「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

「横面打ちは中心を奪え!」

合気道では、横面打ちに対して、「大きく横に回り込め」と指導されます。確かに演武を見ていて、きれいに感じます。

ある合気道師範は、この点について「コマのような小さなものが回っていてもそれで大きなけがはしないが、公演の遊具のような大きなモノが回ると威力が強烈で、大けがをする人もいる。だから、大きく回った方が威力が大きい」と説明していました。

このとき、私は、「なるほど」と感心したものでした。ところが、大きな動作をするとどうしてもタイミングが遅れてしまいます。これを自分の運動神経の問題だと思っていました。

しかし、井口師範に師事したのち、井口師範が「大きな動作にはエネルギーがたくさんいるんや。だから、できるだけ小さく相手をまわさないとあかん。そうすれば、相手は簡単に崩れるんや」と言われました。

ということで、今回は、井口師範から教わった横面打ちのさばき方をYoutubeでご紹介します。

△○□

Sengai

昨日フェースブックに投稿した内容です。フェースブックに登録されていない方のためにこちらでもアップしておきます。

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合気道では、丸(円)、三角、四角という言葉がよく出てきます。
一般的によく「△で入って、○くさばいて、□に収める」と説明されます。

しかし、合気道関連の書物を読んで、三角で入るというのが私には、どこが三角になっているのかまったく理解できませんでした。

そこで井口師範に、お伺いしていみると、
「合気道は形にこだわっていたらあかん。合気道の技は一期一会やから、形にこだわったら自然な技が出てこんのや」と、おっしゃいました。
「△○□は一体ものでなければあかんのや」とも、おっしゃいました。

井口師範によると、△というのは集中を表し、○というのは無限の流れを表し、□というのは安定を表すといわれ、「心の状態でもあり、体の状態でもある」と、いわれました。

ここで、△○□の心の状態を考えてみます。私たちの心の中で△○□といえばどういう発想が浮かぶかを考えてみたいと思います。

△といわれると形全体を意識するのが普通人ですが、ところが、その普通の人に、例えば矢印を描けといいますと、棒の先に三角を描く人が多いです。このように、一点に集中する動きを表す場合、人間は普通三角を用います。

また、安定した建物を描きなさいと言われれば、普通は四角いビルを描きます。さらに、円柱、四角柱、三角柱を見た場合、一番安定しているように見えるものはと言えば、大抵四角柱を選ぶでしょう。

さらに、四角く曲がった階段とらせん状に曲がった階段を見たとき、四角く曲がった階段より、らせん状に曲がった階段を見ると無限に上がっていくように多くの人は感じるはずです。
この様に考えると、△○□というのは誰のこころにもあるものなのです。

それを井口師範は、△は集中、○は満遍なくよどみのない広がった状態(澄み切りの状態)、□は安定といわれました。
「合気道でも、安定(四角)、澄み切り(丸)、集中(三角)の心が求められ、技も同じだ」と井口師範は言われたのです。三角に入って、丸く捌いて、四角く収めるとは違ったことを言われました。

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折れない腕

合気道で不思議な技術としてよく出されるのが「折れない腕」
これは、術者が何気なく差し出した片腕に、心で「腕に気が流れている」と思うと、どんな力持ちが両手を使って全力で曲げようとしても、折ることができないというものです。
しかし、「気が流れている」と思ってもなかなかできない人が多いです。

実は合気道の技というのは、相手と自分の関係性が非常に大事です。ですから、「気が流れている」と思わなくても、曲がらない腕はできます。要は、自分が「気が出ている」とか「気が流れている」とか思えば、体が強くなるというものではなく、また、相手がついてくるというものではありません。「気が出ている」と思わなくても、自分の動作が相手に影響を及ぼせば、相手をコントロールできるます。

ただ、イメージは、体の動きを助けます。ですから「気が流れている」と思えば、才能がある体全体を使って行う人の場合に限り、腕が極端に強くなります。何故なら、そう思だけで、腕だけでなく体が動き、その結果、実は相手がわからないように崩しているからです。

一方、「相手を崩そう」という意思を持つと、その意図はすぐに相手につたわり、反発され、結果として相手を崩せなくなります。そういう意図をなくし、相手に読まれないようにすると、相手は知らぬ間にわずかに崩され、知らぬ間に自分のパフォーマンスを奪われていることに気付かないのです。

そういう意味で、「気が流れている」と思うと非常に都合がいいのですが、原理がわかれば、実際は、「気がながれている」と思う必要もないのです。

折れない腕も同様で、「気が流れ」なくとも、相手に力をいれさせない原理があるから折れないのです。そのために、体の全身を使い、相手が自覚しない程度に崩す必要があります。

参考動画:合気道小技集第4 折れない腕は体全体を使え! 

