【合気道の科学 腹圧のつくり方】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です!

前回は、呼吸力を出す際に息はどうすべきか?という問題についてお話ししました。
そして、息は気にしないが、腹圧が大切といいましたね。井口合気道では、腹圧を使えるのも合気道の身体であるということでした。

それで、今回、井口合気道において腹圧を使える身体を作る方法をお話ししたいと思います。結論からいいますと、井口合気道では逆式呼吸をつかいます。

逆式呼吸というのは、息を吐くときに腹を膨らませ、息を吸うときに腹をへこませる呼吸法です。この呼吸法は中国武術など打撃系の武道でよく使われる呼吸法で、パンチ力を極度にあげるといわれています。

合気道では、腹圧で呼吸力を支えるというように使いますので、相手を破壊するのが目的ではないですが、腹圧を使うと大きな力が出せるという例として中国拳法をあげたわけです。

ではステップごとに逆式呼吸の稽古法をお話しします。

【ステップ1】
①ゆっくり息を吸いながらお腹をへこませます
②ゆっくり息を吐きながらお腹を膨らませます。

【ステップ2】
逆式呼吸ができるようになると、次に、丹田に意識を持って行く稽古をします。丹田とはお臍(へそ)から下へ3寸(漢方では、人差し指以下4指をそろえた幅分を3寸とします)の位置にあります。

そこで、丹田を意識して呼吸を行います。
①ゆっくり息を吸いながらお腹をへこませます
②ゆっくり息を吐きながらお腹を膨らませます。

尚、丹田に意識を向けるため、骨盤を後傾するとやりやすいでしょう。骨盤の後傾は(腰を反らず、尻を引き締め、尾てい骨を前に引き、若干性器を前に押し出すようにする)とやりやすいでしょう。(詳細は合気道の姿勢をご参照ください)

【ステップ3】
丹田中心に腹が膨らむようになたら、ほぼ逆式呼吸は完成です。次に強化法に移ります。

①逆式呼吸で息を吐きながら、お腹を拳骨の小指側で叩きます。
②慣れるにしがたい強くお腹を叩くようにします。

この稽古をすると腹筋で腹を鍛えるよりも、打撃に対してかなり強くなります。なれると、鳩尾(みぞおち)を叩く稽古もしてください。かなりの衝撃に耐えられるようになります。

以上が井口流合気道の逆式呼吸での鍛錬方法です。

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