「当会の技術について」カテゴリーアーカイブ

【一流はやっている周辺視野視】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、前回は気を感じるということでの周辺視野視をご紹介しました。

それぐらい知っていると前回の文を読んで、思った人もいるのではないでしょうか?

ところが、多くのスポーツでは、周辺視野視というのは自然に身に付けるものととらえているようで、才能による差がかなりあるようです。

しかし、合気道では周辺視野視を稽古で習得します。


サッカーでも周辺視野視は大切

 

 

たまたま、昨日、少年サッカーの指導者と話をしましたところ、目の見方の話がでました。

才能のある子どもは、子どものころに既に周辺視野で見ることに気づくそうです。

それに気づいた子供は、他の子どもよりサッカーがドンドンと上手くなっていくという話をしていました。

そこで、そういった見方を指導しようと、子どもたちに全体を見て一点に集中しないようとどれだけ丁寧に指導しても、できない子はいつまでもできないそうです。

これはサッカーだけじゃなく、スポーツ全般でもいえることじゃないでしょうか?

 


周辺視野視ができてプロ格闘家になれる

 

 

周辺視野視に関して、元プロ格闘家の会員と話しをしたところ、プロなら皆、周辺視野視でやっているということでした。

この会員によれば、相手の胸あたりを中心に相手全体を視野にいれ戦わないと、判断がつかないということです。

ところが、総合格闘技が上達する上で、そういった見方は個人が自然と身に付けるのが普通だということです。

そのため、合気道の心法のような秘伝というシステム的なものではなく、個人が気づいた周辺視野視の使い方になるということでした。

そこで、気づきの多い選手は、当会で指導する時間を止める秘伝を使った打撃技や掌で相手の気を受け誘導する技術のような技術を使ったりしているが、その選手以外は使えないのが現状のようです。

 


合気道と他のスポーツとの違い

 

このように他のスポーツや格闘技では周辺視野視は自分で身に付けるしかないようです。

一方、合気道の秘伝では、心法ということで、周辺視野視のことがかなり解明されていて、さらにそれを利用する方法があります。

ですから、秘伝を受ければ、時間を止める秘伝も掌で相手を誘導する秘伝も、さらには、離れた相手に気を当てるという遠当ての秘伝も、この周辺視野視の扱う範囲であるということがよくわかります。

また、周辺視野視の問題点とその解決方法なども秘伝にはあります。

こういった点において、僕のような才能のない人間には、井口師範から学んだ合気道の秘伝は本当にありがたいと感じております。

ただ、井口師範からはすべて「気」ということでご指導いただいたので、才能のない僕は習得にはかなりの年月を費やしました。

井口師範が示のテレパシー的な神秘的な部分に関しては未だに僕には全く理解のできない部分もあります。

合気道の技をすべて科学的にとらえることができるとは考えていませんが、僕が分かる部分は、殆ど科学的にとらえらえることができます。

そして、科学的にとらえる必要性は僕は強く感じています。

何故なら、科学的にとらえるというのは、客観的に説明でき、習得には差があったとしても誰にでも再現性があるということだからです。

 

 

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【目で見るな! 気を感じよ!】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

今回は使えるレベルに気を感じるという内容です。

「目で見たらあかん、気は感じるものや」と、師匠である井口師範に良く言われました。

どうしたら気が感じられるのかと、僕はいろいろな本を読んだり、実際に気功を習ったりとしました。

ところが、井口師範のいわれるように、武道に使えるレベルに気を感じることができませんでした。

 


目で気を感じるためには?

 

僕いつも考えていました。

『さまざまなパターンで素早く攻撃してくる相手の気を体で感じて、反応するにはどのように気を感じ、どう動くのだろうか?』

僕の頭の中にあったのは、いつしか井口師範が見せて下さった後ろからの見えない攻撃に対して行った合気投げでした。

非常に強烈なあのシーンが僕の脳裏から離れたことがありません。

それで、気を感じるのは超能力のようなものと考えていたのです。

ところが、そのように悩んでいたある日井口師範が、「目は見るものじゃない、気を感じるもの」と言われたのです。

僕にとってはこの言葉は晴天の霹靂でした。

僕の陥っていたのは、気というのは体で感じるものと勝手に思い込んでいたことです。

でも、いわゆるオーラ視とかではありませんでした。

師匠に「気とはどんな色ですか」と伺ったところ、「気には色や形はないが、目で感じるんや」とおっしゃいました。

師匠によれば、神経を気によって、まるで蜘蛛の巣のごとく、空間に張り巡らせると、気が相手に絡んで、相手の動きが手にとるように分かるのだそうです。

大切なポイントは気を相手にぶつけると相手は、こちらの動きを察知するのでぶつけてはいけないということです。

 

 


気を目で感じるとは?