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合気道のもう一つのポイント 感覚と意識

先日アップした「合気道小技集1 膝を使う」に関する質問のメールが届きました。動画アップして2週間、やっぱりそういう人が現れたかと思いました。

質問の内容をようやくすると
「合気道の小技集1の膝を使う動作を行ったところ、当初は面白いように技が効いたのですが、最近あまり効かなくなりました。原因は何だと考えられますか」
ということでした。

そこで、答えとして、
「術理は飽くまで術理ですので、同じ動作をしていると、相手に動きが悟られ対策されるようになります。ですから、1つと思わず様々な技法を習得してください」
と返事をしておきました。

実は、この返事は、正しいようで正しくないのです。合気道の技は、物理的な原理だけでなく、生理学上の原理や、心理学的な原理も合わさってできています。
ですから、骨の技術のように物理的原理だけにたよると、慣れた人間には効かなくなります。

それは、動きが読まれるからです。今回の映像は、同じような動きをしても、相手の悟られないもっと上の技術を使えば技がかかるというものです。ただ、これらの技術は映像ではとても伝えきれないもので、実際に、触れていただかないと感覚を伝えきれないものですので、分かりにくいかもしれませんが、現状どうすることもできませんので、ご了承ください。

今回の映像は、お互いに相手の動きを読みながら、それに逆い技にかからない努力を生徒にしてもらい、それでもかけられるようになる稽古をしました。
「私自身は、一応逆らわずに技にかかってあげていますが、通常は動きがわからなければそうなるが、でも問題点はあるよ」という意図で指導しております。
では、どうぞご覧ください。

合気道小技集 第三弾 二教

皆さん、お元気ですか。

さて、合気道小技集 第三弾 「二教」をYoutubeにアップしました。
二教は、簡単なようで、初心者にはなかなか効かせ難い技です。

しかも、返し技をかけられると、高段者の人でもかなり難しいです。
ですから、二教をもう一度よく知っておく必要があります。初心者の方はよく理解しておいてください。

合気道小技集 第2弾:胸を使う(本気の胸取り対策)

さて、Youtubeに合気道小技集2をアップしましたので、ご紹介いたします。

本気で胸取りをされたときに、有段者でも、多くの方はかなり苦労します。
でもこの技術を使うと簡単です。原理を知られていると、少し力がいりますがそれでも画期的です。
当会、骨の技術の秘伝の第2段です。「歯車のように胸を使う」技術です。

なお、飽くまでも原理の稽古ですので、合気道の場合、ここに当身などが入りますから、実戦で使える・使えないの議論についてのメッセージやコメントは無視しますのであらかじめご了承ください。

ロング版

ショート版

合気道小技集 第一弾:膝を使う

とうとう2月に入ってしまいました。

さて、先月はあまりブログを更新できませんでした。たくさんの方が楽しみにされているとメッセージが届き、動画の方をアップしてほしいという要望がありましたので、今後、できるだけ時間をさがして動画をアップしていこうと思います。

超初心者の方もわりと参考にされているようですので、時々になると思いますが、合気道でつかえる小技集的な動画をアップしていきたいと考えています。当会の基本的な技術の骨の技術(骨格を構造的に有利に利用する技術)から、小技集を一つ一つ紹介していければと考えています。

そこで、その一段として、骨の技術による力を使わないで相手を崩す方法として、「合気道小技集 その一:膝を使う」という動画を作ってみました。やり方だけを示したショート版と、指導風景をまとめたのロング版2つアップしましたので、レベルに合わせて好きな方を見てください。

(ロングバージョン)約10分

(ショートバージョン)約2分

超一流の答え

私は、とても運がいい。それは、本当の達人・井口雅博師範に仕えることができたからです。

でも、これは、本当につい最近まで、分からなかったことです。さらに、「超一流には、超一流の答えがある」ということも、つい最近になって気づいたことです。それは「超一流にしか、答えがない」とも言えます。

