということに通じます。

要は、You first「君から」思考なのです。

先ずは、相手の情報に耳を傾け、相手が何をしたいのかということに全神経を傾ける必要があります。

合気道は、そういった意味では「受け身の武道」と言えなくもありませんが、一般に言われる「受け身の武道」とは意味が違います。

「相手がせめて来たらそこで初めて動作を起こす」というのではなく、相手の情報を取るために自己主張しないということで、相手を受け入れる武道であり、受け身の武道ではないのです。

NLP心理学の前提では「相手の世界に理解と敬意」ということをいいますが、合気道でも起こりでは同様のことを行うわけです。


相手の目からの情報を絶つ技術

 

特に武道である合気道では、相手との対話は非言語によって行われるため、この情報の読みには技術が必要です。

そのため合気道では、自己主張をできるだけ抑える必要があるのです。それを当会では情報の遮断と呼んでいます。

そのための情報遮断の基本技術は相手の目から情報を入手できなくすることです。そのための技術は次のようになります。

  1. 距離(間合い)の確保
  2. 無構え
  3. 人形の目

先ず距離ですが、これは一畳分(180センチ)を隔てるのが、形での初期ポジションとされています。

これは、相手が武器を隠し持っていても、対処できる最大限近づける距離と言われています。

ですから暴漢に相対したとき、約2メートルは空けておく必要があり、これが最小限度の間合いであると覚える必要があります。

戦前の合気道では合気道の開祖は構えを取っておられましたが、戦後の大東流合気柔術と完全に分離された合気道では向かい合った時点では構えをとられませんでした。

暴漢に相対したとき、例えばボクシングのファイティングポーズをとったらどうでしょう。

暴漢は、『やばい!』と思った時点で、刃物を持ち出すかもしれません。

これは相手への情報を与えているからです。ですから、安全距離にいる時点では構えを取るということはしない方がいいのです。

さらに、目は心の窓といいますが、情報が一番もれやすいので、眼球を停止させます。それが人形の目ということです。


 

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