 

 

僕は、師匠のいうとおり、目で気を感じるよう、日々さまさまなことを試すようになりました。

そして、あるとき、ぼんやりしていると、視界の右端で、窓の外から見える木の葉がそよ風で小さく揺れているが感じられたのです。

「気を感じるというのは、これだ!」と僕は思いました。

というのは、視線を窓の外に持ってくると、目の端で感じたほども木の葉が大きく揺れていないのですが、視線を木の葉から外して、目の端に持ってくると、やはり木の葉の揺れが大きく感じます。

このときは、僕は本気で気を感じた思っていました。

ところが、僕はド近眼で、目が悪いので、どうすれば目がよくなるかと、色々な目に関する本など読んでいました。

そんな中、視野の中には、中心視野と周辺視野があることを知りました。

中心視野は静止したものを細かく観察するために発達し、周辺視野は動くものを察知するのに発達したと書いてありました。

周辺視野は索敵、要するに敵をいち早く見つけるため非常に小さな微妙な動きでも検知できる機能が備わっているわけです。

草食動物は、草を食べながらも、周辺視野を活かして、遠くにいる敵をいち早く見つけます。

このように周辺視野を活かしきると相手の微妙な動きがわかるわけです。

要は目で気を感じるというのは、中心視野を捨てて周辺視野視ができるということだった訳です。

気を感じるというのは特殊能力じゃなく、自分の備わっている能力をより効率的に利用することだったのでした。

 

 

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【なぜ素人に技が効かない?】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道を長年やっているにも関わらず、技が素人の人にもかからないで悩んでいる人が割合いるのじゃないでしょうか?

その場合、大概は相手の土俵で戦おうとしているからです。

 


一教(腕押さえ)が上手くかからない

 

先日、高校生男子の会員の話です。

友達がふざけてボクシングのまねをしてパンチで軽く小突いてくるのが、うざかったので、パンチを捕らえ、その後、一教(腕押さえ)をかけようとして、相手に逃げられたそうです。

そこで、彼に同様のことをやってもらったいました。

すると、肘を押し上げることに必死になって力んでいるではありませんか。

非常に力が読みやすい体勢。これなら素人でも技はかかりません。

この時点で、相手の土俵に乗っているわけです。

 

 


自分の土俵で戦うために

 

 

相手の土俵で戦わないためには、相手にこちらの意図を読ませないことです。

その一番の天敵は、実は自分の目の使い方。これから何をするかを相手に目で伝えてしまっては意味がありません。

例えば、この高校生の場合、右パンチの手首のところを、皮膚の技術を使って右手で抑え、パンチを捕らえたところまでは良かったのです。

もしパンチを捕らえる意図が伝わっていると、パンチを捕らえることはできなかったはずです。

ところが、パンチを捕らえた後、一教をかけようと、肘を見ました。

しかも、目だけではなく、あからさまに顔も肘の方を向け、馬鹿正直に腕力で肘を捻じ伏せようとしています。

そこで、以下の内容を指導しました。

  1. 一々視線に合わせて顔を動かさない
  2. 相手の全身を見ることを意識する
  3. 肘を抑えるだけが一教でない
  4. 体全体を使って相手をコントロールする

読者の方は気づかれていると思いますが、1と2は同じことです。いわゆる周辺視野で見ることになれる必要があるということです。

3は、多くの合気道修行者がよくやることですが、一教は手首側の操作も大切です。

テコの原理を考えれば誰でもわかることですが、実は、人間は、肘を押されるより、手の末端を押される方が弱い。

ですから、手の末端側をコントロールして崩したおいてから肘をコントロールする方が技はかかりやすいわけです。

4の体全体ということで、運動エネルギーを利用します。

腕の曲げ伸ばしでするのは腕力、腕の曲げ伸ばしをする前に、体を動かさないといけません。

このように、相手の土俵で戦わないためには、様々な要素が必要で、慣れる必要があります。

 

 

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【ド素人相手の護身では当て身は必須】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道で当て身(打撃技)を技に組み込むことに対して、否定的な意見を時々耳にします。

