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健康護身術を指導している橋本実です。

【攻守同時の打撃】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は、攻守同時の打撃についてお話ししたいと思います。


受けと同時に打撃を行うことの重要性

井口師範は、合気道の技を行う際、特に打撃に対する受けを行う場合は、かならず受けと同時に打撃技である当て身を入れるように指導されました。

飽くまでも受けと打撃が同時になるように指導されたのです。

これは、合気道では技を行う際に必ず陰陽を理解している必要があり、一つの手に気をまわしているだけではいけないと「右手を使ったならば、左てが遊んでいるようではいかん」と言われました。

これは、中丹田を意識することと、さらには、上丹田を意識する意味があります。

合気道では、臍下丹田である下丹田、中丹田、上丹田の3つを使えるようにしないといけないということです。

下丹田は物理的な力を伝えるのに関係があり、中丹田は左右の手のバランスや骨格上の最も有効な使い方などが関係しており、上丹田は自分を取り巻く空間の認識に関係があります。

このように、受けと当て身、攻守同時の使い方を行うことで、3つの丹田を使うと同時に、空間を意識するという訓練をするようになっているわけです。

ですから、「世界平和を目指す合気道において、人を痛めつけるような技はふさわしくない」とばっさりと当て身を切り捨てることによって、大切な空間感覚を養う訓練も切り捨てることになってしまいます。

概念主義や精神主義に傾かず、本質が何かを探求するのが大切です。


空間を意識する

僕が学んだ井口師範の合気道では正面打ちに対する形では、正面打ちを受けるとともに相手の脇腹に当て身を寸止めで入れます。

これは、無意識で当て身を入れるものではありません。正面打ちを受ける意識と当て身を入れる意識が同時に存在することで、意識は広い空間を感じることができます。

ですから、右手と左手だけを意識するものであってはいけないのです。

例えば、右手で相手の手刀をうけたなら、そこに意識の中心をおいて、さらに意識を左手まで広げます。この意識が大切です。

このように空間を意識する稽古をすることで、空間感覚を養い、自分が空間を支配する側に入ることができます。

空間を支配できたなら、相手の動きが作る空間と自分の空間で陰陽を作って、円転の理によって相手と調和した動きを作るわけです。


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【肋骨打ちの拳と手刀打ち】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は当て身の基本の第二段として、特殊な拳の握り方と肋骨を打つときの拳の握り方と手刀打ちについて述べたいと思いまします。


肋骨打ちの拳

僕が学んだ合気道では、実戦で用いる当て身では、非常に弱い肋骨の下部を狙って打ちます。

そのため、拳は特殊な形をとり、打撃する場所も拳頭ではなく、人差し指または中指の第二関節部です。

ですから、人差し指と中指を深く握ると、第二関節部を相手の肋骨に当てるのが難しくなるため、浅く握ることになります。

ところが浅く握った場合、打撃の際、指が内に入り込んでしまいますので、相手への衝撃が小さくなるため、親指の第一関節より上の部分で人差し指や中指が内にめり込まないようにストッパー代わりにします。

握り方は2種類で、人差し指の第二関節で打つ場合は人差し指だけ浅く握り、それを親指の第一関節より上で支え、中指中心で突く場合は、人差し指と中指を浅く握り、親指の第一関節より上の部分で支えます。

実際使用する場合は人差し指と中指を浅くした方が、パンチが正確に入らなくても、どちらかが効くので効果的なので、僕が指導する際は、こちらの握り方を教えています。


手刀の基本

合気道の手刀(てがたな)は、指導する師範により様々なパターンがあるようです。

多くの場合は、空手の手刀(しゅとう)のやり方を教えているところが多いようです。多分、手刀打ちのやり方を空手から学んだ人が多いからでしょう。

ちなみに、空手の手刀は、人差し指から小指までの四指を揃え、親指は内に入れてしめます。

一方、僕が学んだ井口師範の手刀(てがたな)は、図のように掌を広げ、指の根本を縮めるような形で指一本一本に力が入るようにと指導されました。

打撃するところは、①~④まであって、顔面や頸動脈を打つ場合は①か④、コメカミや顎関節、眉間、眼球など点で打ちたい場合は②の骨が飛び出した部分、顔面を打つ場合は、③の掌底を使います。

