今回は、「導く」ことを中心に稽古しました。
「導く」稽古では、先ず感覚を養成する必要があります。そのためには「手首取り」が最も適しているといえます。
その理由は、「当身系の攻撃に比べ、相手との接点の接触時間が長いため」と「胸取り・袖取りに比べ、体が自由であるため」です。
さらに、詳しく説明しますと、「導く」動作には、物理的(力学的)な導き、生理学的な導き、心理学的な導きと3つの要素があります。一般的な合気道では、「気」のコントロールとして、全て同時に制御することを練習しますが、当会では、これらの3種類の導きをそれぞれ意識することを重点に稽古します。
先ず、感覚を養う稽古では、力学的な導きを中心に行い、相手に運動エネルギーがつたわれば、相手に生理学的な影響がでることを体に覚えさせます。手順は次の通りです。合気道では、技を仕掛ける側を取り、技を掛けられる側を受けといいますのでそれで説明します。
①「受け」に手首を固定して持ってもらいます。
②「取り」は、固定されたところを動かさず、脱力して移動します。
③「取り」が移動を始めると、引っ張らなくても、生理学的な現象として
「受け」は自然についてきます。
(④ついてきた時点で、引くと、さらに相手は加速します。)
ただし、感覚養成時は、この④はしません。引くことに意識があると間違った癖が身につき、感覚の養成の妨げになります。
そして、この感覚を徹底して稽古し、体に覚えこませます。
次に、この感覚が分かるようになると、空間感覚の合わせを行います。現段階では、会員の方に、当会の第4番目の秘伝技「空間感覚」を使えるようになっていただくのを目的としています。皆さんがんばってください。
以下は「導き」の練習風景の動画です