僕は、師匠から古いタイプの合気道を学び、当て身は入れるべきと教わったので、当て身の稽古をよくしました。

当て身の基本的な考えとして、打撃で相手の虚を誘い、技を仕掛けるというものです。

どこかで、万全の体制の相手の虚を誘うという思いが僕にはあったのですが、先日、女性調査員の方の指導をしたときに、ド素人丸出しの隙だらけの相手には必須だと感じました。

 


ド素人とプロボクサー

 

プロボクサーの人が以前に話していたことで、素人のパンチは避けにくいという言葉があります。

これはどういうことかというと、パンチを躱す稽古をする際に、ケンカや格闘経験のないど素人にパンチを出してもらうと、タイミングがくるって非常に避けにくいということらしいです。

『えっ、プロがド素人に負ける?』というのは早計です。

隙だらけで、パンチが来るのがパンチを出すのに慣れている人よりも時間がかかる上、パンチに体重が乗っていたいためタイミングが計りにくいのです。

だから、相手がパンチを出す前に2発ぐらいは出せるほどタイミングが遅れるわけです。

 


対超ド素人タイプには当て身

 

格闘技経験のないド素人、特にいわゆる運動神経が鈍いという人に対して練習しにくいというのは、ボクシングのような打撃系格闘技だけでもないと思います。

合気道修行者の中にも、そういったド素人は非常に技がやりにくいという経験を持った人が多いのではないでしょうか?

今、月に2回指導している女性調査員の人もそういったいわゆる運動神経の鈍いというタイプです。

先日、行った指導で、杖(じょう)の使い方を教えてほしいといわれ、正直月2回では無理だという話をしました。

ところが、納得してもらえず、仕方なく実際に杖を持ってもらって納得してもらうしかないと思い、杖で好きに攻撃するようにいいました。

当然、まったくのド素人で、多分、バットもまともに振ったことがないのでしょう。

当たれば痛いが、相手に致命的な攻撃にはならないどころか、余計怒りを誘うだけの程度です。

また、攻撃が通常のタイミングよりかなりずれます。杖を振る事だけを考えているので、どこを目掛けているかも読めないような振り方です。

ただ、隙だらけなので、2打撃ほど杖で寸止めでの攻撃できます。その後、その人の杖が私を襲うのです。

こちらの攻撃が2つほど入ってから、相手の杖が私を襲うので、非常に受けにくく、頭だけガードして、相手の杖に当たるということを繰り返すと、相手は当たったと喜ぶのです。

勘違いも甚だしいので、以下の説明をしました。

  • 本当なら、2回思い切り叩かれていて、攻撃は出せない
  • あなたの攻撃は少し痛いが、護身につかえるほど相手に衝撃は与えていない
  • あなたの攻撃はタイミングが遅いので手を思い切り叩かれるとそれで終わりで、安全のためそれをしないだけ

 

最近は、もしかするとこのような鈍感なド素人タイプの人が、劣等感から社会に不満を持って刃物を携えて暴漢として現れることもあるかもしれません。

そんな暴漢に対しては、隙だらけな攻撃を待って技を施そうなどと思ったら、どこに相手の武器が来るかわかりません。

やはり当て身を入れて、制圧して、武器を取り上げるしか方法がありません。

合気道では、相手の攻撃を待って技をかけるので当て身は不要という人が多いと思いますが、もし護身として使うなら、当て身の稽古は必須と感じました。

 

 

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【自分軸と回転】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
先日は合気道では、自分の中心軸を意識することが非常に大切と述べましたが、あまりにも軸を意識しすぎると技が上手く行きません。

今日はそのヒントを書いていきたいと思います。

 


意識は独楽のように!

 

自分軸で、大切なのは、軸が鉛直であることを意識しておく必要があるということです。気の研究会の故・藤平光一師範は、丹田(下丹田)をかなり意識するように指導されえたと聞いています。

しかも、藤平師範のご指導される丹田は、漢方医学や中国拳法で示す丹田よりずっと下の方を丹田として指導されていました。

丹田というのは、元々は、漢方医学や気功などの基になった古来中国の思想から来たもので、不老不死の妙薬である金丹を作る田という意味ですので、藤平師範がご指導された丹田というのは、本来の意味からすると場所が間違っているということになります。

ところが、藤平師範は合気道界きっての達人の一人です。その達人が常にその部分を意識して、無敵だったのは、人体の正中線の下部を意識すると体が非常に安定するということの証でもあります。

余談ですが、体の安定感だけでなく、僕の師匠である井口師範に教わった如意棒の秘伝というものがあり、当会では正確な位置を意識する必要があります。

それと、二代目・吉祥丸道主がおっしゃっておられた、やはり独楽(こま)の意識を持っておくことも非常に大切です。

独楽は、常に軸を保ちながらも、他の独楽と衝突したりもしますが、それでも軸を保っています。

 


どう円を描くか? 