ちなみに井口師範は、剛柔流空手の高段者でしたので、空手の手刀(しゅとう)もご存知だったのですが、合気道の呼吸力の入った手はこうでないといけないと言っていました。

また、井口師範はこの手刀(てがたな)の形は、座り技呼吸法(座り技呼吸力鍛錬法)で相手に手首を持たれたときも同じようにすると言われていました。


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【当て身の基本・拳の作り方】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今、己と宇宙の気と一体になるのが合気道であるということを述べていますが、それは合気道修行者の最終目標ではなく、稽古の中に技術として入れていく必要があります。

僕が師事した井口師範は、「宇宙の気と一体になるためには、まず当て身をしっかりできること」と指導されました。

そこで、今回からは当て身の基本について述べていきたいと思います。


間違った当て身の危険性

合気道では、「宇宙の気と一体になりなさい」と教えます。ところが、具体的にどうすれば宇宙の気と一体になることができるかは指導しないのが現代の合気道ではないでしょうか?

そのため、多くの指導者たちが概念的、精神的な方面でそのように指導することとなっているように感じます。

あまりにも概念主義、精神主義に傾くため、「当て身など攻撃的な技術は、世界の平和、宇宙の和合を目指す合気道にふさわしくない」として、合気道開祖が重要視した当て身さえ否定する人も現れています。

そういった指導者は、形の上では、正面突き、正面打ち、横面打ちなど弟子にさせても、具体的に効果的な打撃法を説明しないようですが、護身を考えたとき、最も頼りになるのが当て身です。

また冒頭でも書いたように、宇宙の気と一体になる稽古をするには当て身が最も基本になりますがこの理由は次回お話しします。

それぐらい当て身は重要ですが、正しく拳を作れなかったり、正しく手刀ができない人が当て身を行ったとき、相手に打撃をいれた瞬間、手や手首を痛めたり、指を痛めたりします。

そういった人にサンドバッグを打撃してもらうと、ペチっという音とともに、殆ど効かないパンチしか打てません。その上、手首や指を捻挫したりしてしまうケースもよくあります。

非常に打撃のしやすいサンドバッグですらそうですから、動く人体を打つとさらに危険です。


拳の使い方

この項では拳の使い方について述べていきます。

まず一番としては拳の握り方をしっかり覚える必要があります。その前に、まず間違ったパンチの例を見ていただきたいと思います。打撃系の武道や格闘技をしている人から見るとこの写真は一目で素人だということがわかります。

先ず、拳を作っている親指が伸び切っています。もし相手を殴った場合、親指から当たることになりますから、当然親指は良くて捻挫、悪ければ折れてしまいます。

さらに、パンチのどこに当てるかという意識がこの少年には希薄です。ですから、ただ手を前に伸ばして空手の真似をしているだけというのが分かります。

後は蛇足ですが、空手をしている人から見ると、引手が、内側に手首が折れているのもかなり問題です。

先ず、拳の握り方が基本になるのですが、それを説明する前に、拳のどこに当てるかという点を知っておく必要があります。打撃部分の基本は拳頭といわれる人差し指と中指の第三関節部分です。

握り方は、まずは、小指、薬指、中指、人差し指の四指から握ります。そして、人差し指、中指を包み込むように親指を握ります。

通常、空手の握り方では、小指から順に薬指、中指、人差し指と強く締めるように握り込んで行き、最後に親指で包み込んで固定して、拳全体をカチカチに固めますが、合気道の場合、握り込んだ時点でも力が抜けている必要があります。

空手のような武道では、拳を巻き藁など硬いものにたたきつけて強い拳をつくりますが、合気道は武器としての拳を作りません。

相手の顔面などの硬い部分に当たった時自分の拳を痛める恐れがあるから、衝撃を吸収できるように軽い遊びが拳にあるような握りになります。

こういうと空手に比べて合気道のパンチは中途半端と思うかもしれませんが、考え方の相違によるものです。

空手の場合は、実戦で相手の骨まで粉砕するほどの硬いパンチを打ちだすのが目的で、合気道の場合は、衝撃を相手の内部に伝えるようなパンチを出すのが目的だからです。

そのため、合気道では、当たる瞬間に握力がこもるような打ち方をします。

このようにすると、打撃の際の衝撃力は落ちるものの、打撃力の持続時間が長くなります。持続時間が長くなると、表面で恥空かれた後も相手への打撃力が維持されていて、最終的には相手の内部まで浸透するのです。

といっても空手では、衝撃力も持続時間も長い技術もありますので、飽くまでもやり方が違うという認識で考えてください。


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【空間利用の段階的な稽古法】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は、宇宙と一体になるという技法について説明しましたが、これは高段者行う技なのでかなり難しい内容だと思います。

