【手首をつかまれるのが何故合気道では重要なのか?】その3

前回の続きです。井口師範は、実戦上意味を持たない手首をつかまれる稽古が何故合気道に必要と言われたのかをもう少し詳しく説明します。

井口師範からお教えいただいたその意義の中で最も大きな理由としてあげられるのが、合気道独特の力の出し方(呼吸力)を鍛えるためであるということです。

では何故、呼吸力の稽古が最もしやすいのかということですが、それは相手との接触時間が非常に長いことがあげられます。

そして、接触時間が長いことで、どんな特徴があるかというと
①相手の微妙な力の変化が分かため、相手の意図が読みやすい
②逆にこちらの力の変化が伝わりやすく意図が相手に読まれやすい

このように接触時間が長いと、相手の意図が読めるが、相手にこちらの意図が伝わりやすいという長所がそのまま欠点となる両刃の剣となります。

そこで学べることは、こちらの意図通り相手を導くことができるかという技術を磨くのに非常に都合がいいということです。

実は相手を導くには、こちらの意図が読まれてはいけないのです。ですから、相手にこちらの意図が伝わりやすい状況で、如何にこちらの意図が相手に読まれないかというスキルが非常に大切になります。要するにどう情報を遮断するかという問題です。

この情報遮断の技術は数種類ありますが、秘伝ですので、そのスキルはブログ上では説明いたしませんが、知ってしまえば「何だそんなことか」と思われることかもしれません。

でも、情報遮断ということをキーワードに一度研究されてはどうでしょうか?