お恥ずかしい話ですが、私はつい最近まで、井口師範の偉大さがわからず、井口師範に教えられたことは、どこの道場でもやっていることだと思っていました。ところが、SNSで知り合った合気道修行者の方々にお話しすると、かなり特殊であるということがわかりました。

さらに、ある時、中国拳法の本当の達人の方に、技を学ぶ機会を得ることができました。その際、その方が教える技術が非常に、井口師範の秘伝に近いものなので非常におどろき、井口師範の秘伝についてお話ししましたところ、井口師範の秘伝は本物であり、国内の中国拳法修行者の多くが教えられれいないほど、高度な秘伝だったということがわかりました。

ちなみに、これは非常に特別なケースで、ある特別なルートで、その達人の方のマンツーマンで技の指導を受ける機会を頂いたのですが、中国拳法社会の常識であれば、百万円積んでも、マンツーマンでの指導を受けられないほどの方です。ですから、その方を紹介してほしいといわれましても、一切ノーコメントとさせていただきます。ただ、東京にお住まいの日本人ということだけ述べておきます。

話は元に戻りますが、井口師範の秘伝は、国内の一般の中国拳法修業者の方でさえのどから手が出るほど知りたい技術であるとのことで、井口師範は紛れもなく達人であったということがわかるとその達人の方から言われました。

前置きはこれぐらいにして本題に入りたいと思いますが、実は、合気道の有段者の人の護身術の指導していて、十年以上も合気道をやっているのに「基本的な技が効かない」のはどうしてかと思います。といいましても、さすがに黒帯ですので、完全に決まるとやはり効きます。じゃあ、効くじゃないかと思われますが、完全に決まるまでは、非常に隙だらけなのです。

これでは致命的な問題があります。護身に使用する場合、相手はじっと決まるまで待ってはくれませんので、勘のいい相手だと逃げられてしまいます。

そのため、それに気付いている多くの修行者の中には、かなり焦って素早く技を掛けようとする人もいます。しかし、勢いあまって、相手の関節を痛めるというケースが合気道ではかなり多いと聞きいております。しかも、黒帯の人が白帯の人の肩を外したりするというのをよく聞きます。

黒帯の意地があるのでしょうが、武術のド素人の肩を外しても、他の格闘技を半年している人には全く効きません。これは、私自身ジークンドーという総合格闘技をやっていたからこそ感じる点です。何故ならジークンドーでは、様々なサブミッション(関節技)を習います。週一回の稽古で半年ほど稽古すれば、上記のように勢いだけでやっている合気道の技では、多分一切受け付けないでしょう。

という私も、井口師範に学ぶ前に入会していた道場のことを思い出すと、全く同様で、ダメダメでした。例えば二教ですが、私は、「手首を曲げて、ただ捩じればいい」と考えていました。さらに、技を効かすには、「自分の手が相手を乗り越えるようにして相手の丹田に向かって押す」と考えていました。

これは、勝手に私が思ったのではなく、そう指導されたからそう思っていたのです。ところが井口師範に指導を受けますと、ポイントは2点を意識するだけでした。ヒントは、テコの原理で、支点・力点・作用点を考えるだけの問題です。聞いて初めて納得できることですが、超一流の教える技術は、実に理に適っています。

このように超一流に学ぶと、すべてに答えがあるのです。ただ、井口師範は、野球選手でいえば長嶋茂雄氏のようなタイプです。松井秀喜さんのような天才だと、長嶋茂雄氏の発言がわかるようですが、才能のない私が理解するにはかなり時間を要しました。

井口師範は、「そんなもの単に枝葉にしかすぎない」と言っておられましたが、それでも、他の師範が、そんな点に目もつけないで、本に書いてあるようなごく普通のやり方を説明しますので、井口師範がいわれる枝葉と言われる技でさえ、井口師範のような超一流の人は、そこまで考えるのかと、感動したものでした。

中国のことわざに「3年かけても良師をさがせ」とありますが、本当に大切だと思います。やはり、学ぶのは超一流に学ぶべきだと思いました。

ところで、私は、将来を見越して、年金が本当にもらえるかどうかわからない昨今、会社を辞めた時点で生活に困らないよう、インターネットビジネスを学ぼうと考えています。そのため、井口師範のような超一流の先生を探すところから始めようと思っています。

