こんにちは、皆さん! お元気ですか? 私はとても元気です。
では、今回もブログを書いていきます。
前回は「気を外す」ということを書きました。「気を外す」というのは自己の情報を相手にもれなくするということで「情報遮断」とうことだともふれました。
今回は、実際に「気を外す」ためにどんなことを行えばいいのかということを述べていきます。
まず、第一のポイントをお話しします。それは、「人は反応するのに時間がかかる」ということです。
運動生理学から、目から入った情報から判断して動き出すのに0.5秒~0.7秒かかるといわれています。
ですから、相手がどう動くか分からない状況で、相手に動かれると、最低でも0.5秒は遅れるということで、これがぶっちゃけ相手が合気道の技が簡単にかかれる秘密です。
合気道は形稽古なので、決まった形をおこないますから、自分の動きが相手に読まれると、その時点で合気道の技は一切効きません。そうなると、他の人よりも力の強い方が勝つという図式の成立です。それでは合気道の稽古としての意味がなさないでしょうか。
一方、うまく「情報を遮断」ができると、相手の反応が遅れるので簡単に技を掛けることができます。
そして第二のポイントは、相手の接点を「相手に与える」という気持ちを持つことです。手首を持たれたら接点は手首となります。
そういった気持ちを持つと、「相手の気とぶつかり合わない」状態がになります。しかし、それは単に力を抜いてダラーンとすることではありません。大切なポイントは、相手からの情報を受け取る感覚だけを残して、すべて相手にゆだねるようにすることです。合気道ではこれを「合わせ」といったり、「脱力」といったりすることがあります。
これは飽くまでも、技を掛けるための準備段階での「脱力」であり、技を決めるために筋肉をまるきり使わないということではありませんので注意してください。
さらに、次の段階としては、気は意識をしたところに集まるという特性があるので、自由に動けるところに意識を持っていきます。すると、そこに気が集まり、それによって動きが生まれ始めるのです。
動きが生まれると、運動エネルギーが生じるので、その運動エネルギーが相手に伝達し、相手の態勢に何らかの影響をあたえ、内部にアンバランスを生じます。
ところが、こちらのその動きは、意図が無いので、相手には決して分かりません。だから、相手が気が付いたが時点ではもう動きが起こっていて、すでに手遅れな状態になっています。
もうその時点からの対策は不可能で、体が持っていかれ技にかかってしまうというわけです。
このように、合気道では力を使わないという言い方をしていますが、全くつかわないのではなく、実は適切に筋力と運動エネルギーを使い分けているだけです。
ところが、理屈上は可能とわかっても、実際にやってみると、大多数の人にとっては、持たれた状態から、気をぶつけないというのはかなり難しいようです。このように手首とりの技はかなり熟練度を必要とします。
その感覚を得るために、当会では、手首とりは、かなり熟練してから稽古をし、最初に稽古をするのが、継続的に気のぶつかりが出来にくい正面打ち、横面打ち、正面突きに対する技術です。
これらの技術で、瞬間的に「気に当たる」「気に当てる」という感覚を身に付け、どうすればぶつかり合わないかの理解を助けます。
今日の内容は秘伝にふれることが多く曖昧な表現をした上、「運動エネルギー」という言葉までだして、理科嫌いの人にはかなり消化不足を招く内容になったかもしれません。しかし「情報遮断」を如何にするかといういことが大切だということを肝に銘じておくことです。