そこで今回は初級者からどんな考えをもって、どんな段階的な稽古を行う必要があるかを話したいと思います。


先ずは形を覚え、構造上の弱点を探す

初心の内はとにかく技の形を覚え、体にパターン化する必要があります。

そして、形を覚えた後、ただ茫然と形を繰り返すのではなく、次は自分の身体構造上どうすれば強くできるかを研究します。

自分の身体構造上どうすれば強く使えるかが分かった後、次は相手の身体的構造上どこが弱く、どう動かせばよいかを考えて技を行います。

ただひたすら自分の体全体を使って相手を突き崩すだけでは、特に女性や体格の小さな人には限界があるので、骨格の構造を利用して倒すことを考える必要があるのです。

飽くまでも、自分がどうするという観点から離れて、相手の骨格をどう導くと崩れやすいかという動きを研究していきます。

その理由は、多くの初心者は相手との接点に気を取られ、接点を動かそうとすることで相手に動きが読まれるからです。

そうすることで自分がどう動けば相手がついてくるかが分かるようになります。

そこで一度は接点から意識を外し、相手をどう導くかを考える必要があるわけです。

そのためには、片手取りの稽古の意義、諸手取りの稽古の意義、両手取りの稽古の意義を再度振り返ってそれぞれの意義を徹底的に自分の技の仲に叩き込んで行く必要があります。

ちなみに、片手取りの稽古の意義は、接触点を如何に処理をするかという点ですが、この稽古だけでも、パターンとしては十数通りもありますので、合気道修行者は指導者に聞くとよいでしょう。


陰陽を見極める稽古

相手の構造上の欠点の利用が理解できたら、相手の身体の陰陽を利用して崩す稽古を行います。

人は非常に不安定な二足歩行をしているため、必ず陰陽の力のバランスが発生しています。

そこを利用して相手をくずすのがこの段階です。

例えば、下図は天地投げで相手の軸を中心に陰陽をとらえているところです。

このように、相手の身体構造上で、陰陽の中心軸がどこで、どのように陰陽の力を加えれば相手が勝手に崩れるかを稽古します。

相手の身体上での陰陽が分かるようになると、次は、相手の空間の陰陽を見極める稽古に入ります。

そのため、自分の空間、相手の空間、相手という順で、自分を取り巻く空間を意識し、そこが宇宙の中心という意識を持ちます。

さらに、自分がその空間を支配しているという意識が大切で、その空間をもって相手の攻撃と調和するように動くということを行います。

相手の空間と調和するためには、相手の空間と自分の空間で陰陽図ができるように、相手を巻き込むという形として、最終的には相手と自分という銀河系のような螺旋構造で相手との調和を図るわけです。

これが本来の円転の理というもので、自分一人が円を描くのではなく、相手と共に円を描く、要するに陰陽図を描くわけです。


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【宇宙と合気道の空間】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回は少し概念的なものになりますが、宇宙と合気道でつくりだす空間の考え方について少し話したいと思います。


宇宙は全てが互いに影響し合っている

合気道の形稽古をしているときの大切なことは、自分・空間・相手の3つの要素をコントロールすることです。

実は、空間というのは、自分の作り出す空間と相手の作り出す空間があります。

この2つの空間を上手く調和させるのが合気道です。

そのためには、まず自分中心に自分の空間をきっちりと把握する必要があります。

これは、仏教や陰陽道では結界を作るといいますが、合気道では、宇宙と一体になるという表現をします。

自分の作る空間を宇宙の中心として、宇宙自体と調和させる意識を持つということです。

宇宙では、あらゆるものが個別で存在していると同時に、あらゆるものが調和しています。

太陽系では、地球とは一つの惑星ですが、月と地球を考えると、月は地球の周りをまわっていると言われていますが、月から見ると地球が月の周りをまわっているわけです。

物理学的に考えると地球の方が質量が大きいため、ほぼ見かけ上は月は地球の周りをまわっていますが、厳密にはお互いが周りあっているのです。

更にその月と地球は、太陽の周りをまわっています。ただ地球や月は太陽に比べるとチリのようなものなので太陽を中心に回っているようになっていますが、当然地球の重力の影響も無視できるほど非常に微弱ながら太陽に影響を与えているのです。