 

 

合気道では、円転の理といって、動きを円のように行う必要があります。

当然、それには円の中心があり、実はその円の中心をどこに置くかということが非常に大切です。

円の中心の置き方によって、技が上手くいったり、行かなかったりするからです。

理想的な円の中心は、相手からすると、体が吸い込まれていくような感覚が生じる位置となります。

この状況を作るには次の条件が必要です。
気持ちが前に出ている
相手と当たらない
綺麗に円を描ける

そういった位置に円の中心を取ると相手は勝手についてくるようになります。

なお、相手を動かそうとしないという意識が円転の理を実行するときには必要です。

といっても、実は円の中心は相手との接点にあるとは限らないので、修行者はその中心がどこにあるかを常に研究することが大切です。

 

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【体を入れ替える】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、合気道では、入り身や体の転換など、いろいろな足運びがありますが、今日はあまり使われていない合気道の足運びについて話したいと思います。

それが体の入れ替えです。


体の入れ替えとは?

 

ところで、体の入れ替えというと、合気道では体転換と勘違いをする人がいますが、それとは違います。

例えば右構え(右足が前になって半身になった構え)から、左か前に切り換えたいときなど、足を入れ替えるときなどがそうです。

「それなら足の入れ替えでいいじゃないか?」という疑問も生じるかもしれませんが、大事な点は、腰にあります。

要は右前から左が前になるとき、右腰が前である状態から左腰が前にある状態になるため、体全体の向きが変わるために体の入れ替えという表現になるのです。

ちなみに他の武道や格闘技では、構えを一瞬で切り換えることをスイッチといいます。

例えば、実際に相手と打ち合って相手がダウンを奪い合うフルコンタクト空手などの代表的なスイッチとしては、数ミリ上空に飛び上がって、落ちる何分の一秒かの瞬間に足を入れ替えるというものがあります。

一瞬の体の入れ替えは、相手の距離感を狂わせる効果があります。

要は、フットワークの一連の中に体の入れ替えを行って相手の虚を誘う動きをするわけです。

 


合気道での体の入れ替え

 

合気道ではどうかというと、近代の合気道ではあまり体の入れ替えということはしないそうです。

私が魔なんだ入れ替えとしては、3つあります。

  1. 足はそのままで、腰だけを入れ替える方法
  2. 後方に下がるようにして体を入れ替える方法
  3. 前方に入りながら体を入れ替える方法

合気道の場合、体の入れ替えは心法が目的で、相手を誘導したり、錯覚を与えることによって、相手を不利な状況に持っていきます。

1は、正面打ちに対する体の使い方として、相手の気が動いた瞬間に、一瞬入れ替え、後は静を保ち、相手の動作に合わせて動く、前々回に話した時間を止める技術などの心法を使うときに使用します。

2は、後方に下がるように見せかけて実は横に流れる動きで、以前、逃れのステップというところで紹介した動きです。

3は、相手の直線攻撃を捌いてから、相手の中に入るステップです。ステップの仕方は、2の真逆の足運びになります。

1から3のステップは、合気道独自の動き静から動のをスムーズに実現する動きで、やはりいろいろな心法が使えることを前提にした足さばきでもあります。

 

 

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【軸を意識する】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
合気道では、自分の中心軸を意識することが非常に大切です。

しかし、ただ軸を意識しているだけではだめです。

ただ立っているときは、体の正中心を通って軸が形成されていますが、合気道では、技をかける際に常に直立に立っている状態というのは、非常に不自由です。

そうした変化したとき軸をどう考えるかというのも大切です。

そこで今日は軸について考えていきましょう。

 


軸を安定させるとは?

 

合気道でも、柔道でも、投げ技の共通するポイントというと、相手の軸を崩すことじゃないでしょうか?

