皆さん、お元気ですか? 僕はめちゃくちゃ元気です。
さて、立禅、天の鳥船の行、振魂の行と説明をしてきましたので、今回は今一度、合氣道開祖・植芝盛平翁先生が取り入れた天の鳥船という凄いシステムについてまとめてみたいと思います。
このブログでわかること
古い合氣道の稽古システムを見直すことで、さまざまな発見があります。禅・天の鳥船の行・振魂の行などの武道的意義を再確認し、翁先生が構築された稽古システムを理解し、より深い合氣道の稽古ができるようになることで本当に大切なこと、例えば本当の呼吸力の意味といったことがわかるようになります。
目次
・開祖の偉大さがわかる動画
・立禅・天の鳥船の行・振魂の行の武道的意義
・宗教ではない天の鳥船の行
開祖の立禅・天の鳥船・振魂の動画
少し前から立禅、天の鳥船の行、振魂の行の説明をしてきましたが、それに関する翁先生動画を見つけましたので、共有したいと思います。
やはりこれを見ると翁先生は偉大だとつい思ってしまいます。映像では編集されているので、順番が分かりにくいですが、神への礼拝から始まり、立禅、天の鳥船の行と振魂の行など行い、体捌き、その後、合氣道の技の稽古という流れはまさに奇跡的だと思ってしまいますが、僕がそう思う理由を天の鳥船の行から述べてみたいと思います。
立禅、天の鳥船、振魂の武道的意義
前回まで立禅、天の鳥船の行、振魂の行について詳しく述べてきたので、それぞれの記事を読まれている方はすでに分かっていると思いますが、それぞれの武道的意義は次の通りです。
- 立禅の武道的意義
静的な統一体の訓練に最も適している - 天の鳥船の行の武道的意義
前後の運動での統一体の訓練に 最も適している - 振魂の行の武道的意義
垂直方向で力を用いる統一体の訓練に 最も適している
このような武道的な意義を考えたとき、翁先生の合氣道は非常にシステマティックになっているということが分かります。
①立禅で静止した状態で統一体を作り上げる
②さらに天の鳥船の行と振魂の行で動きのある統一体を作る
③さらに捌きの稽古で統一体に自由度を上げる
④完全な統一体で合氣道の技の稽古に入る
というように、準備運動の中にさまざまな意義が含まれつつも、段階的に身体を練り上げていくシステムとなっています。
そしてその中核といえるものが禅・天の鳥船の行・振魂の行であり、これなくしてこのシステムは成り立たないと言えます。
天の鳥船の行の価値
それでも宗教はちょっと避けたいと考える修行者もおられるでしょう。一部の合気道の道場でも天の鳥船や振魂の行はしないと聞きますから、宗教アレルギーの人は気になるのかもしれません。
しかし、神の名前を唱えるから宗教というのは早計過ぎだと僕は思います。日本の神話を読みますと、神の行いが神を生むという話がたくさん出てきます。
要するに古来の日本では事象も概念も神であったのです。言い方を変えると、概念をイメージ化したものもまた神と言えるわけです。そういった意味でとらえた場合、「大祓戸大神」も心身の不調である氣枯れ(穢れ)を祓い活性化する概念と考えられるわけです。また「天照大神」も、完全な状態になる概念、「天御中主大神」も宇宙そのものということで無限のエネルギーという概念に置き換えられます。
この様に考えたとき天の鳥船の行では、第一の鳥船でマイナスの状態をゼロ状態に、第二の鳥船でゼロ状態をプラス状態に、第三の鳥船でプラス状態を無限大と自分の状態をイメージすることで最高の状態にしていると考えることができます。
このように神の名前も概念の名前と捉えれば、宗教に抵抗のある人も気にせずできるのではないかと思います。それよりも何よりも大切なのは、精神と肉体の両方を統一することです。
この統一するところこが合氣道の良いところであるのですから、ここを磨かないというのはもったいないと思います。
再度、これらの宗教の儀式を武道的意義でとらえ、大きなシステムの一つとしてやっていくと非常に得るものが多いのではないでしょうか。
◆ ◆ ◆
今回は立禅・天の鳥船の行・振魂の行のまとめ的な意味で私の考えを思いつくままに書きました。
前回これらの行で作った統一体の成果がどのようなものかという実演をした記事を書きましたところ、打たれても平気な体の作り方はどうするのかというメールでの問い合わせがありました。
実は 当会では、立禅・天の鳥船の行・振魂の行の効果をより出しやすく、感じやすくするため、これらの行法だけでなく、高藤聡一郎師伝の気功(仙道の練氣功)の一部を採用し、合氣道に応用しやすくするため若干の変更を加えて、合氣道に特化した鍛錬を行っています。次回からは、その練氣功について紹介したいと思います。
次回は、打たれ強いお腹を作る短式呼吸法について書きたいと思います。
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こんばんは。
統一体が大事だと日々考えるようになりました。
ちょっと植芝先生の動画を参考に舟漕ぎ運動と上下振動のようなことを初めてやってみましたが、ちょっと身体が柔らかくつながったような気がしました。
mimoさん
コメントありがとうございます。
天の鳥船の行と壁や立ち木への当て身の稽古をやっているとあるとき芯が入ったような感覚になります。
例えていうなら、相手は自分を太い鉄のポールに数センチの厚さのスポンジを巻いているような柔らかいけれど強靭な強さを感じるようになります。頑張ってください。
初めまして、
統一体とは藤平光一の心身統一と同じものでしょうか?
藤平光一も同じ様に天の鳥船や振魂をしています。
ただ心と身体を一体化する練習でも、宗教が無い代わりに合気がはいっています。
カシンさん
コメントありがとうございます。
藤平先生は合氣道開祖・植芝盛平翁先生の弟子ですし、唯一正式に十段を授かっていますので、当然心身統一合氣道と同等のモノと言えると思います。ただ、統一体というのは状態を表す言葉ですから宗教が入っているとかいないとかは関係ありません。様々なスポーツや武道の一流の人はやはり統一体になっていることが多いです。合気ということですがそれに関しては、人によって定義が異なるので、私はわかりませんが、藤平先生のところでは氣を中心に指導されておられると聞いています。
それから私は宗教を勧めている意図はありません。心理学的な効果として、イメージを使うことの大切さを述べたつもりですのでもし誤解をされているようでしたら、ここで訂正させていただきます。
返信ありがとうございます。
立木への当て身もやってるんですか。
すごいですね。
合気道家では珍しいでしょう。
まだ芯ができる感覚はありませんが、
今までは手先に触れたところへ丹田の力が到達するのに
タイムラグがありましたが、舟漕ぎ運動を数日やってたら
そのタイムラグがなくなって即伝わるような感覚になりました。