このように個別のものが、実は互いに影響を与えあって宇宙というのが存在しているわけです。

こういった考えのもと、合気道の形を成立させていくのが合気道の稽古です。


相手の空間を無視してはいけない

宇宙に存在する個別のものが、お互いに影響を与えあっているというのが理解できたと思いますが、それを形稽古に如何に取り入れるかという問題を話したいと思います。

合気道ではまず大切なのが、自分の中心、そして、次に自分を取り巻く空間です。

そのため、自分を取り巻く空間を広く意識する必要があります。というのは、相手と自分の間にできる空間というのは一つのものですので、自分の空間が小さいと、相手の空間の影響が強大になるからです。

そのため、合気道では、自分の空間を宇宙の中心と考え、出来る限り自分の空間を広くとるように意識するわけです。

そして、次に相手が空間を作りながら、自分の空間に割り込んでくるというのを感じます。

このとき、技の掛け手に必要なのが合わせるということです。これはイメージ的には中国の陰陽思想の太極図を考えると分かりやすいと思います。

そうすることで、相手・相手の空間・自分の空間・自分が溶け合い一つの空間を形成する宇宙となります。

当然、このとき宇宙を支配しているのが技の掛け手である取りです。

ですから、受けは攻撃に意識を集中して、取りに対しちゃんと攻撃をする必要があります。

間違ったやり方は、受けが勝手に倒れてやることです。要するに、相手の空間に割り込んで行かず、初めから相手の空間の外にいるようでは、本来の合気道の技の稽古にはならないのです。

但し、この稽古は高段者が行うべき稽古で、技を十分習得していない人向けではありませんが、初心者は上級者に対してできることは、出来るだけ真剣に攻撃をすることが大切です。そうしないと上級者は上達ができないからです。

真剣に攻撃するといっても、 例えば打撃技では寸止めといって当たる前で止めるとかできますので、 初心者の方は誤解のないようにお願いします。相手にけがをさせないのが合気道精神です。


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【空間の認識が大切】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道に関わらず、護身術を行う際に最も大切なのが空間を意識することです。今回は空間についてお話ししたいと思います。


相手より先に、先ずは空間を感じること

合気道は形稽古を行います。形稽古では二人一組になって、技の稽古を行うのが普通です。

技の掛け手である取りと技の受け手である受けという役割を互いに交代しながら行います。形のパターンとしては、受けが初めに攻撃技を仕掛け、取りがその攻撃に対処して技を施します。

形を行う上でどうしても忘れがちなのが、時空という概念です。要するに、時間と空間です。

ついつい自分と相手という二元で考えてしまうと、大切なものが見えなくなります。

すると目先のことしか考えられなくなり、ついには、攻撃される場所だけと、視界がどんどんと狭くなります。

その結果、例えば手首取りなら、 前回お話ししたように、 「相手に持たれたら?」という結果から出発する発想となってしまいます。

すると、もはや武道ではなくなった前提で稽古することになってしまうわけです。

形稽古は相手と向かい合った時点で、もうすでに始まっています。考える必要があるのは、相手との距離がどうなっているかという相手との空間を意識する必要があります。


先ずは空間を支配するのが合気道

 合気道は宇宙と一体になるといいますが、宇宙を遠いものと捉えると非常に難解なことのように感じますが、僕たちは常に宇宙の中にいて、僕たちは宇宙の空間の一部を常に占有しているわけです。

だから、相手と自分という二元で物事をとらえず、宇宙の中の自分と相手という捉え方が大切です。

そのために、まず自分があり、自分の周りに宇宙空間があり、そしてその空間の中に相手がいるという捉ます。

そして、その空間の支配者は技の掛け手である取りでなければならないのです。

そういった認識のもと、形稽古では初めて後の先や先々の先などの特殊な先手の取り方ができるようになります。

合気道では空間を支配することを、先を取ると言わず勝速日といいますが、それは先の究極の形で、相手の変化に応じて、空間を支配し、空間と共に己が動きます。


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【片手取りは相手に掴ませる】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道では片手取りという相手に片方の手首をつかみにきた場合に対する技を稽古します。

そして、片手取りが合気道の基本の根幹を示す技だと説明されます。今回は片手取りの際の心構えについて話したいと思います。


片手取りは本当に実戦的?