そこで、相手の軸を崩すというのはどういう現象かということをはっきりしておく必要があります。

合気道も柔道も、投げを行うには、相手の足元から、要するに足底をもとに体を揺さぶって、中心軸を斜めに倒す必要があります。

一方、常に自分の軸を常に鉛直方向に保っている相手だと投げを行うものは非常に困難になります。

そこで、合気道の場合は、引かれれば前に進みます。

また、片手で押されれば、相手の接点の近くを円の中心にしてまわり込み、両手で押されれば、片手の接点の近くを円の中心にして回り込みます。

この円の中心が非常に大切です。何故なら、後ろに下がると、自分の気がでなくなるからです。

気が出なくなると、相手に気圧されて技が出せなくなります。気で負けてしまうわけです。

 


軸を意識すると

軸を意識すると、ただ倒れ難くなるだけでなく、上方向からくる相手の力を自分の軸を使って地面に流すこともできるようになります。

これが上手くできると、上から乗っかるように抑えられていても、手を挙げていくことができます。

何故なら、相手が抑え込んだ時点が一番体重がのる状態で、安定して力の入る状態を作っていますが、少し支点がずれるだけで、バランスを無くし、ただ相手に支えられている状態になるからです。

ですから、最低限の力は必要です。相手の体重と同じぐらいの人形が倒れているとして、その人形を立てるぐらいの力、要するに、相手の体重の半分を支える筋力は必要ということです。

 

 

 

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【超能力開発より科学的思考の方が早道】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

合気道をしている人の中には、神通力や超能力を求める人がいると聞きます。

しかし、それによって、画期的な技を身に付けたという人はそんなに多くないようです。

僕も一時期は超能力獲得に躍起になったその一人です。

しかし、結果的には科学的思考を持つ方が技がより上達しました。

 

 


合気道と神通力

 

合気道の開祖・植芝盛平翁先生は神通力、いわゆる超能力の持ち主だったと言われています。

井口師範にもそういった不思議な面がありました。

あるとき、「気とは何でしょうか?」という質問に、後ろから木剣で打ってくるようにといわれ、木剣を頭目掛けて打ち下ろすと、見なくてもその動作に合わせてスーッと木剣を避けられました。

そのタイミングが絶妙なので、僕はバランスを崩し、吹っ飛んでしまいました。

僕の気が井口師範に合気されたわけです。いわゆる合気投げです。

 


技の獲得は科学的思考の方が早い

 

 

僕もそういった神通力が欲しいと思いました。

そこで、合気道の稽古の際する禊ぎの行である天の鳥船の行をひたすら何年も稽古しました。

ある日、振り魂をしていると、地面から頭まで貫く軸が感じられるようになり、その軸は天まで届くような意識になったことがあります。

その時、地面から気の玉が軸に沿って上がってきて、下丹田に収まり、上空からは、気の玉が軸に沿って下りてきて、中丹田に収まり、さらにもう一つ折りてきて、上丹田に収まった感覚を感じました。

その時の感覚は下図のような感じです。

気と言っても、下丹田に収まった気はまだエネルギー感が若干はありましたが、上空からの気はエネルギーというようなものではなく、感じるか感じないかというレベルで、「ふんわり」とした空気のようなものでした。

ですから、禅で言ういわゆる魔境のようなものだったかもしれません。

それ以降は、正坐した状態で手を上から抑えられると、その軸を通じて地面に相手の力を流すと、手が勝手に挙がるようにになりましたが、それだけで、これと言った奇跡も神通力も体験することがありませんでした。

この手を挙げる動作というのは、全然超能力でも何でもありません。

適切な指導者のもと、軸を意識し、地面に相手の力を逃がすという感覚の感じ方を教われば誰でもできるものです。

ですから、何年もかけてやる価値があるものでもありませんし、ましてや神秘でも何でもありません。

結局、翁先生にしても、井口師範にしても、戦地での戦争体験が非常に大きと思います。

だから、平和の時代での武道に使える超能力を開発は難しいのではないでしょうか。

そのために浪費する時間より、技のもっとも科学的な見地から稽古方法を探す方がよっぽどよかったのではないかと今は考えています。

 

 

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【時間を止めて正面打ちを受ける】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。
時間を止めるという技術は如何でしたか?

何となくわかったような、分からないような?

