【合気道の科学 呼吸力は肩(三角筋)を使うな】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です!

さて、今日は合気道でよく使われる呼吸力についてヒントを出したいと思います。

なお、呼吸力というのは開祖・植芝盛平翁先生が合気道独自の力の使い方を示した言葉です。

ただし、開祖の弟子によって捉え方がかなり違っているので、当会でいう呼吸力は井口師範から教わった呼吸力について話したいと思います。

当会でいう呼吸力はかなり物理的に影響力のある力です。僕は、呼吸力は、骨格の構造上最も強い状態にし、その動作に利用できる最大限の筋肉を総動員したときにでる身体を統一したときに出せる最大限の力と考えています。

そういう立場から考えると、人体の骨格の構造上どうすれば効率的に相手に力を伝えるかという考えが出てきます。

ところで、一般に呼吸力を出すには肩の力を抜けと教えます。これに関しては殆どの合気道家で共通しているようです。

 

この肩の力を抜くということですが、具体的に肩のどの筋肉の力を抜くかはあまり教えていただけないのではないでしょうか?

肩の力が入るというのは、具体的に三角筋という筋肉に力が入るといけないのです。下図の赤い部分が三角筋です。

三角筋というのは、見てお分かりいただけるように、腕の骨の一番端っこについているのです。そのため腕を挙上しようとすると、負荷が手の先に行くほど三角筋に負担がかかります。

これはテコの原理から誰でもわかるでしょう。下図を見てください。手首を持った場合と二の腕を持った場合を示していますが、どちらが相手に有利かわかりますね。

ですから、三角筋を使うには、手首を握られたとき、非常に不利だというのが分かります。

さらに、テコの原理だけでなく、三角筋を使うのは、相手をコントロールするにも向かないというのも、観察力の鋭い読者の方なら分かったと思います。

こんな端にある筋肉を使うと、筋肉が一ミリ縮まるだけでも、手の先端は数センチ移動します。ですから、三角筋の微妙な動きが手の先端では大きな動きになるので、三角筋では微調整ができません。

このように三角筋を使うような動きは、相手に非常に分かりやすい動きとなります。

また、正しい体の使い方、骨格構造の使い方を教わらないと、いくら、肩の力を抜けと言っても自然と入ってしまいます。

肩の使い方を教えないから肩に力がはいってしまうのです。だから、肩に力を入れない正しい方法をしれば、三角筋を使うやり方の10倍以上は当然変わってくるのがわかると思います。

次回は、呼吸力を伝える肩の使い方について述べたいと思います。

 

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