知っている者と知らざる者

本ブログも今年最後になってしまいました。このブログを読まれている方は、もう年末年始のお休みに入られた方が多いと思いますが、私は、年末年始の休みのない仕事をしていますので、普通通りすごしています。

それはさておき、知っている人と知らざる人では、物事の見え方が違うというお話しをさせていただきます。
ちなみに、知っているというのは、本質が見ているということです。
私は来年から、合気道の完成を目指しつつ、様々な分野のことをやっていきたいと思っています。ですから、来年の自分に対して、誤った判断をしないよう反省を促す意味でも書いておこうと思ったのです。

私たち人間は、物事を見るとき、大方は先入観というサングラスをして見てしまいます。そして、その先入観がときとして、大きな壁となって新しいことの習得を妨げます。要するに、先入観があると本質が見えないのです。ですから、本質が見えている人の見える世界と見えていない人の見える世界は全くちがうからです。

何事においても、熟知している人は、非常に簡単にその分野のことをやってのけます。さすが熟練技といいたくなりますが、実は、その熟練技にもノウハウがあり、その人にとっては簡単なのです。そして、そのノウハウこそ本質であり、それにいち早く気付いた人は、常識を超えたようなことをやってのけます。

そういう人から、本質であるノウハウを受け取ると、やはり常識を超えて短期間で飛躍的に進歩します。ただ、努力である程度の技術に上り詰めた人は、ある程度のノウハウは持っていますが、常識を超えるノウハウはもっていません。まだ、本質に気付いていないからです。

さらに、超一流の人に、自分のノウハウをより客観的に見つめ法則化している人が世の中にいます。そして、人に教えて、常識では考えられないほど飛躍的に進歩させています。

合気道の達人の井口師範は、確かに言葉では巧く伝える術は持っておられませんでしたが、本質が見えていた一人です。私というあまり運動神経のよくない不詳の弟子に対して、非常に熱心に丁寧に井口師範の持っているスキルを説明しようとしてくださいました。私はそれを中々受け取ることができず、師匠を悩ませ続けたとおもいますが、そのお陰をもちまして、日本中から私を訪ねてこられる人たちに満足していただけるだけの秘伝を授けていただくことができました。と、いいましても師匠の足元にも及びませんが……

何度もいいますが、私は、運動神経が格別いい方ではありません。しかし、私は、超一流の井口師範の秘伝を授けていただいたことで、運動神経の万能と思える人が10年、20年しても到達できないところいます。それどころか、半世紀以上も合気道をやっている人の技を見抜き、対処することができます。

何故なら、井口師範から教わった秘伝は、その方々の行う技よりも、まだ上だからです。
その証拠に、現在当会で個人指導を受けている合気道の高段者の方が、1年半ほどで、半世紀もやっている合気道の師範の技をすべて受け止められるようになっています。

「何だ。受け止めるだけか……」と、思われる人もおられるでしょうが、受け止めるというのは、師範がその人に対して、「どう倒そうか?」と、事前に対策を講じ考えてきた突然出される技に対処できるということです。そういう意味で受け止めるようになっているといったらどうでしょうか。

合気道をされている方はご存知の通り、合気道の師範の方が、初めての人に合気道を説明する際、
「ちょっと手首をつかんでみてください」とか、
「お腹を狙ってパンチを打ってきてください」
というように、注文をつけます。

当然、合気道が初めての人は合気道の技が分からないから、すぐに反応ができません。一方、相手の攻撃に注文をつけている師範の方は、それに対して万全の準備ができていますので、簡単に技を掛けることができます。その結果、「合気道、すげー」となるのですが、これが合気道の指導者の罠です。それでしたら、正直、合気道を半年やった人でもできます。

この方の師範も、突然、この方に声をかけて、自分の技を試すようなことをします。そんな場合、通常は、師範の方が勝つことがすでに決まっているのですが、それを受け止めることができるわけです。そして、師範は
「おー、呼吸力が強なったな」
と、いうそうです。まあ、多くいる弟子の中で一人ぐらいそんなのがいてもいいかということでしょう。しかし、師範は心の中ではきっと、『何故、こいつだけ、私の技がきかないのだ?」と思っているに違いないのです。

効かない理由は、もうお分かりと思いますが、この師範には、根本的な原理(本質)が見えていないのです。一方、師範の受けをしている当会で秘伝を学んだ合気道高段者の人には本質が見えているから、不利な状況でも対処ができるのです。