というのは、「実際に技に組み込む場合どう組み込むのか分からない」という点でしょう。
今回は相半身で正面打ちを受ける場合について話そうと思います。

というのは相半身で正面打ちを受ける際に、後ろにある脚を前に踏み出すため、体の角度を変える必要がありますが、そのタイミングが大切で、闇雲にこの動作を行うと相手を導くことができないからです。

 


間合いは常に意識が必要

 

合気道では手刀を相手の眉間を目掛けて打ち込む当て身(打撃技)を正面打ちといいます。

ちなみに、師匠によれば、手刀は合気道では「てがたな」と読み、「しゅとう」と読むのは空手だそうです。

間合いというのは相手との距離の事を言います。

Youtubで、合気道の正面打ちの技を見ると、礼から始まった技で、間合いを意識しながら技を行っている道場と、間合いを殆ど意識せず技を行う道場とあるようですが、護身術として使うことを前提にするなら、常に相手との間合いを意識して技の稽古をする必要があります。

形稽古は、礼の前からその形の稽古が始まっていると考え、礼をする前から相手の動作を観察しておく必要があります。

次に、相手と相対するときは、相手と間合いは畳1枚を挟んだ分、要するに約2メートル取るように指導されました。

この距離は相手が例え刃物を隠していてもすぐには刺せない距離で、相手の動きにすぐに対応できる距離です。

 


体が変えるタイミングは案外早い

 

説明の都合上、左半身で相対している場合を想定します。

相手と畳一枚分を隔てて相半身で相手と相対すると、相手がモーションを起こすと同時に、右胸を前に突き出すようにして前にある左足に体重が乗るようにしつつ、右腰骨を左腰骨より前進するようにします。

このタイミングでもう既に体を変えているわけです。

それ以降は、相手に対する体の角度を変えません。

体の角度が決まっていると、もう右足の出る方向が決まっているように感じる人がいるかもしれません。

しかし、この段階で大切なのは、後ろにある右足を右斜めにも、左斜めにも出せるようなバランスを取ることです。

そして、相手が正面打ちをしてくる際、相手の手刀を迎えに行くように手を出します。

この際、肘の伸展を出来る限り使わないのがポイントです。

こうした念の入った下準備をしているからこそ、攻め込んだ相手は、突然手が頭上に現れたように感じてしまいます。

この動作にもまだ何点かの注意点は存在しますが、小さい点まで述べると余計複雑になるので、ここでは述べません。

 

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【時を止める動きを作る】

皆さん、お元気ですか? 僕はメチャクチャ元気です。

さて、「合気と気合」の話から始まった記事だが、「時間を止める」記事でようやく、話の筋が一つにまとまってきました。

今回は、静から動へ移るときの「気合」の大切さを話したいと思います。

 


師匠の教え

 

 

師匠である井口師範は、以下のことをおっしゃいました。

「曰く、話は簡単! 時間を止めるには静が大切。時間を止めるのは、相手と相対(あいたい)した静の時から始まっとるんや。これが相手への合わせや。それから、時間を止め、気合一閃、動で相手に入り身するだけ。でもな、そのときの心と体は静のままや」

合気道における入り身というのは、相手の最も不利な位置に一気に体捌きすることを意味します。

師匠のこの言葉を、ステップごとに表すと以下のようになります。

  1. 情報遮断の技術で相手にこちらの動きを読めなくする
  2. 相手の動き、リズムに心を合わせ、相手を観察する
  3. 相手の間合いが制すべき一点の位置になるのを待つ
  4. そのタイミングがきたら、心と体の静を保ったまま、日ごろの稽古で気合を使って条件付けされた身体の条件反射を使って入り身で移動

静とは、ただと待っているだけではなく、今まさに動ける状態を作って、動くべき時期を待つ状態だったのです。

二代目吉祥丸道主が合気道は、止まった独楽(こま)という例えをされたことがありますが、まさにこの静の状態がそういうことを言っているのだと思います。

その状態は、心を研ぎ澄ませ、体全体に気を張り詰め、いつ相手が制するべき間合いに達するかを観察し、心と体の静を保って、そのタイミングで、入り身一足で移動する準備ができた状態です。

 


気合の科学

 

 

大切なポイントですが、入り身をするときは、スーッと移動しないといけません。

タメを作って移動しようとした時点で、そのタメをつくる動作が相手の周辺視野のスイッチを入れ、相手の心にリセットがかかります。

ですから、中心視野優位状態の内に、瞬間に入り身という動作を起こす必要があります。

そのために日ごろから、動作を起こす瞬間に気合を入れて稽古する必要があります。

しかも、単に気合をいれるだけではいけません。

そのタイミングが命です。

気合の発声は「イエイッ」や「エイッ」でよいので、最後の「イッ」と言ったタイミングで入り身が起こるように発声する必要があります。

それにより身体に条件反射を形成しておくのです。

そうすれば、発声がなくても頭の中で気合を発するだけで体が動くようになります。

気合の入れ方にすら正しいやり方があったということです。

合気道修行者は、少し気合に関して考え直してみてはどうでしょうか?

 

 

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