前回は、井口師範からお教えいただいた呼吸力は、一般に広がっている呼吸力の考え方と全く異なると述べました。
では実際、井口師範のおっしゃる呼吸力とは一体どんな力か?
「適切な体の使い方により、その人が持っている能力を最大限に引き出し、最も効率よく力をつかうこと」と言えると思います。
合気道の達人と名高い方々も、井口師範と似た見解を持たれている方がいらっしゃいますが、実戦で有名なある師範は、統一体と呼びました。また別の世界的に著名な師範は集中力と呼びました。
このように、呼吸力を体でもって示す師範たちは、筋肉を使わないとは一言もいってはいないのです。
さらに、井口師範の呼吸力を受けた印象ですが、感触には概ね2つのパターンがあります。人により感じ方が異なります。
①フワッと弾き飛ばされたように感じる人
②恐ろしく強い力で弾き飛ばされたように感じる人
そして、井口師範から教わった呼吸力は、
取り(呼吸力を出す側の人)の感触は、
「脱力感があり、腕や肩に力が入った気がしない」
です。