この方は、私に、
「先生について1年半以上で飛躍的に進歩しました。私の十何年はなんだったんだろう」
とおっしゃいました。でも、実は本質を知っているか知らないかだけなのです。ですから、もっと上の本質を知っている人には私はかなわないのです。

不詳な弟子の私に、一生懸命教えていただいた井口師範に感謝するとともに、わたしのような不肖な弟子をもったゆえに、すべてを教える前に、他界せざるを得なかった井口師範の無念さ、如何程のことだったでしょう。本当に申し訳なく思っています。

ですから、来年からは、さらなる本質をさがすため、頑張っていこうと思っています。ブログを読んでいただいた皆様、本年はどうもありがとうございました。皆様も目先のテクニックではなく、本質を求めて修業されることをお祈り申し上げます。いいお年をお迎えください。

骨の技術2(肩甲骨)

一般の合気道の道場ではあまりいわれない(と聞いています)ですが、井口師範は、「合気道の技を行うのに肩(肩甲骨)の位置が非常に大切」とおっしゃいました。

堂々と胸を張って構えていると、雄々しく強そうに見え、見ていてすがすがしく感じられます。ですから、そのように構えておられる合気道師範の方もYoutubeなど見ていますとときどきいらっしゃいます。

ところが、井口師範は、「肩を後ろにずらすのはよくない。背中が丸くなるのが良い」とおっしゃられました。前回でも述べましたが、首は曲げずまっすぐ伸び、背筋もまっすぐとして、肩甲骨を前にずらして丸めよということです。

肩甲骨の位置がどれだけ重要かというのは次の実験をしてみるとわかります。

①受けの両手を後ろからつかみます。
②領とをつかまれたまま、受けは、胸を張ったきれいな姿勢を取ります。
③取りは受けの両手を、斜め下後方に引っ張ります。
④受け逆らおうとしても、簡単に後ろに倒すことができます。

⑤次に、①と同じく受けの両手をつかみます。
⑥受けは、胸を凹ませるように肩甲骨の位置を前に滑らせます。
⑦取りは受けの両手を、③と同様に斜め下後方に引っ張ります。
⑧受けが逆らおうとすると、後方に倒すことができません。

このように肩甲骨の位置が後方にひかれていると、後方に対して非常に弱くなります。
実はこれは、隅落としの大事な原理にもなっているのです。

さらに、大切なのは相手を押すとき、肩甲骨から直接相手の接点まで棒がでているつもりで、その棒を肩甲骨で押すように力をいれるというのも非常に大切な意識の持ち方です。そうすることで、肩甲骨は後方にずれず、また、体の構造上、前面に力を伝えるのに非常に強くなるからです。

肩甲骨から押された場合、受けは非常に大きな力と感じ、
「恐ろしいちからですね」
と、受けにういわれることがよくあります。こちら(取りの方)は、殆ど力をいれた感覚はないので、その反応に驚きます。

一般の合気道では、
  力をいれない=力を感じずふわっと投げられた
と思っている人が多いから、そういう反応をするのです。呼吸力とタイミングの技との区別がつかないのですね。

さらに、井口師範の指導する合気道の場合、運動エネルギーがのってきますので、座り技呼吸法などの呼吸技では、『途方もない力で押された』という印象をもちます。まるで10トントラックと軽トラが押し合いするぐらいの極端な差を感じるものです。

これを腕力と考えると、合気道の上達は遠いものとなるのです。開祖・植芝盛平翁先生の技を受けた人達は、「まるで雲を相手にしているようだった」とか「鋼鉄(はがね)のようになって、跳ね返された』とか全く矛盾することを言っていますが、実は、開祖自身、そんなに力をいれているおつもりではなかったのです。

本ブログを読んでいる合気道をしている人で肩甲骨を意識した人はいないと思いますので、半信半疑だとは思いますし、実際自分で行っても、巧くいかないかもしれません。そこで、嘘ばかり書いていると思われるかもしれません。でも、できるにはできる理由があります。それがコツというものです。それがわからないとできない人にはできないのです。

やはり、できる人に教わらないと、勘所がわからないのです。私は若い時分からそんなに運動神経がいい方ではありませんでしたが、井口師範に教えを受けることで、私はできるようになりました。わかる人に教われば、運動神経など関係ないのです。もし興味があるようでしたら、当会にお越しください。