2チャンねんるや5チャンネルで時々、「実戦でただ単に手首を持ちにくる奴はいない」という人たちがいます。

その人たちの意見は、「例え手首を持ったとしても、それは次の動作につなげるためのものだ。女・子供をに無理やり拘束するために手首をつかむ際でも、やはり次の動作として引っ張る行為が入る」ということです。

非常に真っ当な意見だと思います。この意見に合気道修行者が問題にすべき点が入っています。

片手取りの際、技の掛け手はどうしても受け身になる傾向があると思います。

ところが、武道として考えたとき、大切なのは先手を取るということです。

武道では先手には、先の先、後の先、先々の先と3種類あります。後の先や先々の先は見た目タイミング的に受け身に見えます。

しかし、飽くまでもそう見えるだけで、相手を捕えているという点では、先手をとっているのです。

そこが、武道としての合気道の大切なポイントとなります。


片手取りは合気道の根源

片手取りであっても「先」を考える必要があるということが理解されたと思います。

井口師範は、「相手に掴まれたら、終わっている」と言われました。

要するに、相手に掴まれるというのは、相手が武器を持っていたら相手に刺されるということです。

相手に刀で腹を刺されてから技が始まるという人がいたら頭がおかしいと誰でもが思いますが、片手取りになった場合、まったく不思議に思いません。

これは私たちが安全な日本に住んでいるため、掴まれてからでも何とかなると思う思いがあるからです。

相手にちょっとでも隙を見せたらやられるという状況で相手に掴まれるようなことは非常に危険です。

そういった考えで片手取りを行う必要があります。そうすると井口師範のおっしゃる「相手に掴ませる」という表現の意味がわかるのではないでしょうか。


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【合気道で愛を説くのは?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、武道をしていると、出来る限り感情を押さえ、冷静な判断をすることを要求されます。

とくに武道では明鏡止水の境地といって、感情が静まって、非常に集中した状態を目指すわけです。

ところが合気道では、まず最初に愛をもてと説明され、感情を否定しません。今回は、感情について述べたいと思います。


そもそも何のために武道をするか

武道をしている人はそれぞれ目的に違いはあると思いますが、少なくとも自分のやっている武道が最も好きであることは間違いがありません。

この好きということも感情の一つです。

そこから導き出せるのは、自分が大好きなその武道でこうありたいという姿があり、それを目指してやっているということが言えます。

こう考えていると、武道を続けること自体、ある種の感情があるから続けられるわけです。

しかし、一般的には明鏡止水の境地を得るため、無欲で一切の感情を捨て去らないといけないと教えられることが多いと思います。

明鏡止水の境地はスポーツで言えば、ゾーンに入るということですが、ゾーンに入った多くの人からは、深い集中、最高のパフォーマンス、そして至福感が報告されています。

というと、特別な状態に入ると特別な幸福感という感情が得られるということを示しています。

合気道では、ですから、この特別な状態に入るためには、感情を殺さず、ポジティブな感情を持つ必要があると説くわけです。

それで、合気道開祖は「合気道は愛」といったのです。


ポジティブな感情を持つと?

NLPの研究では、ポジティブな感情を持つと人間のパフォーマンスが非常にあがる言っています。

そのため、時として、クライアントに感情の結果をしめすため、様々な試みをさせます。

例えば、クライアントにオーリングというものを行うことがあります。オーリングというのは親指と人差し指を輪上にして、いわゆるOKの仕草です。

さらに、 ネガティブな言葉を言ったときとポジティブな言葉を言ったとき、それぞれの場合で このオーリングを作った親指と人差し指をパートナーに切り離してもらうように指示します。

するとポジティブな言葉を言った後とネガティブな言葉を言った後では、パートナーの切り離すのに必要な力が数倍以上変わります。

さらに、肉体だけでなく、知性を示すIQも極端に変わることが実験で報告されています。

このように感情は私たちの体や頭と密接につながっているのです。

ですから、「合気道は愛」といって、ポジティブに感情を使って身体のパフォーマンスを上げることを指導するわけです。


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【フレームを知る】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、今回はNLPのリフレーミングを武道に応用することについてお話ししたいと思います。


