皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
さて、合気道ではよく力を抜けと言われます。力を抜くと気が出るからと言われますが、不思議な気というエネルギーを考えなくても、これは生理学的、心理学的理由があります。
今回か、何度かに分けて生理学的・心理学的に考えた力を抜くということについて話したいと思います。
人は筋肉で動く!
何十年も昔でどの雑誌か忘れましたが、ある合気道の師範が書いた雑誌の記事で、「赤子が一番強い」という話が載っていました。
それは赤ちゃんが高いところから落ちても、大人が落ちた場合に比べて、非常にケガが少ないという前提から話をはじめていました。
その話は、経験からではなく、多分頭で考えて導き出した答えだと推測できました。
それは、赤ちゃんは高いところから落ちてもケガが少ないが、大人、特に老人は生死にかかわるケガをするという内容から で、本人が見た内容ではなかったからです。
その理由としてその師範が上げていることは、赤ちゃんは力が抜けているから、どんな大きな衝撃でも吸収するからということでした。
そういわれると、成る程と思われる人が多いようです。
ところが、当時、僕の知り合いに、おじさんが抱っこしようと、お母さんからその子を受け取ろうとして、地面に落としてしまって、その晩に高熱を発し、脳性まひになった人がいましたので、その話に対して同意できませんでした。
その方の言いたかったことは、力を抜くと強くなるということを主張したかったのでしょうし、雑誌に記事が載るということはかなりの実力者でもあったのだと思いますが、例えば、極端すぎて、全く納得できない内容だと感じました。
当時、師匠にその話をすると、大笑いして、「赤ちゃんが一番強いのなら、バンバン人を投げ飛ばすはずやなぁ。合気道のこと何もわかっとらん」とおっしゃいました。
力を抜くのはぶつかりを避けるため
合気道指導者で極端な人は「合気道は筋肉を使わずに気を使う」と指導します。ちなみに、中国拳法では「筋肉や骨に気を通す」と教えています。
この考えの違いは非常に大きく、井口師範のお考えも後者でしたので、合気道の指導者が全て前者といっているわけではありませんので誤解しないでほしいと思います。
僕の主張は、人が動くには、気を使おうが使わまいが、筋肉が動く必要があるという点をまず述べたかったのです。
その理由として、事故などで半身麻痺を起こしている人が、いくら手に気を流しても、手は動かないという事実があるからです。
中国拳法の方では、エネルギーの使う純度を神、気、精と分けていて、神が通らなければ気が流れないという思想がり、神経というのは神を伝える道なので、半身麻痺で体が動かない理由が説明できますが、「筋肉を使わず気を使う」という思想にはそれができません。
人が手を上げ下げするにも必ず筋肉の運動が関わってきているのです。
ですから、手を挙げるのに100キログラムの力は必要ありませんが、動くには筋肉の伸縮が関わっているので、ここを間違うと、何故力を抜くのかというのが分からなくなります。
次回は、力を抜く理由を生理学的、心理学的に説明していきたいと思います。
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