フレーム

武道では、技の稽古として、同じ動作を繰り返して、技の練度を上げていくことをします。

要するに、技のパターンかを行い、無意識レベルでそのパターンを呼び出せる状況にするわけです。

日常のことを例にとると、例えば自転車というのがあるが、小さいころ自転車に乗れるようななるのにかなり練習をしたと思います。

しかし、自転車に乗るのに慣れてしまえば、考え事をしながら街を自転車で運転しているようになります。これがパターン化です。

このように動きの練度を上げ、パターン化してしまえばいつでも好きな時にその技術が使えるようになるのは誰でもわかっていることだと思います。

ところが、パターンとなったものには限界があります。

例えば、同じ二輪車でも、エンジンのついたバイクに乗る場合、自転車と違ったパターンが必要です。

いくら自転車に乗れるからと言って、初めてのエンジンのつたいバイクにのるのは誰でも難しいものです。

当たり前のことと思われるかもしれないが、パターン化されたものには限界があり、それをNLPではフレームと呼びます。

何度も本ブログで例に出しているルピンの壺がありますが、あれも一つのパターンに嵌ると、もう一つのものが見えなくなる例なのでよくよく覚えておいていただきたいと思います。

要するに人と壺を同時に認知できないというのがフレームだということです。


リフレーミング

武道では、様々な技術を何度も繰り返してパターン化しますが、そのパターン化されたものに問題があれば、それを修正することはよく行います。

しかし、そのパターン化されたものの自体は効率的に変更しても、フレームにフォーカスして修正するということはあまり行われないように思います。

それは、武道の技術を動作として見ていて、心理的な要素を考えないからです。

ところが、合気道では、「相手の土俵で戦わない」を旨として、かなり大きな部分で心理的要素を含んでいるので、フレームに対してかなり注意が必要です。

そのため、相手の攻撃パターンのフレームがどうなっているのかを考え、そのフレーム外のことを相手に仕掛けることで、「相手の土俵で戦わない」ことを実現できるのです。

その点をよくよく考えて、技の受け手が行う攻撃パターンを分析しておくことがとても大切です。

合気道には、「当て身のような人を痛めつけるような技は世界平和を目指す合気道にはふさわしくないので、稽古する必要が無い」と、正面打ちや横面打ち、正面突きのやり方すら一度も稽古したことのない人がよくいますが、その点についてよくよく考えておく必要があると僕は思います。

そういった稽古方法では、相手の攻撃パターンにフォーカスがないので、打撃系の武道をかじった人の攻撃は避けられないという現実にぶち当たるからです。

ですから、自分の技の中のフレームにそういったものがないと、リフレーミングして、攻撃パターンに対処できるようにする必要があるのです。


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【できる人は分かっていない】

皆さん、お元気ですか。僕はメチャクチャ元気です。

実はさっきまでオンラインのコーチングの講座を受けていたのです。

その中でNLPの話がでてきてました。今回はそのことで話を進めたいと思います。

NLPの研究は成功者の思考の研究

NLPでは、実は カリフォルニア大学の心理学部の生徒であり数学者だったリチャード・バンドラーと言語学の助教授だったジョン・グリンダーの二人が成功者3人の思考の研究から始まったというこということです。

ところが、成功者というのは実は何故自分が成功したのか実は分かっていないという話でした。

それを研究し、共通項を見つけることで、NLPが完成したということなんです。

ですから、NLPは達人の研究には持ってこいなんだと自分では納得してしまいました。

まさに井口師範の言動を思い起こすと、全く何をいっているのか、僕は当初まったくわかりませんでした。

そして井口師範も、何故自分ができるか分かっていないところがあり、突然「時間を止めよ」とか「気が来るのがわかるやろ」とかよくいわれましたが、どうしたら気が来るのが分かるのか、時間をどう止めるのかについては、「そう思えばそうなる」「気が分かればできる」というだけでした。


達人の技にも原理は必ずある

井口師範は、「すべて気や」とおっしゃられた上で「時間を止める」とか「気をキャッチして、気を導くだけだ」とかご指導いただいたのです。

気で「時間を止める」というと、ジョジョの奇妙な冒険のザ・ワールドという超能力を思い出した読者もいるでしょう。

「気でそんなことができるのか」と驚かれたと思いますが、物理的にそんなことできるハズはありません。

ただ、相手の時間がとまったように感じる。というか、相手の動きが一瞬止まるというもので、井口師範ほどの達人になると相手が動作が一瞬止まったのが本人も気づかないというものでした。

現在、僕がやると、相手の体が一瞬止まってはしまうのですが、止まったのを悟らせないというのは少し難しいです。

しかし、技術的には、心理学というかNLPの技法の応用のようなことを行うだけで、そのようになるのです。

ですから少し稽古すれば誰でも可能な技術であり、ちゃんと原理があるのです。

ところが、そういったことを簡単にやってしまう達人は、何故それができるかわからないのでだけで、ちゃんと原理があるということです。


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